プニバード族なんて名前の種族が飛べるわけねーだろ!! という呪いに立ち向かう話
シリーズ開始前から世間を騒がせていた男の子プリキュアがついに登場する?!
ファンの心境としてはわくわくもんである。
変身候補として目されるツバサは飛べない鳥として登場するらしい。
割と間の抜けた種族名が8話放送前に公開されて、私も思わず突っ込んでしまった。
飛べない鳥...。いったいどのようなシリアスな背景が?? とか構えてたのに。
— こ (@ko81818) March 25, 2023
プニバード族なんて種族名のやつが飛べるわけねーだろ! 解決!! #nitiasa #precure #ひろプリ
私のツッコミそのままに、プニバード族は人化の代償として飛べなくなった種族らしい。
しかしツバサはそれでも「飛びたい」という夢を持つのだった。
かつては同じ種族の仲間にも笑われるような夢。プニバード族なんて名前のやつが飛べるわけねーだろ!
彼の夢が挑むのはそういう心無い偏見だ。プニバード族であるということがなんの空への憧れを理由になろうか?
同時に、彼を画面外で待ち受けているのは男がプリキュアなんて、という偏見だ。
プニバード族が空を目指す物語は、男の子がプリキュアになろうとする物語とバッチリリンクする。
そしてツバサの夢は少女がヒーローを目指すソラの夢と呼応する。
がっちり視聴者のハートをつかんだ主人公のソラだが、やはり彼女も偏見と闘っている。
ひろプリはありとあらゆる偏見に挑んでいる。この構造には思わず感動を覚えた。
そしてさっそく敵になってしまっている己の狭量さを恥じるのだった。
おっさんはおとなしくカバトン役をやってればいいのねん。
スカイランドとソラシド市はつながっている
ツバサの素性を明かす周辺情報として、ソラシド市とスカイランドが何やら繋がっていることが明かされ、スカイランドへの道を拓くという物語の縦軸が動いた感じがした。
割と早い段階で見えてきているので、中盤あたりで一度スカイランドに行く展開もあるかもしれない。
嵐の時に少しだけスカイランドの時空の歪が生まれる。
その歪を通ったものはなぜかソラシド市にたどり着く。
スカイジュエルもこうして裏山に落ちてきたのだろうか?
そしてヨヨも同じようにソラシド市に来たのだろうか?
プリキュアシリーズで異世界とのつながりは割とフワっと描かれることが多いが、異世界との行き来を割とがっつり物語に絡めているのは今作の特徴だ。
今後の話で明かされることがあるかもしれない。
好敵手カバトン、みたいな感じになってきたよ
思えば第一話。だまし討ちの放屁でプリンセスエルを奪取するなど卑劣、下品の極みを突っ走っていたカバトンさん。
ヒーロー手帳を破り捨てるなどの外道行為もあり、寿命が短そうだとメタ的に心配されていたが、どっこいなかなかしぶとく生き残っている。
目標も「打倒プリキュア」をマイルストーンにして、正面から挑んできている。
プリンセスエル奪取の最大の障壁にハラを決めて挑んでくる。なかなかハラの座ったやつである。
今のところ、私のひろプリの見方はソラという主人公がましろとの関係性を築く普通の少女の側面と自身の夢ヒーローの側面の間で揺れ動きつつ最終的にはバランスをとるような話だと思っている。
7話まで普通の少女サイドがめちゃくちゃ優勢な状況だったが、ツバサが加わりヒーローサイドの要素が増えた、と見ている。
特に、ツバサの存在はソラのヒーロー像の幅を広げたり、意味を拡張する働きが大きい。これまでソラのヒーロー像は過去目撃したヒーローや、それを目指した修行の中で書き溜めたヒーロー手帳一辺倒だった。そこにプニバード族でありながら空を飛ぶのを目指す、というツバサの夢に共感することで、不可能への挑戦にもヒーロー要素を見出すことができた。ソラのヒーロー像も広がっているのだ。
さて、そこでカバトンの役割である。
7話までの普通の少女要素をソラへ付与する展開では、ヒーロー要素はある種呪いであり、悪役の存在が必要だった。それがカバトンの役割である。
8話以降、ツバサの存在がヒーロー要素にも魅力を付与していく。ならば、悪役カバトンの役割はヒーロー要素の負の側面である夢の実現への困難さだ。それを体現してもらうことになる。
ツバサの、ソラの、夢を阻む存在としてもうしばらく活躍してくれることだろう。
仮面ライダーギーツ28話:大御所福くんさんクランクアップ(?)
死に直面する感情を体感したジーンは、転生を繰り返す推しのことをさらに理解し、もうマヂ無理、、、になるのだった。
こういう感情の高ぶりがアレルギーレベルになって苦しんでるオタク、割とSNSでよく見る。
しかしこの「初めての感情をかみしめる」人間の演技がマジでリアリティのある表情だった。福くんさんの豊富なキャリアを遺憾なく発揮するキャスティング。おみそれした。
思えば「ただの仮面ライダーオタクじゃねえか!」と中の人のキャラクターと混同してツッコミを入れていた我々だが、それすらも鈴木福という俳優の演技プランだったようにも思えてくる。
ジーンの本質はデザグラの太いサポーターであり要するにオタクだ。それが何の違和感もなく我々に伝わっているのは実はすごいことなのだ。
ついでにベロバが350歳であることがバラされた。
ベロバ役の女優さんは15歳だそうだ。若い人にわけわからん役をさせるんじゃありませんよ...
王様戦隊キングオージャー4話:トウフ国の王の流れるような嘘
部隊はチキューの台所トウフへ。
トウフの王殿カグラギはその衣装そのままに常に芝居がかった挙動で全く本心が見えない。
弁が立つ、というか圧の強さと柔軟さのある話術で聞くものはついついカグラギの良いように誘導されてしまう。
バグナラク8世との対話も見事だった。ゴットカブトを渡せと言われて1か月いや、1年と引き延ばしにかかり、相手が焦土作戦も辞さないとみるや、夕方と即決の構えを見せる。そして夕方までの時間を使い3人の王をうまく誘導してバグナラク撃退の戦力を整える。
戦略に長けており、もっとも王らしい王にも思える。
ヤンマが気付いたように、最終盤面をみるとカグラギが得をするような状況になっている。
カグラギ自身の信頼、といったものはなくなりそうだが、そんなもの不要とばかりの割り切りはすがすがしい。
また魅力的なキャラクターが追加された。
そしてバグナラク8世は今回も脅迫したけど結局騙されて撤退するという素朴な悪役ムーブをして帰っていった。なんかかわいいな、あいつ。