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2021年10月20日

分断されても分裂はし無いアメリカを解剖する・・・阿川尚之(慶應義塾大学名誉教授)



 【佐藤優の頂上対決】

 分断されても分裂はし無いアメリカを解剖する・・・

 阿川尚之(慶應義塾大学名誉教授)



  10-19-5.png 10/19(火) 5:55配信 10-19-5



      10-19-6.jpg
        
               阿川尚之氏 10-19-6


 誰もが強く自己を主張しバラバラで在りながらも、何か事が在れば一つにまとまるアメリカ。トランプ大統領以降「分断」が叫ばれて居るが、果たしてそれは正鵠(せいこく)を得た指摘なのか。9・11同時多発テロから20年、アフガニスタンから撤退するに至った超大国の内在的論理を解き明かす。  

                    * * * *



 佐藤 阿川先生と私は、外務省で働いた事が在り、且つ二人とも今同志社大学で教えて居ますが、もう一つ共通点が在ります。それはミッキー安川氏の『ふうらい坊留学記』の解説を書いて居る事です。
 阿川 そうでしたか。
 佐藤 阿川先生は中公文庫の解説をお書きに為り、それが書店から消えた後、私は復刊ドットコムのオンデマンド本で解説を書いて居ます。
 阿川 私はジョン万次郎から現代迄、各時代のアメリカ留学記を読みましたが、安川さんの本には誰も知ら無かったアメリカが書かれて居ます。

 佐藤 1950年代初めに単身渡米し、オハイオ州のシンシナティ大学に入学するも英語力不足で休学、日本で知り合った米兵の実家を訪ねてテネシー州の田舎町に行き、そこに居候しながら、先ずは小学校から通い始めると云う破天荒な話です。
 阿川 その町では、有力者が総出で迎えて呉れますネ。牧場でミルクを搾り森で薪にする木を伐(き)り、日曜日は教会へ馬車で向かう。
 佐藤 そこに出て来るのは、エリートが集まる東海岸・西海岸のアメリカとは異質なアメリカです。

 阿川 私は何度もアメリカ各地を訪問しましたが、住んだのはワシントンDC・バージニア州・ニューヨーク市だけです。バージニアはジェファーソン創立の州立大学が在るシャーロッツビルに居ましたが、ソコから西へ進み山を越えるとケンタッキー州、その直ぐ南にテネシー州が在る。
シャーロッツビルの町を出るだけで英語がマルで異なる。アア、違うアメリカだと思いましたね。

 佐藤 外務省時代、私は各国の情報機関と付き合いが在りましたが、普通は自分の身分を隠します。処が外交官がカバー(偽装)だったテキサス出身のインテリジェンス・オフィサーは「俺はテキサスの秀才でね、冒険好きで聡明な人材を求むと云う募集に2千人の中から選抜されたんダ」と自慢話を始めるんですよ。
 阿川 テキサスは広いし他に無いユニークな州です。テキサスとカリフォルニアの間には、ウクライナとロシアの間より大きな差異が在るかも知れ無い。近年テキサスにはカリフォルニアから人や企業が流入して居ますが、テキサス人に言わせると「皆、亡命して来る」
 佐藤 テキサスは元々メキシコですしネ。

 阿川 アメリカは決して一つでは無い。それが小田実(まこと)・石原慎太郎・大江健三郎と云った反米知識人には判って居無かった。白人の国としか捉えて居ない。白人と云っても東部のインテリと南部の労働者では全く違う。ミッキーさんは、知識人が見て来無かったアメリカを描いて居る。
 佐藤 地域に依って全く違うアメリカが在る。今の言葉で言えば多様性です。只、そのバラバラのアメリカが一つに纏(まと)まると怖い。

 阿川 9・11同時多発テロ事件から20年経ちましたが、アノ時も一つに為ったアメリカは強いし怖いとも思いましたね。
 佐藤 9・11の時は、アメリカにいらしたんですよネ。
 阿川 ハイ、2001年の9月は、6日からサンフランシスコで読売新聞社主催の「講和条約調印50周年記念日米シンポジウム」に参加し、それを終えて、集中講義を担当して居たシャーロッツビルに戻りました。
 11日早朝、外務省から頼まれて居たニューヨークのユダヤ人団体での講演をする為にワシントンへ飛び、ターミナル内を移動してニューヨーク行きの飛行機に乗り換えた。扉が閉まりゲートから離れる直前に「全員降りろ」との指示。正にその時テロが進行して居たんですネ。

