【CDソフトレビュー】 アイアン・メイデン / IRON MAIDEN 第七の予言 / Seventh Son of a Seventh Son {通常版} posted with カエレバ |
※{CD-EXTRA仕様版/デジタル・リマスター版}はこちら
ソフト情報
■リリース:
発売:EMIミュージックジャパン
時間:44 min
発売日:1988年4月11日
■オーディオ:
CD 2.0ch 44.1kHz 16bit
■ディスク:
CD Disc
片面1層 (1 CD-640MB/700MB)
■ジャンル:ロック /ヘビーメタル、NWOBHM(New Wave Of British Heavy Metal)
■プロデューサー:
・マーティン・バーチ:ディープ・パープル、ホワイトスネイクなどイギリスを代表する初期ヘビーメタルを数多く手がけたプロデューサー
■作曲:
・スティーブ・ハリス
・エイドリアン・スミス、ブルース・ディキンソン共作
・デイブ・マレー、スティーブ・ハリス共作
・エイドリアン・スミス、ブルース・ディキンソン、スティーブ・ハリス共作
■編曲・アレンジ:
・-
■レコーディング / ミックス:
・ジョージ・マリノ(オリジナル)
■レコーディングスタジオ:
・Musicland Studios(オリジナル:ミュンヘン)
■マスタリング:
・ジョージ・マリノ(オリジナル)
公式動画
Can I Play With Madness (Official Video)
クオリティ・レビュー総評
本作は、1988年の全英アルバムチャート1位を記録した「第七の予言」の通常版です。
全米チャートでは12位とこのジャンルでは異例だと思います。
※前作「サムホエア・イン・タイム」は全米チャート11位でしたので、この前作で米国に受け入れる土俵ができたといえると思います。
管理人は、新作ということで、発売日(前後)にレコード店にうきうきして買いに行った記憶があります。
当時は、ネットもなくデジタルでもない時代で、高校生だったので、CDのジャケットの詳細は食い入るように見たり、楽曲の曲名など、ライナーノーツも楽しみに見たのを覚えています。
また、今とは違い、アルバムの曲を事前に聞くことはできないので、このアーティストなら大丈夫だろう、という買い方です。
当時だと、MTVとかで偶然流れるか、ラジオで流してくれるDJがいればラッキーという感じです。
それ以外は、事前に曲は聞けないまま、CDは購入していたと思います。
感受性の強い高校生だったので、ジャケットのなんとも壮大な感じと、エコーの効いたギターサウンドがマッチして聞こえ、感動したのを覚えています。
それと、最新アルバムなのになんでこんなに音が悪いのかと不思議に思い、印象に残っているアルバムでもあります。
さて、本作はオリジナルの発売当時から議論になったシンセサイズド・ギターやシンセサイザーを取り入れたサウンドで、ヘビーメタルらしさが薄い感じです。
またヒット曲を狙ったメジャーコードを多用し、ヘビーメタルらしくないキャッチーなロック風の曲まであり、ちょっと変わった路線のアルバムです。
同じジャンルにいる「Metallica」の通称ブラックアルバム「METALLICA」もこのアルバム同様、キャッチーさと大衆路線を取り入れたアルバムで、マイナーからメジャー路線に舵を切ることになりますが、同じ位置づけですね。
アイアン・メイデンもこのアルバム前後にメジャー感を獲得していると思います。
実際は、このアルバム以降はメンバー変更や海外音楽業界の失速と同期します。
別途レビューしていますが、デジタル・リマスター版(2008年)があります。
本作より前にリリースされた6作品も同時に、デジタル・リマスター版がリリースされています。
このデジタル・リマスター版は、音質は良いので、わざわざこの通常版を買う必要はないと思います。
オーディオクオリティとしては、まず音圧がかなり低いことで、ダイナミックレンジが異様に低く、ボリュームを上げても、ラジカセの音を大きくしたような感じにしかならず、聴き難いCDでした。
またS/N感も当然悪く、カセットテープのような音でした。
古いヘビー・メタルの音質に代表される特徴を持っています。
エッジがなく、ゴチャッとしていてフロントスピーカーの真ん中にボーカルとともに演奏音が面で張り付いています。
2次元的な音という表現になるかと思います。
いい音は、3次元的と表現するケースが多いです。
