「5話」って呼ばれる神回になりそう
プリキュア界には「8話」「49話」と何の説明もなく呼ばれる伝説の回がある。
なぎさとほのかがケンカして仲直りする無印8話、大人になったみらいが再び魔法を使う魔法つかいプリキュア49話のことだ。
演出面でも物語の意味でも素晴らしく、どちらも大人が泣いた。
後者に至っては、大人が親の前で泣いたぐらいだ(私のことである)
ひろがるスカイ! プリキュア5話はこういう話だったと考えている。
一人で戦うヒーロー、キュアスカイがキュアプリズムという共に戦うパートナーを得る話であると同時に、
これまでひとりで生きてきた少女ソラ・ハレワタールの懐に初めての友達虹ヶ丘ましろが飛び込んできた話、
つまりひろがるスカイ! プリキュアにおいて「ふたりはプリキュア」が完成した回といえる。
「ふたりはプリキュア」
— 限りなく低浮上なアーモンドウォシュメ〜ン♪ (@AlmondWashMan) March 5, 2023
20周年のファンサービスの意味もあるだろうけど、それ以上に「私(ソラ)とましろさんの二人だからプリキュアなんだ」って言う、その言葉本来「ふたりは」の意味が使われているので全日本激エモ委員会最高理事長
#precure pic.twitter.com/McbEgbh2DA
ひとりでプリキュアをやろうとしていたソラがこれをノートに書いた意味である。
プリキュアと言えばふたり、チーム、絆。20年も見ている大人のファンは既にこういう固定概念にとらわれていると言っていい。
改めて「ひとり」が「ふたり」になる過程、心の動きを描いた5話を視聴して感じたのは、懐かしくも新鮮な感動だった。
ふたりならこんなにも心強い。日常からヒーローまで、全部地続きで説明できるこの哲学に改めて感動した。
いや、つべこべ言ってないで振り返ろう。
ソラ目線、ましろ目線
ソラはましろが傷つくのが怖い。
ヒーローは独りぼっちを恐れない、というのは彼女が小さいころにノートに書いた言葉。
自分を鍛えることで、理想を書いたノートと向き合うことでその怖さは押し殺すことができた。
でも、友達は1人もいたことがない。だから友達に関することすべてが「怖い」。
ましろはソラをほっとけない。
それは彼女の手を握ってしまったから。敵を前にして震えていることを知っているから。
ソラが本当に強いヒーローなら彼女のような普通の女子が戦いに臨むことはなかっただろう。
でもソラの中にも恐怖があることが知っているから。
だれよりも優しい彼女は友達のことを「ほっとけない」
ヒーローの物語と友達の物語の間に境界がなくなって、ふたりはプリキュアに至る。
これだ。これが20年前に目撃した奇跡の物語だ。
今作ではキュアスカイが初めて「プリズム」と呼ぶのが象徴になっているのがニクい。
ソラの世界が広がっている。
ヒーロー手帳とは? ヒーロー手帳を破くとは?
次回には学校に行くとか行かないとかいう話になるようだ。
ヒーローを目指していたソラの世界はましろという友達を得てひろがっていく、という今後が示されている。
いままでソラの世界を閉じ込めていたのは何か?
意外にも1話で破かれたヒーロー手帳がソラの世界を閉じ込める「呪い」の一面を持っていそうだ。
今回初めて描かれた、ヒーローを目指す中でソラが得られなかったもの。
それを埋め合わせるようにして記された手帳の言葉。
1話時点ではソラの大事な信念、夢の原動力といった意味を持つアイテムだったヒーロー手帳だが、
5話を終えて振り返るとソラにヒーローという枷をはめるアイテムのように思えてくる。
この手帳を破り捨て、呪いを解いたのは誰か? まさかのカバトンである。
今後の物語がどうなるかわからないが、最後に振り返ったらソラの一番の恩人とは言えないだろうか?
まあ、新しい手帳を用意したのはましろなので、カバトンの役割は限定的なんだけど...
旧ヒーロー手帳が呪いのアイテムになると、憧れのヒーローさんもきな臭くなってくる。
どうやらアンダーグの大ボスは女性の声のようであるし、例のヒーローが後日どうなったのか、関係を疑ってしまう。
仮面ライダーギーツ25話:ジャマトグランプリ開催! とにかく意地の悪い趣向
ジャマト主催、ジャマトのためのジャマトグランプリが開催。
人類の大事なものを破壊すれば高得点、ジャマトの願う不幸の世界が実現する。
ひどい悪役ムーブであり対抗するライダーたちの正義が輝くが、そう単純な図式でもないところがある。
のぞみを叶えるためにゲームで高得点を得る、という構造はデザグラと同じなのだ。
人助けをポイントとするか、人を害することをポイントとするかだけの違い。
今の時代の人間からすると、勝手に自分たちの世界を舞台にしたデスゲームに巻き込んできていることには変わりない。
ベロバたちを非難すればするほど、本質的にはデザグラというシステム自体の醜さを糾弾することになる。
仮面ライダーらしい、正義と悪に意地悪な展開になってきた。
王様戦隊キングオージャー1話:圧倒的なカッコよさ! 古参ファンは予算が心配。
5つの国が治めるチキューという惑星。ハイファンタジーの世界を納得させる映像が力強い。
CGに加えて爆破や破片などの特撮。1話ならではの潤沢な予算を使った映像だ。
今後の予算を心配してしまうのは古参ファンの悪い癖。
主人公ギラのキャラクターに好感が持てる。
孤児院の子どもの面倒を見る好青年。ごっこ遊びでは悪役を買って出る。
そんな青年が冷徹な王を前に取った行動は?
王に歯向かう反逆の王を「演じる」という展開に痺れた。
これから1年、反逆の王が真の王になるドラマを見られるのだろうか。