 佐藤 未だ米国の日本大使館公使に為られる前でしたか?
 阿川 前です、アノ時は、ショックと悲しみそして怒りで、アメリカ国民の感情が昂(たかぶ)り国が一つに為った。今と為っては説明し難い異常な雰囲気でした。アフガニスタンの民主化等、ズッと後の話です。
 佐藤 徳川慶喜の孫で、旧鳥取藩池田家の池田徳真(のりざね)と云う人が居ます。元は旧約聖書の研究家でしたが、戦時中に外務省で「日の丸アワー」と云う対米謀略放送を担当するんです。
 その彼が『プロパガンダ戦史』と云う回想録を書いて居ます。ソコで各国のプロパガンダの手法を分類して居ますが、アメリカには基本的に対外プロパガンダと云う発想が無く、国内を如何にまとめるかにしか関心が無いと言って居る。


 阿川 国内を一つにまとめれば途轍も無い力を発揮しますからネ。本来アメリカには「国内」しか無いんですよ。州と州の関係が国内で在り同時に国際なんです。アラスカやハワイの様にドンナに遠くても、州で在れば国内の話。但し、その外には安易に出て行か無いのが、ヨーロッパ列強との関係に苦労した建国の祖達の遺訓です。
 海を越えて軍隊を外国へ出すには、余程の理由が必要なんです。世界中に軍を展開した戦後50年間は例外でした。アフガン・イラク戦争で懲りたアメリカ人は、今建国の祖の遺訓をシミジミ思い出して居るのでしょう。

 佐藤 同志社の名誉教授の森浩一先生は、アメリカには世界史が無いと言って居ましたネ。全てはアメリカ史に収斂(しゅうれん)してしまうと。コレはソ連も同じで、世界史はソ連史に吸収されて行くと云う考え方です。
 阿川 ノルウェーの小さな港で、ミネソタ州から来たアメリカ人に会った事が在ります。祖母がノルウェー出身で、その港を見て、ミネソタの故郷の湾にソックリだ、祖母が話して呉れた通りだと喜んで居ました。彼女の家族の歴史は、ノルウェーに直接繋がって居るんです。

 佐藤 自身のアイデンティティの問題が世界に繋がって居る。
 阿川 ユダヤ系・トルコ系・ロシア系・勿論日系も同じですよ。
 佐藤 しかもソコに在るのは、混じり合って複合化したアイデンティティです。
 阿川 だからアメリカと云う言葉で括っても、それでは捉え切れ無いアメリカが沢山在るんですネ。

 「中央分権」の国


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       「今も、州と連邦との間には緊張が在る」と阿川氏 10-19-7


 佐藤 そのアメリカ社会を、制度の面から見て来られたのが阿川先生のご研究です。
 阿川 多様でバラバラな社会に、最低限のまとまりを与えて居るのは、アメリカ合衆国憲法です。読むと判るのは、ステート(州)は主権を有するステート(国家)なんですね。
 アメリカでは連邦も主権国家ですから、何か問題が在ると、州と連邦のドチラの法律を当て嵌めるかが議論に為る。20世紀後半には連邦の力が飛躍的に拡大しましたが、それでも未だに両者間に緊張が在る。

 佐藤 夫々の州には大きな権限が在りますね。州に依って殺人が死刑に為る処も在れば終身刑の処も在る。
 阿川 トランプ政権の4年間を通じて、大統領の政策の違憲性・違法性を訴訟で主張し続けたのは民主党系の州の司法長官達でした。
 佐藤 アメリカ社会では裁判所が大きなウエイトを占めて居ます。
 阿川 アメリカの田舎に行くと、一番目立つ建物は裁判所です。日本なら町役場や市役所が在る中心部に、1700年代〜1800年代に建てられた古い裁判所の建物が在る。

 佐藤 ミッキーさんの本にも出て来ましたね。テネシー州の田舎の裁判所に行くと、そこが市役所・音楽堂・税務署・古物屋を兼ねて居る。
 阿川 そもそもアメリカ合衆国は後から出来たものです。ヨーロッパから船で遣って来てコミュニティを作り、何か決定し無くては為ら無い時は皆で集まって決め、揉め事が在れば裁判所で解決した。
 佐藤 先ず国が在った訳では無い。
 阿川 13の植民地が英国と戦って夫々独立したものの、バラバラなママでは欧州列強に対抗出来無いので新しい中央政府を作ろうとします。そこで13州の代表が集まって合衆国憲法を起草しますが、多くの州から、俺達の独立を侵すのかと憲法制定に反対する声が出て来る。

