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2014年03月31日

水雲問答(百折不撓の気象)



百折不撓の気象なきときは大なる事を了し難し。喜んで艱難を犯すときは民死を忘る。
この語の如く、艱難に処して困苦の態あらわるるは英雄にあらず。
機に臨んで而して変を制するこそ識者の尊ぶ所に候。



漢高、軍敗れて遂に苦しむことなし。大小七十余戦を暦て、漢家三百年の基を開き申候。
祖余一時に赫然として芳を汗青に流すもの皆此場なき者は之れ無く候。

水雲問答(百万の甲兵)



天下の大事を為す者は、百万の甲兵も我が胸中にたい芥ともせぬ一気象なくして
参るまじく候。何れ大小の事、死生之を以ってすと申す勢なくば参るまじく候。
衰世は人の存じ込み甲斐なく存じ申候。危を見て逃れ申候工夫と慨嘆仕候。



百万の甲兵有り。陣を列ねて前むも、我の意を動かすに足らず。
而る後以って大事当るべし。

2014年03月29日

水雲問答(公明正大)




凡そ人は公明正大の四字を自修の符とすべし。悪をなし出す、多くは陰柔幽暗の処に於いてす。
陽光明々の地にしては必ず羞恥の心を生ず。飲酒放縦の楽も昼間に行はれずして、夜陰に行はるる
が如し。故に大義を成さんとする者は、公明正大に身を押し出して、我ながら媚弱の業なし出されぬ
ようにして、一箇の術略を以って処世の妙を顕はさば、古人の如くなし得べし。



此の論是なり。ただ立言に病あり。一箇の術略を以って処世の妙を顕はすなど聞え難きことなり。
媚弱の業など何にしても聞こえず。総てこれは皆真文にもなく、俗文にもなき故、語と意の
不都合にて、人感ずる所なし。やはり問答書などの如く俗文にしたる方、命意徹底すべし。

2014年03月28日

水雲問答(凡そ事を為すに快活に)




凡そ事を為すに快活に致したく候。譬えば千金の賞を与えるに、けちな心あるときは人々
恩に感ぜず。一毛を抜いて与ふるも、誠意なれば人感服す。
同品にても、此方の致し方にて、人心に徹底せぬことあり。
譬えば倹素の令を下さんとするに、俗人のとかくにしゅく眉して事をなす故に敗るること多し。
豁然として成さば、人服すること疑いなし。人を使うに活して使い、殺して使い申候とは雲泥の
相違に候。此処深意あり、恐れながら徳廟の上意に、人困りたるときうつ向く者は役に立たず。
困りたるとき仰向く者が役に立つと。真に恭感仕候。



是は我が精神の備と不備との差別に候。快活にするとても、人服せしめんと手段しては、人は
服さぬ者に候。一杯満々たる精神を打ち出して、人の服不服も頓着なしにすると、やがて人心服し
候者に候。
しゅく額して事をなすは、自から如何かと危ぶむ意故に候。自から危ぶむこと成就するは稀なる
者に候。古人は行いがたきことを行えおほせ、今人は行い易きことを行いおほせ申さず候。
精神ばかりにもなく、識の足らぬ所も手伝い候。識ある上にも精神満服の者は、如何なる大事を
もなしおほせ申すべく、享保も尊喩は百折不撓の所に候。さりながら、かの精神の盛よりならでは
出来申さず候。識ありても柔弱なる人は何の用にも立ち申さぬ所、又ここの所に候。

2014年03月25日

水雲問答(天下国家を治むる人)



天下国家を治むる人、とかくに身を入れぬ故に、善も出来ず。
それと申すも仕損じ候とき、逃れんとすること先になり候故に候。
寓意に、事をなす時深く入るべきことと存候。
此れ事の成ると不成るとは識を以って断じ申候。
見切り申してずつと深入致し、四方八面みな推しはなし、独立致すべく候はば
大事は成し得るに何かるまじく候。兵法の死地に入るの論、治道にも用ゆべきやに存候。
好きことの妨は半途にして止まるに有り候。



これは英雄偉男子の為る所にして、庸常人の為し得ざる所に候。
何事も斯くありては成らぬことはなき理に候。
古人のなせしを今より見れば、為し難きことを能く成しおほせたるように見ゆるも多く候。
今人は為し易きことを皆為し得ず。
若し為すときは仕損じ候。成る事多きも皆身をはめて為すと、にげ足ながら為すとの差より
起こること高見の如くに候。識を以って断ずるに至りては、天ビンと学力の二つの外之れ無く候。
己の稟賦を頼まずして、学を勤むるこそ、識見を厚くし大事を成すの基なるべけれ。

