2017年02月20日
形容詞
今日は形容詞の話をします。
形容詞は、動詞・形容動詞とともに
「用言」と呼ばれる品詞で、
物事の性質や状態を表します。
「美しい」「良い」「楽しい」「寒い」「ありがたい」…
など、いいきりの形(基本形・辞書計・終止形)にしたときに、
最後に「い」がつく語です。
活用するのですが、
動詞と違い、活用の種類は1種類しかありません。
「かろ・かっ・く・う・い・い・けれ・〇」
連用形が3つで、命令形はありません。
未然形「かろ」
「〜だろう」という意味の推量の助動詞「う」に続く。
「美しかろう」「良かろう」「楽しかろう」「寒かろう」「ありがたかろう」…
連用形「かっ」
過去の助動詞「た」、並立・例示の接続助詞「たり」に続く。
「美しかった」「良かった」「楽しかった」「寒かった」「ありがたかった」…
「美しかったり」「良かったり」「楽しかったり」「寒かったり」「ありがたかったり」…
連用形「く」
形容詞「ない」、動詞「なる」、接続助詞「て」などに続く。あるいは、「、」に続いて中止法となる。
「美しくない」「良くない」「楽しくない」「寒くない」「ありがたくない」…
「美しくなる」「良くなる」「楽しくなる」「寒くなる」「ありがたくなる」…
「美しくて」「良くて」「楽しくて」「寒くて」「ありがたくて」…
「美しく、」「良く、」「楽しく、」「寒く、」「ありがたく、」…
連用形「う」
これは、もともと「く」が接続する語によってウ音便になったもの。
「ございます」などに続く。
「美しゅうございます」「良うございます」「楽しゅうございます」「寒うございます」「ありがとうございます」…
終止形「い」
基本の形。文末にくる形。
「美しい。」「良い。」「楽しい。」「寒い。」「ありがたい。」…
連体形「い」
「人」「こと」などの名詞や準体言助詞の「の」などに続く。
「美しい人」「良い人」「楽しい人」「寒い人」「ありがたい人」…
「美しいこと」「良いこと」「楽しいこと」「寒いこと」「ありがたいこと」…
「美しいの」「良いの」「楽しいの」「寒いの」「ありがたいの」…
仮定形「けれ」
接続助詞の「ば」に続く。
「美しければ」「良ければ」「楽しければ」「寒ければ」「ありがたければ」…
命令形はありません。
ここまで読んで、
「あれ、『良からぬことを企てる』の『良から』って、なんだ?」
「じゃあ、『良し、君は合格』とかの『良し』は?」
「え、『良き人』とかの『良き』は?」
「待って、『良かれと思ってしたことが裏目に出た』の『良かれ』って?」
と疑問に思った人は、
かなり言葉を知っている人ですね。
実はこれ、古典文法の形容詞の活用なのです。
古典文法の形容詞には活用の種類が2つあり、
「ク活用」は
「く(未然)・から(未然)・く(連用)・かり(連用)・し(終止)・き(連体)・かる(連体)・けれ(已然)・かれ(命令)」
「シク活用」は
「しく(未然)・しから(未然)・しく(連用)・しかり(連用)・し(終止)・しき(連体)・しかる(連体)・しけれ(已然)・しかれ(命令)」
というふうに活用します。
「良い」は古語では「良し」でク活用。
上の例文で説明すると、
「良から」は未然形、「良し」は終止形、「良き」は連体形、「良かれ」は命令形
ということになります。
そう、古典文法の形容詞には命令形もあるのです。
現代文法の形容詞には命令形がないので、
「良い」という状態であるように命令するには、
「良くあれ」とうしろに動詞をくっつけて命令する形にします。
古典文法の形容詞なら、
「良かれ」と一語で命令できたのです。
「良かれと思って…」という言い回しは、古文の名残なんですね。
形容詞は、動詞・形容動詞とともに
「用言」と呼ばれる品詞で、
物事の性質や状態を表します。
「美しい」「良い」「楽しい」「寒い」「ありがたい」…
など、いいきりの形(基本形・辞書計・終止形)にしたときに、
最後に「い」がつく語です。
