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2017年02月21日

動詞の連用形

動詞の連用形とは、
丁寧の助動詞「ます」、過去の助動詞「た」
などに続く形のことです。

「聞く(カ行五段活用)」「読む(マ行五段活用)」「走る(ラ行五段活用)」に
「ます」をつけると、
「聞きます」「読みます」「走ります」
「た」をつけると、
「聞いた(イ音便)」「読んだ(撥音便)」「走った(促音便)」
となります。

音便が出てくるのは、五段活用動詞だけ。
その五段活用でも、「話す」「壊す」など、
音便のないものもあります。

動詞の連用形にくっつく(接続する)のは、
上記の「ます」「た」が頻出ですが、
他にも、こんな語につきます。

希望の助動詞「たい」「たがる」
「聞きたい」「読みたい」「走りたい」
「聞きたがる」「読みたがる」「走りたがる」

様態の助動詞「そうだ」
「聞きそうだ」「読みそうだ」「走りそうだ」

動作の目的を表す格助詞「に」
「聞きに」「読みに」「走りに」
(グラウンドに走りに行く、などと使う)

接続助詞「て」
「聞いて」「読んで」「走って」

逆説の接続助詞「ても(でも)」
「聞いても」「読んでも」「走っても」

確定の逆説・同時を表す接続助詞「ながら」
「聞きながら」「読みながら」「走りながら」

並立・例示を表す接続助詞「たり(だり)」
「聞いたり」「読んだり」「走ったり」

副助詞「は」
「聞きは」「読みは」「走りは」
(いい子だから廊下を走りはしないだろう、などと使う)

副助詞「も」
「聞きも」「読みも」「走りも」
(教科書を読みもしないで満点を取れるわけがない、などと使う)

副助詞「こそ」
「聞きこそ」「読みこそ」「走りこそ」
(もう百歳だから走りこそしないが健脚だ、などと使う)

副助詞「さえ」
「聞きさえ」「読みさえ」「走りさえ」
(ここから向こうまで走りさえすればお菓子がもらえる、などと使う)

副助詞「でも」
「聞きでも」「読みでも」「走りでも」
(こんな赤裸々な日記を親が読みでもしたら大変だ、などと使う)

以上は、動詞の連用形の下にどんな単語がつくか、という話でしたが、
「、(読点)」がつくこともあります。

「顧問のアドバイスを聞き、上達するための本を読み、大会で走り、優勝した。」

このように、読点で文をちょっと中止してまた続けるのを、
「中止法」といいます。

中止法に使う連用形は音便にはなりません。
音便とは、下にくる音の影響で発音しやすく変化したものなので、
「、(読点)」からは影響を受けないからです。












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2017年02月20日

形容詞

今日は形容詞の話をします。

形容詞は、動詞・形容動詞とともに
「用言」と呼ばれる品詞で、
物事の性質や状態を表します。

「美しい」「良い」「楽しい」「寒い」「ありがたい」…

など、いいきりの形(基本形・辞書計・終止形)にしたときに、
最後に「い」がつく語です。

活用するのですが、
動詞と違い、活用の種類は1種類しかありません。

「かろ・かっ・く・う・い・い・けれ・〇」
連用形が3つで、命令形はありません。

未然形「かろ」
「〜だろう」という意味の推量の助動詞「う」に続く。
「美しかろう」「良かろう」「楽しかろう」「寒かろう」「ありがたかろう」…

連用形「かっ」
過去の助動詞「た」、並立・例示の接続助詞「たり」に続く。
「美しかった」「良かった」「楽しかった」「寒かった」「ありがたかった」…
「美しかったり」「良かったり」「楽しかったり」「寒かったり」「ありがたかったり」…

連用形「く」
形容詞「ない」、動詞「なる」、接続助詞「て」などに続く。あるいは、「、」に続いて中止法となる。
「美しくない」「良くない」「楽しくない」「寒くない」「ありがたくない」…
「美しくなる」「良くなる」「楽しくなる」「寒くなる」「ありがたくなる」…
「美しくて」「良くて」「楽しくて」「寒くて」「ありがたくて」…
「美しく、」「良く、」「楽しく、」「寒く、」「ありがたく、」…

