アフィリエイト広告を利用しています

2024年07月17日

ゴルフ場殺人事件  感想





agasa.png

このブログは
アガサクリスティーが好きすぎて
無人島になにを持って行きたいかと聞かれたら
「アガサクリスティーの本」と答えるくらいの熱量があります
この本のこの作品のココが好き
または
この本のこういう所が見所!
というのを紹介していくブログです
自分の独断と偏見で★を付けていますが完全好みの問題なので、皆様とは違う価値観かもしれません。
ご容赦願います



このブログの最初はこちら

ゴルフ場殺人事件

【中古】 ゴルフ場殺人事件 / アガサ クリスティー, 田村 隆一 / 早川書房 [文庫]【メール便送料無料】【あす楽対応】

価格:234円
(2024/7/17 00:31時点)
感想(0件)




1ゴルフ場事件.png


アガサの若々しい作品       ★★★
ヘイスティングズの惚れっぽさ度  ★★★
ポアロの推理が冴えてる度     ★★☆
警察を出し抜く度         ★★★
無人島に持っていきたい度     ★★☆

ゴルフ場殺人事件 (クリスティー文庫 エルキュール・ポアロ 0) [ アガサ・クリスティー ]

価格:1012円
(2024/7/17 00:28時点)
感想(4件)





ネタバレなしの紹介

このお話は、ポアロの第2弾になります
『スタイルズ荘の殺人』でポアロが鮮烈デビューをした次の作品なので、アガサの文章も若々しさに溢れています。

あらすじ

あるとき富豪のルノール氏から南米の仕事上のトラブルで脅迫を受けているとポアロは依頼を受け、この男の家にいくのですが、そのルノール氏の家に行くとすでにその富豪は死んでしまっていたという不本意な始まりです。

しかもゴルフ場のバンカーの穴に入っているという状態で見つかるので”ゴルフ場殺人事件”なのです
家で縛られて生き残っていたエロイーズ夫人の話によると南米からの不審者が2人訪問し、ルノール氏は連れ出されてしまい殺されてしまったらしいのです。

当然事件解明に乗り出すポアロなのですが、よそから来た探偵のポアロを良く思っていない地元警察と確執が生まれます。
ポアロ対地元刑事のジロー刑事との推理合戦もこの小説を面白くさせています。

しかし、そもそも、このお話の最初が
”シンデレラ”と名乗る魅力的な女性が登場し、ヘイスティングズと出会うところからお話が始まるので、なんてロマンチックな恋愛ドラマが始まるんだろうという感じなのです。(もちろんこの女性も事件に大いに関係してきます)

ポアロと訪れたルノアール宅のとなりの美女にも好意を抱きますし、なんてヘイスティングズは惚れっぽいんだろうと思います。なので読み始めた私は戸惑いました。

それくらいヘイスティングズが恋に墜ちる描写が若い感性で書かれていて、あまりに惚れっぽくて推理小説になるんだろうかと心配するくらいです。

恋するが故、事件を引っかき回すしポアロの邪魔もしまくります。中学生の初恋じゃあるまいし一体何歳の設定なのかと思うんですが恋愛に歳は関係ないですね。しかし初恋物語かと勘違いしそうです。
でもちゃんと推理小説になっています。

ネタバレちょっとあり

この作品の面白いところは、南米から来たと思われる人物が犯人らしく単純に思われるけども、そう単純ではないところです。複雑に丁寧に過去に起こった事件との絡みを旨く組み合わせているところです。コレはちょっと難しいなと思う事件です。

そしてエロイーズ夫人とおとなりのドーブルーユ夫人が事件のカギですがどちらも強い特徴があります。
男を愛し、そしてお金を愛する女性。両方欲しいのが人間なんでしょうけどもなかなか割り切れるモノではないと思うのです。

結局は愛の為に罪を犯し自分の欲望のために犯罪に手を染めるのですが、どっちがどっちとは言えませんが、どちらの女性も強いです。それだけは言っておきます。

ポアロの推理は冴えています。ただ時代的に可能な犯罪なだけで、現代では通用しない犯罪かなと思います。その辺は推理小説と割り切って楽しみたいと思います。

ところでゴルフ場で死体が見つかっただけで、特にゴルフをするシーンとかでてきません。
そもそもポアロはゴルフが嫌いなんじゃないでしょうか?(言い過ぎかも)ゴルフに関して全く関心ある描写がありません。ヘイスティングズはたしなむようですが。

そしてアガサの小説は題名が凝っているイメージがあると思うのですが、この『ゴルフ場殺人事件』は『そして誰もいなくなった』『ABC殺人事件』に比べれば題名の印象は残らないですね。それが残念と言えばそこだけ残念な作品です。

この小説のヘイスティングズの描き方を見て、アガサはこの段階ではまだ名探偵ポアロを主人公にシリーズ化にするつもりはなかったんじゃないかと思います。

ゴルフ場.png

ゴルフ場殺人事件 (クリスティー文庫 エルキュール・ポアロ 0) [ アガサ・クリスティー ]

価格:1012円
(2024/7/17 00:28時点)
感想(4件)






2024年07月16日

アクロイド殺し 感想





agasa.png



このブログは
アガサクリスティーが好きすぎて
無人島になにを持って行きたいかと聞かれたら
「アガサクリスティーの本」と答えるくらいの熱量があります
この本のこの作品のココが好き
または
この本のこういう所が見所!
というのを紹介していくブログです
自分の独断と偏見で★を付けていますが完全好みの問題なので、皆様とは違う価値観かもしれません。
ご容赦願います


