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2024年07月21日

オリエント急行の殺人






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オリエント急行の殺人


このブログは
アガサクリスティーが好きすぎて
無人島になにを持って行きたいかと聞かれたら
「アガサクリスティーの本」と答えるくらいの熱量があります
この本のこの作品のココが好き
または
この本のこういう所が見所!
というのを紹介していくブログです
自分の独断と偏見で★を付けていますが完全好みの問題なので、皆様とは違う価値観かもしれません。
ご容赦願います


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オリエント急行の殺人


アガサが好きなら絶対読んでる度 ★★★
トリックが前代未聞度      ★★★
超有名作品度          ★★★
無人島に持っていきたい度    ★☆☆ 

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これは超有名な作品です

アガサクリスティーと言えば、これでしょう!
と言われる作品のうちの一つと言っていいでしょう。

アガサクリスティーか
オリエント急行

ミステリー好きなら
どちらかはきっと聞いたことがあるはずだと思います


アガサの作り出した大人気の探偵のポアロのが出てくるこの作品は
なんといっても奇想天外な犯人が有名です。

何度も映画化やドラマ化されてきました。
ご覧になった方も多いのではないでしょうか?

もちろん、奇想天外の犯人というのもあるでしょうが、それ以外にも
華やかな豪華列車が舞台であること、
登場人物が多い事、
そして列車を使った本格的密室ミステリーであるとういう
おいしそうな状況がそろっているから映像化のオファーが途切れないのだと推測します。

オリエント急行という題名の響きがまたいいではないですか!
いかにも異国情緒あふれる豪華な寝台列車というだけでも憧れでしょう。

映像化するにあたっては、
有名な俳優たちを沢山どっさり配役に使える利点がありますし!
(理由はお分かりですね、主要人物がたくさん出てくるのです)

ただ、設定の大雪と豪華列車が頭を悩ますところです。
そりゃ”タイタニック”という映画ほどには、製作費は掛からないかもしれませんが(あれは豪華客船を海に沈めちゃいますから)
列車をとにかく豪華にしないと映像がしょぼくなってしまうことは確かですし大雪も大事。
この作品の魅力の一つは状況の特殊さであり、そこが最大の舞台効果でもあるのですから、ここをケチると、映像作品にした時にしょぼくなってしまいます。

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感想(0件)




それはさておき、
この作品は、ミステリーだとしても、ある意味フィクションではないところもあります。
というのは、アガサが生きていた当時に実際に起こった誘拐事件にアガサ自身が心を動かされて書いたと言われているからです。
実話.png

復讐、敵討ちといった気持ちがあったのではないかと思われるのです。
そういったアガサの正義感をふまえて読むとまた違ったイメージになるかもしれません。

ただ、客観的にみた推理ミステリー単体としては、名探偵ポアロが初めて”迷”探偵になる作品でもあり、反則技も出てきます。
純粋に推理物としてはちょっとどうかな、とは個人的に思います。
しかしミステリーとして、すばらしい小説です。

今後どの小説家がこのジャンルに挑戦しても、二番煎じと言われることになるトリックなのです。
もし、まだ読まれていない方がいらっしゃったら、これから驚きが待ってるんだと思うとてもうらやましいと思います!

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うぐいす荘(ナイチンゲール荘) 感想




うぐいす荘(ナイチンゲール荘)


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うぐいす荘(ナイチンゲール荘)


これはアガサクリスティーの短編集の中の一つの作品名です
とても素晴らしいので紹介します


女性の心理が分かる度   ★★★
ゾクゾクする度      ★★★
無人島に持っていきたい度 ★★★
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アガサクリスティーの短編集は戯曲の原案も含めて18編もあります。
(出版社によって増減アリ、重複する話もアリ)

アガサが描いた短編の中にはポアロ、マープルなど有名な探偵の出てくるものと
それ以外の名もない登場人物のものもいくつかあります

有名な探偵が出ずとも作品の一つ一つはどれも面白くすばらしいのです。(好みでないものもありますが)
アガサクリスティーが好きで読み込んできている自分が、何度も読んで、ポアロもマープルも出なくても
ネタバレもしているけど『やっぱりアガサは天才だ』とにやにやしながら読んでしまうのです。

そんな、有名な探偵が出てこない作品の1つに『うぐいす荘』があります
これは新潮社のクリスティー短編集Tの巻頭を飾る一編です。
早川文庫では『ナイチンゲール荘』という別名でも収録されています。
私はこのお話も大好きです
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ネタバレなしの紹介

今の時代にそぐわない言い方をすると、アクリスという結婚適齢期を過ぎた女性が主人公なのです。
長い間付き合った結婚直前の男性と別れた直後に、別のステキな男性と出会い結婚してからの話です。
長いお付き合いの後に破局した適齢期の女性の切なさは置いといて、すぐに素敵な彼が現われて結婚までしてしまうなんて、読んでいる私は”良かったね!”とアクリスを誉めてあげたくなります。真面目に長い間頑張って働いてきたアクリスに同情している所もあります。

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ところが
幸せな結婚生活を送っているのに、ある日突然、元カレから電話があってから胸騒ぎが止まらなくなるのです。

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そう書くと『え?恋愛もの?三角関係?どこがミステリー?』と言われそうですが立派にミステリーになっているのです。

そこはアガサですから!

