2014年03月28日
水雲問答(凡そ事を為すに快活に)
雲
凡そ事を為すに快活に致したく候。譬えば千金の賞を与えるに、けちな心あるときは人々
恩に感ぜず。一毛を抜いて与ふるも、誠意なれば人感服す。
同品にても、此方の致し方にて、人心に徹底せぬことあり。
譬えば倹素の令を下さんとするに、俗人のとかくにしゅく眉して事をなす故に敗るること多し。
豁然として成さば、人服すること疑いなし。人を使うに活して使い、殺して使い申候とは雲泥の
相違に候。此処深意あり、恐れながら徳廟の上意に、人困りたるときうつ向く者は役に立たず。
困りたるとき仰向く者が役に立つと。真に恭感仕候。
水
是は我が精神の備と不備との差別に候。快活にするとても、人服せしめんと手段しては、人は
服さぬ者に候。一杯満々たる精神を打ち出して、人の服不服も頓着なしにすると、やがて人心服し
候者に候。
しゅく額して事をなすは、自から如何かと危ぶむ意故に候。自から危ぶむこと成就するは稀なる
者に候。古人は行いがたきことを行えおほせ、今人は行い易きことを行いおほせ申さず候。
精神ばかりにもなく、識の足らぬ所も手伝い候。識ある上にも精神満服の者は、如何なる大事を
もなしおほせ申すべく、享保も尊喩は百折不撓の所に候。さりながら、かの精神の盛よりならでは
出来申さず候。識ありても柔弱なる人は何の用にも立ち申さぬ所、又ここの所に候。
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