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2024年07月20日

5匹の子豚 (アガサの作品の中で一番好き)

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このブログは
アガサクリスティーが好きすぎて
無人島になにを持って行きたいかと聞かれたら
「アガサクリスティーの本」と答えるくらいの熱量があります
この本のこの作品のココが好き
または
この本のこういう所が見所!
というのを紹介していくブログです
自分の独断と偏見で★を付けていますが完全好みの問題なので、皆様とは違う価値観かもしれません。
ご容赦願います


このブログの最初はこちら

五匹の子豚

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ポアロの推理が冴えてる度 ★★★

アガサの情熱を感じる度   ★★★

最高傑作度        ★★★

無人島に持っていきたい度 ★★★ 

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私の独断と偏見ですが

ポアロの登場する小説が

沢山ある中で、

どれが一番好きかと聞かれたら

『5匹の子豚』と答えます。

私はそれぐらい大好きな作品です

題名こそかわいいですが、

内容はがっつり大人向けでございます。


この作品には

近代化に向かう女性の強さ、

若さ、芸術家へのリスペクト、

ゴシップ、スキャンダル、

母の愛、強い愛、

など沢山のことが詰っています!


謎解きもすばらしいのですが、

なんといっても登場人物の

魅力的な事と言ったら、

アガサクリスティーの

最高傑作と言ってもいいと思います。

多分、

アガサクリスティーは

ノリにノってこの作品を書いています!

(個人の感想です)


この作品は自分は

何回も読んでいるけれど、

飽きないんです

結末が分かってても

何度も読んでしまいます


映像化した時どんな

俳優さんがいいかなあ、

なんて思いをめぐらせて

読んだりしてるのも

楽しかったりします。


演じる俳優さん達も

きっと楽しいだろうと思う

作品じゃないかと思います。

個性的な

魅力的な

登場人物ばかりです

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ネタバレなしの紹介
感想ネタなし.png


16年前に

有名な画家だった父を

殺した容疑で捕まった母の事を

知らずに育った娘からの

依頼を受けて

ポアロが過去の真実を

あぶり出す作品です。



母は最後まで無実を訴え、

夫は自殺だったと

かたくなに言い続け

獄中で亡くなってしまうのですが、

当時は状況的に母が

犯人以外にあり得ないのです。

この夫というのが

全くひどい男で、

絵を描くことに夢中になると

奥さんや子どものことなど

全然目に入らず、

浮気しまくる自分勝手な

ヤツなのです。
ほどい.png

何回目かの浮気の果てに、

若い愛人を絵のモデルとして

家族と避暑地に連れてきて

住まわせるような身勝手な

行動の夫に、

とうとうガマンの限界を迎えた妻が

殺したと思われても

仕方がないのです。

しかも、この愛人は

今までの愛人とは違い

とても若くて情熱的で

妻は今まで感じたことのない

敗北感を感じていた

時期でもあったのです。

もてる.png


母の犯行が確実かと

思われるのですが


しかし最後まで

無実を訴える母の気高い姿に、

知れば知るほど

”本当はどうだったんだろうか”と

疑問が沸いても来ます。

誰かをかばっているのか?

それとも本当に自殺なのか?


全ては、過去に

遡ることでしか

見えてきません。

芸術家の父、

若き美しき愛人、

そして妻、

この3人の三角関係だけでも

濃い話が出来そうなんですが、

ここに加わるのは

当時避暑地に一緒にいた

母の妹、

娘、夫の兄、親友で、

ポアロは当時の愛人を含め

5人から順番に

話を聞きに行き

五匹の子豚になぞらえて、

解決していくのです。


当時の関係者を

一人一人訪ね歩いて話を聞き、

彼ら、彼女から遙か昔の記憶を

鮮やかによみがえらせて

いくところも見事です。


人が過去を思い出すとき、

都合のいい事、

悪い事も一緒に思い出しますが、

ポアロはそれを

何一つ聞き逃さないのです。

矛盾を見つけ出し

辻褄を合わすことの

組み立てはすばらしいです。

読者は読んでいて、

過去と現在が入り交じり、

こんがらがりそうになるのですが、

ポアロの推理により

最後に鮮やかに過去の

タイムテーブルが合う時、

過去の矛盾に

読者の自分もやっと気がつき、

当時に実際に起こったことが

鮮やかによみがえります。


そこが素晴らしいのです!