ある理由があって彼女は命の危機に見舞われるのですが、頭をフル回転させてたった一人で主人公は危機に立ち向かうのです。
恐怖と、心情の動きがスリル満点に書かれています。
最後のセリフがまた最高の一言です!

くりかえしますがポアロもマープルもいないけど、アガサクリスティーってこういう話も書くんだ?!と驚いていただきたい短編です。

『うぐいす荘』と『ナイチンゲール荘』は題名が違いますが内容はほぼ同じです。
しかし最後のセリフのニュアンスが全然違うのです。
これは完全に訳の仕方の個人の好みの問題ですが私はうぐいす荘の方が好きです。

ちなみに『うぐいす荘』は井上宗次さん、石田英二さん訳、『ナイチンゲール荘』は田村隆一さん訳です。

どちらを読んでいただいても
短編でサクッと読めますし、
両方読んでいただいて
その微妙な違いに、ぜひ驚いていただきたいと思います





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posted by agata5 at 15:05| Comment(0) | TrackBack(0) | 短編集

2024年07月20日

ポケットにライ麦を 感想






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ポケットにライ麦を

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読んでソンはない度   ★★★
トリックがすごい度   ★★☆
ワイドショー度     ★★★
マープルの魅力爆発度  ★★★
無人島に持っていきたい度★★☆

ミス・マープルが出てくる話です
”ポケットにライ麦を”なんて、かわいい題がついていますが、これは童謡の歌詞の一説です。アガサの作品でマザーグースの歌になぞらえた殺人事件の話『そして誰もいなくなった』がありますが、これも、童謡になぞらえた殺人になります。

牧歌的な歌詞と陰惨な殺人のミスマッチはアガサの得意な分野ですね。
探偵小説というよりミステリーというより最初はワイドショーを見てるような感じがします。

ネタバレぎりぎりで言うと

4ページ目で早速死体が出ます!早いです、展開が早いです。

金髪の美人秘書、お金持ちの家、会社の社長、お金目当ての後妻、後継者争い、という2時間サスペンスに出てくるようなラインナップ!面白くないわけがありません!
マープルの話といいつつ、マープルが出てくるのは中盤を過ぎてからです。
満を持しての登場となりますが、その登場の仕方もまたカッコいいのです。

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ネタバレなしの紹介

ミスマープルの数ある作品の中でも今回は犯人に対してマープルの最大級の怒りが爆発します!
あらすじとしては
大企業の社長がお茶を飲んだとたん死んでしまうところからはじまります。
ポケットには何故かライ麦が入っているのが最初の違和感でもあり、この作品の題名の元になっています。
若い不倫中の後妻はいるし、息子は罵倒されたばかりだし、怪しいのは家族か身内かに思えるのですが警察が調べているうちに第2、第3の殺人がおきてしまうのです。

詳しくは言えないですが、その関係者にマープルの知り合いがいて、事件に自ら乗り出してくることになります。
それは物語の中盤過ぎてからですが、それでもマープルの魅力たっぷりの作品です。
マープルが出てくるまで時間はかかりますが、それまで事件の起こるフォステキュー家に住む人物紹介や使用人の紹介などが興味深く書かれていますし、事件のヒントももちろん書かれています。
マープルおばさんの人生経験、それは現代のAI技術をもってしてもなかなか測れないもので、そう、まさにマープルのおしゃべりのテンポ、抑揚によって人間の本質を見抜くことは、その辺にいる刑事でも、警部でもできません。そういった意味でもマープルの事件はおもしろく読めます。

そして、犯人のどうしようもない腐った根性(エライ言われよう)、しかしそんな犯人も人間であり愛というものを知っているのだなあと感じさせるのは私がマープルを好きだからでしょう。現代とはちがって科学的な証拠もそろいにくい時代のミステリーですが、看護師として働いてきたアガサだから書ける特別な作品だと思います。

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5匹の子豚 (ポアロ最高傑作作品)






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この本のこの作品のココが好き
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五匹の子豚

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ポアロの推理が冴えてる度 ★★★
アガサの情熱を感じる度   ★★★
最高傑作度        ★★★
無人島に持っていきたい度 ★★★ 

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私の独断と偏見ですが
ポアロの登場する小説が沢山ある中で、どれが一番好きかと聞かれたら『5匹の子豚』と答えます。
私はそれぐらい大好きな作品です
題名こそかわいいですが、内容はがっつり大人向けでございます。