 佐藤 最初から、ステートとフェデレーションの対立が在った訳ですネ。
 阿川 ハイ。ただそうは云っても、軍事や安全保障、通貨・通商政策等、共通の問題は一緒に対処した方が好い。そこで反対派を説得する為に、憲法に明記して居ない権限は全て州が保持すると定めた。
 佐藤 先ずは州在りきなのですね。
 阿川 コロナの感染拡大がニューヨークで激しく為った時、トランプ大統領が他州からニューヨーク州への移動を制限する大統領令を出そうとしました。処が同州のクオモ知事は「我々に宣戦布告をする積りか」と恫喝(どうかつ)したんです。

 佐藤 その感覚は日本では判ら無いでしょう。
 阿川 コロナは、日本なら一義的に厚生労働省の管轄で、アメリカにもCDC(疾病予防管理センター)を含む連邦保健福祉省が在りますが、州内の感染は第一義的に州に管轄権が在る様です。
 佐藤 ソコには、入植以来の州の独立と個人の自由を尊重する考え方が反映されて居る訳ですね。

 阿川 基本的に「中央分権」なのです。国が地方に権限委譲する地方分権の日本とは全く逆の発想です。政府より前にコミュニティが在り、コミュニティが行使して居た権限の一部を先ず州へ、そして別の一部を中央政府に与える形でアメリカは成り立って居る。
 佐藤 国が出来る前に自分達で公の仕事を分担して来た自負も在るでしょうね。
 阿川 アメリカでは、陪審制度・教育委員会制度・徴兵制等、公の仕事を官に全て任せず、自発的に或いは義務として民が行う仕組みが発達して居ます。

 佐藤 只、ワクチン接種は可成り面倒な事に為って居ますね。ワクチンは生物兵器だとかゾンビ化するとか、荒唐無稽な話や陰謀論も在りますから日本より大変です。
 阿川 そうした人達の主張に反論しながら、接種をしない個人の自由と接種を強制する公共の利益の境を憲法と法律の枠内でトコトン争うのがアメリカなんですよ。

 野望には野望を


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                  佐藤優氏 10-19-8


 佐藤 私はモスクワでソ連崩壊に立ち会いましたが、ソ連の失敗は、アメリカの制度を参考にした事が招いたと見て居るんです。
 阿川 ソ連はアメリカの制度を真似たのですか?
 佐藤 ソ連は正式にはソビエト社会主義共和国連邦で、共和国のユニオンです。実はソ連憲法には「離脱権」が明記されて居ます。
 阿川 ヘェ、そうでしたか。
 佐藤 最終的にはその離脱権が行使されて自壊します。

 阿川 共和国に、ソ連邦からの離脱権が在るか如何かは、アメリカで南北戦争が起きた際の憲法解釈を巡る論争と同じですネ。アノ時も、南部諸州に連邦を離脱する権利が在るか如何かが問題に為り、南部が離脱を強行した為戦争に為りました。
 佐藤 同じ展開ですね。
 阿川 結局北軍が勝利したので離脱の権限は無いと云うリンカーン大統領の主張が通り、合衆国は相当強引な形で真の統一国家に為りました。

 佐藤 それが一般には、民主的な大統領の象徴として捉えられて居る。
 阿川 アメリカが不思議なのは、中央政府に為るだけ権限を与え無い様にして居ながら、イザと為れば大統領がホボ何でも出来る事です。国の分裂を防ぐ為に自分が遣る事は全て合憲と言い切ったのはリンカーンです。
 トランプ大統領が「憲法上俺は何でも出来る」と言ったのを皆でバカにしましたが、根拠が皆無と云う訳では在りません(笑)

 佐藤 確かにアメリカの大統領の権限は強大です。それはドンドン強く為って居ませんか?
 阿川 憲法には大統領の権限範囲に付いて余り多く書かれて居ません。予測出来ない国家の緊急事態に対処する大統領の手を、予め縛るべきで無いと制定者は考えました。しかし、これは大統領の権力濫用にも繋がりかね無い。
 ですから平時には、議会や裁判所そして州が、自分達の権限を行使して抑止する訳ですね。戦争権限を議会にも与える等、大統領権限抑制の仕組みも憲法に在ります。只佐藤さんのご指摘の様に、大統領権限が益々強く為る今日、それで十分かどうか今盛んに論じられて居ます。