このブログの最初はこちら


アクロイド殺し
1719210_s.jpg


アガサはアイデアマン度   ★★★
読んでおいた方が得度    ★★★
映像化が難しい度      ★☆☆
無人島に持っていきたい度  ☆☆☆

【中古】アクロイド殺し−クリスティー文庫− (ポアロシリーズ3) / アガサ・クリスティー

価格:681円
(2024/7/16 13:48時点)
感想(0件)





この作品はご存じの方が多いかもしれませんね
この超有名な作品はミステリー好きなら絶対読んでおいた方が良いと思う作品です
私が説明するまでもなく超有名な作品かなと思うわけですが
まだ読んだことも見たことも、噂も聞いた事がないという方が逆にうらやましいです

これから新鮮な驚きが待っているのですから!

読み終わると”絶対読んだ方がいい”と言う意味が分かると思います

このトリックを思いついたアガサは自信満々でノリノリでこの作品を書いただろうと想像出来ます

ポアロものでは初期の方の本になります
ヘイスティングズが結婚して南米に行っているので代わりに、今回は語り部としてシェパード医師が常にポアロと行動を共にして私たち読者に逐一報告してくれる形になっていますが、既にポアロは引退してカボチャ作りに精を出している設定なのも面白い始まりだなと思います


ネタバレ無しの紹介

アクロイド殺しと言う題名ですからもちろん地元の名士”アクロイド”が殺される話ですが、小説の始まりはまだアクロイドは生きています。

ポアロが同じ村にいるというのに殺されてしまうアクロイドがお気の毒でもありますが、そうじゃないと小説にはなりませんから仕方ないですね


しかし、読み終わって犯人が分かった私には、犯人に何の同情も出来ないので、ポアロに真相を突き止められてなかったとしても、(その村にポアロがいなかったとしても)犯人はろくな人生でなかったかもしれないと思ったりもします。

とにかくアクロイドが殺され、犯人捜しが始まり、カボチャを作って引退しているポアロがただの隣人じゃないことが分かり、シェパード医師と事件を追うのですが、もう既にこの時点で読者はアガサの罠に半分かかっているようなものです。

最初から心して読んで行ってください、としか私には言えないです!

シェパード医師のお姉様キャロラインが良いキャラクターです。この人がいるからこそ、更にこの作品が面白くなったと言って良いでしょう。

私はこの作品を読んだときちょっとだけ「ABC殺人事件」を思い出しました。話の内容は全く違いますが、なんとなくアイデアがリンクしています。ヒントは”水曜日の男”です!
それではこれから読む方はどうぞ楽しんで下さいますように

20240716_132121.jpg



茶色の服の男 感想


agasa.png






このブログは
アガサクリスティーが好きすぎて
無人島になにを持って行きたいかと聞かれたら
「アガサクリスティーの本」と答えるくらいの熱量があります
この本のこの作品のココが好き
または
この本のこういう所が見所!
というのを紹介していくブログです
自分の独断と偏見で★を付けていますが完全好みの問題なので、皆様とは違う価値観かもしれません。
ご容赦願います

このブログの最初はこちら


茶色い服の男

茶色の服の男 クリスティー文庫 / Agatha Christie アガサクリスティー 【文庫】

価格:1122円
(2024/7/16 11:00時点)
感想(0件)




アガサの作品の中で一番アクティブな女性が出てくる度 ★★★
勇気がもらえる度                  ★★★
冒険を忘れた人に読んで欲しい度           ★★☆
ミステリー度                    ★☆☆
無人島に持っていきたい度              ★☆☆

豪華客船.png


ネタばれなしの紹介

この作品は、探偵物ではありません。
ポアロもマープルもアガサクリスティーの作品で有名な探偵が出てきません。

たった一人の女の子が冒険を繰り広げる物語です。
言うなれば、冒険活劇というジャンルに近いかもしれません。
そういうとミステリーでは無いように思いますが、それが絶妙に推理小説となり得るギリギリのところで書いてある作品なのです。

偶然にあるショッキングな列車事故(と言っておきます)に遭遇しそれが殺人と絡むことで始まることになりますが、そもそも主人公のアンが、若き女性でたった一人の身内の父親が亡くなったことから始まります。

父親が死んで天涯孤独でしょんぼりしてるかと思うとそうではありません。自由になったとばかり孤独な少女が一人で羽ばたくのです。少しばかり残してくれた遺産を手に向こう見ずで自信家で、、、自分の若さを肯定しているこの少女には驚くほど行動力だけがあります。
逆に言えば、一人の少女に行動力を起こさせる事に矛盾を感じさせない工夫をアガサクリスティーはしていますし、そのアイデアは一体どこから思い付くのだろうと思います。

それにしても『茶色の服の男』という題名は、私には本の中身を考えると随分”らしくない”題名だなと思います。

アガサクリスティーと言えば、『そして誰もいなくなった』や『ABC殺人事件』『カーテン』などちょっと凝った感じの題名を付け、読んだ後に”ああ、そうか”と思う物が多いのですが、この『茶色の服の男』は、本の中身のアクティブさ冒険活劇の様子を考えると思ったよりおとなしい題だなあと今でも思います。