この作品には
近代化に向かう女性の強さ、若さ、芸術家へのリスペクト、ゴシップ、スキャンダル、母の愛、強い愛、など沢山のことが詰っています!
謎解きもすばらしいのですが、なんといっても登場人物の魅力的な事と言ったら、アガサクリスティーの最高傑作と言ってもいいと思います。

多分、アガサクリスティーはノリにノってこの作品を書いています!(個人の感想です)

この作品は自分は何回も読んでいるけれど、映像化した時どんな俳優さんがいいかなあ、なんて思いをめぐらせて読んだりしてるのも楽しかったりします。
演じる俳優さん達もきっと楽しいだろうと思う作品じゃないかと思います。

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ネタバレなしの紹介

16年前に有名な画家だった父を殺した容疑で捕まった母の事を知らずに育った娘からの依頼を受けてポアロが過去の真実をあぶり出す作品です。

母は最後まで無実を訴え、夫は自殺だったとかたくなに言い続け獄中で亡くなってしまうのですが、当時は状況的に母が犯人以外にあり得ないのです。

この夫というのが全くひどい男で、絵を描くことに夢中になると奥さんや子どものことなど全然目に入らず、浮気しまくる自分勝手なヤツなのです。
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何回目かの浮気の果てに、若い愛人を絵のモデルとして家族と避暑地に連れてきて住まわせるような身勝手な行動の夫に、とうとうガマンの限界を迎えた妻が殺したと思われても仕方がないのです。しかも、この愛人は今までの愛人とは違いとても若くて情熱的で妻は今まで感じたことのない敗北感を感じていた時期でもあったのです。

母の犯行が確実かと思われるのですが
しかし最後まで無実を訴える母の気高い姿に、知れば知るほど”本当はどうだったんだろうか”と疑問が沸いても来ます。誰かをかばっているのか?それとも自殺なのか?
全ては、過去に遡ることでしか見えてきません。

芸術家の父、若き美しき愛人、そして妻、この3人の三角関係だけでも濃い話が出来そうなんですが、ここに加わるのは当時避暑地に一緒にいた母の妹、娘、夫の兄、親友で、ポアロは当時の愛人を含め5人から順番に話を聞きに行き五匹の子豚になぞらえて、解決していくのです。

当時の関係者を一人一人訪ね歩いて話を聞き、彼ら、彼女から遙か昔の記憶を鮮やかによみがえらせていくところも見事です。


人が過去を思い出すとき、都合のいい事、悪い事も一緒に思い出しますが、ポアロはそれを何一つ聞き逃さないのです。
矛盾を見つけ出し辻褄を合わすことの組み立てはすばらしいです。

読者は読んでいて、過去と現在が入り交じり、こんがらがりそうになるのですが、ポアロの推理により最後に鮮やかに過去のタイムテーブルが合う時、過去の矛盾に読者の自分もやっと気がつき、当時に実際に起こったことが鮮やかによみがえります。

そこが素晴らしいのです!

魅力的な人物ばかり登場するといったらそれまでですが、この作品はそれぞれが昔の同じ事柄、人物を思い描き同じ時間を思い返すことで、その人なりの想い、感情の書き分けが際立って素晴らしい事が分かります。

本当に大好きな作品なので、この作品に関して、つい紹介にも特別に力がこもることをお許し願いたいし、是非この作品を読んでいただいて、アガサの魅力に更にハマっていただきたいと思います。

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象は忘れない 感想






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象は忘れない

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アガサファンなら読んでおきたい度    ★★★
ポアロファンなら読んでおきたい度    ★★★
大逆転度                ★★☆
ちょっとしみじみする度         ★★★
無人島に持ってきたい度         ★★☆ 

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実は私が一番最後に紹介したかった作品です

なぜならアガサが書いたポアロものの本当に最後の作品だからです

チョット詳しい方ならポアロの最後の作品と言ったら『カーテン』じゃないのって言われるかも知れません

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アガサクリスティーが、ポアロの最後の事件として書いたのは『カーテン』で間違いないのですが、実際には、『象は忘れない』はその『カーテン』の後に書かれています。
詳しくはいつか「カーテン」を紹介したときにしたいと思いますが、『カーテン』より後に書かれたと知るとまた味わい深く読むことが出来ると思います。

なので、作中に昔に解いてきた、過去に遡って解決する『5匹の子豚』とか『ひらいたトランプ』とか他にもそんな名作が出てきて、読みながらああ、本当にコレはアガサのポアロの最後の作品なのかとしみじみ思います
(今回紹介に至ったのは、世界情勢でのいろいろや災害いろんなことが起こるので、明日を後悔しないように、紹介したい作品を早めにしておこうと思った次第です!おおげさですけどね!)