魅力的な人物ばかり

登場するといったらそれまでですが、

この作品はそれぞれが

昔の同じ事柄、

人物を思い描き同じ時間を

思い返すことで、

その人なりの想い、

感情の書き分けが際立って

素晴らしい事が分かります。

本当に大好きな作品なので、

この作品に関して、つい紹介にも

特別に力がこもることを

お許し願いたいし、

是非この作品を読んでいただいて、

アガサの魅力に更に

ハマっていただきたいと思います。

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象は忘れない 感想






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象は忘れない

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アガサファンなら読んでおきたい度    ★★★
ポアロファンなら読んでおきたい度    ★★★
大逆転度                ★★☆
ちょっとしみじみする度         ★★★
無人島に持ってきたい度         ★★☆ 

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実は私が一番最後に紹介したかった作品です

なぜならアガサが書いたポアロものの本当に最後の作品だからです

チョット詳しい方ならポアロの最後の作品と言ったら『カーテン』じゃないのって言われるかも知れません

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アガサクリスティーが、ポアロの最後の事件として書いたのは『カーテン』で間違いないのですが、実際には、『象は忘れない』はその『カーテン』の後に書かれています。
詳しくはいつか「カーテン」を紹介したときにしたいと思いますが、『カーテン』より後に書かれたと知るとまた味わい深く読むことが出来ると思います。

なので、作中に昔に解いてきた、過去に遡って解決する『5匹の子豚』とか『ひらいたトランプ』とか他にもそんな名作が出てきて、読みながらああ、本当にコレはアガサのポアロの最後の作品なのかとしみじみ思います
(今回紹介に至ったのは、世界情勢でのいろいろや災害いろんなことが起こるので、明日を後悔しないように、紹介したい作品を早めにしておこうと思った次第です!おおげさですけどね!)

過去の事件を掘り起こして真相にたどり着くポアロお得意の回顧推理ストーリーです
過去の事件自体は悲惨で悲しいのですが作品の構成はとても粋な作品です

ポアロの友人小説家のオリヴァが受けた依頼が発端で、過去の事件の真相を暴いていきますがオリヴァ自身もあちこち話を聞きに行く活躍ぶりです

その報告をもとにポアロは順序立て、真相を組み立てていきます

ポアロの友人で小説家のオリヴァは、売れっ子小説家でまるでアガサの分身のようです
有名人としてパーティーに呼ばれて行くことの滑稽さや“ファンです”と言われることの苦痛なども書いていて、アガサもそんな気の進まないパーティーに出ていたのかもと思ったりして面白いです

『象は忘れない』という題名から分かるように頻繁に”象”という言葉が出てきますが実際に本物の象は出てきません

”象は忘れない”の題名には”象は決して過去の事を忘れない”親切にしてくれた人の顔も、危害を加えた人の事も全て覚えている、その象の特性を比喩に使っています(アガサ自身も気に入っていたのでしょう)
関係者の過去や思い出を『象』と名付けて“象をさがしに言ってくるわ”とオリヴァに言わせながらユーモアたっぷりに捜査に出かけていくのでこの題名が付いているのだと思います

なので頻繁に”象”という言葉が出てきますが実際に本物の象は出てきませんよ!象が苦手な方は安心してくださいね(そんな人いるんでしょうか?)

トリックとしては、難しくはないです。
ミステリー好きならすぐに思い付くネタかもと思わないでもないですし、トリックというよりは人間関係、動機は何かという謎解きになると思います。ちょっと感傷的な作品です

なので自分としては無人島まではもって行くにはちょっと湿っぽいなという感じです
いつも強気なポアロが自分はすでに過去の探偵なんだと自覚しているようなシーンもあって切ないです
自分の灰色の脳細胞に絶対的な自信のある傲慢気味なポアロがそんなに弱気になるなんて今まであり得なかった事です
対比として未来に生きる若い人間のたくましさを書いています。
そんなところもアガサ的に最後のポアロ作品『カーテン』の後の作品らしいと言えばらしいです。

作品の中に重要なアイテムの住所録が出て来るのですが、その年代別の住所録の年代のままに作品も書かれているのを知った時、直接事件のトリックとは関係ないですがアガサが生きていた時代をリアルに感じることが出来て興味深いと思います。

一番素敵だなと思う台詞が、最後に出てきます。
最後のオリヴァの台詞を読み終えたとき、アガサはこの一言が最後にいいたかったのかなとハッとします

作品のあらすじ

小説家のオリヴァはあるパーティーの最中、一人の女性に頼み事をされます

以前オリヴァが名付け親になった女性がうちの息子と結婚する予定だが、その女性の親が過去に謎の心中事件を起こしている。男親の方が母親を殺してから自殺したのか、または逆なのかまたは第3者の殺しの可能性があるのか、それによっては息子の結婚に賛成しかねる、そんな内容です。
オリヴァにとったら、過去何人もの名付け親になってるうち一人のことだし、いきなりそんなこと言われたって“いい迷惑”。しかしまるっきり無視も出来ないので、そのパーティーの帰りに、早速ポアロの家に強引に押しかけ(事前に電話するだけマシ)“こんなこと頼まれたのよ!過去の事件を調べるのあなた得意でしょう!”てな具合でまくし立て、ポアロに協力させるのです。遠慮なんてオリヴァに存在しません!
ポアロは、その時にはすでに全くの引退状態で、引き受けるギリなんてありませんが、悪友のオリヴァはポアロを上手に使うすべを知っています。(オリヴァは上手ですね)
そんなわけで引き受けたポアロとオリヴァは事件の真相に迫っていくのです