実際、この題名のせいで私はアガサの作品の中でも随分遅くに読むことになりました。茶色の服の男って言われても、全然ときめかない題名だなあと今でも思います。
あくまでも私の感性なので、申し訳ありません。でも、読んでみると内容は素晴らしくアグレッシブで冒険、スリル、恋愛、ゴージャスな内容でした。

『茶色の服の男』なんてたいしたことないのでは?と思ってた私はまんまと裏切られました。

映画化してみたら面白い作品だなと思いますね。

主人公の女の子がとてもチャーミングに書かれているので足が奇麗な女優さんに是非演じていただきたい、なんて思います。(何故足が奇麗と言うのかは、是非本を読んでいただきたいと思います)

25279306.png

もっともアガサは自分の作品が映画化されることがあまり好きではなかったと聞いていますが。
そして 女の子というのはどうして危険な男に惹かれてしまうのでしょうか
もてる.png

アガサは恋にのめり込む若さも危険も充分に書き分けていて、冒険シーンもさることながら本当に若々しい作品となっています

そしてこの作品は後にポアロの推理小説のヒントとなる事柄というか仕掛けが出てくるそうなのですが、アガサファンでポアロファンならその作品がどれかというのはすぐ分かるでしょう!

自慢じゃないですが、私はすぐに分かりました!

皆様も、どの作品がそうなのか、そんな推理にも挑戦して読んでみてはいかがでしょうか


chairo服.png

2024年07月15日

秘密機関  感想

agasa.png






このブログは
アガサクリスティーが好きすぎて
無人島になにを持って行きたいかと聞かれたら
「アガサクリスティーの本」と答えるくらいの熱量があります
この本のこの作品のココが好き
または
この本のこういう所が見所!
というのを紹介していくブログです
自分の独断と偏見で★を付けていますが完全好みの問題なので、皆様とは違う価値観かもしれません。
ご容赦願います


このブログの最初はこちら

秘密機関
himituno.png


冒険活劇度               ★★★
ミステリーかどうか悩む度        ★★★
少なくとも推理物ではないかも度     ★★☆
無人島に持っていきたい度        ☆☆☆

秘密組織 新訳版 創元推理文庫 / Agatha Christie アガサクリスティー 【文庫】

価格:990円
(2024/7/15 17:22時点)
感想(0件)




ネタバレ無しの紹介

この作品はアガサの作品発表順で行くと『スタイルズ荘の怪事件』の次の作品です。ミステリーの第2弾かと期待してしまいますが、この『秘密機関』はミステリーや推理というよりは冒険とスパイの物語ですから、ちょっと雰囲気が違います。


文章の雰囲気が若々しいです。ポアロは出てきませんし、若いトミーとタペンスの物語です。
『茶色い服の男』の時にも思いましたがアガサは若い女性がイキイキと冒険に出る話が好きなようです。アガサは本当はスパイ物や冒険物が書きたかったのでしょうか?

しかし、この後に発表される『ビック4』という作品で無理やりポアロに冒険をさせているような作品がありますが、その作品は全くびっくりするほど読みづらかった作品でした。(ハッキリ言って眠くなります)しかし、その『ビッグ4』に比べればこの『秘密機関』は若い男女のコンビが冒険をする物語で、いくらか読み応えがあります。戦後のお金はない、仕事もない、でも若さと知恵と行動力は誰にも負けない、そんな前向きな2人が主人公です。

そしてこの2人がユニークな相性で書かれていて、お互いの足りないところを補い合ってとても大きな事件を解決して行くのです。ワクワクしますがあり得ないことの連続です。


しかし、それも戦争の後の混乱期を書いていると思えば、同情も出来ます。戦後のイギリス、お金がない職のない若者は溢れていました。生きる希望、まだ若いんだから何でも挑戦しなさいよとアガサは元気づけていたのかもしれません。ハラハラドキドキの冒険の物語になっています。

onoimitu.png


ネタバレ無しのあらすじ


いきなり船が沈むシーンから始まります。悲劇の”タイタニック”を思い起こさせる始まりですが、沈む原因は氷山ではなく戦争の影響の”魚雷”にやられたというのがあまりにもひどい始まりです。

船の乗客は順番に救助ボートに乗るのを待っていますが、ジェントルマンの国では女性や子どもからボートに乗れるので女性が助かる可能性が高い。それを痛いほど分かっている男のスパイが、『私が助からなかったらアメリカ大使館へこれを届けて欲しい』と機密文書をある女性に託すのです。

まさに生きるか死ぬかの瀬戸際の頼み事ですし頼まれた女性も命がけです。そんなシリアスなシーンからの始まりなのです。


そして、場面は変わり、戦後のイギリスの町中で失業中の若い男女トミーとタペンスが出会い、なにかしらで2人で生きていくすべを話し合っている時に、ある男から声を掛けられます。怪しげな仕事を依頼され、タペンスが口からでまかせに女性名”ジェーン・フィン”と名乗ったところ、何故か相手は怒り出し、大金を渡すのです。仕事の依頼はよく分からず完全に受けていないと言うのに。詳しい仕事の話をしようとした次の日、その怪しげな事務所と男は消えてしまいます。