過去の事件を掘り起こして真相にたどり着くポアロお得意の回顧推理ストーリーです
過去の事件自体は悲惨で悲しいのですが作品の構成はとても粋な作品です

ポアロの友人小説家のオリヴァが受けた依頼が発端で、過去の事件の真相を暴いていきますがオリヴァ自身もあちこち話を聞きに行く活躍ぶりです

その報告をもとにポアロは順序立て、真相を組み立てていきます

ポアロの友人で小説家のオリヴァは、売れっ子小説家でまるでアガサの分身のようです
有名人としてパーティーに呼ばれて行くことの滑稽さや“ファンです”と言われることの苦痛なども書いていて、アガサもそんな気の進まないパーティーに出ていたのかもと思ったりして面白いです

『象は忘れない』という題名から分かるように頻繁に”象”という言葉が出てきますが実際に本物の象は出てきません

”象は忘れない”の題名には”象は決して過去の事を忘れない”親切にしてくれた人の顔も、危害を加えた人の事も全て覚えている、その象の特性を比喩に使っています(アガサ自身も気に入っていたのでしょう)
関係者の過去や思い出を『象』と名付けて“象をさがしに言ってくるわ”とオリヴァに言わせながらユーモアたっぷりに捜査に出かけていくのでこの題名が付いているのだと思います

なので頻繁に”象”という言葉が出てきますが実際に本物の象は出てきませんよ!象が苦手な方は安心してくださいね(そんな人いるんでしょうか?)

トリックとしては、難しくはないです。
ミステリー好きならすぐに思い付くネタかもと思わないでもないですし、トリックというよりは人間関係、動機は何かという謎解きになると思います。ちょっと感傷的な作品です

なので自分としては無人島まではもって行くにはちょっと湿っぽいなという感じです
いつも強気なポアロが自分はすでに過去の探偵なんだと自覚しているようなシーンもあって切ないです
自分の灰色の脳細胞に絶対的な自信のある傲慢気味なポアロがそんなに弱気になるなんて今まであり得なかった事です
対比として未来に生きる若い人間のたくましさを書いています。
そんなところもアガサ的に最後のポアロ作品『カーテン』の後の作品らしいと言えばらしいです。

作品の中に重要なアイテムの住所録が出て来るのですが、その年代別の住所録の年代のままに作品も書かれているのを知った時、直接事件のトリックとは関係ないですがアガサが生きていた時代をリアルに感じることが出来て興味深いと思います。

一番素敵だなと思う台詞が、最後に出てきます。
最後のオリヴァの台詞を読み終えたとき、アガサはこの一言が最後にいいたかったのかなとハッとします

作品のあらすじ

小説家のオリヴァはあるパーティーの最中、一人の女性に頼み事をされます

以前オリヴァが名付け親になった女性がうちの息子と結婚する予定だが、その女性の親が過去に謎の心中事件を起こしている。男親の方が母親を殺してから自殺したのか、または逆なのかまたは第3者の殺しの可能性があるのか、それによっては息子の結婚に賛成しかねる、そんな内容です。
オリヴァにとったら、過去何人もの名付け親になってるうち一人のことだし、いきなりそんなこと言われたって“いい迷惑”。しかしまるっきり無視も出来ないので、そのパーティーの帰りに、早速ポアロの家に強引に押しかけ(事前に電話するだけマシ)“こんなこと頼まれたのよ!過去の事件を調べるのあなた得意でしょう!”てな具合でまくし立て、ポアロに協力させるのです。遠慮なんてオリヴァに存在しません!
ポアロは、その時にはすでに全くの引退状態で、引き受けるギリなんてありませんが、悪友のオリヴァはポアロを上手に使うすべを知っています。(オリヴァは上手ですね)
そんなわけで引き受けたポアロとオリヴァは事件の真相に迫っていくのです

オリヴァに依頼してきた女性にも、秘密があり、ただ息子を心配するだけじゃない”何か”もあぶり出します
依頼主はそこまで暴かれたくなかったでしょうが、ポアロはお構いなしです。
過去の事件なので関係者からの聞き取り、噂話の収集から始まります。思い出話も聞く人によって違う感想を持ち、事件の見方が違うことや、同じ家族の印象も違うので、何が本当か分からなくなってきます。
それでも、地道に過去の思い出を聞き取りに旅に出るオリヴァとポアロがいて、些細なこと、例えば飼っている犬のことやかつらのことなど関係無いことに思える全てが一つに線に繋がる瞬間がたまらない作品です。

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2024年07月19日

エッジウェア卿の死 感想

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エッジウェア卿の死 感想






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エッジウェア卿の死
舞台.png

ポアロがだまされる度    ★★★
犯人に同情できない度    ★★★
女優の華やかさ度      ★★★
無人島に持ってきたい度   ☆☆☆



ネタばれなしの紹介

この作品は読み始めからドラマティックです
華やかなショービジネスが舞台、美男美女が出てきますし何しろポアロの友人のヘイスティングズが最初に”ある非常に魅力的な一女性の心からの願いを実現することにもなる”などと思わせぶりに読み手を誘うからです