活用するのですが、
動詞と違い、活用の種類は1種類しかありません。
「かろ・かっ・く・う・い・い・けれ・〇」
連用形が3つで、命令形はありません。
未然形「かろ」
「〜だろう」という意味の推量の助動詞「う」に続く。
「美しかろう」「良かろう」「楽しかろう」「寒かろう」「ありがたかろう」…
連用形「かっ」
過去の助動詞「た」、並立・例示の接続助詞「たり」に続く。
「美しかった」「良かった」「楽しかった」「寒かった」「ありがたかった」…
「美しかったり」「良かったり」「楽しかったり」「寒かったり」「ありがたかったり」…
連用形「く」
形容詞「ない」、動詞「なる」、接続助詞「て」などに続く。あるいは、「、」に続いて中止法となる。
「美しくない」「良くない」「楽しくない」「寒くない」「ありがたくない」…
「美しくなる」「良くなる」「楽しくなる」「寒くなる」「ありがたくなる」…
「美しくて」「良くて」「楽しくて」「寒くて」「ありがたくて」…
「美しく、」「良く、」「楽しく、」「寒く、」「ありがたく、」…
連用形「う」
これは、もともと「く」が接続する語によってウ音便になったもの。
「ございます」などに続く。
「美しゅうございます」「良うございます」「楽しゅうございます」「寒うございます」「ありがとうございます」…
終止形「い」
基本の形。文末にくる形。
「美しい。」「良い。」「楽しい。」「寒い。」「ありがたい。」…
連体形「い」
「人」「こと」などの名詞や準体言助詞の「の」などに続く。
「美しい人」「良い人」「楽しい人」「寒い人」「ありがたい人」…
「美しいこと」「良いこと」「楽しいこと」「寒いこと」「ありがたいこと」…
「美しいの」「良いの」「楽しいの」「寒いの」「ありがたいの」…
仮定形「けれ」
接続助詞の「ば」に続く。
「美しければ」「良ければ」「楽しければ」「寒ければ」「ありがたければ」…
命令形はありません。
ここまで読んで、
「あれ、『良からぬことを企てる』の『良から』って、なんだ?」
「じゃあ、『良し、君は合格』とかの『良し』は?」
「え、『良き人』とかの『良き』は?」
「待って、『良かれと思ってしたことが裏目に出た』の『良かれ』って?」
と疑問に思った人は、
かなり言葉を知っている人ですね。
実はこれ、古典文法の形容詞の活用なのです。
古典文法の形容詞には活用の種類が2つあり、
「ク活用」は
「く(未然)・から(未然)・く(連用)・かり(連用)・し(終止)・き(連体)・かる(連体)・けれ(已然)・かれ(命令)」
「シク活用」は
「しく(未然)・しから(未然)・しく(連用)・しかり(連用)・し(終止)・しき(連体)・しかる(連体)・しけれ(已然)・しかれ(命令)」
というふうに活用します。
「良い」は古語では「良し」でク活用。
上の例文で説明すると、
「良から」は未然形、「良し」は終止形、「良き」は連体形、「良かれ」は命令形
ということになります。
そう、古典文法の形容詞には命令形もあるのです。
現代文法の形容詞には命令形がないので、
「良い」という状態であるように命令するには、
「良くあれ」とうしろに動詞をくっつけて命令する形にします。
古典文法の形容詞なら、
「良かれ」と一語で命令できたのです。
「良かれと思って…」という言い回しは、古文の名残なんですね。
この記事へのトラックバックURL
https://fanblogs.jp/tb/5965932
※ブログオーナーが承認したトラックバックのみ表示されます。
この記事へのトラックバック
いつも色々言ってすみません。
「近く」が名詞なのか、形容詞の連用形なのかを見分ける方法ってありますか?
「私の家の近くには大きな犬が二匹もいる。」
文節「家の」の助詞「の」が、その文節が連体修飾語であることを示しているから、「近く」は体言=名詞。
って感じで助詞から判断するしかないのでしょうか?
もし、よろしければ教えて下さい。