そんな状況で”ジェーン・フェン”とは誰か?何者か?調査を始め、自ら危険な人捜しの冒険に飛び込んでいくトミーとタペンスなのでした。

簡単に言うと、2人の男女トミーとタペンスの探偵物語といったところです。素人探偵がよくもまあ、死なずにいられるなあという危険とハプニングの連続です。


文章も若いです。きっと楽しい冒険にワクワクしながらアガサは書いているんだと思いました。トミーとタペンス、この2人の恋模様も描かれますし『ABC鉄道案内』も出てきて、アガサファンで『ABC殺人事件』を読んだことが在る人は”あれ?!”と思うでしょう。

期待しないで読むと楽しめる一冊かもしれません。私はポアロやマープルのミステリーが好きですから、無人島には持って行かない本ではありますが、結婚についてのアガサの興味深い考察もありますのでそれを読むだけでも面白い作品だと思います。


尚、アガサはこの若い2人を後に『おしどり探偵』という短編集で活躍を書いています。かわいい2人のユニークな会話やアガサの遊び心満載のじゃれ合いを楽しむ方にはこちらもおすすめします!


蛇足ですが男女ペアで事件解決のお話は、他にもあって『なぜ、エバンスに頼まなかったのか?』という作品のボビィとフランキーがいますが、こちらは最初からミステリーの要素が強いですし、貧乏な青年と伯爵令嬢の2人のコンビの物語にもなっています。

私はこちらの方が正直好きな作品なのですが、完全に好みの問題ですので、ご了承ください。






【中古】 秘密機関 / アガサ クリスティー, 田村 隆一 / 早川書房 [ペーパーバック]【メール便送料無料】【あす楽対応】

価格:327円
(2024/7/15 17:28時点)
感想(0件)



ホロー荘の殺人 感想


agasa.png





このブログは
アガサクリスティーが好きすぎて
無人島になにを持って行きたいかと聞かれたら
「アガサクリスティーの本」と答えるくらいの熱量があります
この本のこの作品のココが好き
または
この本のこういう所が見所!
というのを紹介していくブログです
自分の独断と偏見で★を付けていますが完全好みの問題なので、皆様とは違う価値観かもしれません。
ご容赦願います

このブログの最初はこちら


ホロー荘の殺人

horo-kou.png


個性的な登場人物がいる度     ★★★
トリックの複雑度         ★☆☆
ポアロの活躍度          ★☆☆
アガサの芸術家に対する秀逸な表現 ★★★
無人島に持っていきたい度     ★☆☆

ホロー荘の殺人【電子書籍】[ アガサ・クリスティー ]

価格:1100円
(2024/7/15 11:06時点)
感想(0件)




ネタばれ無しの紹介

この作品は一見単純に見えます。明らかに最初に犯人が分かるからです。
(しかしそういう単純な話ではもちろんありません)

なにせ私がこの作品を最初に読んだのが中学生でしたから『なんて単純な話だろう、ポアロが出る幕もない!』などと思ったものです。今思えば、人生経験も少ない時の浅はかな幼さ故なのですが。

それと同時に物語を引っ張る女性、”ヘンリエッタ”という芸術家が出てくるのですがその女性のようになりたいとあこがれを抱きました。
彼女に自立と愛する人に媚びない強さ(当時はそう思いました)を感じたからです。

魅力的で個性的な女性5人が出てきます。幼い私はどんな大人の女性になろうかと思ったときにサンプルがこの本に出てくる、と感じていました。
あこがれのヘンリエッタと対照的な女性”ガーダ”にはイライラしましたし、ホロー荘の女主人の”ルーシー”にはまさかこんな支離滅裂な人いるかしら?と思ったし(でも、社会に出たら、意外といました(^_^;))
親近感を覚えるのが”ミッジ”、絶対に共感できない”ヴェロニカ”これだけで、充分かき回せそうな設定です。

28527470_s.jpg

さて話が少しずれましたね!

そもそもこの作品は読んでその名の通り『ホロー荘』で起こる殺人の話なのですが、『ホロー荘』というのは富裕層の持つ邸宅の名前です。

そこに仲良し親族が集まるのが年中行事になっているわけです。それだけでは殺人の臭いはしませんね?殺人事件が起こるまでに、実に本編の3分の1読み終わらなければなりません。

全ては殺人が起こるまでの入念な舞台装置を設置するためなんですが、その間に男女のドロドロなドラマがありまして今から思えば中学生には刺激が強いですね!パワハラはあるし浮気はするし!(詳しくは言いませんが)

すっかり整えられた舞台で、起こる殺人(に見える情景)をポアロは目撃して推理が始まるのですが、それまでに読者は前の日に何がこのホロー荘で起こったかは分かっています。

それでも次の日のあまりにも急展開な殺人の情景をポアロの目線で一緒に知らされるので読者はこれは殺人が起こったという合図なんだろうか?どうなんだろうか?なんて混乱すると思います。そこが新鮮です。

この作品を推理小説とするにはあまりにも読者に対して証拠が少なすぎる気がするので、トリックの複雑度は★少なめです。犯人が”この人が犯人なんだ?”と共感出来ない自分がいるので、無人島に持っていきたい度も少なめですが、アガサの”脚本”の上手さにはうなります。

アガサの芸術家に対するリスペクトを感じる作品でもあります。他の作品『5匹の子豚』でも芸術家に対してのリスペクトを感じることが出来ます。






【中古】 ホロー荘の殺人 ハヤカワ文庫/アガサ・クリスティ(著者),中村能三(訳者)