この頃のショービジネスの風景も今と変わりがないようで、結婚離婚の繰り返しで世間を賑やかすのは定番
そこにはお金とスキャンダルがてんこ盛りです
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そんな中、よりによってポアロに離婚問題の解決を依頼する美人女優が出てくるのです
それがエッジウェア卿の奥様、ジェーン・ウィルキンスンなのです

エッジウェア卿は大金持ち、しかし性格に難ありで有名なひとなのですが前の夫人ともすったもんだでなかなか離婚に応じなかった過去があります

それが分かっていながら、その問題のエッジウェア卿と結婚するなんて女優っておかしな生き物ですねっ?と凡人の私などは思うのですが、大金持ちというのは変人を魅力的に魅せるものですから何回も問題おこしつつ結婚しちゃうわけです(だろうと思われます)

なので簡単にはいかない離婚に応じるように説得して欲しいと名探偵ポアロにお願いするのも分からないではないのですが、そもそもポアロがやることがない案件です

自ら面白いと思う事件しか引き受けないポアロも強引な女優に無理やりその離婚問題を引き受けさせられますがどちらかというと、ヘイスティングズがその女優のファンだったから、と言うのが理由ではないかと思います
ヘイスティングズは女性に弱いんだなと毎回思いますが、今回もその傾向は顕著です

とにかくその離婚問題が事件の発端になりますが離婚問題はあっけなく解決します
さすがポアロ!と言いたくなりますが別にポアロの手柄ではありません
ポアロが離婚問題に着手する前にエッジウェア卿はすでに離婚に応じていたというのです
そこもこの作品を惑わせるひとつの要因です

ウソをついているのは夫か夫人かどっちなのか?どちらもだまされているのか?
題名通りポアロが会ったその後にエッジウェア卿が殺されて亡くなるので、いうなればポアロは無理やり事件に巻き込まさせられたと言っていいと思います

離婚したい理由が、他の男と結婚したいからと言ってのけていた夫人の女優ジェーンは限りなく怪しい!
しかし、完璧なアリバイがあるのです
犯人は今の夫人と結婚したい新しい男なのか、前の夫人との間に出来た娘なのか、それとも他に恨みを持つ人間がいるのか?
一体エッジウェア卿を殺したのは誰なのか?
事件は解決出来るのか?そんな作品です

アガサの作品にはいくつか女優が出てくる作品があります
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女優ってこういう生き物でしょって言わんばかりのアガサの表現の面白さがそこにあります
例えば『鏡は横にひび割れて』なども女優が登場しますが(この作品はエリザベステイラーが演じられていた事もあります)こちらの女優はまたちがう表現をされてます

沢山の女優さんの表現がある中で自分がどんなに魅力的か分かっている女優のエゴイストの表現は上手いなと思います

そして同時に芸術として賞賛される女優も出てきたりします
リスペクトもされているのでしょう

今作ではカーロッタ・アダムズという女優の存在が面白いです
とても面白いなと思います
それだけでも読む価値はあるかもしれません

それをふまえた上で、
この『エッジウェア卿の死』重要人物の女優が大げさと思いますし(そこが面白いと言えば面白いけれども)そこは置いといても、今作のポアロの推理はちょっと冴えが良くない気がするんです

ヘイスティングズの気に入った女性への盲目度は特に今回半端ないですし、イライラするほどです。ヘイスティングズのいい所でもあるんですけどね(アガサはわざとでしょうが)

そんなわけでこの作品が好きですか?と聞かれれば 私はポアロのキレが弱い気がしてあんまり好きではありませんと答えます。
でもこの作品を面白いか、と言われれば、面白いと答えるでしょう

矛盾するかも知れませんが、そんなわけで無人島までは持っていかない本ではあるんですけど単純に見えて複雑な事件にしている、あり得ない設定のそんな作品とだけ言っておきます

ポアロのクリスマス 感想


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ポアロのクリスマス


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クリスマスアドベントカレンダーのような作品   ★★★
アガサのクリスマスは陰と陽度          ★★★
内容は血に飢えたクリスマス度          ★★★ 
クズ男がモテるのは何故なんだ度         ★★★
無人島にもっていきたい度            ★★☆

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ネタバレなしの紹介

人気作家であるアガサクリスティーの作品は出版社が『クリスマスにはアガサを』とキャッチフレーズにしてキャンペーンをしていたのは有名な話ですね。売るための出版社なりの作戦だったのでしょうが、それだけ楽しみにしていた読者のファンがいたということでしょう。そのための新作を出し続けるアガサも相当凄いと思います。