オリヴァに依頼してきた女性にも、秘密があり、ただ息子を心配するだけじゃない”何か”もあぶり出します
依頼主はそこまで暴かれたくなかったでしょうが、ポアロはお構いなしです。
過去の事件なので関係者からの聞き取り、噂話の収集から始まります。思い出話も聞く人によって違う感想を持ち、事件の見方が違うことや、同じ家族の印象も違うので、何が本当か分からなくなってきます。
それでも、地道に過去の思い出を聞き取りに旅に出るオリヴァとポアロがいて、些細なこと、例えば飼っている犬のことやかつらのことなど関係無いことに思える全てが一つに線に繋がる瞬間がたまらない作品です。

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2024年07月19日

エッジウェア卿の死 感想

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エッジウェア卿の死 感想






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エッジウェア卿の死
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ポアロがだまされる度    ★★★
犯人に同情できない度    ★★★
女優の華やかさ度      ★★★
無人島に持ってきたい度   ☆☆☆



ネタばれなしの紹介

この作品は読み始めからドラマティックです
華やかなショービジネスが舞台、美男美女が出てきますし何しろポアロの友人のヘイスティングズが最初に”ある非常に魅力的な一女性の心からの願いを実現することにもなる”などと思わせぶりに読み手を誘うからです

この頃のショービジネスの風景も今と変わりがないようで、結婚離婚の繰り返しで世間を賑やかすのは定番
そこにはお金とスキャンダルがてんこ盛りです
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そんな中、よりによってポアロに離婚問題の解決を依頼する美人女優が出てくるのです
それがエッジウェア卿の奥様、ジェーン・ウィルキンスンなのです

エッジウェア卿は大金持ち、しかし性格に難ありで有名なひとなのですが前の夫人ともすったもんだでなかなか離婚に応じなかった過去があります

それが分かっていながら、その問題のエッジウェア卿と結婚するなんて女優っておかしな生き物ですねっ?と凡人の私などは思うのですが、大金持ちというのは変人を魅力的に魅せるものですから何回も問題おこしつつ結婚しちゃうわけです(だろうと思われます)

なので簡単にはいかない離婚に応じるように説得して欲しいと名探偵ポアロにお願いするのも分からないではないのですが、そもそもポアロがやることがない案件です

自ら面白いと思う事件しか引き受けないポアロも強引な女優に無理やりその離婚問題を引き受けさせられますがどちらかというと、ヘイスティングズがその女優のファンだったから、と言うのが理由ではないかと思います
ヘイスティングズは女性に弱いんだなと毎回思いますが、今回もその傾向は顕著です

とにかくその離婚問題が事件の発端になりますが離婚問題はあっけなく解決します
さすがポアロ!と言いたくなりますが別にポアロの手柄ではありません
ポアロが離婚問題に着手する前にエッジウェア卿はすでに離婚に応じていたというのです
そこもこの作品を惑わせるひとつの要因です

ウソをついているのは夫か夫人かどっちなのか?どちらもだまされているのか?
題名通りポアロが会ったその後にエッジウェア卿が殺されて亡くなるので、いうなればポアロは無理やり事件に巻き込まさせられたと言っていいと思います

離婚したい理由が、他の男と結婚したいからと言ってのけていた夫人の女優ジェーンは限りなく怪しい!
しかし、完璧なアリバイがあるのです
犯人は今の夫人と結婚したい新しい男なのか、前の夫人との間に出来た娘なのか、それとも他に恨みを持つ人間がいるのか?
一体エッジウェア卿を殺したのは誰なのか?
事件は解決出来るのか?そんな作品です

アガサの作品にはいくつか女優が出てくる作品があります
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女優ってこういう生き物でしょって言わんばかりのアガサの表現の面白さがそこにあります
例えば『鏡は横にひび割れて』なども女優が登場しますが(この作品はエリザベステイラーが演じられていた事もあります)こちらの女優はまたちがう表現をされてます

沢山の女優さんの表現がある中で自分がどんなに魅力的か分かっている女優のエゴイストの表現は上手いなと思います

そして同時に芸術として賞賛される女優も出てきたりします
リスペクトもされているのでしょう

今作ではカーロッタ・アダムズという女優の存在が面白いです
とても面白いなと思います
それだけでも読む価値はあるかもしれません

それをふまえた上で、
この『エッジウェア卿の死』重要人物の女優が大げさと思いますし(そこが面白いと言えば面白いけれども)そこは置いといても、今作のポアロの推理はちょっと冴えが良くない気がするんです

ヘイスティングズの気に入った女性への盲目度は特に今回半端ないですし、イライラするほどです。ヘイスティングズのいい所でもあるんですけどね(アガサはわざとでしょうが)

そんなわけでこの作品が好きですか?と聞かれれば 私はポアロのキレが弱い気がしてあんまり好きではありませんと答えます。
でもこの作品を面白いか、と言われれば、面白いと答えるでしょう

