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冤罪という見えざる敵と戦いながらも無罪を主張し続ける孤独な青年が感じる・・・「これが、裁判。」


皆さんこんばんは晴れ
先日、ご飯を作る前に食器を洗って、食後に食べた食器を洗おうと思ったら、何も予告が無く排水溝が
詰まってしまい、数時間冷たい水が溢れる排水溝に手を突っ込み格闘しても、全く勝ち目が無く、ネットで詰まりを直す液体ジェルがある事を知り、翌日買ってきて再度試しても
全く効果が無く、「とりあえず時が経てば流れるだろう・・・」という無意味な作戦に頼りすぎている
僕がお送りするNO,movie NO,life!!のお時間でございますひらめき



さて、今夜ご紹介する作品は、久しぶりの邦画でございます。
それは、車で痴漢に間違えられた青年が、“裁判”で自分の無実を訴える姿を、日本の裁判制度の問題点を浮き彫りにしつつ描く作品、「それでもボクはやってない」でございます。

一時期、話題となった作品でもあるので知っている方も多いんではないでしょうか?
今作のテーマはズバリ「冤罪」という内容です。

一般的に考えれば、罪を犯した人間が裁判所という法廷で今後の人生をされる決断を下される・・・というのが当たり前の考えだと思うんですが、今作で描かれている法廷という場所は、己の自己中心的な主張やプライドなどが交互に交わり、「この場所」で下さなければならない「真の裁き」という決断が人間の感情によって埋もれてしまうリアルな描写を描いている作品でもあるんです。

そして、「冤罪」というものが、どのような過程で起こりえるものなのか?という具体的な流れや劇中でも自ら取材した数多くの冤罪事件の実在エピソードを作品中に取り入れたりなど、一番、冤罪率の高い「痴漢」という犯罪を起用して描いている部分も見所なんです。

それではここで、無実の罪を着せられた青年が、自分の主張を貫き「冤罪」と戦う様子を描いた作品、「それでもボクはやってない」のあらすじをご紹介しましょう。

就職活動中の金子徹平は、会社面接に向かう満員電車で痴漢に間違えられて、現行犯逮捕されてしまった。
徹平は警察署での取調べで容疑を否認し無実を主張するが、担当刑事に自白を迫られ、結局拘留されてしまうことになってしまう。

さらに検察庁での担当副検事の取調べでも無実は認められず、ついに起訴されてしまった。

徹平の弁護に当たるのはベテラン弁護士・荒川と、新米弁護士・須藤が担当になり、徹平の母・豊子や友人・達雄たちも徹平の無罪を信じて動き始めた。

そして、痴漢冤罪事件の経験者で今でも自分の無罪を訴え続けている佐田も協力することとなった。
一同はまず事件当時、徹平のことを「犯人ではない」と駅員に証言した女性を探そうとするが、一向に見つかる気配はなかった・・・そんな中、ついに徹平の裁判が始まってしまう。

幸運なことにこの裁判は、公平な判決を下すことで有名な裁判長が担当することになった。

そして荒川たちの追及によって明らかにされていく警察の杜撰な捜査内容などが、報告され一見状況は徹平側に有利に進んでいるように見えた。

しかし、途中で裁判長が交代することになり、しだいに雲行きは怪しくなってしまう。
何といっても刑事事件で起訴された場合、裁判での有罪率は99.9%と、徹平は事前に聞かされていたのだった。

そんな絶望的な状況の中、事件当時、一緒に乗り合わせていた目撃者の女性が見つかり裁判で証言をすることになった。

さらに弁護側は、実際の現場状況を再現したビデオを作って提出するなど、徹平の無実を勝ち取るためにあらゆる努力を尽くしたのだった。
しかし、裁判は徹平の予期せぬ方向へと流れていってしまう。


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さて、今夜ご紹介しているそれでも、僕はやっていないなんですが、一番の見所はやはり冤罪というものが、いかに恐ろしく僕達からしても、一言ではないという内容を訴えかけている部分なんです。
ここで、軽く冤罪という行為というものが、どうゆう事なのか少しだけ書いてみたいと思います。

冤罪とは、捜査や裁判の過程に問題が指摘されている刑事事件を表現するために用いられることが多く、無実の者が裁判において有罪とされその判決が確定した場合や、再審で証拠不十分により無罪となった場合のほか、無実の者が逮捕され被疑者として扱われたり、起訴され刑事裁判を受けたりした場合の事を冤罪として扱われるんですね。