今回紹介するのは、そのキャンペーにのっとって書いたズバリ『ポアロのクリスマス』という作品です。
クリスマスと言えば、ケーキにツリーにリース、ご馳走の数々など明るいお祭りのように思う人も多いかもしれません。
実際、アガサもイギリスらしいクリスマス、プティング等のご馳走が大好きで『クリスマスプティングの冒険』では思う存分ご馳走を登場させて明るいクリスマスの作品を書いています。
しかし今回の『ポアロのクリスマス』は全く違います。

『クリスマスプティングの冒険』が陽だとすると『ポアロのクリスマス』は陰といったところでしょう。
何しろ、読者の一人に『もっと血まみれの殺人を書いて欲しい』と言われて奮起して書いているのですから、始末が悪い!
(とても誉めています)
くらいクリスマス.png

実際には12月22日から28日までの7日間の話になりますが、犯罪が起こる前の22日はこんなことがあった、23日は、というようにアドベントカレンダーをなぞるように始まります。作品事件が起こるのはクリスマスイブの24日、犯人が分かるのが27日、エンディングが28日、つまりポアロの灰色の脳細胞に掛かればクリスマスイブに事件が起ころうとも年内に解決してしまうのです。

殺されるのはお金持ちの老人、若い頃から散々女を(男も)泣かせてきた良心の欠片もない老人になったシメオン・リーという男です。

でもなぜ、こんなクズのような男が女に好かれるのでしょうか、私にとっては全く不思議でしかないのです。顔がイイとだけは描いてありますけど、中味はクズです。(何回言うのだろう)そしてクズがお金を持つとさらにタチが悪いし女好き、、、、となればまあ、殺されても仕方ないか!と思える人物に書かれています。

だからこそ血まみれになって殺害された時、マクベスの台詞『あの年寄りが、あんなにたくさんの血をもっていると誰が考えただろう』を登場人物に言わせて人間の愚かさを全面に出しているのかもしれません。

ネタバレちょっとあり

イギリスのクリスマスは、日本で言うところの『お盆』や『お正月』の行事と同じような感覚ではないでしょうか。

疎遠になってる家族、親戚等がクリスマスだから、と言って集まる口実がそこにあります。
当然、犯人は集まった親戚家族の中にいるわけですが、そんなクリスマスだからこその事件と言って良いでしょう。どうしてこんな話を思い付くのか、いつもながらびっくりします。私は最後まで犯人を見抜けませんでした!

なにしろアガサはびっくりする仕掛けを考えているし、タネを全部見せているようで、見せてない上手い書き方をしています。恋愛もからめて結局はハッピーエンドにするところもクリスマスのお慈悲と言ったところでしょうか。

ここでのクリスマスはイギリスの良きクリスマスではありません。『クリスマスプティングの冒険』ではクリスマスの良さを沢山書いているのに、ここではクリスマスを否定するかのような扱いです。

アガサに何があったのでしょう、と思わずにいられません。そんなアガサの気持ちも想像しながら読んでみるのも良いかもしれません。

無人島にもって行くにはちょっと好みじゃないので満点の★ではありませんが、だまされることは必須の良い作品です。

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葬儀を終えて  感想

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このブログは
アガサクリスティーが好きすぎて
無人島になにを持って行きたいかと聞かれたら
「アガサクリスティーの本」と答えるくらいの熱量があります
この本のこの作品のココが好き
または
この本のこういう所が見所!
というのを紹介していくブログです
自分の独断と偏見で★を付けていますが完全好みの問題なので、皆様とは違う価値観かもしれません。
ご容赦願います

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葬儀を終えて

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斬新な切り口のミステリー度  ★★★
人物のユニークな描写度    ★★★
遺産相続への興味惹かれる度  ★★☆
犯人への共感度        ★☆☆
無人島に持っていきたい度   ★☆☆

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ネタばれなしの紹介

お葬式が終わるところからこの作品は始まります。
亡くなったのは薬で財をもうけたお金持ちのリチャードです。
唯一の子どもは先に亡くなっているので、遺産は兄弟姉妹、親戚などリチャードが残した遺言書にならって分けることになります。

何も不審な点がなかったリチャードの死ですが
葬儀に出席した妹コーラの
『だって、リチャードは殺されたんでしょう?』の一言ですべてがひっくり返ります。

コーラは昔から天真爛漫な性格で言って良いことと悪いことの区別がつかない所があり、皆が隠したがる秘密を言い当てるような所も多分にあったため、葬儀に集まった皆はその言葉の真意を計り知れないまま家路につくことになります。

そしてその言葉を言い放ったコーラは家に帰った後、誰かの手によって惨殺されるのです。

コーラがあきらかに他殺であることにより、コーラが言い残した『だって、リチャードは殺されたんでしょう?』の戯れ言がクローズアップされてきます。

葬儀に居合わせ、そのコーラの一言を聞いた全員に疑いかかかるのも無理はありません。
もしくは全然関係のない殺人なのか?
遺産相続の泥沼な争いもからめて、殺人の動機は誰にでも充分にあるのです。
ポアロは遺産管理者の一人に依頼されて真相を探ることになります。