連用形「う」
これは、もともと「く」が接続する語によってウ音便になったもの。
「ございます」などに続く。
「美しゅうございます」「良うございます」「楽しゅうございます」「寒うございます」「ありがとうございます」…

終止形「い」
基本の形。文末にくる形。
「美しい。」「良い。」「楽しい。」「寒い。」「ありがたい。」…

連体形「い」
「人」「こと」などの名詞や準体言助詞の「の」などに続く。
「美しい人」「良い人」「楽しい人」「寒い人」「ありがたい人」…
「美しいこと」「良いこと」「楽しいこと」「寒いこと」「ありがたいこと」…
「美しいの」「良いの」「楽しいの」「寒いの」「ありがたいの」…

仮定形「けれ」
接続助詞の「ば」に続く。
「美しければ」「良ければ」「楽しければ」「寒ければ」「ありがたければ」…

命令形はありません。

ここまで読んで、
「あれ、『良からぬことを企てる』の『良から』って、なんだ?」
「じゃあ、『良し、君は合格』とかの『良し』は?」
「え、『良き人』とかの『良き』は?」
「待って、『良かれと思ってしたことが裏目に出た』の『良かれ』って?」
と疑問に思った人は、
かなり言葉を知っている人ですね。

実はこれ、古典文法の形容詞の活用なのです。

古典文法の形容詞には活用の種類が2つあり、
「ク活用」は
「く(未然)・から(未然)・く(連用)・かり(連用)・し(終止)・き(連体)・かる(連体)・けれ(已然)・かれ(命令)」
「シク活用」は
「しく(未然)・しから(未然)・しく(連用)・しかり(連用)・し(終止)・しき(連体)・しかる(連体)・しけれ(已然)・しかれ(命令)」
というふうに活用します。

「良い」は古語では「良し」でク活用。
上の例文で説明すると、
「良から」は未然形、「良し」は終止形、「良き」は連体形、「良かれ」は命令形
ということになります。

そう、古典文法の形容詞には命令形もあるのです。

現代文法の形容詞には命令形がないので、
「良い」という状態であるように命令するには、
「良くあれ」とうしろに動詞をくっつけて命令する形にします。

古典文法の形容詞なら、
「良かれ」と一語で命令できたのです。

「良かれと思って…」という言い回しは、古文の名残なんですね。









2017年02月19日

自動詞と他動詞

動詞ネタが続きますが、
今日は自動詞と他動詞の説明をしますね。

「扉が閉まる。」…自動詞
「扉を閉める。」…他動詞

イメージとしては、
勝手に、自動的にそうなる、というのが自動詞なので、
自動扉がウィーンと勝手に閉まるのが、自動詞。
誰か(何か)がそうする、というのが他動詞なので、
風が入ると寒いので誰かが取っ手を握ってぐっと閉めるのが、他動詞。

なのですが、
こう説明すると、
「じゃあ『車が止まる』のは運転手が車を止めているんだから、他動詞ですよね。」
という人がいます。

たしかに、車は誰かが運転しているから動くのですが、
それなら自動ドアだって、誰かが通るから開いたり閉まったりするんですよね。

問題は、そういうことではなくて。
「車が止まる」は「車を止める」という他動詞に対応する自動詞なのですが、
この場合は「車」を擬人化しているから、やっぱり「車」が勝手に「止まった」と
考えて良いのです。

もっと簡単に見分ける方法もあります。

「ボールが飛ぶ。」
「ボールを飛ばす。」

上が自動詞、下が他動詞です。
動詞の前に「が」があれば自動詞、
動詞の前に「を」があれば他動詞。
というように判断することもできます。

ただし、
「僕の投げたボールが大空を飛んだ。」
「僕は褒められたので、得意になってボールを遠くまで飛ばした。」
のように文が長いと、「が」や「を」を探すのが大変です。