2次元的な音の特徴としては、演奏が面になっているということと、楽器の分離感がないことです。
小さく音がまとまっていて、音場感も薄いのが特徴です。
いくらボリュームを上げても拡声器からの音のように聞こえます。
デジタル・リマスター版(2008年)がありますので、音質を求めて本作を購入する意味は全くありません。
アーティスト情報
アイアン・メイデンは、1975年にデビューしたイギリスを代表するヘビーメタル(以下H/M)バンドで、2017年現在、いまだ現役です。
2015年までのLP等含むCDセールスは、全世界で8,500万枚以上です。
イギリスで最も売れたアーティストランキングでは、歴代21位(2015年現在)です。
ちなみにイギリスの同等ランキングでは、ポール・マッカートニーが1億枚です。
このバンドに関する情報はたくさんありますので、ここで特に記載する必要はないかと思います。
あまり知らない人のために、強いて特徴を挙げておきますと、2017年現在、トリプルギター、ベース、ドラム、ボーカルの6人編成です。
エディ・ザ・ヘッドというゾンビのキャラクターを前面に押し出しているので、万人受けは決してしないバンドでもあります。
海外バンドらしく、不変のオリジナルのメンバーは、ベースのスティーヴ・ハリス(かなり個性の強いバンドリーダー)とギターのデイヴ・マーレイ(かなり目立たない温和なギター)の2人です。
ボーカルも3人代わってますが、現在のボーカルのブルース・ディッキンソンが間違いなくこのバンドのフロントマンです。
ボーカルのブルース・ディッキンソンは、再加入した2000年以降、髪を短髪にして第二のファンを多く獲得したとか、しないとか話があるくらい、イメージが違います。
(メタリカも90年代後半に短髪にして、メジャー感が増しましたね。)
クオリティ・レビュー詳細
・ボーカル:
エコーの効いたボーカル録音で、ヘビーメタルらしく出すぎることもなく、バンドサウンドと同列のミックスです。
ヘビーメタルのボーカルがあまり出ると、うるさすぎることと、バンドサウンドが隠れるからです。
高域が特徴的なちょっと雑味のあるシャウト系のクリーントーンのボーカルです。
さらっとした印象で解像感は甘めです。
・楽器:
メジャーコードによるメロディアスなフレーズが多いわりに、転調曲が多いことが特徴のサウンドです。
シンセサイズド・ギター等の電子音による演奏のため、バンドサウンドというよりハードなエレクトロニカ風のサウンドです。
克明さや解像感はあまりなく、音場は、2chスピーカーの内側に定位し、ロックやヘビーメタルのアルバムによくあるごちゃっとした感じです。
・ダイナミックレンジ:
低音圧で、レンジも狭いです。
・ボーカル情報量・解像感:
ボーカルはエコーを効かせて後ろに下がっているようなミックスです。
・演奏情報量・解像感:
エレクトリックサウンドになっているため、ギターの音もちょっと不思議です。
シンセサイザーも強めで、ギラギラしたサウンドです。
曇っている感じは少なめなのが良いところです。
・バランス(帯域と楽器再現度):
音域バランスは、古いCD特有の中高域寄りです。
低域はほとんどないか、薄めです。
・分離感:
分離感がありません。
ラジカセ音そのものです。
★総合クオリティ :45点
(CDお勧めレベルは85点以上)
(1〜100点)
ダイナミックレンジ :47点
(広さと偏り)
ボーカル情報量・解像感 :50点
(定位や鮮度)
演奏情報量・解像感 :48点
(MIXや密度)
バランス :39点
(帯域と楽器再現)
分離感 :40点
(音場と立体感)
レビュー基準についてはこちら
商品ソフト紹介
e-onkyo music ハイレゾ音源【2015 Remastered Edition】
レコチョク_ハイレゾ【2015 Remastered Edition】
第七の予言 | ||||
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アーティスト情報
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・The Official Iron Maiden Website
・Iron Maiden / アイアン・メイデン:Warner Music Japan
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