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ネタバレちょっとありの感想

遺産相続のドタバタ、険悪さなどはミステリーにはよくありがちですが
アガサクリスティーの小説に出てくると本当にワクワクなんです。
ですから楽しんで読める、と言うのもあるのかもしれません。
そういう意味で私は楽しめました。(ひどい感想ですね、完全に他人事ですから)

後はコーラという人の人物描写が絶妙です。
最初の被害者であるコーラの描写が一番重要だからです。
コーラが『だって、リチャードは殺されたんでしょう?』と言ったのでなければ、ここまで事件にならず問題にならなかったでしょう。しかし、このコーラは残念ながら兄弟姉妹親戚共に好かれてはいない、疎遠な関係であることを冒頭にアガサは上手に書き示しています。
本当に上手い書き方だな、と思います。
それによって読み手も真実はどうだったのかと好奇心が止まらなくなります。

犯人は私にとっては意外ではなかったのですが、動機が全く分からなかった作品です。
人によっては、犯人に対して全く共感をしないでしょう。
しかし、私は同情はしないけど、共感はちょっと出来ました。
動機に対してではなくて、コーラ(に似てるタイプと接する)に対しての感情も心の奥底にあったのかなと、ちょっと感じたりしたのです。

そして一点、この作品の中に、他の作品の重要なシュチュエーションを彷彿とさせる場面が出てきます。コレは私だけが感じることかもしれませんが”多分コレはアノ作品のアノ場面にしてるな”と思う部分があります。ネタバレのなる可能性があるので、ここでは言いたいけど言いません。
ヒントはこの作品以降に書かれる作品の中にあります。
読まれる方は、そこの所も感じながら読んでみるのも面白いかもしれません。




2024年07月18日

鳩のなかの猫  感想






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鳩のなかの猫

女学校.png



アガサクリスティーの視野の広さ度  ★★★
学校経営の面白さ度         ★★★
教育とは何か            ★★★
ただのミステリーではありません度  ★★★
とにかく女は膝は大事なのね度    ★☆☆
無人島に持っていきたい度      ★★☆

鳩のなかの猫 (ハヤカワ文庫) [ アガサ・クリスティ ]

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ネタバレなしの紹介

この作品の中心はメドウバンクという有名お金持ち女学校です。イギリスの学校は全寮制というのはハリーポッターで有名ですが、そんな全寮制の学校が舞台の作品です。

そういうと、学園モノで学園ミステリーなのか?と簡単にくくりたくなりますが、そう簡単な作品ではありません。
なぜなら、冒頭に革命テロなど血なまぐさいシーンがいきなり出てくるからで革命的な方向と女学校を絡めとてもスリリングな作品になっています。これは誤解されないように言うのは難しいけれど男子校が舞台では又違う話になってしまうでしょう。

私が面白い、と思ったのはミステリー自体も独特で新鮮ですが女学校の考え方を校長先生であるバルストロードが痛快に理想をもって経営している所でした。

今まで学校を”経営”としての観点から考えたことがなかったのでとても新鮮に感じたし、学生時代に戻ってこの学校で学んでみたいと思う校風がありました。
言い方が難しいけれど、花嫁学校ではありません。
この言い方はもう古いですよね、でもこの時代はまだこの考え方があった頃だと思います。現代に学ぶべき学校の本質を突いているので読んでいてワクワクします。ミステリーなのに、その背景の女学校自体がもう面白いのです。

そんな女学校で起こってしまう殺人事件は、学校長を悩ませます。普通なら殺人事件が起こった学校などとんでもないことでつぶれてもおかしくない所ですが、肝がすわっているこのバルストロード校長は考え方が斬新で世間をよく知っていてピンチをチャンスに変える考え方が出来る人に書かれています。この人の魅力にポアロも協力を惜しまないであろう、と想像出来ます。

大人になりきらない女性の、ちょうど微妙な時期を上手く書いています。イギリスの少女は、アジアの女性よりも幼い、と表現しそこが推理の重要な事柄でもあります。多分アジアの女性の方が結婚してしまう時期が早かった頃の名残なのかなと思いますし、とてもその表現はアジア圏でも生活したことがあるアガサならではの表現かなとも思います。

大部分が女学校が舞台ですから、それに伴い、女学生や女性教師いろんな女性の生き方が出てきます。戦後の影響もあり女スパイの話も出てきます。アガサの時代は戦争の背景が色濃く、リアルに女性の仕事としてあったんだろうなと思うのです。
作り話でなく、戦争とはそういうものなのかと考えさせられます。

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感想(1件)




