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2021年05月07日

元・豪首相上級顧問が語る中国 「日本人は山本五十六の指摘を忘れては為ら無い」



  元・豪首相上級顧問が語る中国
 
 「日本人は山本五十六の指摘を忘れては為ら無い」



      5-7-3.jpg
     
      牧野 愛博 OFFICIAL COLUMNIST 朝日新聞外交専門記者 5-7-3


 〜過つて衝撃的な著書『アメリカが中国を選ぶ日』を発表したオーストラリアの元国防副次官。最早中国抜きでは成り立た無く為った世界について厳しい未来を語る。安全保障分野のトップジャーナリスト牧野愛博氏によるオーストラリアレポート第4弾〜


 私は昨年11月、オーストラリアに出張する前、日本の知識人達に「豪州で一番のリアリストは誰だろうか」と尋ねて回った。私の頭の中に「リアリストこそ、現実を好く知る人物」と云う一つの仮定があったからだ。
 専門家なら誰もが知る言葉のひとつに「外交や安全保障は、遣れば遣る程リアリストに為る」と云う文句がある。安全保障と外交の世界に平等と云う言葉は無い。国連安全保障理事国や核拡散防止条約・NPT体制等、全く不平等な取り決めだが「戦後秩序」「パワーゲーム」等の言葉の下で受け入れ無ければ為らない。
 外交や安全保障は、こうした彼我(ひが)の力の差や国際関係を冷静に客観的に分析した上で、議論し無ければ単なる理想論や自己満足な議論に終わってしまう。過つて、戦前の日本の軍部がスローガンとして使った「神州不滅」社会党が展開した「非武装中立論」等もそのひとつだろう。

 私の問いに対し、日本の知識人達が一様に推薦して呉れたのが、豪州国立大・ANUのヒュー・ホワイト教授だった。只、知識人達は「チョット主張が極端なのが偶に傷なんだけど」と付け加えるのも忘れ無かった。



 5-7-4.jpg

              ヒュー・ホワイト教授 5-7-4 

 ホワイト教授は、オーストラリアの首相上級顧問や国防副次官等を務めただけあって、誰よりも豪州を取り巻く安全保障の現実に精通した人物だ。同時に、教授は2012年に発表した著作『アメリカが中国を選ぶ日』「中国が巨大に為れば為る程、米国は日本を支える為に、中国との良好な関係を犠牲にする訳には行か無く為る」など、日本人には苦々しいと言える論理を展開した。
 2019年には、豪州が核武装について議論する必要性について問題提起をして関係者らを驚かせた。豪州に取って、同盟国の米国と最大の貿易相手国である中国との関係を両立させるのは簡単では無い。教授の過激な主張は、この問題について悩み抜いた結果だとも言える。

 過激な主張から想像しどんなに気難しい人が出て來るかと緊張しながら、私はキャンベラに在るANUの研究室のドアをノックした。出迎えて呉れたホワイト教授は、私の想像とは全く逆で非常に温厚な紳士だった。彼は2時間近く、私の拙い質問に対して熱心にそして丁寧に答えて呉れた。

 ホワイト教授のリアリズムを生み出した原体験は興味深いものだった。教授は、豪州政府の一員だった1995年から96年に掛けて遭遇した台湾海峡ミサイル危機での体験を紹介して呉れた。当時、中国は台湾周辺海域でミサイル発射実験を実施。米国が原子力空母2隻を派遣する事態に至った。
 教授は当時、米国防総省の当局者に「台湾海峡に派遣した米空母が沈ま無いと確信して居るのか」と尋ねたと云う。米側の答えは「強い自信がある」と云うものだった。それから四半世紀が過ぎた。

 ホワイト教授は「現在、米軍が中国軍の勢力圏内で空母を航行出来るとは思わ無い」と断言した。教授によれば《米国は、台湾を巡る中国との紛争が起きた場合、数週間又は数カ月以内に、明確な勝利を得られると確信出来る軍事戦略を持って居ない》
 教授は「トランプ大統領が、アジアで米国の戦略的リーダーシップを維持する考えを持って居るかどうかも非常に不明確だ」とも語った。