ですから、やはり先ほど説明したイメージと組み合わせて考えると良いでしょう。
飛んでいるのはボール…自動詞
僕にボールが飛ばされた…他動詞

全ての動詞に自動詞と他動詞があるわけではありません。
自動詞しかないもの(ある、くる、など)や、
他動詞しかないもの(読む、投げる、など)もあります。

また、一種類の動詞で自動詞にも他動詞にもなるものもあります。
「人が笑う」「人を笑う」など。

まずは、慣れることですね。






2017年02月18日

同業者各位へお願い

私のブログに関心を持ってくださって、
ありがとうございます。

私は、文法学者でも文学者でもありませんが、
長年の教師経験や日本語検定1級合格の実力を活かし、
生徒たちに役立つ情報を提供できれば良いと考え、
こうして記事を書いています。

もし、授業で使いたい説明やネタがありましたら、
どうぞお使いください。
私はKASRACではありませんので、
使用料を請求することはありません。

ただし、この記事はある程度の分量になったら、
分野ごとに再編集、加筆修正し、参考文献も明記して、
私の属している研究会から出版する予定です。

私のブログに限りませんが、
ネットで見られるこのような記事には、
全て著作権があります。

ですから、常識の範囲内で、ご使用ください。
よろしくお願いいたします。

2017年02月17日

文法と方言

私は名古屋に住んでいるので、
名古屋弁の例を挙げて、説明しますね。

たとえば、
「確認しずに送信してしまった。」
という言い方があります。
標準語なら、
「確認せずに送信してしまった。」
と言いますね。

打消の助動詞「ず」の上は未然形ですが、
上の語がサ行変格活用動詞の場合、
「さ・し・せ」の3種類があります。

受身の助動詞「れる」使役の助動詞「せる」の上は「さ」で、「される」「させる」
形容詞「ない」の上は「し」で、「しない」
打消の助動詞「ぬ」「ず」の上は「せ」で、「せぬ」「せず」

と覚えてしまえば、間違えないと思いますが、
普段から使い慣れている方言って、
ついそれが「自然な言い方」「標準語」に思えてしまうんですよね。

これはサ行変格活用の例でしたが、
カ行変格活用にも、
気をつけるべき語があります。

「来ない・来ます・来る・来るとき・来れば・来い」
と漢字で書けば問題ないのですが、
名古屋弁で読むと、これは
「こない・きます・くる・くるとき・これば・こい」
になります。

そう、仮定形が「くれば」ではなく、「これば」。

名古屋人は、名古屋弁を話している自覚があまりありません。
市長が「ぎゃぁ」とか「みゃぁ」とか「ちんちこちん」などと言っているのは、
名古屋弁をアピールするためのパフォーマンスで、
我々はそんな言葉は使わないし、
普段から標準語を話している(つもり)、
と思っています。

でも、このようなちょっとした文法の違いや、
アクセントの違いは、
結構あります。

学校で習う国文法は、
標準語の文法です。

名古屋に限らず、
地方に住んでいる人は、
自分の地域の方言と標準語の違いを、
意識してみると良いですよ。

ちなみに、
「私は東京人だから、きれいな標準語を話している」というアナタ。
東京方言というものもあるのをご存知ですか。

たとえば片付けることを「かたす」というのは、
東京方言で、標準語じゃないんですよ。



2017年02月16日

補助動詞

文節で区切る問題を解くときに、

「僕は今テスト勉強をしている。」を
「僕は/今/テスト勉強を/している。」と
区切ってしまう人は、いませんか。

「して」と「いる」は、それぞれ一文節です。

でも、「いる」単独では意味が分かりませんよね。

それは、直前の文節「して」を詳しくするための、
「して」を【補助】する動詞だからです。

「する」でも意味は通じますが、
「している」にすることで、
「する」という動作が継続しているというニュアンスを
持たせることができます。

このような、前の文節を補助する働きの動詞を、
「補助動詞」といいます。

「補・助動詞」ではなく、「補助・動詞」ですよ。

さて、この補助動詞ですが、
そんなに多くはありません。

以下に例を挙げておきますので、
「こういうのが補助動詞なんだな」と
感覚的につかんでください。

@ 学校の備品なのに個人の名前が書いてある
A 校庭の桜が咲いている
B テスト前に先生に分からないところを質問しておく
C 試供品をもらってくる
D 両親のラブシーンを見てしまう
E なんでも自分でやってみる
F 野菜嫌いの友だちの代わりに食べてやる
G 校庭の桜が散ってゆく