価格:605円
(2024/7/15 11:07時点)
感想(0件)


春にして君を離れ 感想





agasa.png



このブログは
アガサクリスティーが好きすぎて
無人島になにを持って行きたいかと聞かれたら
「アガサクリスティーの本」と答えるくらいの熱量があります
この本のこの作品のココが好き
または
この本のこういう所が見所!
というのを紹介していくブログです
自分の独断と偏見で★を付けていますが完全好みの問題なので、皆様とは違う価値観かもしれません。
ご容赦願います


このブログの最初はこちら

春にして君を離れ (ハヤカワ文庫) [ アガサ・クリスティ ]

価格:990円
(2024/7/15 00:23時点)
感想(30件)




春にして君を離れ

harunishite.png


もしかしたらあなたを変える一冊かもしれない度  ★★★
これは傑作だ!度                  ★★☆
年齢を選ぶかもしれない作品度           ★★☆
探偵らしさ                    ☆☆☆
無人島に持って行きたい度             ★☆☆ 



ネタバレなしの紹介

この作品には有名な名探偵は出てきません
いわゆる推理小説ではありません

この作品は覚悟して読まなければなりません。
読み終わった後にあなたを変えるかもしれないからです。
もしくは、全く響かないかもしれない。


なぜなら、そういう私が最初にこの小説を読んだときは”なんて退屈な話だろう”と思ったのです。
しかし時間とともに深い感動に変わった作品です

読んだのは小学校のころでしたから無理もないかもしれません。アガサクリスティーの推理小説にハマりだしたころで、ポアロやマープルなどと同じ推理小説と疑わずに読んで、探偵も殺人も出てこないのですから幼い私は『?』となった作品です。


あらすじは、ありふれた主婦が主人公の物語。優しい夫、子どもにも恵まれて幸せに暮らすジョーンの人生のある一角を描いています。結婚した娘の病気を知りバクダッドに看病に出かけたジョーンはその帰りに古い友人と出会い、さらに宿泊所に留まることによって何かが彼女に起こるのです。

女として、母として光り輝く昼間にいたと思っていたのに気がつけば闇が迫っているかのようなぞわっとする感覚。
最後まで読まなくては彼女の真実にはたどり着けません。

これがサスペンスだと気づくには時間がかかりました。小学生の自分には気づけなかったのです。
再度私が読んだときは、いい大人になってからでしたが、その”意味”に気づいたとき、この小説の価値が一気に代わりました。その時の衝撃は面白いほどでした。


ネタバレギリギリの内容

私にとってこの本の中で印象的なのは夕暮れの”二人”のシーンでした。ここの描写は、素晴らしいです。こんな文章を書きたいと、ある意味憧れにしている文章のひとつです。
yuu.png


後は、思い出の中の恩師たちが思い出されて、ジョーンをゆさぶるところも巧妙です。すべては最初に出てくる旧友との再会がそうさせるという無理のない流れです。それまでは本当に何ごとも順調な幸せなジョーン。

そして、バクダッドの宿泊所で起こった唐突な出来事がすべてを変えます。しかし、それだけでは終わりません。


最後に列車の中で出会う女性が自分には不気味なのです。一見、ただの通りすがりの乗客にしか過ぎない人物のように描かれていますし、ある決意をもったジョーンの救いのようにも思いますが、果たして救いだったのでしょうか?
はたしてなんのためにアガサはこの女性に会わせたのだろう、もし出会わなければ、、、ジョーンの運命も大きく変わったかもしれないのです。
それくらい最後に出会う女性の存在が私には異質に思います。

最後まで読んで、ようやく主人公のジョーンが、やはり誰よりも幸せな女性、でもそうではない側面があると言うことを読んだ自分自身が感じずにいられないのです。

是非一度は読んでいただいて、どう感じるのか?感じないのか?とても考えさせられる作品です。

なので自分が無人島に持っていくには、ちょっと難しい本だなと思うので★は低めです
でも、ファンとしてはとても読んでいただきたい一冊ではあります


春にして君を離れ (ハヤカワ文庫) [ アガサ・クリスティ ]

価格:990円
(2024/7/15 00:23時点)
感想(30件)




暇つぶしに
心理テストはいかがですか?
心理テスト336.png
こちらをクリックしてね!

2024年07月14日

娘は娘






このブログは
アガサクリスティーが好きすぎて
無人島になにを持って行きたいかと聞かれたら
「アガサクリスティーの本」と答えるくらいの熱量があります
この本のこの作品のココが好き
または
この本のこういう所が見所!
というのを紹介していくブログです
自分の独断と偏見で★を付けていますが完全好みの問題なので、皆様とは違う価値観かもしれません。
ご容赦願います


このブログの最初はこちら

娘は娘


探偵モノではないが気になる一冊度    ★★☆
娘を持つ人が読んでおきたい度      ★★★
成長するって時間がかかる度       ★★★
アガサの男女感がわかる度        ★★☆
アガサはこういう本もいい度       ★★☆
無人島に持っていきたい度        ☆☆☆

娘は.png

アガサクリスティーと言えば『ポアロ』や『ミスマープル』など探偵が出てくるミステリーが有名でしょう!
しかしこの作品は探偵モノではありません


私も、アガサが推理もの以外の小説を書いていることは、かなりの探偵小説を読んでから知りました
アガサの別の名のメアリ・ウエストマコットで書かれた探偵もの以外の作品です


