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2020年04月04日

新型コロナウイルスの緊急経済対策「30万円支給の自己申告制」が抱える3つの問題点




  新型コロナウイルスの緊急経済対策

 〔30万円支給の自己申告制〕が抱える 3つの問題点


              〜ハフポスト日本版 4/4(土) 11:42配信〜


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               経済対策で発言する安倍首相

 〜新型コロナウイルスに依る所得の減少対策として政府は〔自己申告制〕で1世帯当たり30万円の支給する事で一致した。しかし〔自己申告制〕は感染拡大のリスク以外にも問題が多い・・・と、労働問題に付いて発信するNPO法人POSSE事務局長で社会福祉士の渡辺寛人氏は指摘する。
 諸外国の対策との比較等から見る、日本の緊急経済対策の問題点と課題とは? 渡辺氏がハフポスト日本版に寄稿した〜


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          NPO法人POSSE事務局長・社会福祉士の渡辺寛人氏

 政府は新型コロナウイルスの感染拡大に伴う緊急経済対策を発表。新型コロナウイルスに依る所得の減少が生じて居る場合には、1世帯当たり30万円を支給する事で一致した。とは言え、一律に現金が支給される訳では無い。現金を受け取る為には、自ら新型コロナの影響依って収入が減った事を〔自己申告〕し無ければ為ら無い。

 未だ具体的な方法が確定して居る訳では無いが、現段階で示されて居る情報から〔自己申告制〕の問題点を整理しながら、この案が〔新型コロナ禍対策〕と云う観点から目的を見失って居る事を指摘したいと思う。そして日本で求められる対策も考えて行きたい。

 「自己申告制」により起きる問題点

 新型コロナウイルスに依る所得の減少対策として、1世帯当たり30万円の支給を自己申告制にする事に依って、具体的にどの様な問題が生じる事に為るだろうか。同じく、自己申告に依って運用されて居る生活保護行政の窓口で起きて居る事を参考に問題点を整理して行こう。

 現在想定されて居る新型コロナウイルスの感染拡大に伴う緊急経済対策としての〔現金支給〕と同様に、生活保護制度の利用は自己申告制を執って居る。申請に基づいて資産調査(収入・資産)が行われ、条件を満たして居れば受給が決定される。
 生活保護では〔不正受給〕を排する為に、世帯の収入・資産の状況が判る書類提出・預金通帳のチェック・親族への扶養照会・家庭訪問による調査等が行われて居る。尚、生活保護の〔不正受給〕の割合は金額ベースで0.4%程度であり、一般的なイメージに比べて極めて少ない。

 今回の現金支給が自己申告制の場合は、生活保護制度程厳格な調査には為ら無いと予想されるが〔虚偽申告〕を排する為に或る程度の調査は行われる事に為るだろう。

 問題点1 行政の窓口業務負担が増大

 行政側から見れば、こうした調査を行う為には大変な労力を割かれる事に為る。仮に扶養照会や自宅訪問は行われ無いとしても、資料を精査する業務だけでも労力は膨大に為る事が予想される。又家計状況と云うセンシティブな内容に踏み込む為、申請者との軋轢が生じ易く、職員に掛かるストレスも大きい。
 住民福祉を担うべき行政職員のリソースが不毛に磨耗させられてしまう事で、本来の業務が圧迫され、二次的な被害が生じる可能性も有るだろう。

 問題点2 申請に掛かる労力が排除を生む

 申請者から見れば、書類を用意するだけでも大変だ。自らの所得の低下を証明する為の資料を得る為に、雇用先や契約先への問い合わせをし無ければ為ら無いだろう。企業にも証明の事務作業が生じる。そして、本当に困って居るのかを調査する為に、行政に依って申請資料を精査され、家計状況に付いて質問される。こうした遣り取りは屡々屈辱を伴う事がある。
 申請に必要な書類を沢山書かされる事が面倒で、現金支給資格が有る世帯・実際に支給が必要な世帯が申請する事を諦めてしまう可能性も出て来るだろう。又、高齢者や障害者・外国人・子供の世話をし無ければ為ら無いシングルマザー等は書類を用意する事自体大変な作業である。サポートして呉れる人が身近に居なければ、申請自体を諦めてしまう可能性も高い。この様に〔不正を排除〕しようとすれば、必要な人に届か無い仕組みに為ってしまうのである。

 問題点3 感染拡大のリスク

 更に、新型コロナの感染拡大が生じて居るにも関わらず、自己申告制にする事で、申請者が窓口に殺到すると云う事態が容易に想像出来る。コレが今回の対策の最も不合理な点である。窓口業務を担う職員は元より、申請会場全体がクラスターに為り兼ねず、本末転倒と云う他無い。
 ソモソモ何の為の現金支給なのだろうか? 政府の現行案は〔本当に必要な人〕を選別し〔虚偽申告〕を防止する事に重点を置き過ぎて、本来の目的を見失ってしまって居る様に思える。