分かりやすいように、全て文末・終止形の例を挙げましたが、
実際は文の途中に出てくることも多いので、
活用していても見落とさないように気を付けてください。

直前に接続助詞の「て」があるのが、
最大のヒントになります。

「て」がないものとしては、
「吾輩は猫である。」のように
「で(断定の助動詞の連用形)+ある(補助動詞)」の形をとるものが、
よく出てきます。








2017年02月15日

可能動詞

その動詞1語で「〜することができる」という意味を含む動詞を、
【可能動詞】といいます。

「読める」「書ける」「聞ける」「話せる」「飛べる」…

このような動詞のことです。

それぞれ、

「読む」「書く」「聞く」「話す」「飛ぶ」…

が、もとの形で、
これらに可能の助動詞「れる」をつけて「ar」を省略したのが、
可能動詞です。

「ar」とは何か。

上記の単語に助動詞「れる」をつけ、ローマ字で書いてみます。

「読まれる」「書かれる」「聞かれる」「話される」「飛ばれる」
「yomareru」「kakareru」「kikareru」「hanasareru」「tobareru」…

どの単語にも、真ん中あたりに「ar」が入っていますね。

それでは、その「ar」を抜いてみましょう。

「yomeru」「kakeru」「kikeru」「hanaseru」「toberu」…

はい、可能動詞ができました。

助動詞「れる」「られる」には、4つの意味があります。
「受身・可能・自発・尊敬」の4つです。

上記の「ar」を抜く前の言葉を見て、
「読まれる、なんていうと、『秘密の手紙を読まれる』みたいに受身の文に見える」
と思いませんでしたか。
「話される、なんていうと、なんだか偉い人がお話しになっている感じがする」
とかね。

実は、たぶん、昔の人もそう思っていました。
文脈で判断できるとはいえ、紛らわしいな、と。

そこで、可能の意味で使う時だけ、
「ar」を省略することにしました。

「読める」「書ける」…といえば、誤解されずにすみますね。
ちゃんと「〜できる」という意味が伝わります。

ひとつ注意が必要なのは、
このルールは五段活用動詞にのみ適応されるということ。

たとえば、

上一段活用動詞の「見る」に可能の助動詞「られる」をつけると、
「見られる」
「mirareru」
となり、真ん中の「ar」を抜くと、
「mireru」…あら不思議。
「見れる」という「ら抜き言葉」になってしまいます。

下一段活用動詞の「食べる」に可能の助動詞「られる」をつけると、
「食べられる」
「taberareru」
となり、真ん中の「ar」を抜くと、
「tabereru」…あら不思議。
「食べられる」という「ら抜き言葉」になってしまいます。

実は、これらの変化は、
五段活用動詞から可能動詞を作り出した流れと同じなので、
これから何十年か経てば、
下一段活用や上一段活用の動詞から可能動詞を作ること(ら抜き言葉)が、
文法的にも容認されるでしょう。
そういえば、最近、「ら抜き言葉」についてうるさく言うひとが
少なくなってきた気がします。
むしろ、「れ入れ言葉※」のほうが気持ち悪いです。

(※「れ入れ言葉」とは、すでに可能の意味を持つ可能動詞に「れ」を入れてしまうことです。「読めれる」「書けれる」…というのが、それです。)

しかし、今のところは文法的に正しいとされる可能動詞は
五段活用動詞からしか作れませんので、ご注意ください。

ちなみに、五段活用動詞からできた可能動詞は、
全て下一段活用に変わります。







2017年02月14日

形容動詞

形容動詞を習ったとき、
「形容動詞とは、どんなだ、という物事の性質や状態を表す」
と聞いて、直前に習った形容詞との違いが分からず、
モヤっとした人はいませんか。

どちらも性質や状態を表す用言です。
はっきりした違いといえば、
活用のしかたくらいでしょうか。

形容詞は「かろ・かっ・く・う・い・い・けれ・〇」
形容動詞は「だろ・だっ・で・に・だ・な・なら・〇」

ですから、外国人が日本語を勉強する際には、
形容詞のことを「イ形容詞」←寒い、大きい、など「い」がつくから
形容動詞のことを「ナ形容詞」←きれいな、爽やかな、など「な」がつくから
と教えます。