 佐藤 詰まりアメリカでは三権分立だけで無く、各州と大統領も常に抑制し合う関係に為って居る。
 阿川 その通りです。その根底に在るのが中央分権と云う考え方で、中央政府は必要だけれども、権限は出来るだけ限定的に与えて濫用を防ごうとしたのです。
 佐藤 阿川先生の近著『どのアメリカ?』(ミネルヴァ書房)には、第4代マディソン大統領の「野望には野望で対抗させ無ければ為ら無い」と云う言葉が紹介して在りました。

 阿川 個人や政府の特定部門に権力が集中して圧政に走るのを防ぐには如何したら好いか。最大の保障は政府の権力を行政・立法・司法の3部門に配分し「各部門を運営する者に、他部門よりの侵害に対して抵抗するのに必要な憲法上の手段と、個人的な動機を与えること」だと、憲法案起草者の一人で在ったマディソンは述べました。
 人間には皆野心が在る。野心と野心をブツケ合わせて権力の濫用を防ぎ、それに依って人々の自由を担保する。とても現実的な考え方だと思います。

 佐藤 要職の任期が違うのも権力分散の一つですね。
 阿川 大統領は4年、上院議員は6年、下院は2年で最高裁判事は終身です。交代の時期をズラす事に依って、権力のバランスを保ち固定化を防ぐ訳です。

 絶望の無いアメリカ

 佐藤 そうした制度を信頼し前向きなのがアメリカです。私はチェコの神学者フロマートカの自伝を訳した事が在るのですが、彼は、アメリカは18世紀的な啓蒙の理念がそのママ20世紀も生きて居る国だと総括します。
 そこがヨーロッパ人との違いで、ドイツ人が持って居る様なドス黒い感覚とか、後ろ向きにモノを考える捻(ひね)くれた思い等は判ら無いと言うんです。


 阿川 それは面白い指摘ですね。
 佐藤 ヨーロッパ人が体験した様な、絶望の淵で神を如何考えるかとか、或いは強固な階級社会で生きた経験とかが無い。だから何処かでロマン主義的なものが生き延びた。しかもフロンティア開拓の時代に夢は叶うと云う経験もして居ます。
 阿川 アメリカには不満は一杯在るけれども、本当の絶望は無いと思います。民主党も共和党も夫々の希望と理念を語りますね。

 佐藤 ワシントンで独立宣言をしたチェコスロバキアの初代大統領マサリクが言うには、アメリカは先ず、理念に依って支援して呉れる国なんですね。
 阿川 香港や新疆ウイグルで弾圧されて居る人々、今回アフガニスタンを脱出しようと望む人に取っても、最後の希望はアメリカですよ。只、今のアメリカが彼等の期待に応え得るか如何かは判りません。それでもアメリカは、約5万人のアフガン難民を撤退の前後に短期間で国内に受け入れて居ます。

 佐藤 今アフガニスタンから撤退したアメリカの弱体化を言う人が居ますが、アメリカには圧倒的な軍事力が在りますし、ドルは事実上の基軸通貨です。アメリカに代わる国は無い。
 阿川 今回、期限通り撤退して国の内外で色々批判を受けたものの、大統領は決めた事を断固守りました。オバマ・トランプ・バイデンとその支持者は国内政策では激しく対立しましたが、対外政策では予想した以上に一貫性が在って、スッカリ内向きに為ったと感じました。

 佐藤 バイデンはカトリックですよね。
 阿川 そうですね。
 佐藤 カトリックは旧約聖書を殆ど読みません。基本と為る新約聖書はローマ帝国をベースに考えますから「世界帝国」に肯定的です。それは普遍主義に繋がって居る。
 阿川 成程。

 佐藤 一方、旧約聖書では世界帝国は悪です。ペルシャもバビロニアも悪で、神はユダヤ人にはユダヤ人が統治する土地を与えて移動を禁じた。詰まりネーションステート(民族国家)の発想です。
 だから旧約を読むプロテスタント、特にカルバン派が強い地域は、ネーションステート的な国家に為る。トランプは、カルバン派のプレスビテリアン(長老派)ですよね。だから内向きに為って行ったのは好く判る。一方、バイデンは国際協調を進める等普遍主義的です。