なので、アガサクリスティーの探偵作品のファンには戸惑いの一冊かもしれません。
しかし『春にして君を離れ』を読んでその世界を理解した後の私には読みたいなという気にさせました。
(詳しくは『春にして君を離れ』のところをご覧ください)


簡単にいうなら人間ドラマです
例えるなら日本のドラマで言うなら『渡る世間は鬼ばかり』の親子版という感じでしょうか
(ざっくり言うと)

最初は深い愛をもつ典型的な母に焦点があります
娘の幸せだけを願う母、盲目的かと思えるほどに娘に服従し、娘は自分ではそうとは分からず母に依存している関係です


娘の身体が大きくなるにつれ、しかし心はまだ身体に追いつかないアンバランスな状態も良く書かれています。
ひとつ思うのは、母親もこういう大人になりかけの娘を育てるのは初めての事だということ。母親自身が無事に大人になったという経験はありますが、娘が大人になるということは全く別の話なのだとこの作品を読んで分かりました。
まず母がシングルマザーであり、新しい恋に生きようとする可能性、自由があるということ
この母親に新しい恋人が出来る設定もよくあるようで、現実にはとても難しい問題があることもある程度想像がつくでしょう
この作品では娘が子どもであることの武器を総動員して母の幸せを阻止するのです

子どもの気持ちは『お母さんの為を思って』なのであるから、一番始末が悪い
『あんな男と結婚したらお母さんは不幸になる』と、母の恋人の欠点だけをことさら大きく宣伝し娘自ら思い込み母の恋人は敵であるから、全力で攻撃をしまくるのである
ある意味それは正しい


なぜなら、完璧な人などいないから、娘が”この人のここはダメだと思う”は正しいのである
一方、母は大人であるから人は誰も完璧ではないことを知っている。
恋をするとは結婚するとは、夫婦になるということは
完璧な人同士だから幸せになるとは限らないということも知っている
結局は娘の幼さ故、母の愛を独占したいためということも分かりながら、母親は自分の幸せを”娘の為に”苦しくてたまらないのに手放すのである

そういうわけで。。。。
結果的には、相手の幸せを願ったはずなのにそれが相手の幸せにならない愚かさを実に巧妙に書いています
何が言いたいかというと、この作品には人生の滑稽さと未熟さと犠牲の醜さを書いていると言えるのではないだろうか
傍から見たら、冷静に判断できるが(この作品を読んだ後の自分というのもあるが)
もし、当事者であったなら、きっと自分も”何かに負けて”この母のように、犠牲の愚かさ”を選択するのであろうとも思った
娘は娘1.png


小説の中の母は恋人と娘の二択を迫られて、娘のことを取る構図となっているが、結局はこの母は、その時どっちを選んでも悩み苦しい結果になっただろうとは思う。そういう人であろうから。
小説のように娘を選んだ母の立場で物を言うなら、他人から観た自分も意識したり、娘に恩を売る気持ちがあったかもしれない。
でも『誰かの為の犠牲』と自分が思っている限り自分の幸せもない(なかなかそれに気がつかないけど)

これが他人なら違う感想もあるかもしれないが、母娘なので、他の人間関係よりは干渉せざるえないことも『娘は娘』の題に表されているかもしれない。(ちなみに『母と息子』だとこうはならない、絶対に違う。)
作品の後半はそんな母娘の対決になるのですが、そこが唯一謎解きのようにスカッとさせます


そんなわけで、読み応えある一冊ではありますが、私が無人島にもって行くには湿っぽいし、無人島に行ってまで親子関係の謎解きはもうイイかな、と思うので、持っていきたい気持ちはありません(ばっさり)でも、良い作品ですよ!


親子を取り巻く人物がほんとうに面白い。腐れ縁的な悪友もそう、ばあや的なお手伝いさんもすばらしい。
読む人の立場によって感想も違ってくるであろうと思います
でも、声を大にして言いたいですが、ミステリーとしての謎解きはなくとも小説としてとても良い小説です!



posted by agata5 at 14:16| Comment(0) | TrackBack(0) | 娘は娘

青色列車の秘密  感想







agasa.png






このブログは
アガサクリスティーが好きすぎて
無人島になにを持って行きたいかと聞かれたら
「アガサクリスティーの本」と答えるくらいの熱量があります
この本のこの作品のココが好き
または
この本のこういう所が見所!
というのを紹介していくブログです
自分の独断と偏見で★を付けていますが完全好みの問題なので、皆様とは違う価値観かもしれません。
ご容赦願います


このブログの最初はこちら


青色列車の秘密

ressha12.png


ブルートレインでの殺人とルビー盗難事件

ネタバレなしのあらすじ

アメリカの大富豪ルーファス・ヴァン・アルディンの娘ルスが青色列車の中で殺される。ルスは大富豪からもらった大きなルビーを持っていたがそれも消えてなくなる。実はルスは以前、ろくでもない男ローシェと付き合っており、父のルーファスは強引にローシェと別れさせていた過去があったのだが、なんとルーファスに内緒でローシェに会いに行く不倫旅行の途中で殺されたようなのだ。当然容疑者となるがローシェにはアリバイがある。そしてルスは現夫デリクと離婚協議中であり、デリクは離婚しないまま妻が死ねば莫大な遺産が手に入るので、殺す動機がある。
偶然ルスと青色列車に乗り合わせていたポアロは、探偵を高齢のために引退しているが父ルーファスに頼まれ事件解決に乗り出すのだった。

k青色列車.png

ネタバレ少しあり感想

この作品は映像作品になるべくして書かれたと思えるアガサ作品の一つだと思います。青色列車、ブルートレインの響き、旅路、大富豪、宝石、恋愛、不倫、親子関係、美男美女そしてミステリーとてんこ盛りの内容なのです。