矛盾するかも知れませんが、そんなわけで無人島までは持っていかない本ではあるんですけど単純に見えて複雑な事件にしている、あり得ない設定のそんな作品とだけ言っておきます

ポアロのクリスマス 感想


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ポアロのクリスマス


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クリスマスアドベントカレンダーのような作品   ★★★
アガサのクリスマスは陰と陽度          ★★★
内容は血に飢えたクリスマス度          ★★★ 
クズ男がモテるのは何故なんだ度         ★★★
無人島にもっていきたい度            ★★☆

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ネタバレなしの紹介

人気作家であるアガサクリスティーの作品は出版社が『クリスマスにはアガサを』とキャッチフレーズにしてキャンペーンをしていたのは有名な話ですね。売るための出版社なりの作戦だったのでしょうが、それだけ楽しみにしていた読者のファンがいたということでしょう。そのための新作を出し続けるアガサも相当凄いと思います。

今回紹介するのは、そのキャンペーにのっとって書いたズバリ『ポアロのクリスマス』という作品です。
クリスマスと言えば、ケーキにツリーにリース、ご馳走の数々など明るいお祭りのように思う人も多いかもしれません。
実際、アガサもイギリスらしいクリスマス、プティング等のご馳走が大好きで『クリスマスプティングの冒険』では思う存分ご馳走を登場させて明るいクリスマスの作品を書いています。
しかし今回の『ポアロのクリスマス』は全く違います。

『クリスマスプティングの冒険』が陽だとすると『ポアロのクリスマス』は陰といったところでしょう。
何しろ、読者の一人に『もっと血まみれの殺人を書いて欲しい』と言われて奮起して書いているのですから、始末が悪い!
(とても誉めています)
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実際には12月22日から28日までの7日間の話になりますが、犯罪が起こる前の22日はこんなことがあった、23日は、というようにアドベントカレンダーをなぞるように始まります。作品事件が起こるのはクリスマスイブの24日、犯人が分かるのが27日、エンディングが28日、つまりポアロの灰色の脳細胞に掛かればクリスマスイブに事件が起ころうとも年内に解決してしまうのです。

殺されるのはお金持ちの老人、若い頃から散々女を(男も)泣かせてきた良心の欠片もない老人になったシメオン・リーという男です。

でもなぜ、こんなクズのような男が女に好かれるのでしょうか、私にとっては全く不思議でしかないのです。顔がイイとだけは描いてありますけど、中味はクズです。(何回言うのだろう)そしてクズがお金を持つとさらにタチが悪いし女好き、、、、となればまあ、殺されても仕方ないか!と思える人物に書かれています。

だからこそ血まみれになって殺害された時、マクベスの台詞『あの年寄りが、あんなにたくさんの血をもっていると誰が考えただろう』を登場人物に言わせて人間の愚かさを全面に出しているのかもしれません。

ネタバレちょっとあり

イギリスのクリスマスは、日本で言うところの『お盆』や『お正月』の行事と同じような感覚ではないでしょうか。

疎遠になってる家族、親戚等がクリスマスだから、と言って集まる口実がそこにあります。
当然、犯人は集まった親戚家族の中にいるわけですが、そんなクリスマスだからこその事件と言って良いでしょう。どうしてこんな話を思い付くのか、いつもながらびっくりします。私は最後まで犯人を見抜けませんでした!

なにしろアガサはびっくりする仕掛けを考えているし、タネを全部見せているようで、見せてない上手い書き方をしています。恋愛もからめて結局はハッピーエンドにするところもクリスマスのお慈悲と言ったところでしょうか。

ここでのクリスマスはイギリスの良きクリスマスではありません。『クリスマスプティングの冒険』ではクリスマスの良さを沢山書いているのに、ここではクリスマスを否定するかのような扱いです。

アガサに何があったのでしょう、と思わずにいられません。そんなアガサの気持ちも想像しながら読んでみるのも良いかもしれません。

無人島にもって行くにはちょっと好みじゃないので満点の★ではありませんが、だまされることは必須の良い作品です。

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葬儀を終えて  感想

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葬儀を終えて

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斬新な切り口のミステリー度  ★★★
人物のユニークな描写度    ★★★
遺産相続への興味惹かれる度  ★★☆
犯人への共感度        ★☆☆
無人島に持っていきたい度   ★☆☆

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感想(2件)





ネタばれなしの紹介

お葬式が終わるところからこの作品は始まります。
亡くなったのは薬で財をもうけたお金持ちのリチャードです。
唯一の子どもは先に亡くなっているので、遺産は兄弟姉妹、親戚などリチャードが残した遺言書にならって分けることになります。

何も不審な点がなかったリチャードの死ですが
葬儀に出席した妹コーラの
『だって、リチャードは殺されたんでしょう?』の一言ですべてがひっくり返ります。

コーラは昔から天真爛漫な性格で言って良いことと悪いことの区別がつかない所があり、皆が隠したがる秘密を言い当てるような所も多分にあったため、葬儀に集まった皆はその言葉の真意を計り知れないまま家路につくことになります。