 阿川 深い話ですネェ。只アメリカには、常に両方の要素が在ります。
 佐藤 それが振り子の様に揺れますよネ。自由やデモクラシーの理念も振り翳すと世界帝国化します。
 阿川 振り子が行ったり来たりするのは健全だと思います。寧ろ一方向に大きく振れたママ戻ら無いと怖いですね。9・11事件の後にはその傾向が在った。
 アノ時は無理も無かったとも感じますが、やっぱりアメリカが一方向に走り出すと危ない面も在る。20年経って、その振り子が戻って来て、逆の方向に振れて居る。そんな感じですね。

 佐藤 一つに為ると危険なのは、ロシアにもドイツにも言えます。
 阿川 トランプ以降、アメリカの「分断」が頻(しき)りに語られます。日本では識者が、民主党と共和党は互いにもっと歩み寄れと言います。確かに過度の対立は建設的で無い。でもマディソンが指摘した通り、党派間の野心に基づく対立が権力の濫用や圧政を防いで来た。
 この国で分断は目新しい話では在りません。分裂寸前がアメリカの常態と迄言えるかどうかは別として、憲法と法律の範囲内での対立が民主的な社会を形作り活力の源にも為って居る。しかも時に一つにまとまり大きな力を発揮する。そうしたアメリカを理解する事が必要です。

                  ◇  ◇ ◇ ◇



 阿川尚之(あがわなおゆき) 慶應義塾大学名誉教授 1951年東京都生まれ 慶應義塾大学法学部中退 米ジョージタウン大学スクール・オブ・フォーリン・サーヴィス 同大ロースクール卒 ソニー米国法律事務所などを経て99年慶應義塾大学教授 2002年から05年まで在米日本大使館公使 16年より慶應義塾大学名誉教授 21年まで同志社大学特別客員教授 近著に『どのアメリカ?』 「週刊新潮」2021年10月14日号 掲載


 

          
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 著者・プロフィール 佐藤優 (さとうまさる) 1960(昭和35)年生れ 1985年 同志社大学大学院神学研究科修了の後外務省入省 在英大使館 在露大使館等を経て 1995(平成7)年から外務本省国際情報局分析第一課に勤務 2002年5月に背任容疑 同7月に偽計業務妨害容疑で逮捕 2005年2月執行猶予付き有罪判決を受けた 同年、自らの逮捕の経緯と国策捜査の裏側を綴った『国家の罠―外務省のラスプーチンと呼ばれて』で毎日出版文化賞特別賞を受賞 
 以後、文筆家として精力的に執筆を続けて居る 主な著書に『自壊する帝国』(新潮ドキュメント賞 大宅壮―ノンフィクション賞受賞) 『獄中記』『私のマルクス』『交渉術』『読書の技法』『神学の技法』『紳士協定―私のイギリス物語』『先生と私』『いま生きる「資本論」』『世界史の極意』『君たちが知っておくべきこと』『十五の夏』(梅棹忠夫・山と探検文学賞受賞)『高畠素之の亡霊』など多数 共著も多い


 新潮社



 〜管理人のひとこと〜

 佐藤氏は哲学的思考の強いお方だと想像する。彼の文章を読んで居て、書かれた文字から直ぐに想像が膨らみ歴史の一コマや絵画や動画の画像が浮かび上がる。それだけ表現力が豊富で的確なのだろう。
 確かに世界の何処かで何かの不正な事態が生ずると・・・例えばミャンマーの軍によるクーテーター事件や香港での民生圧迫事件等では、必ずアメリカに助けを求めるのが世界の常識と為って居る。アメリカ自体は「もう世界の警察官は辞めた」と宣言して居るのに、もう一つの大国中国では無く、依然としてアメリカが世界一頼りになる国なのだろう。
 トランプ氏が出て来て「分断国家・アメリカ」と喧伝されたが、この国はそれが当たり前の国でありそれで正常なのだとの事の様だ。確かに、国論が全て一致する国は存在しない。中国はそれを力で抑えて居るだけで、何れ民衆に依って分断されるだろう。
 我が国は、お粗末な「安倍・菅政権」で官僚毎、絶望的な国家へと為り下がってしまったが、何れ国民が目を覚まし真っ当な国へと立ち直ると期待して居る。しかし、お粗末な政権を選んだのは私達国民なのだと深く反省しなくては為ら無い。戦後以来の自民党政治・・・そのツケを払う時が来たのかも知れ無い。





















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