 諸外国では新型コロナに伴う緊急経済対策として 一律給付や休業補償を行って居る

 1 一律〔現金支給〕を行って居る国 韓国・香港・アメリカ

 韓国・香港・アメリカでは日本と同様〔現金支給〕を対策として打ち出して居る。韓国では全世帯の内所得下位70%に対して、世帯数に応じて一律で最大約9万円が支給される。香港では18歳以上の永住権を持つ住民1人当たりを対象に約14万円が支給される。
 アメリカでは年収7万5000ドル・約825万円以下の大人1人に付き現金1200ドル・約13万円、子供1人に付き500ドル・約5万5000円を直接支給する・・・この様に〔現金支給〕を行う国では、出来るだけ迅速に支給を開始する為に、高所得者への制限は有るものの、対象を選別せず〔一律〕に実施する事を決めて居る。
 コロナによる経済的な影響を緩和しようとするものであるから、現金支給に依る効果はさて置き、可能な限り迅速に支給すると云う観点からは合理的と言えよう。少なくとも日本の様に〔選別〕によって生じる無駄は生じ辛い。
 
 2 休業補償と云う形での対応 ヨーロッパ
 
 ヨーロッパでは、休業補償を行う事に依って労働者が家に留まり、感染拡大を防ぐと云う戦略が執られている。
 例えばイギリスでは、全てのレストランやパブ・スポーツジム等を閉鎖する事を決定し、企業の規模を問わず休業せざるを得無く為った従業員の賃金の8割を保障する・・・最大約33万円
 フランスでも休業する労働者の賃金を100%補償し、小規模事業者やフリーランスにも第1弾として1500ユーロ・約18万円を支出する。ドイツも自営業者等に3カ月で最大9000ユーロ・約108万円を保障するとして居る。不要不急の労働を停止させ感染リスクを抑えつつ、コロナ危機後を見据えて雇用を継続して行こうと云う狙いが明確だ。

 今後日本で求められる対応とは?

 以上を踏まえれば、日本で行おうとして居る〔自己申告制〕に依る支給世帯の選別は何のメリットも無いと云えるだろう。それ処か行政、及び申告者の大量の手間を生み出し、感染リスクを高める可能性すらある。
 〔現金支給〕を行うのであれば、或る程度の所得制限は設けるにしても〔一律に支給〕するべきだろうと私個人は考えて居る。感染拡大が危ぶまれ外出自粛の要請を呼び掛けて居る最中で、窓口へ申請をする等余りにも不合理だ。支給対象世帯の選別に依って生じるコストは出来るだけ無くすべきである。

 但し〔一律現金支給〕を行ったアメリカでは、リーマンショックを超える大量の失業者が発生して居る。一時的に現金支給を行ったとしても、失業して収入の見通しが無く為ってしまえば貧困は拡大して行く事に為る。こうした現状を踏まえれば、ヨーロッパの様に休業補償をして雇用を守って行く事の方が、今の日本に執って合理的で有る様に思える。又現金支給がどの程度の効果が有るかに付いてもモッと検討が必要だ。
 又、新型コロナによる影響から生活を守って行くと云う観点から考えると、一時的な現金支給だけでは不十分だろう。生活の基礎的な支出を減らして行く仕組みも考えて行く必要がある。

 何より重要なのは住宅だ。スペインでは家賃滞納者に対する立ち退き要求を禁止する事が発表された。イグレシアス副首相は「住居は人々がウイルスと戦う塹壕(ざんごう)だ」と表明して居る。
 生活を守り、新型コロナの脅威から身を守る為には、安心して過ごせる〔家〕が必要だ。そしてソコで生活を送り続ける為にも水道・電気・ガス等のライフラインを維持する事が求められる。こうした費用の支払いを猶予・減免・免除して行く為の仕組みを整えて行く事も有効だろう。

 この危機的状況の中で不毛な〔不正者〕探しをして居る猶予は無い。危機は平時から弱い立場に有る人達に最も苛烈に襲い罹って来る。黙って居ても真面な対応は行われ無い。生活を保障する為の対策を要求して行か無ければ為ら無い。


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 文・渡辺寛人 @Hiroto_1988  NPO法人POSSE事務局長 社会福祉士として労働・生活相談に関わって居ます 雑誌POSSE編集長もVol.37~ 東京大学大学院総合文化研究科在籍 専門は社会政策/福祉社会学 共著『闘わなければ社会は壊れる』(岩波書店)1988年生まれ 発信媒体 ハフポスト日本版 東京wilog.org/Hiroto_1988

       ハフポスト日本版 編集 榊原すずみ     以上



 


 
 








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