そしてその言葉を言い放ったコーラは家に帰った後、誰かの手によって惨殺されるのです。

コーラがあきらかに他殺であることにより、コーラが言い残した『だって、リチャードは殺されたんでしょう?』の戯れ言がクローズアップされてきます。

葬儀に居合わせ、そのコーラの一言を聞いた全員に疑いかかかるのも無理はありません。
もしくは全然関係のない殺人なのか?
遺産相続の泥沼な争いもからめて、殺人の動機は誰にでも充分にあるのです。
ポアロは遺産管理者の一人に依頼されて真相を探ることになります。

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感想(0件)



ネタバレちょっとありの感想

遺産相続のドタバタ、険悪さなどはミステリーにはよくありがちですが
アガサクリスティーの小説に出てくると本当にワクワクなんです。
ですから楽しんで読める、と言うのもあるのかもしれません。
そういう意味で私は楽しめました。(ひどい感想ですね、完全に他人事ですから)

後はコーラという人の人物描写が絶妙です。
最初の被害者であるコーラの描写が一番重要だからです。
コーラが『だって、リチャードは殺されたんでしょう?』と言ったのでなければ、ここまで事件にならず問題にならなかったでしょう。しかし、このコーラは残念ながら兄弟姉妹親戚共に好かれてはいない、疎遠な関係であることを冒頭にアガサは上手に書き示しています。
本当に上手い書き方だな、と思います。
それによって読み手も真実はどうだったのかと好奇心が止まらなくなります。

犯人は私にとっては意外ではなかったのですが、動機が全く分からなかった作品です。
人によっては、犯人に対して全く共感をしないでしょう。
しかし、私は同情はしないけど、共感はちょっと出来ました。
動機に対してではなくて、コーラ(に似てるタイプと接する)に対しての感情も心の奥底にあったのかなと、ちょっと感じたりしたのです。

そして一点、この作品の中に、他の作品の重要なシュチュエーションを彷彿とさせる場面が出てきます。コレは私だけが感じることかもしれませんが”多分コレはアノ作品のアノ場面にしてるな”と思う部分があります。ネタバレのなる可能性があるので、ここでは言いたいけど言いません。
ヒントはこの作品以降に書かれる作品の中にあります。
読まれる方は、そこの所も感じながら読んでみるのも面白いかもしれません。




2024年07月18日

鳩のなかの猫  感想






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鳩のなかの猫

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アガサクリスティーの視野の広さ度  ★★★
学校経営の面白さ度         ★★★
教育とは何か            ★★★
ただのミステリーではありません度  ★★★
とにかく女は膝は大事なのね度    ★☆☆
無人島に持っていきたい度      ★★☆

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感想(7件)




ネタバレなしの紹介

この作品の中心はメドウバンクという有名お金持ち女学校です。イギリスの学校は全寮制というのはハリーポッターで有名ですが、そんな全寮制の学校が舞台の作品です。

そういうと、学園モノで学園ミステリーなのか?と簡単にくくりたくなりますが、そう簡単な作品ではありません。
なぜなら、冒頭に革命テロなど血なまぐさいシーンがいきなり出てくるからで革命的な方向と女学校を絡めとてもスリリングな作品になっています。これは誤解されないように言うのは難しいけれど男子校が舞台では又違う話になってしまうでしょう。

私が面白い、と思ったのはミステリー自体も独特で新鮮ですが女学校の考え方を校長先生であるバルストロードが痛快に理想をもって経営している所でした。

今まで学校を”経営”としての観点から考えたことがなかったのでとても新鮮に感じたし、学生時代に戻ってこの学校で学んでみたいと思う校風がありました。
言い方が難しいけれど、花嫁学校ではありません。
この言い方はもう古いですよね、でもこの時代はまだこの考え方があった頃だと思います。現代に学ぶべき学校の本質を突いているので読んでいてワクワクします。ミステリーなのに、その背景の女学校自体がもう面白いのです。

そんな女学校で起こってしまう殺人事件は、学校長を悩ませます。普通なら殺人事件が起こった学校などとんでもないことでつぶれてもおかしくない所ですが、肝がすわっているこのバルストロード校長は考え方が斬新で世間をよく知っていてピンチをチャンスに変える考え方が出来る人に書かれています。この人の魅力にポアロも協力を惜しまないであろう、と想像出来ます。

大人になりきらない女性の、ちょうど微妙な時期を上手く書いています。イギリスの少女は、アジアの女性よりも幼い、と表現しそこが推理の重要な事柄でもあります。多分アジアの女性の方が結婚してしまう時期が早かった頃の名残なのかなと思いますし、とてもその表現はアジア圏でも生活したことがあるアガサならではの表現かなとも思います。

