リスタデール卿の謎
このブログは
アガサクリスティーが好きすぎて
無人島になにを持って行きたいかと聞かれたら
「アガサクリスティーの本」と答えるくらいの熱量があります
この本のこの作品のココが好き
または
この本のこういう所が見所!
というのを紹介していくブログです
自分の独断と偏見で★を付けていますが完全好みの問題なので、皆様とは違う価値観かもしれません。
ご容赦願います
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リスタデール卿の謎 (ハヤカワ文庫 クリスティー文庫 56(短篇集)) [ アガサ・クリスティ ] 価格:1056円 |
リステダール卿の謎
ユーモアミステリー度 ★★☆
さくっと読める度 ★★★
ポアロもマープルも出てこないがとても面白い度★★★
無人島に持っていきたい度 ★★★
この作品は早川ミステリー文庫の短編集の作品です
12編の作品がまとめられていますが、この作品集の中にポアロやマープルのような
有名な探偵は出てきません
しかし、1話ごとに違う主人公が、ある時は何気ない日常から、ある時はユーモアたっぷりに謎にかかわる姿がユニークで、とても面白い作品集です
アガサの多彩な才能を存分に感じることが出来るでしょう。
もちろん12編もありますので、その中にも特にお気に入りのもの、そうでもないもの(正直ですみません)もありますが、ミステリーの多様性に驚かされるのには違いがありません。
そして登場人物が個性的で富裕層からそうでもない人々まで書き分けられています。
アガサクリスティー初心者の方は、最初は、ポアロや、マープルを読み、その魅力にハマったところで、この短編集を読んでみるとより、奥深い魅力に気付けるのではないでしょうか。
もちろん、最初からこの短編集を手に取った方もいらっしゃるでしょう。
その方は、是非目次順に読んでいくことをお勧めします。
実にうまいこと、バラエティーに富んだ作品の中にすんなりと入っていけるような並び順だなと思うからです。
どちらかというとサスペンスよりミステリー作品の方が多い短編集ですので、怖いのが苦手な方にもおすすめ出来ます。
作品ごとの紹介
リスタデール卿の謎
この短編集の巻頭を飾る作品。サクッと読めて大好きな作品です。
ちょっとだけ富裕層の特権意識が気になりますが(個人的に)登場人物の性格が憎めないように書いてあるので、主人公に感情移入できます。この、日本人にはなじみにくい名前”リスタデール”も”卿”も言いにくいし覚えにくいので、似たような題の『エッジウェア卿の死』と間違う可能性があります!全然違う作品ですけどね。
そちらは長編ですし名探偵ポアロの作品ですので、くれぐれもお間違いのないように!
ナイチンゲール荘
これも大好きな短編です。『うぐいす荘』と全く内容は同じお話です。訳者が違う事と、出版社が違うという事だけと思われます。どちらの作品も好きで別のページで紹介しているくらい思い入れがあります。詳しくはそちらを参考にして下さいますように。
車中の娘
放蕩息子というか、厳密には”甥”ですが、金持ちボンが出てきます。腹が立つほど脳天気です。
しかし短編ながらドラマチックでこんなコメディー映画ありそうかな?と、思う作品です。
というのは男の人が10人いたら8人くらいは夢に見るような、美女との出会いや冒険の話だからです。
話の筋とは関係ないですが出てくる執事が、魅力的です。出番が少ないのに実に小粋に書かれていて、この当時の執事というのは本当に気が利いていてシャレが効いていたのかも、と勝手に思います。私はどちらかというとこの執事に恋しそうです。
六ペンスのうた
引退した弁護士の元に、かつての”青春”が訪ねてくるところからはじまります。過ぎ去った美しい思い出を連れてきて、無理やり事件解決に乗りださざるえません。事件自体は殺人ですし、悲惨なものですが、無事に解決できます。この話の面白さは、引退した初老の弁護士の男が、人生の”青春”を一瞬思い出し、しかし”今、現在”を最も愛していると確認するところでしょうか。
エドワード・ロビンソンは男なのだ
これはお金持ちではない、現実をつつましく生きる男のロマンの話です。長く付き合ってる女友達がいて、婚約も近いかと思われるのですが、このまま結婚すると彼女の尻に敷かれるのは目に見えている。ある面ではしっかり者の彼女に惚れているのも事実なんですが、どうにも、このまま結婚するのは物足りない気がしている。そんな時に訪れる彼の運命の転機は?というお話。女の人はこれを読んで”全くしかたないなあ、男の人って!”と思うだろうと思います。
事故
これは、この短編の中でもっともゾっとする話です。詳しくは言わない方が、いいと思うのであえて詳しくは触れずにいようと思います。
ジェインの求職
これは現実をつつましやかに生きる若い女性が主人公の話。明日の食事もどうなるか分からない切羽詰まった状況の中、仕事を探さなきゃならないのに、なかなか見つからずにいたところに怪しげな求人広告が目に留まり、、、という話です。
ミステリー好きの人ならコナンドイルの『赤毛同盟』という小説を思い出すかもしれません。言っておきますが中味は全然違いますよ!
若い女性の就職活動のあるあるに、感情移入できてしまうので、そこからのあり得ない展開も許せます。
日曜日にはくだものを
つまんないと感じている日常にスパイスがふりかかる話です。そんな感じのお話です。サクッと読めます。
イーストウッド君の冒険
この話がユニークなのは”キュウリの話”をアガサが思いつくってところです。多分アガサ本人も小説のネタに困った事があるんだろうなと、思わずにいられないです。
黄金の玉
小粋な題名をつけることに定評のあるアガサにしては、ピンとこない題名を付けたな〜と思いますが、想像もつかない展開になっていきます。ユーモア小説です。主人公に全く感情移入はできないけど(自分は)
ラジャのエメラルド
これは自分的に大好きなお話です。胸がスカッとするような。身の置く場所で考え方が変わってくる話で、アガサは、富裕層の立場もそうでもない立場も実に簡単に描き分ける人だなと思います。そこが全く嫌味がないので素晴らしいです。
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個人的な感想で紹介させていただきましたが、サクッと読めるユニークな作品が多い短編集なので
ポアロもマープルも出てきませんが、楽しめますよ!
是非読んでみてください(*´▽`*)
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耳の穴を塞がないから良いのです
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