もし、自分が主人公と同じ痴漢行為をおこなった場合、多分無罪を主張し、「お金を払えば示談になりすぐに釈放される」と、警察・弁護士に言えわれても、「自分は何もやっていないのに、払う必要がない」と誰もが思うハズです。
その後、当然のように警察から犯人扱いされてしまい裁判に至ってしまう・・・このように、考えたらただ漠然と「痴漢冤罪は怖い」と考えている多くの人に対し、徹底して調べ上げたリアリティの積み上げを描く事で「冤罪」という存在は、十分に明日起こりえる可能性がある事件でもあるんです。

そして、ブログの冒頭でも書いたんですが、今作は真実を下す場所において、人間達の身勝手な主張や、個人的なプライドが醜い形で描写されている所も、見所の一つでもあり、言わば真実を下す人間も、神のような崇高な存在では無く、ただの僕たちと同じ人間という当たり前な部分も見事に描かれているんです。
なので、 法廷という場所は僕たちが知っている悪人が裁かれる場所と同時に、世間から「悪人にされる場所」でもあるという所なんですね。

このような、僕たちがあまり触れる機会も無く絶対的に正しいと思える場所や存在が、リアルで現実味のある描写で描かれている作品は、今作の他に、以前ご紹介した佐藤浩一主演の「誰も守ってくれない」と、軸となるテーマが重なる部分があるんです。

「誰も守ってくれない」の場合、無関係な被疑者の妹でも、マスコミを通して世間に犯人と同等に扱われてしまう現実を描いている演出や、実際味方だと思っていた警察側も、自分の出世の為に部下に被疑者の妹を押し付けたり・・・
今まで、あまり表沙汰にならなかった部分をあえて映像化する事で、見えなかった「現実にありえる真実」を具体的に伝えて
描写している作品なんです。

今作でも、僕達の固定観念の中では、「法廷で裁かれる人間=悪い人間」という無意識に思い込んでいる部分があるんです。
劇中でも描かれているんですが、「無罪」を勝ち取るという行為が、法廷では逆に悪い事のようなニュアンスで語られているシーンがあるんです。

上記で書かれている内容は、映画内でのフィクションなんですが、もし実際、リアルな裁判で同じような事が行われていたら「怖い」ですよね。
今も裁判は一般の方も含め、常日頃開廷されていると思いますが、もしかしたら・・・・その裁判の中で「冤罪」という行為で苦しんでいる方もいらっしゃるかもしれません。

さらに、個人的に印象的だったのが、裁判のシーンなんです。
一言で言えば、「主人公を犯人前提として進められていくんです」、勿論徹平側の弁護士は彼の無罪を助けようと必死なんですが、その感情を飲み込むような「負の雰囲気」が演出されているようにも感じられるんですね。
自分の心の中では「冤罪」に屈しないという気持ちを抱いていても、「法廷」という場所で、それらの事件を担当してきた弁護士の納得のいく「証拠」など具体的に提示されたら、誰もが「もしかして有罪になるのかな?」という不安要素が誰しも出てきてしまうものではないでしょうか?

このように精神的に追い詰められ、不安になっていくて人間の心を、法廷という真実を明らかにする場所で、描かれるというギャップが印象的でしたね。

でも、今まで主人公が、犯人で無いという先入観で書いてきたんですが、彼が無実だという決定的な証拠も無いのも事実なんです。
という事は、もしかしたら痴漢をしたという「if」の可能性も考えられるんです。
少しだけ、ネタバレすると、映画の最後まで決定的な証拠も無く、可能性として痴漢は不可能という憶測だけで、物語が進んで行く つまり曖昧な証拠しか無い状態だったんです。
なので、もしかしたら無実では無く、実際に痴漢行為をしていたのかもしれないという考えもできるんですね。

このように、曖昧な証拠や、被害者の不完全で忘れてしまう記憶を掘り起し、真実かどうかも分からない内容を基にして、「無罪か有罪」を決めるという行為、その人間の人生を左右してしまうという決断の責任がどれほど重く、恐怖に怯えている裁判官から、痴漢の無罪を勝ち取るという本当の難しさを教えてくれる作品でもあるんですね。

でも、痴漢の被害者はほとんどが女性なので、いくら男性がやっていないと主張しても、世間は自然と女性の見方になってしまうのが現状なのかもしれません。

なので、レディーファーストという言葉は、まさしくこの為に存在しているような言葉だと感じましたよ。
この絶対的では無い場所で、男性を無罪と決断できる勇気ある裁判官が必要となってきている時代なのかもしれません。

でもやはり怖いですね、「この人痴漢です」という言葉で人生が狂ってしまう・・・明日から満員電車は手を上げて乗らなければ・・・(笑)

痴漢冤罪という、誰にでも実感できる切り口で日本の刑事裁判の抱える問題点を描いた社会派映画「それでもボクはやってない」。

是非ご覧下され。





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