大富豪は娘ルスをとことん甘やかしており、そのあげく、ろくでもない男ローシェにハマり、父ルーファスがやっと別れさせたのにそれでも関係を続けてるというあきれるほど男を見る目がないにもわがまま娘なのであります。その後で結婚したデリクとも当然上手くいくはずがないのです。

しかもその夫デリクは一文無しの甲斐性無し。あまり上品と言えない女性と不倫中で、今離婚されたら絶体絶命なのです。本当にルスは男運がありません。しかし、ルスは不倫に向かう列車の中で、一人の女性キャザリン・グレイと逢い、気持ちを落ち着かせます。その矢先にルスは殺されてしまうので、そのつながりからキャザリン・グレイはポアロとともに事件解決の相棒となります。

この作品にはヘイスティングズは出てきませんのでこの女性がヘイスティングズの代わりになっているのです。(おそらく作品の順番からしてヘイスティングズはアフリカで新婚生活を送っています)苦労の長年の奉公生活の末に莫大な遺産を手にしているキャザリンには、感情移入が出来るように工夫がされています。遺産を手に入れてから、初めて自分のためにドレスを選ぶシーンは、彼女の賢さ、上品さなどがにじみ出ていて、読者に”よかったね!”と思わせています。この辺アガサは上手いと思います。


この作品で私が気になるのはポアロの”完璧ぶり”です。読者の知らないところでポアロが動いており、ポアロの過去の栄光と人脈で事件が解決したと言っても良いので、ちょっと謎解きとしたらどうかなと思うのです。でも、最初の事件が起こるまでの段階で、全ての主要な登場人物の生い立ちや背景を上手く書いているのでアガサは読者にフェアであろうとしているのが分かります。謎解きが好きな方は油断せずに読んでくださいね!


後はこの作品は男と女のミステリーと言っても良く、察しの良い読者はお分かりかと思いますが、キャザリン・グレイの恋愛とからめて謎解きが進んで行きます。とても面白い作品です。ただ、私はポアロ作品でもっと好きな作品があるので、★は少なめです。


ちなみに、ミスマープルの住んでいるセントメアリーミード村が出てきますので(ミスマープルは出てきませんが)マープル好きな方はニヤッとするでしょう。

aoressha1.png

青列車の秘密 ハヤカワ文庫 / Agatha Christie アガサクリスティー 【文庫】

価格:1056円
(2024/7/14 11:01時点)
感想(0件)






2024年07月12日

カリブ海の秘密 感想






agasa.png



このブログは
アガサクリスティーが好きすぎて
無人島になにを持って行きたいかと聞かれたら
「アガサクリスティーの本」と答えるくらいの熱量があります
この本のこの作品のココが好き
または
この本のこういう所が見所!
というのを紹介していくブログです
自分の独断と偏見で★を付けていますが完全好みの問題なので、皆様とは違う価値観かもしれません。
ご容赦願います

このブログの最初はこちら


カリブ海の秘密

【中古】 カリブ海の秘密 / アガサ クリスティー, 永井 淳 / 早川書房 [文庫]【メール便送料無料】【あす楽対応】

価格:405円
(2024/7/12 20:57時点)
感想(0件)




マープルのかっこよさ   ★★☆
マープルの足を痛める度  ★★★
ちょっとずるい推理度   ★★★
無人島にもって行きたい度 ★★☆

654misuma-pu.png

 

ネタバレあまり無しの紹介

アガサクリスティーの作品の中のミスマープルシリーズ
大人気の安楽椅子探偵ミスマープルの長編です
探偵といっても見た目はどこにでもいるようなおばあさんですから周りはその見た目に油断してしまいます
いつも村にいるはずのミスマープルが今回は海外にお出かけをしているところが特別な作品です!
セントメアリー村に住むマープルが甥のデズモンドの好意で南の島へ療養に行くことになるのですが、アガサクリスティーはミスマープルにご褒美のつもりで南の島へ行って欲しかったかもしれません。
お金持ちのリゾート地、カリブ海が舞台でミスマープルが活躍するわけなのでときめかないわけがありませんね

agasaumi.png

物語は、『人殺しの写真をごらんになりますかな?』といわれてその写真を見せようとしたパルグレイヴ少佐の死から始まります。高齢であること、高血圧だったなどから、病死とかたづけられるのですが、ミスマープルだけは疑問を抱きます。人殺しの写真を見せようとした時に、ミスマープルの肩越しにそっくりな”誰か”を見つけ、マープルにその写真をみせることなく慌てて写真を隠した姿を思い出すからです。