じゃあ国語もそれに統一しようぜ、なんて声が聞こえてきそうですが、
残念ながら、そう簡単に変わりません。
文語文法からの流れがあるからです。

古文の中で、
「豊かなり」「堂々たり」など、
「なり」や「たり」がつく単語を見かけたことはありませんか。
これが形容動詞です。

「たり」がつくものは、今では「堂々と」など語尾を「と」に統一し、
品詞も形容動詞ではなく、副詞になってしまいました。

「なり」がつくものが、今の形容動詞です。
「豊かなり」→「豊かだ」
「静かなり」→「静かだ」

ナリ活用の形容動詞は
「なら・なり・に・なり・なる・なれ・なれ」と活用します。
連用形は2つ(なり・に)、
そしてなんと、命令形が存在します!
現代語で「静かな状態であって欲しい」という時は、
「静かであれ」と動詞をくっつけないと命令できませんが、
文語では「静かなれ!」と、形容動詞1単語で命令できたのです。

さて、現代語の形容動詞の話に戻します。

動詞の場合、
「ない」の上は未然形、「ます」の上は連用形...と
接続を覚えたと思いますが、
形容動詞の場合は、
動詞と少し違います。

「静かだ」という形容動詞で説明しますよ。

未然形→推量の助動詞「う」に続く。「静かだろう」
連用形→過去の助動詞「た」や助詞「たり」に続く。「静かだった」「静かだったりうるさかったり」
→動詞「ある」や形容詞「ない」などに続く。「静かである」「静かでない」
→助詞「は」「も」「さえ」などに続く。「静かではない」「うるさくはないが、静かでもない」「静かでさえない」
→「、」に続く、中止法。「静かで、風もない」
→動詞「なる」や「する」などに続く。形容詞・形容動詞に続くこともある。「静かになる」「静かにする」
終止形→言いきり。文末にくるとは限らないので、動詞の終止形の説明を参照してください。「静かだ」
連体形→体言(名詞)に続く。助動詞「ようだ」や助詞「ので・のに・だけ」にも続く。「静かな夜」「静かな教室」
仮定形→「ば」に続くのが基本だが、仮定形単独で用いることもある。「静かならば」「静かなら」

「ない」がつくのは連用形なんですよね。
動詞のときは未然形でしたから、
しっかり覚えておかないと、
間違えそうですね。

もっとも、活用表「だろ・だっ・で・に・だ・な・なら・〇」を覚えておけば、
かぶっている活用形はありませんから、
間違えることはありません。

「静かです」
これは、形容動詞「静かだ」の語幹「静か」+丁寧な断定の助動詞「です」
とされてきたし、今でもそのように説明している文法書もあります。
しかし、最近は「静かです」もひとつの形容動詞とする参考書も、
多く見られるようになりました。

活用のしかたは、助動詞「です」と同じ。
「でしょ・でし・です・です・〇・〇」で、仮定形と命令形はありません。

形容動詞の問題でややこしいのは、
「これは、形容動詞なのか、副詞なのか」
「これは、形容動詞なのか、名詞+断定の助動詞なのか」
ということでしょう。

「明日は今日よりはるかに寒い。」の「はるかに」
「明日は寒いから直ちに帰宅せよ。」の「直ちに」

「はるかに」は「はるかな」と活用させられるから形容動詞。
「直ちに」は「直ちな」と活用しないから副詞です。

「私はおだやかだ。」の「おだやかだ」
「私は中学生だ。」の「中学生だ」

「だ」を「な」に変えて判断することもできますが、
前に「とても」を入れる方法もあります。

「とてもおだやかだ」は可能なので、形容動詞。
「とても中学生だ」は変なので、名詞+助動詞。

これまで日本語の形容動詞を説明してきましたが、
外来語の形容動詞もあります。

活用などは同じですが、
「モダンだ」「スマートだ」「ファービュラスだ」
などカタカナに「だろ・だっ・で・に・だ・な・なら・〇」がつくので、
見慣れないと「これも形容動詞!?」と
ビックリしそうですね。






