クリスマスにはマグロを一本食え! とか言ってられないラスボス登場回
なごみ亭のクリスマスパーティはマグロ丸々1本を解体する豪華パーティ。
これ、100人分とかあるやつとちゃうんか? おいし〜なタウン住人の胃袋は恐ろしい。。。
そんなお気楽なシーンばかりでなく、ついにゴーダッツ様がその正体を現すなど、2022年最後にふさわしく物語が動いた回だった。
Bパートの戦いもデリシャスフィールド外になり、限られた人たちにとっての戦いから全員が関わる戦いへとフィールドが変わっていく、ような気もする。
ゴーダッツ=フェンネル 根っこにあるのは師への愛か?
ゴーダッツ様の正体はフェンネルさんだった。
クッキングダム回でセルフィーユさんを見守る父性の人、と一度大人視聴者の信頼は得たかと思ったが。
ひょっとすると子ども目線では「助けてくれない悪い人」に映るように意図されていたのかもしれない。
だとすると見事なヘイトコントロールである、と舌を巻くしかない。
分かりやすく肩にトゲの生えた衣装を着るような黒幕だったフェンネルさんだが、
心中の描写からすると根幹にはジンジャーさんへの愛があるように描かれている。
師を慕い追う日々の記憶、弟弟子のシナモンが来た時の記憶、
そして時を経てシナモンを見た時の湿度の濃い呼びかけ。
「愛する人のシェア」という難題のカウンター的な存在がゴーダッツ様なのだなあと感じる。
このテーマを受けて立つプリキュア側のメンツは品田くんだろうか?
和実ゆいというおいし〜なタウンみんなの孫みたいなアイドルを独占するのか、シェアするのか?
お前の愛のかたちが今問われるのだ! いや、中学生には酷でっせ。
予告のプレシャス対ブラペに期待が高まるのだった。
食卓の輪とフェンネルさんの絶妙な距離感
やはり今回の見どころはフェンネルさん周りだ。
回想のシーンもそうだが、現代のおいし〜なタウンでの演出も示唆に富んでいる。
まずクリスマスパーティでのフェンネルさんの立ち位置。
シレっとパーティに参加しているフェンネルさんだが、一人ポツンとカウンターで食べていた。
創作には一緒の空間で飯を食うキャラとは分かり合えるの法則が古くからあるが、
一緒に食べているもののメインの輪から外れている立ち位置の示唆は絶妙だ。
さらにフェンネル=ゴーダッツが最後に奪うレシピッピをおにぎりに定めた後のシーン。
立ち去るフェンネルに渡そうとしたおにぎりが消えてしまうところ。
フェンネルさんの指示が原因でおにぎりが消えたわけだが、思わず受け取ってしまいそうな感じだった。
なんかこう、根本的にはいい人なんだろうな感がすごい。
そして、なんかこう間が悪くて善意の受け取り方を間違えちゃた人なんだろうな感もすごい。
根が善良な人を敵に回すのは正直めんどくさい。それだけにラスボスとしての難易度は十分。
どのような結末になるのか、楽しみにしたい。
仮面ライダーギーツ16話:権力が最強
管理者ギロリ兄さんの圧倒的なカラテの強さ。
真正面から戦っていては勝ち目はなさそうだったが、場外戦でカタがついてしまった。
スポンサー、さらに上位の運営サイドの人間、と現場監督のギロリさんがかわいそうになるくらい強い権力が振りかざされる。
日本のお父さんたちの多くが身につまされるような結末である。中間管理職は辛いよ。
などと思っていたら最強の権力者の登場がほのめかされる。
鈴木福さんといえば石ノ森章太郎訳で映画に出てきたレジェンドだ。
仮面ライダー世界を作った人物、いわば神のような存在である。
実際の役どころはわからなにものの、この格はとんでもなく高い。権力のインフレーションがヤバい。
暴太郎戦隊ドンブラザーズ42話:さすがに詐欺師がかわいそうだと思った
悪徳詐欺師を偽装家族に化けたドンブラザーズが撃退! 爽快! というのが普通の話だと思うのだが、なんか詐欺師がかわいそうになった。
確かに猿原が企画して詐欺師を逆にだまして懲らしめてやろうとしていたのだが、
詐欺師を撃退したのはその企画の枠ではなく、完全にドンブラザーズの個性にやり込められていた。
仮にドンブラザーズが騙される話だったとしても詐欺師に勝ち目はなかっただろう。運の悪い詐欺師だなあと思ってしまったのだった。
戦いパート以外が面白すぎてどこでヒトツ鬼が発生したか完全に忘れてしまった。
何もかもが規格外の戦隊である。