2019年09月17日
入管の女性被収容者への酷い待遇 着替えもトイレもカメラで監視 自殺未遂も
入管の女性被収容者への酷い待遇 着替えもトイレもカメラで監視 自殺未遂も
〜HARBOR BUSINESS Online 9/17(火) 8:33配信〜
東京入管には現在、100人以上の外国人女性が収容されて居る
女性の被収容者が解放されるケースは殆ど無い
東京オリンピックを前にして、ビザの無い外国人に対する長期収容が益々深刻なものと為って居る。大村入管(長崎県)ではナイジェリア人が謎の死を遂げた。牛久入管(茨城県)では、最大時100名を超える被収容者が、長期収容に対する抗議のハンガーストライキを行い今も収束の気配は無い。
そんな中で、余り注目され無いのが女性の被収容者達の存在だ。現在、東京入管では100名以上の外国人女性が収容されて居る。収容されたら直ぐ帰国する人は勿論多く居る。
一方で「難民の為帰れ無い」「家族が居る」等、事情が有る女性の収容は長期化して居る。1年以上は当たり前で3年以上の収容も珍しくはな無い。しかも男性の被収容者と比べても、解放される女性は殆ど居ないと言われて居る。一体、何故なのだろうか。
余り知られて居ないが、女性被収容者達もハンストを始めて居る。長い人はもう1か月半以上続けて居る。拘束されて居る事への抗議の意思もあるが、この環境によるストレスで食欲を失って居るのも理由のひとつの様だ。
ハンストを行って居る女性達は、入管の給食や固形物は食べ無いが、コーヒー・青汁・牛乳等の水分は摂って居る。しかし、栄養が偏る為、目まいや手の痺れ、湿疹が出来るなど、徐々に体調を崩して居る。
ハンストを始めた女性に、アメとムチを使い分ける入管職員
当所は、ハンストを始めた4人が一つの部屋に押し込まれ、他の被収容者達と接触し無い様にされて居た。ハンストをするメンバーが入れ替わる中、9月5日にはトルコ国籍クルド人、フィリピン人、スリランカ人の3人のみと為って居た。
女性職員達は何とか残った3人のハンストを辞めさせ様と、給食を質の良いものにしてみたり「貴女の事が心配だから食べて」と甘い言葉を使ったりして来た。そうかと思えば「ボス(福山宏局長)の方針で、ハンストする人は仮放免(解放)しない」「お願いする(立場)でしょ。ハンストはマイナスよ」と脅しを掛ける等、アメとムチを使い分けて居た。
心身共に弱り、自殺を試みたスリランカ人女性
遂には、3人はバラバラの独房に移された。部屋にはトイレがあるが、トイレのドアが無かった。天井に設置されて居る監視カメラから、常にトイレの使用や着替えを見られる状態と為って居た。
クルド人女性はその辱めに耐えられず、大声を上げ暴れて「嫌だ!」と拒否をしたが、職員達は聞き入れては呉れ無かった。彼女は「だって、男性だってカメラで見て居るんでしょ?」と抗議したが、女性職員達は「仕方が無い」と答えた。3人は監視カメラの先に誰が居るのかも判らず、日々、屈辱を強いられて居る。
フィリピン人女性は、もう2年10か月収容されて居る。日本人の夫と子供が2人居るが、或る日、女性職員に「子供は面会に来るの?」と聞かれ、そうだと答えたら「もう来させ無い方が好いよ」と言われたと云う。
「マルで自分が恥ずかしい母親の様な言い方をされて悔しかった」と語る。「自分の子供なのに大きなお世話だ」と、怒りを滲ませて居た。
スリランカ人女性も難民として来日し、帰国出来無いで居る。僅かに与えられたフリータイムすらも職員達に見張られ、息苦しい日々を送って居て食欲も無い。
心身共に弱って居る彼女は職員達に毎日、口癖の様に「殺して欲しい」と訴えて居た。そして9月9日、置いて在ったポットのコードで自殺を試みたが、多くの職員の制止により未遂で終わる。その様子をビデオカメラで撮影して居る職員も居たと云う。
「戦争が無い国だから難民じゃ無い」と入管職員
既にハンストを止めて居る別のフィリピン女性にも話を聞いてみた。
「ハンストは身体の事を考え、自主的に辞めました。自分は反政府活動を遣って居た為、自分の身が危険に為って5年前に来日。そこで難民申請をして半年更新のビザを貰って居ました。しかし申請は却下され、収容されてしまいました。5年の内2年は外で、3年は収容所の中……」
彼女は職員に「戦争が無い国だから難民じゃ無い」と言われた。「ジャア、帰国して私に何か在ったら責任取れるの?」と聞き返すと、職員達は黙ってしまうだけだったと云う。
難民の定義とは「人種、宗教、国籍、政治的意見や又は特定の社会集団に属する等の理由」で「迫害を受けるか或は迫害を受ける恐れがある」人々であり、戦争が行われて居る事だけが難民の理由と云う訳では無い。これを入管職員が軽はずみに言う事自体、非常に疑問を感じる。
そもそも、イラクやシリア等実際に戦争が有る事で知られて居る国の人達にも難民認定が下りるのかと云うと、日本では滅多に認められず、収容された人すら居る。
筆者はフィリピン人女性に「何故こんなにも女性は仮放免され無いのだと思いますか」と質問してみた。「女性は、男性と違って弱いから……」明らかな女性差別と感じて居る様だった。
ハンストを行って居ない被収容者にも、職員からのイジメ
元々ハンストをして居なかった女性達にも筆者は面会して話を聞いたが、ハンストをして居なくとも女性職員からのイジメが有る事には変わり無い様だった。例えば、面会に来たボランティアが差し入れをすれば「管理が面倒だから、送り返せ」と圧力を掛けられたと云う話を好く聞く。しかし彼女等はお金が無いので、自分達で生活用品を買うのは大変で、ボランティアの差し入れを頼りとして居る人も多い。
特に生理用品等は高いし、職員も同じ女性なら理解して欲しいものだ。それすらも自分達の仕事が増えるのが嫌で、突き返す様にと言うらしい。収容のストレスだけで無く、女性職員による仕打ちに耐え兼ねて居る人たちも少なくは無い。
筆者は総務課に出向き「監視カメラでトイレや着替えを覗くことは、人権侵害には当たら無いか」と質問した。すると、総務課の職員はこう答えた。「理由」があればショウが無い。
食事を取ら無い事は、監視カメラで辱める事に相当する「理由」でしょうか。「それは、私の方ではお答え出来ません」 仮放免とは、その人が母国に帰れ無い理由等を判断材料にするのであって、食事をしたかしないかで判断するものでは無い筈では?「それは、そうですね……」
オリンピックが決まって以来、何が何でも日本への在留を希望する外国人を追い出そうと躍起に為って居る内に、職員達の人権感覚が徐々に麻痺して行き、どんどんグロテスクな方向に進んで居る様に感じる。日本は本当にオリンピックに相応しい国なのだろうか、今のこの国で行われて居る闇に目を向けずして、一体何が平和の祭典なのだろうか。
<文・写真 織田朝日>【織田朝日】Twitter ID:@freeasahi 編む夢企画 国籍問わず皆が楽しい気持ちに慣れる様な、そんな交流の場を企画
ハーバービジネスオンライン 以上
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