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2019年02月15日

書評−定年オヤジ改造計画



またまたまた、株に無関係の書評ですいません。と言いますか、株式投資の
素晴らしい本が、なかなか見つからないのです。けっこう読んでいるのです
が。けれどもマメに読書してますと、そのおまけとして、今日紹介するよう
な素晴らしい本にも出会える訳です。

本日紹介の本は、垣谷美雨さんの「定年オヤジ改造計画」です。タイトル通り
、60才以上のサラリーマン定年オヤジ必読ですよ。正直最初は私もこのタイト
ルを見た時、なめてかかっておりました。単に定年後の時間を持て余したオヤ
ジが、困難辛苦の末、生きるモチベーションを取り戻す程度の本かと思ったか
らです。勿論、そういう部分もあるのですが、実はもっと深刻なテーマだった
のですね。

物語は定年後何年かたった主人公、庄司常雄の日常からスタート。最近とみに
家庭での疎外感とイライラを感じている。娘の百合絵や妻の十志子が、自分と
の会話を避けているように感じる。避けているどころか、自分と同じ空間にい
る事が苦痛のようだ。その上娘は33才になっても、嫁にも行く気が無いし、妻
も資産運用の為に買ったワンルームを自分の部屋のように使い、自分との接触
を避けているように見える。定年後は妻と一緒に毎年海外旅行を楽しもうと目
論んでいたのに、何もかもが思い通りにならない。

そんな状況の中、息子和弘が嫁の真衣が仕事を再開する事になったので、孫二人
の保育園の送り迎えを頼みに来る。この息子夫婦の子育てのスタンスが常雄には
到底理解できないし、つい自分の子育てと比較してイラつくが、妻の十志子が病
気がちな事もあって引き受けてしまう。

さあそれからが、孫との戦い、保育園園長との確執、到底理解できないママ友との
会話、真衣、百合絵、そして妻との軋轢。自分は家族の為にどれだけ苦しい思いを
して仕事に耐え、家族に尽くしてきたのか理解してもらえない理不尽さに悩む。

そんな中、孫の世話をする事で、徐々に女性の家庭での仕事の大変さに気付いてく
る。妻は子供の面倒を見るのが当たり前と思ってきたが、想像以上のハードワーク
で、自分はその事を当然と思い、理解してあげる事が出来ていなかった。何十年も
の間、妻に押し付けて来た傲慢さを、今更ながら悔いる気持ちになった。孫の面倒
を見る事で、やっと女性の立場から物を考えられるようになった。さあここから庄司
常雄の運命はどうなって行くのでしょう。

この本を読んでほとんどの60代以上の男性は、自分の妻との関係に反省の気持ちを
持つのではないでしょうか。私も自分の母親の時代と比べれば、今の家事なんて楽
なものだと本当に思っていましたから。現役時代は自分にも仕事のストレスが掛って
いるので、なかなか相手を思ってあげられないのでしょうか。

いずれにしてもこの本を読んで良かった事は、奥さんとの関係を良くする秘訣を具
体的に教わった事です。それでは又。

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posted by norch at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 書評

2019年02月01日

書評−おもかげ



またまた、株に関係のない書評でごめんなさい。でもでも、書かずにいられません。
大の男が、もうすぐ70歳になろうという男が、結構泣きました。本当に心に滲みま
した、痛いほど。さすがに70歳近くになると、死というものを身近に感じないでは
いられません。50代くらいまでは死というものをまだ他人事、自分の事として心底は
感じられていませんでした。芸能人の死を見ていて、大先輩(年齢的にですよ)まだま
だ大丈夫。やや先輩、いよいよ死が自分に近づいてきたのかな。同期や後輩、もう他.
人事ではありません。そうだよね、西城秀樹君。

こういう心細さが垣間見える年齢の私に、ぴったりの本が出て来てしまいました。
その名も「おもかげ」浅田二郎氏の本です。もうタイトルからして、何かありそう
で、うるっと来そうじゃありませんか。読む前は正直、浅田氏得意の悲恋ものみたいな
イメージでしたが、最後はすっかりやられましたね。けっこう長い小説なので、ここで
全てを解説する訳にはいきませんが、とっかかりだけでも書いてみたいと思います。
少々荒っぽい解説ですが、ご了承下さい。

話は主人公の竹脇正一が、定年退職時の自分の送別会の後、帰りの地下鉄の中で倒れて
しまうところから始まる。病院に緊急搬送され生きるか死ぬかの瀬戸際。医者も身内に
希望を持たせるようなことを言えない状況下で、正一にゆかりのある人達が見舞いに来
る。会社の同期、養護施設の親友、義理の息子そして看護には自分が良く知っている
児島さん。いろいろな人がそれぞれの立場で、自分を心配していてくれる。体は動かな
いし意識朦朧だが、耳は聞こえる。