水雲問答(治国平天下の事)



治国平天下の事申すに及ばず、一家のことまでも、誠の一字なくては相ならず候。
列子に申したる通り、海鷗も舞いて下らざる譬えの通りに候。
然し誠意に過ぎ候と又欺かるの譬えも之れ有り候。
何れ大手段にかかり候者は、人にだまされねば成り申さず。
だまさるるに又手段あり。
今人だまされまいと存候て、何かだまされだまされぬ、味ものに候。



心身より国家に及び誠の一字欠くべからざるは勿論に候。
欺かるるは事の品によりて、子産がぎょ人にだまされたるが宜し。
兎角今の貴人は、人にだまさるると存候一念より、何事も出来申さず。
だまされて、だまされぬ所の味と申すは随分面白きことながら、さ候にて
矢張りだまされまいの念起こり申候。
ずっと身をはめて、子産のだまされ候汐合は、だまされる極め候が宜しく候。

2014年03月22日

水雲問答(乱に臨むの君)



各々其臣を賢とすと申すは名言にて、天下畏るべきことこの上も
なく候。賢と存候も姦邪に候、姦邪却って賢人に候。
いかにして識かん仕るや。君子善を為し、小人凶を為す一徹の処に陥り申候。
皆君の任ずる所より起り申候。何れ我が器量一杯に識かんして、委任する上は
不慮のことあらば共に斃れ申候心得より他これなく、其の上は了見の外に候。



賢主は其賢臣を賢とし、暗主は其不賢を賢とす。
其賢を賢とすれば則ち政茲に挙り、若し夫れ之に反すれば、則ち国従って亡ぶ。
危ういかな。

2014年03月20日

水雲問答-(君子世事に処して)



我が心の如く行はれぬ時、大息して時を罪とす。
甚だ笑うべし。その行はれぬもとは、自らのことやましからざるが故なり。
行其理を得ては行はれざるなし。
行はれざるは其理を得ぬ故。行はれざるを知って行ふは誠の足らざるなり。
何れも自らの罪なり。



為す所の善からぬと誠の足らざるとに反求候は学問第一の工夫、万世の教と
為すべき御立言に候。然れども其の実は時の如何とも為し難きことあり。
易にも時を重に論じたるに、反求ばかりなき所あり。
況や孔孟の世に非ずや。

水雲問答-(君子の負け)



逆取順取と申す語、聖人の制にははずれ申すべきなれども、英雄の心事に候。
逆取順取も時としては用処之れ有るべく候。
聖人の道も時に依り役に立ち申さず、其の他姦雄事業成就仕るも当り機を
はずし申さぬ故に候。
君子は多く義理に拘はり、時を失い申候ゆえ事を仕損じ候。
大率姦雄は皆聡明鋭利、君子尽く正直愚拙。
いかがの故やと嘆息仕候。



逆取順取、これを乱世に用ふべくして、用ふべからず。
治世に用ふれば大害を引き出し、己も身を保つべからず。
聖人亦是一種の英雄。子の南子に見え、 佛肸(ヒッキツ)畔さへも
咄さうとて出られしこと勢しるべし。
後の君子は君子というまでにて、技量なき者多し。
これ書生の類にて、英雄と比肩すべからず。
然れども君子小人の成敗は、如何にも高論の通りなり。

2014年03月19日

水雲問答-(奸智の人悪事)

(雲)ー問

奸智(かんち)の人悪事を為すに、譬(たと)えば五なさんとするに
先(ま)ず、十と云う。
君子これを争って五にするも、すでに彼が術中に落ちて然(し)も
知らず、其(その)術巧(たくみ)なりと云うべし。
今それを善道に翻(ひるがえ)して、好事(こうじ)を斯(か)くの如く
行わば、其益最も多かるべし。

(水)ー答

此説非なり。
君子小人は氷炭薫蕕(ひょうたんくんゆう)、いかようになしても
合いがたし。
小人智術を設けて君子を待つ時、君子も其術を仮(か)りて彼に
勝って善事を為さんとする時は、君子にして小人の術を用ゆるなり。
事の善悪は、痙庭(けいてい)なけれども、心術既に正しきを失い候。
さあれば、たとえ一旦(いったん)細大のことは為し得べけれども、
恒久にすべき道に非ずと申すべし。
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こういう関係の本は、論語を読んだのが初めて。 それ以降、日本では佐藤一斎の「言志録」や 西郷隆盛の「南洲遺訓」など興味のあるものを 勉強。
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