いつものセントメアリー村ならば、親しい警部も警察関係者もいて、協力してくれる人もいるマープルですが、ここは西インド諸島、マープルを知ってる人はいません。カリブ海のホテルに滞在する全ての人が怪しく見える中で、ミスマープルはただ一人調査を始めるのです。
最初は自分の”どこかしら身体の調子が悪い老人”に見えるであろう特性を生かし、人の良いお医者さんを巻き込むところから始めるのも面白いです。
最後には、世界的にお金持ちで有名な、しかし身体が不自由で口うるさい傲慢な年寄りのラフィール氏まで味方につけるという所も面白いです。一人の老婦人でしかないはずのマープルに味方がどんどん増えて行くのです。
(ラフィール氏を気に入ったのか、アガサはまたマープルの長編『復讐の女神』にも登場させてます)

そして余談ですがミスマープルはよく、足を痛めます!
お年寄りの特権と言って良いでしょう(ポジティブに言っています)
マープルもお年なので仕方ないと言えば仕方ないのですがファンとしてはキタキタ!と思います。

推理やトリックについて読者に対してずるいな!と思うところもあるので★は少なめです
読者をだましてるわけではないのですが、語らない事実は存在しないのと同じなので、そこの所をどう捉えるかという所です。
クライマックスはやはり最後の犯人が分かるところですが、この時のマープルの描写がまさに女神様のようで素晴らしいです。

あまりにも印象的なのでアガサはこのマープルが書きたかったので、この作品を書いたのでは?と思ったくらいです。
ラストにこんな粋な演出を用意してるなんて憎いなと思います。
アガサは本当にマープルが好きなんだなと思います。
ぜひ、そこの所も楽しん読んで欲しいと思います。








スタイルズ荘の怪事件 感想


agasa.png

このブログは
アガサクリスティーが好きすぎて
無人島になにを持って行きたいかと聞かれたら
「アガサクリスティーの本」と答えるくらいの熱量があります
この本のこの作品のココが好き
または
この本のこういう所が見所!
というのを紹介していくブログです
自分の独断と偏見で★を付けていますが完全好みの問題なので、皆様とは違う価値観かもしれません。
ご容赦願います
スタイルズ荘.png


このブログの最初はこちら


スタイルズ荘の怪事件

犯人が一転二転三転する度       ★★★
アガサの才能は最初からすごい度    ★★☆
ポアロつかみはOK 度          ★★★
ヘイティングスおちゃめ度       ★★★
無人島に持っていきたい度       ★☆☆

スタイルズ荘の怪事件 (ハヤカワ文庫) [ アガサ・クリスティ ]

価格:1012円
(2024/7/11 21:37時点)
感想(14件)




アガサの記念すべき推理小説一作目です。

アガサ自身が長く付き合うことになる名探偵ポアロがここでで登場します。
ポアロの語り部で相棒のヘイスティングズももちろん出てきます。
ヘイスティングズはポアロの友人であります。
この2人の性格と年の離れた関係性がこの作品を面白くしています。
トリックも、この当時の時代だから成立すると言うこともありますが、看護師の経験があるアガサならではの知識があってこそのしっかりとした小説になってます。

ネタバレなしの紹介

”スタイルズ地方の地主の
奉仕活動家女主人殺人事件”

傷病兵として休暇中のヘイスティングズが旧友の勧めで旧友の実家のあるスタイルズ荘に招かれ、ゆっくりすごそうかと思った矢先に継母の女主人が毒殺されてしまいます。
その犯人探しになりますが、家族も誰もが遺産を巡って動機があって怪しいのです。

読み進めていくと、一転二転して新しい事実がでてくるし遺言状は何枚も出てくるし、誰かが誰かをかばっているのかややこしい状況も出てきて、怪しい人ばかりでいったい誰が犯人か全く分からないのです。

後妻業ならぬ、後夫業的な若い夫もあやしいし、不倫もあり、ワイドショーのネタ満載です。
殺された女主人にお世話になったことがあるポアロもたまたまスタイルズ地方を訪れており、必然的に事件解決に乗り出す事になります。

ヘイスティングズの独り言にヒントがあるのですが基本ポアロの推理のすごさを助長させるだけだったりします。その独り言を分かった今でも私にはさっぱり推理できませんからアガサのすごいところはつまりはアガサ自身がすごい名探偵だというところですね。(今更ですが)
ヘイスティングズの惚れっぽいところとか何回も同シリーズを既に読んでる私は知っているので、改めて第一話のこの『スタイルズ荘の怪事件』を最初からヘイスティングズはこんなに惚れっぽいんだ、若いなあってニヤってするところもあります。
アガサはポアロを一回切りの登場で、続き物を書く気はなかったと聞いたことがありますが、この作品で意外にも人気になってしまい必然的に書き続けることになる記念すべき作品です。

私的には登場人物、特に殺された女主人に自分は共感を持てないし魅力を感じないので(失礼ですね)作品的にはあんまり好きな作品ではないんです。しかし、最後の大どんでん返しに読者は驚くと思いますし、記念すべきポアロの初挑戦推理小説ですから読んでおいて損はありません。。
私が無人島に持っていく本としては、他のポアロ作品の方が私は大好きすぎるので★少なめですが、でも、あくまでも個人的な好みの理由なので面白い推理小説のひとつであることに違いはありません。

名探偵ポワロ ニュー・シーズン DVD-BOX3 全4枚セット

価格:15400円
(2024/7/12 20:03時点)
感想(0件)



ファン
検索
<< 2024年08月 >>
        1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 31
最新記事
写真ギャラリー
最新コメント
タグクラウド
カテゴリーアーカイブ
月別アーカイブ
プロフィール