ネタバレちょっとありの紹介

この作品は有名女学校で起こる連続殺事件です。

なぜか室内競技場(体育館のようなものでしょう)で殺人が起こることが事件のカギになります。そして、そこへ唯一の男と言って良いのですが男前の庭師が入り込みます。年配の庭師であれば問題はないのですが、女性の園に男前の若い男の庭師というのは怪しさ満点です。この作品の映像化の時は是非ともキャスティングに力を入れていただきたく思います。(これはアガサが映像化の時にお楽しみがあった方がいいと思った為ではなかろうかと思いましたが)

最大のヒントとしたら以前にアガサが書いた『茶色い服の男』のトリックが出てきます。でもそれが分かったからと言って、このミステリーの面白さは変わりませんので、興味がある方は読んでみてはいかがでしょうか。

そして肝心のポアロなのですが、この作品においてはポアロは後半からしかでてきません。ほぼ、女性が主人公と言ってもいいくらい、魅力的な女性陣が出てきます。
アガサの脳みそは”女性脳””男性脳”の区別を超えているのかもしれません。女性の身体の一部(膝)に非常に関心があるようで、その表現は他の作品でも出てきます。

ポアロが登場すると驚きの展開とともに一気に解決となります。ここの展開の仕方は非常に面白いなと思います。

殺人事件は陰惨ですし、その後の状況も楽観的なモノではありません。それでも精一杯のハッピーエンドを用意しています。ここはアガサの上手いところかなと思います。

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2024年07月17日

ビッグ4  感想

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ビッグ4

ビッグ4(フォー) (ハヤカワ文庫) [ アガサ・クリスティ ]

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感想(12件)





ポアロとヘイスティングズの友情度  ★★★
他のポアロの探偵小説にはない感じ度 ★★★
あくまで個人的にあわない度     ★★★
別の探偵の話なら良いかもしれない  ★★★
無人島に持っていきたい度      ☆☆☆

45ビッグ.png



本当にこれをアガサが描いたのだろうか?
ポアロを主人公なのに?というくらい他の作品とテイストが違います!


この作品はアガサの名前を爆発的に(と私は思ってます)世に知らしめた名作(迷作)の『アクロイド殺し』を発表したすぐ後の作品なのです。それにしては、面白くなかったなあ(失礼な)と思っている作品なので、好きな方はすみません
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推理小説界を騒然とさせたすぐ後の作品なので、期待も大きかったと思います。
ポアロの作品としては、最初の『スタイルズ荘の怪事件』を発表した後の作品なのですが、ミステリーより本当はこういうスパイを追う的な作品を書きたかったのでしょうか?
間に発表された『ゴルフ場殺人事件』はまた違うテイストなので戸惑います(個人的な好みですみません)


個人的な感想なので、申し訳ないですが、アガサ好きの自分がこの作品は途中で眠気が襲うくらいに、読み終わるのに苦労しました。(ひどい)

数年たって、また再度読みました。最初読んだときは自分も幼かったですからね!しかし、やはり再度チャレンジしても読むのにつらいという感情がひしひしと。そして今回、また読み直しましたがやっぱり全然進まない。プロローグから頭に入らないので、困りました。他の探偵が主人公ならば面白かったかもしれません。

敢えて言うならポアロにデンジャラスな冒険と活劇をさせたかった、そういうことなのだろうと理解します。


あらすじとしたら東洋のギャングのビッグ4の存在を追う話です。
本当にらしくない、灰色の頭脳を使うポアロらしくないんです!(個人的見解)ちゃんと読めば、その奥にある面白さに気付くのかもしれませんがこれは今後の私の課題です!
(いまだに全然読む気がしないので大問題)

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ネタバレなしの紹介

ヘイスティングズは長年ポアロから離れた暮らしを堪能し、残りの人生を久しぶりに旧友のポアロのもとで過ごそうと思いたち、感動の再開をします。

しかし再開したとたん、その矢先に怪しげな男がやってきて、息も絶え絶え倒れ込みます。ある策略によって、ポアロたちがその男から目を離した途端にその男は死を遂げる。
そこからはポアロの謎のギャングビッグ4を追い詰め、逆に追い詰められ、という冒険が始まるのです。読者を裏切る仕掛けもあるし、なによりポアロが大変にアクティブで、あっちゃこっちゃ行きます。中国系のマフィア的な”ビッグ4”の首領リー・チャン・エン人物を追い詰めるのですが、、、、という話です。

ポアロとヘイスティングズとの友情の証みたいなエピソードも満載だから、それも書きたかったのかなあと思わないでもないです。

とにかく、いつものポアロの推理小説とは一味違うテイストな作品だと言うことはお伝えしたいです。(個人的意見です)こういうポアロの一面もあるんだなと思える作品ではあります。

無人島に持って聞きたい度が★ゼロなのは、ギャングとの冒険活劇なので、無人島では真逆な感じですごく疲れるかなっていうのと完全にこの作品が好みじゃないと言い切れる問題です。

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