そんな朦朧状態の中でもやや意識が回復した時だけ、おもかげの人達が現れる。マダム
・ネージュ、入江静、榊原勝男、峰子、古賀文月、そして女房の節子。一人一人が正一
の想い出に蘇る。実は竹脇正一は子供の頃、両親に捨てられた悲惨な過去を持っており、
又自分の息子春哉を、4歳の時に交通事故で亡くしている。

そういうしがらみが、朦朧とした意識の中で浮かんでは消え、浮かんでは消えして、し
かしはっきりと蘇ってくる。マダム・ネージュ、入江静、峰子は本当は誰なのか。自分
の母親は本当に自分が憎くて捨てたのか。春哉は自分を恨んでいるのか。そして自分は
このまま意識が戻らず、死んでしまうのだろうか。

本当に死というものが身近になった年代になって、自分のこれからの生きざま、家族、
友人、そしてこれまでお世話になって来た人達の事を思い起こさずにはいられない、
心の1冊になりました。それでは又。

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posted by norch at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 書評

2019年01月15日

書評−道標



今回も株に関係のない書評で恐縮ですが、この物語はこれから部下を指導する、
或いは基幹職になってチームを引っ張って行かなくてはならない人、自分の信念
を曲げる事無く、しかも大義に反しない仕事をしていく人、していきたい人にと
って、小説という形はとっているものの、大変参考になる書物ではないかと思う。
なまじハウツー本の体裁が無い為に、より一層心に響く。

物語は今野敏の東京湾臨海署安積班シリーズもの。臨海署シリーズは過去に沢山
出ているが、今回の「道標」は時間的には臨海署安積係長が現在に至るまでの、
新任警察官研修時代からの事件を軸に、時間を追って1回完結のオムニバス形式で
書かれている。

「初任教養」では後の交機隊の盟友速水との出会いを。「捕り物」では、交番勤務
時代の若さをさらけ出した経験を。「熾火」では刑事1年生の粘りを。「最優先」
では安積新任係長時代の鑑識班石倉係長との出会いを。「視野」ではベイエリア分
署刑事課強行班係長としての後の部下村雨との出会いとチーム作りを。「みぎわ」
では、新人時代の安積の先輩三国のアドバイス「我慢」が功を奏する。

まだまだ物語は続くが、私がこの短編集の中で一番感動したのは、何と言っても第
6番目の「消失」てす。安積の元バディで現在は部下の須田、体格も太っていてだら
しなく見えたり、動作も運動神経も鈍い。新人研修時代から皆のお荷物で、到底警察
の仕事には向いていないと誰でもが思うキャラクターです。事実これまでの部署では
散々な評価で、警察官を辞めろとまで言われる始末。只、安積だけは彼の不屈の闘志
と才能を見抜いていた。

「消失」のなかで彼は、犯人確保の為のウチコミ時に、犯人が部屋にいなかった事、
そして捜索をあきらめて引きあげようとした事に、全く納得できなかった。それは
彼の洞察力が人並み外れて素晴らしく、事件の核心を突く力が、捜査の撤収に赤信号
を感じたからだ。普段はおとなしく、上司に口答えなどしない彼だが、捜査が曲がっ
た方向に行こうものなら、例え自分がとのような反撃を加えられようと、言うべきは
言い、梃子でも考えを曲げない不屈の精神を持つ。「消失」では彼の考えが功を奏し
、犯人検挙に繋がるが、実際にはこういうケースは少ないと思う。

正直、普通の人間であれば、無用の軋轢を避けて長いものには巻かれろの大人の考え
になって行ってしまうものだが、今の時代そうした事なかれ主義が大きな欠陥となって
、会社の存続を脅かす事態を招くケースが後を絶たない。その意味でも今やこういう
人材が本当は必要なのかも知れない。

いずれにしてもこの本では、組織で上に立つ者の資質とチームワーク、そして警察官と
しての不屈の闘志、そして何よりも第1章「初任教養」の最後に出て来る警察官精神の
重要性が謳われている。

「何ものにもとらわれず、何ものをも恐れず、何ものをも憎まず、良心のみに従って、
公正に警察職務の遂行に当る事を厳粛に誓います。」

道標 東京湾臨海署安積班

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43年勤めた会社を退職し、趣味でやっていた株式投資三昧の毎日。そんなに贅沢し美食したわけでもないのに、50歳から痛風予備軍と高血圧症。長年の医者通いにうんざりし、医療費節約も兼ねて、薬の個人輸入を始める。
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