大部分が女学校が舞台ですから、それに伴い、女学生や女性教師いろんな女性の生き方が出てきます。戦後の影響もあり女スパイの話も出てきます。アガサの時代は戦争の背景が色濃く、リアルに女性の仕事としてあったんだろうなと思うのです。
作り話でなく、戦争とはそういうものなのかと考えさせられます。

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ネタバレちょっとありの紹介

この作品は有名女学校で起こる連続殺事件です。

なぜか室内競技場(体育館のようなものでしょう)で殺人が起こることが事件のカギになります。そして、そこへ唯一の男と言って良いのですが男前の庭師が入り込みます。年配の庭師であれば問題はないのですが、女性の園に男前の若い男の庭師というのは怪しさ満点です。この作品の映像化の時は是非ともキャスティングに力を入れていただきたく思います。(これはアガサが映像化の時にお楽しみがあった方がいいと思った為ではなかろうかと思いましたが)

最大のヒントとしたら以前にアガサが書いた『茶色い服の男』のトリックが出てきます。でもそれが分かったからと言って、このミステリーの面白さは変わりませんので、興味がある方は読んでみてはいかがでしょうか。

そして肝心のポアロなのですが、この作品においてはポアロは後半からしかでてきません。ほぼ、女性が主人公と言ってもいいくらい、魅力的な女性陣が出てきます。
アガサの脳みそは”女性脳””男性脳”の区別を超えているのかもしれません。女性の身体の一部(膝)に非常に関心があるようで、その表現は他の作品でも出てきます。

ポアロが登場すると驚きの展開とともに一気に解決となります。ここの展開の仕方は非常に面白いなと思います。

殺人事件は陰惨ですし、その後の状況も楽観的なモノではありません。それでも精一杯のハッピーエンドを用意しています。ここはアガサの上手いところかなと思います。

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2024年07月17日

ビッグ4  感想

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アガサクリスティーが好きすぎて
無人島になにを持って行きたいかと聞かれたら
「アガサクリスティーの本」と答えるくらいの熱量があります
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ビッグ4

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ポアロとヘイスティングズの友情度  ★★★
他のポアロの探偵小説にはない感じ度 ★★★
あくまで個人的にあわない度     ★★★
別の探偵の話なら良いかもしれない  ★★★
無人島に持っていきたい度      ☆☆☆

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本当にこれをアガサが描いたのだろうか?
ポアロを主人公なのに?というくらい他の作品とテイストが違います!


この作品はアガサの名前を爆発的に(と私は思ってます)世に知らしめた名作(迷作)の『アクロイド殺し』を発表したすぐ後の作品なのです。それにしては、面白くなかったなあ(失礼な)と思っている作品なので、好きな方はすみません
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推理小説界を騒然とさせたすぐ後の作品なので、期待も大きかったと思います。
ポアロの作品としては、最初の『スタイルズ荘の怪事件』を発表した後の作品なのですが、ミステリーより本当はこういうスパイを追う的な作品を書きたかったのでしょうか?
間に発表された『ゴルフ場殺人事件』はまた違うテイストなので戸惑います(個人的な好みですみません)


個人的な感想なので、申し訳ないですが、アガサ好きの自分がこの作品は途中で眠気が襲うくらいに、読み終わるのに苦労しました。(ひどい)

数年たって、また再度読みました。最初読んだときは自分も幼かったですからね!しかし、やはり再度チャレンジしても読むのにつらいという感情がひしひしと。そして今回、また読み直しましたがやっぱり全然進まない。プロローグから頭に入らないので、困りました。他の探偵が主人公ならば面白かったかもしれません。

敢えて言うならポアロにデンジャラスな冒険と活劇をさせたかった、そういうことなのだろうと理解します。


あらすじとしたら東洋のギャングのビッグ4の存在を追う話です。
本当にらしくない、灰色の頭脳を使うポアロらしくないんです!(個人的見解)ちゃんと読めば、その奥にある面白さに気付くのかもしれませんがこれは今後の私の課題です!
(いまだに全然読む気がしないので大問題)

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ネタバレなしの紹介

ヘイスティングズは長年ポアロから離れた暮らしを堪能し、残りの人生を久しぶりに旧友のポアロのもとで過ごそうと思いたち、感動の再開をします。

しかし再開したとたん、その矢先に怪しげな男がやってきて、息も絶え絶え倒れ込みます。ある策略によって、ポアロたちがその男から目を離した途端にその男は死を遂げる。
そこからはポアロの謎のギャングビッグ4を追い詰め、逆に追い詰められ、という冒険が始まるのです。読者を裏切る仕掛けもあるし、なによりポアロが大変にアクティブで、あっちゃこっちゃ行きます。中国系のマフィア的な”ビッグ4”の首領リー・チャン・エン人物を追い詰めるのですが、、、、という話です。

ポアロとヘイスティングズとの友情の証みたいなエピソードも満載だから、それも書きたかったのかなあと思わないでもないです。

とにかく、いつものポアロの推理小説とは一味違うテイストな作品だと言うことはお伝えしたいです。(個人的意見です)こういうポアロの一面もあるんだなと思える作品ではあります。