2017年02月13日

動詞の連体形

連体形というのは、
その名のとおり「体言に連なる形」、
つまり名詞を詳しくする形です。

すぐ下に被修飾語の名詞があれば、
連体形であると分かります。

被修飾語の名詞は、
普通名詞の場合もありますが、
「とき」「こと」「もの」といった
形式名詞である場合も多いです。

ですから、
基本的には連体形を見つけるのは容易なのですが、
終止形のときと同じく、
覚えておかなくてはいけない例外もあります。

「川の水が流れるような音がした。」の「流れる」

推定の助動詞「ようだ」は連体形に接続することになっています。
だから、「ような」の前の「流れる」は、連体形です。

「朝、娘を起こすのは私の役目だ。」の「起こす」

「起こすの」の「の」は、形式名詞「こと」と置き換え可能な、
準体言助詞(名詞みたいな働きをする助詞、という意味)という格助詞です。
「こと」に置き換えられる、ということは、
この「の」は名詞みたいなものですから、
その直前は「連体形」となります。

上記の「の」と同じようなものに、
接続助詞の「ので」「のに」があります。

「甘いものをよく食べるので、バレンタインデーは楽しい祭典だ。」の「食べる」
「そんなに勉強するのに、なぜ成績が悪いの?」の「勉強する」

この「ので」と「のに」は、
もともと「準体言助詞の+で」と「準体言助詞の+に」なので、
直前が連体形になります。

「死ぬほど勉強した。」の「死ぬ」
「あとは結果を待つばかりだ。」の「待つ」
「触っちゃダメですが、見るだけならいいですよ。」の「見る」
「電車が全線不通で、歩くしかない。」の「歩く」
「私が呼ぶまで待っていてください。」の「呼ぶ」
「朝から降り出した雨は、ひどくなるばかりだ。」の「なる」

これら6つの例は、全て連体形です。
すぐあとの副助詞(ほど、ばかり、だけ、しか、まで、ばかり)が、
連体形に接続することになっているからです。

数は多くないので、覚えてしまったほうが、
「連体形かな、終止形かな?」
と迷わないですよ。









2017年02月12日

国語のテストの時間配分

小・中・高生共通の話題です。

学校の定期テストで時間が足りないという話はあまり聞きませんが、
模試や入試本番になると、
「時間があったら出来たのに、全然時間が足りなかった」
「残り5分のところで最後の大問に全く手をつけていなかったから、焦って適当に答えを埋めた」
「見直しの時間が全くなかった」
などという声をよく聞きます。

学校の定期テストを受ける時、
みなさんはどのように解き始めますか。

学校の定期テストは、
ほとんど教科書が範囲で、
授業で習って読んだことのある文章が出るので、
いちいち文章は確認せず、
いきなり問1から読み始め、
漢字や文法など、考えなくても分かるものを、
先に終わらせたりするでしょう。

ところが、模試などでは初めて見る文章が出ます。
「次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい」
と書いてあるから、バカ正直に文章からゆっくり丁寧に
読み始めていませんか。

それが時間のロスなのです。

知らない文章だからこそ、
先に問を読んでおく必要があります。

問は、その文章の大切なことを聞いてきます。
当たり前ですが。
だから、先に問に目を通しておけば、
本文に何が書いてあるのか、
だいたい予測できます。
その状態で本文を読み始めれば、
何も情報なく読むより、
速く読めます。

それに
「本文には次の一文が抜けています。どこに入るか探しなさい」
みたいな問題がありますが、
本文から読み始めたら、
また該当箇所を探すために本文を読み直すことになり、
とんでもない時間の無駄です。

いつも国語のテストでは時間が足りない、
と思っている人は、
まずは「文章を読み始める前にあとの問を読んでおく」
を試してください。

大学受験生には比較的知られたテクニックだと思いますが、
小・中学生にも有効です。






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