 また、ホワイト教授によれば、台湾海峡危機の際、当時のハワード豪政権は米国を支持したものの、中国からも閣僚レベルの接触を全て凍結すると云う厳しい対抗措置を食らった。ハワード首相は8カ月後に江沢民国家主席と会い取引したと云う。
 ハワード氏は江氏に「豪州は米国の緊密な同盟国であり続ける。だが、中国とも非常に強い関係を持ちたい。豪州は米国の同盟国として中国に直接的な行動は取ら無い」と約束した。

 ホワイト教授はハワード首相の約束について「当時、米国は中国を戦略的ライバルと観て居なかったので、そう言うのは簡単だった」と語り、続けてこう明かした。「だが、中国人は未だ私達と結んだ原則に固執して居るのだ」 事実、教授によれば、中国を「戦略的ライバル」と定義した豪州政府は未だ現れていないと云う。

 ホワイト教授が教鞭を執るANUにも現実の波が押し寄せている。教授は「オーストラリアで学ぶ中国人留学生は20万人前後だろう。ANUでも、中国人が学生の約8割を占める学部もある」と明かす。
 「豪州の4大輸出品は、鉄鉱石・石炭・教育・観光だ。中国人留学生は豪州の大学制度維持に不可欠だと言っても偽りでは無い。もし中国が豪州を訪れる留学生の数を劇的に減らせば、我々の教育システムは壊滅的な影響を受けるだろう」

 ホワイト教授のリアリズムは、非常に厳しい未来を予言する。「中国の野望に反対すれば、直接、対決する事に為る。中国が望むものは何でも与えるべきだとは言わ無いが、我々は幾つか譲歩し無ければ為ら無いだろう」
 教授は「中国は成長を続けより強力に為った。中国との冷戦を唱える人も居るが、その結果はどう為るのか。紛争に為って米国が勝てるとは思わ無いし、日本や豪州も勝てるとは思わ無い。核戦争の可能性だってある」とも語る。

 日米が掲げる「自由で開かれたインド太平洋」FOIP構想や「QUAD」と呼ばれる日米豪印安保協力についても厳しい指摘が飛んだ。
 「FOIPの実現の為に必要なのは、中国の成長力と影響力の封じ込めだが非常に難しいだろう。アジアにおける米国の外交的・経済的・軍事的な立場が中国よりも弱体化して居るからだ」
 教授に言わせれば、FOIPは「単なるスローガンで政策では無い」と云う。教授は、QUADの4カ国の協力にも懐疑的だ「どの国も、中国との関係が非常に重要で、中国との関係を犠牲にする事を望んでいないからだ」

 そして、ホワイト教授は日本の未来についても言及した。

 「尖閣諸島で(日中の)衝突が起きた時、豪州は中国に経済制裁を科すだろうか。そんな事は無い。プレスリリースや閣僚声明は出すだろうが、日本を支える為に、中国との関係を危険に晒さ無いだろう」

 インタビューの最後に、私は日本の一部にある〔優秀な自衛隊と日米同盟があれば、日本は必ず中国に勝てる〕と云う意見についてホワイト教授の意見を聞いた。教授は「自分の評価に非常に冷静である事がとても重要だ。戦略における最も一般的な間違いの一つは、敵対者を過小評価することだ」と語った。
 教授は、米軍が世界で最強の軍隊である事実は否定しない。只、紛争の舞台として予想されるのは東アジアであって、中国の裏庭とも呼べる場所にある(直ぐそこにある近隣)「米国は、中国を打ち破る十分な力を東アジアに投入出来ない。中国に取っての東アジアは、米国に取ってのカリブ海の様なものだからだ」

 そしてホワイト教授はこう付け加えた。「日本は75年前、米国を過小評価して居たが山本五十六連合艦隊司令長官だけは違った。それはヤマモトが当時、米国が保有していた船腹量では無く、米国の造船所の建造能力に付いて理解して居たからだ」
 教授は、山本五十六が過つて「(対米戦争を)ヤレと言われれば、最初の半年や1年は暴れてご覧に入れる。しかし、2年、3年と為れば全く確信は持て無い」と述べた事実を指摘したかった様だ。

 教授は別れ際、日本で翻訳出版された「アメリカが中国を選ぶ日」をプレゼントして呉れた。もっと現実に目を向けて勉強しなさいと云う意味だと受け止めた。

                    以上



 









 
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