無人島に持って聞きたい度が★ゼロなのは、ギャングとの冒険活劇なので、無人島では真逆な感じですごく疲れるかなっていうのと完全にこの作品が好みじゃないと言い切れる問題です。

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ゴルフ場殺人事件  感想





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ゴルフ場殺人事件

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アガサの若々しい作品       ★★★
ヘイスティングズの惚れっぽさ度  ★★★
ポアロの推理が冴えてる度     ★★☆
警察を出し抜く度         ★★★
無人島に持っていきたい度     ★★☆

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ネタバレなしの紹介

このお話は、ポアロの第2弾になります
『スタイルズ荘の殺人』でポアロが鮮烈デビューをした次の作品なので、アガサの文章も若々しさに溢れています。

あらすじ

あるとき富豪のルノール氏から南米の仕事上のトラブルで脅迫を受けているとポアロは依頼を受け、この男の家にいくのですが、そのルノール氏の家に行くとすでにその富豪は死んでしまっていたという不本意な始まりです。

しかもゴルフ場のバンカーの穴に入っているという状態で見つかるので”ゴルフ場殺人事件”なのです
家で縛られて生き残っていたエロイーズ夫人の話によると南米からの不審者が2人訪問し、ルノール氏は連れ出されてしまい殺されてしまったらしいのです。

当然事件解明に乗り出すポアロなのですが、よそから来た探偵のポアロを良く思っていない地元警察と確執が生まれます。
ポアロ対地元刑事のジロー刑事との推理合戦もこの小説を面白くさせています。

しかし、そもそも、このお話の最初が
”シンデレラ”と名乗る魅力的な女性が登場し、ヘイスティングズと出会うところからお話が始まるので、なんてロマンチックな恋愛ドラマが始まるんだろうという感じなのです。(もちろんこの女性も事件に大いに関係してきます)

ポアロと訪れたルノアール宅のとなりの美女にも好意を抱きますし、なんてヘイスティングズは惚れっぽいんだろうと思います。なので読み始めた私は戸惑いました。

それくらいヘイスティングズが恋に墜ちる描写が若い感性で書かれていて、あまりに惚れっぽくて推理小説になるんだろうかと心配するくらいです。

恋するが故、事件を引っかき回すしポアロの邪魔もしまくります。中学生の初恋じゃあるまいし一体何歳の設定なのかと思うんですが恋愛に歳は関係ないですね。しかし初恋物語かと勘違いしそうです。
でもちゃんと推理小説になっています。

ネタバレちょっとあり

この作品の面白いところは、南米から来たと思われる人物が犯人らしく単純に思われるけども、そう単純ではないところです。複雑に丁寧に過去に起こった事件との絡みを旨く組み合わせているところです。コレはちょっと難しいなと思う事件です。

そしてエロイーズ夫人とおとなりのドーブルーユ夫人が事件のカギですがどちらも強い特徴があります。
男を愛し、そしてお金を愛する女性。両方欲しいのが人間なんでしょうけどもなかなか割り切れるモノではないと思うのです。

結局は愛の為に罪を犯し自分の欲望のために犯罪に手を染めるのですが、どっちがどっちとは言えませんが、どちらの女性も強いです。それだけは言っておきます。

ポアロの推理は冴えています。ただ時代的に可能な犯罪なだけで、現代では通用しない犯罪かなと思います。その辺は推理小説と割り切って楽しみたいと思います。

ところでゴルフ場で死体が見つかっただけで、特にゴルフをするシーンとかでてきません。
そもそもポアロはゴルフが嫌いなんじゃないでしょうか?(言い過ぎかも)ゴルフに関して全く関心ある描写がありません。ヘイスティングズはたしなむようですが。

そしてアガサの小説は題名が凝っているイメージがあると思うのですが、この『ゴルフ場殺人事件』は『そして誰もいなくなった』『ABC殺人事件』に比べれば題名の印象は残らないですね。それが残念と言えばそこだけ残念な作品です。

この小説のヘイスティングズの描き方を見て、アガサはこの段階ではまだ名探偵ポアロを主人公にシリーズ化にするつもりはなかったんじゃないかと思います。

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2024年07月16日

アクロイド殺し 感想





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アクロイド殺し
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アガサはアイデアマン度   ★★★
読んでおいた方が得度    ★★★
映像化が難しい度      ★☆☆
無人島に持っていきたい度  ☆☆☆

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この作品はご存じの方が多いかもしれませんね
この超有名な作品はミステリー好きなら絶対読んでおいた方が良いと思う作品です
私が説明するまでもなく超有名な作品かなと思うわけですが
まだ読んだことも見たことも、噂も聞いた事がないという方が逆にうらやましいです

これから新鮮な驚きが待っているのですから!

読み終わると”絶対読んだ方がいい”と言う意味が分かると思います

このトリックを思いついたアガサは自信満々でノリノリでこの作品を書いただろうと想像出来ます

ポアロものでは初期の方の本になります
ヘイスティングズが結婚して南米に行っているので代わりに、今回は語り部としてシェパード医師が常にポアロと行動を共にして私たち読者に逐一報告してくれる形になっていますが、既にポアロは引退してカボチャ作りに精を出している設定なのも面白い始まりだなと思います


ネタバレ無しの紹介

アクロイド殺しと言う題名ですからもちろん地元の名士”アクロイド”が殺される話ですが、小説の始まりはまだアクロイドは生きています。

ポアロが同じ村にいるというのに殺されてしまうアクロイドがお気の毒でもありますが、そうじゃないと小説にはなりませんから仕方ないですね


しかし、読み終わって犯人が分かった私には、犯人に何の同情も出来ないので、ポアロに真相を突き止められてなかったとしても、(その村にポアロがいなかったとしても)犯人はろくな人生でなかったかもしれないと思ったりもします。

とにかくアクロイドが殺され、犯人捜しが始まり、カボチャを作って引退しているポアロがただの隣人じゃないことが分かり、シェパード医師と事件を追うのですが、もう既にこの時点で読者はアガサの罠に半分かかっているようなものです。

最初から心して読んで行ってください、としか私には言えないです!

シェパード医師のお姉様キャロラインが良いキャラクターです。この人がいるからこそ、更にこの作品が面白くなったと言って良いでしょう。

私はこの作品を読んだときちょっとだけ「ABC殺人事件」を思い出しました。話の内容は全く違いますが、なんとなくアイデアがリンクしています。ヒントは”水曜日の男”です!
それではこれから読む方はどうぞ楽しんで下さいますように

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茶色の服の男 感想


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茶色い服の男

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アガサの作品の中で一番アクティブな女性が出てくる度 ★★★
勇気がもらえる度                  ★★★
冒険を忘れた人に読んで欲しい度           ★★☆
ミステリー度                    ★☆☆
無人島に持っていきたい度              ★☆☆

豪華客船.png


ネタばれなしの紹介

この作品は、探偵物ではありません。
ポアロもマープルもアガサクリスティーの作品で有名な探偵が出てきません。

たった一人の女の子が冒険を繰り広げる物語です。
言うなれば、冒険活劇というジャンルに近いかもしれません。
そういうとミステリーでは無いように思いますが、それが絶妙に推理小説となり得るギリギリのところで書いてある作品なのです。

偶然にあるショッキングな列車事故(と言っておきます)に遭遇しそれが殺人と絡むことで始まることになりますが、そもそも主人公のアンが、若き女性でたった一人の身内の父親が亡くなったことから始まります。

父親が死んで天涯孤独でしょんぼりしてるかと思うとそうではありません。自由になったとばかり孤独な少女が一人で羽ばたくのです。少しばかり残してくれた遺産を手に向こう見ずで自信家で、、、自分の若さを肯定しているこの少女には驚くほど行動力だけがあります。
逆に言えば、一人の少女に行動力を起こさせる事に矛盾を感じさせない工夫をアガサクリスティーはしていますし、そのアイデアは一体どこから思い付くのだろうと思います。

それにしても『茶色の服の男』という題名は、私には本の中身を考えると随分”らしくない”題名だなと思います。

アガサクリスティーと言えば、『そして誰もいなくなった』や『ABC殺人事件』『カーテン』などちょっと凝った感じの題名を付け、読んだ後に”ああ、そうか”と思う物が多いのですが、この『茶色の服の男』は、本の中身のアクティブさ冒険活劇の様子を考えると思ったよりおとなしい題だなあと今でも思います。

実際、この題名のせいで私はアガサの作品の中でも随分遅くに読むことになりました。茶色の服の男って言われても、全然ときめかない題名だなあと今でも思います。
あくまでも私の感性なので、申し訳ありません。でも、読んでみると内容は素晴らしくアグレッシブで冒険、スリル、恋愛、ゴージャスな内容でした。

『茶色の服の男』なんてたいしたことないのでは?と思ってた私はまんまと裏切られました。

映画化してみたら面白い作品だなと思いますね。

主人公の女の子がとてもチャーミングに書かれているので足が奇麗な女優さんに是非演じていただきたい、なんて思います。(何故足が奇麗と言うのかは、是非本を読んでいただきたいと思います)

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もっともアガサは自分の作品が映画化されることがあまり好きではなかったと聞いていますが。
そして 女の子というのはどうして危険な男に惹かれてしまうのでしょうか
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アガサは恋にのめり込む若さも危険も充分に書き分けていて、冒険シーンもさることながら本当に若々しい作品となっています

そしてこの作品は後にポアロの推理小説のヒントとなる事柄というか仕掛けが出てくるそうなのですが、アガサファンでポアロファンならその作品がどれかというのはすぐ分かるでしょう!

自慢じゃないですが、私はすぐに分かりました!

皆様も、どの作品がそうなのか、そんな推理にも挑戦して読んでみてはいかがでしょうか


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