2019年12月28日
「極右と言われたのが、今は左翼と言われる」「支持層のフォロワーに為るなら政治家を遣る必要は無い」ポスト安倍を見据える石破茂氏に聞く
「極右と言われたのが、今は左翼と言われる」「支持層のフォロワーに為るなら政治家を遣る必要は無い」
ポスト安倍を見据える石破茂氏に聞く
〜AbemaTIMES 12/27(金) 17:10配信〜
石破茂氏
安倍4選も囁かれる中、ANN等の世論調査で安倍総理や小泉進次郎氏を押し退け、ポスト安倍レースのトップに躍り出たのは石破茂元幹事長だった。
石破氏に批判的な論調の産経新聞の調査でも、僅差ながらトップに立って居り、AbemaTV『AbemaPrime』が街で聞いた処「悪いイメージは余り無い。考えは確りして居るのかなと云うイメージがある」(20代男性)「矢張りベテランだ。何と無く信念が有りそうな感じ」(80代女性)と、矢張り名前が上がったのが石破氏だった。
足立氏
テレビ朝日政治部長の足立直紀氏は「正論で理想が大きく、時に自民党の政策からも外れる様な事を仰る事がある。それが正に石破さんらしさで、党の議員や支持者が付いて行け無いと云う時すらある。しかしANNの調査で25%と云う結果を占めて居た様に、ポスト安倍と言われて居る人達の中で見ると矢張り石破さん好いんじゃないと云う事だろう」と話す。番組では石破氏に生出演して貰い、視聴者から寄せられた質問も交え話を聞いた。
「左翼と呼ばれる。世の中の座標軸が凄く動いて居る」
・・・閣僚や党役員では無い今、どの様な時間の使い方をして居るのか。
石破 今年の後半は、韓国の歴史や文化等を一生懸命勉強して居る。その国との外交をキチンと遣ろうと思えば、相手の事をチャンと知ら無ければいけ無い。如何にして韓国と適切な関係を保って行くかと云うのは日本の外交に取って死活的に重要な問題だ。
それは今迄もそうだったしこれからもそうだ。それは好き嫌いの問題では無い。朝鮮半島外交を間違う時に日本は必ず国家を誤る。シンガポールもインドネシアもフィリピンに付いてもそうだ。コンナ事も知ら無かった、アンナ事も知ら無かったと云う事が沢山ある。
或いは、何故日本が戦争に為ったか、何故、辞められ無かったか。一通りは知って居た積りだったが、それも知ら無い事が一杯ある。矢張り閣僚や党の役員であったりすると24時間365日、その事に全エネルギーを費やしてしまう。今は、こんなに自分はものを知ら無かったんだと云う事に気付かされる、本当に有り難い機会だ。
・・・そんな中、正に追い風が吹いて居るのでは無いだろうか。
石破 期待は低いよりも高い方が好い。只、自民党総裁選の投票権が有るのは自民党員と自民党の国会議員だけだ。だから国民の支持が厚くても、それは自民党内の支持とは違う。そこは勘違いし無い様にし無いといけ無いし、1年の内でも追い風の時もあれば向かい風の時もある。
しかし、その追い風が100mだろうが、逆風が100mだろうが、私は言う事を変えて来なかった。特にココ10年位、周りは凄く変わって居るが、私は殆ど変わって居ないと思う。私が防衛庁長官に為ったのは今から17年前だが、当時は極右の防衛庁長官と言われた。それが今は左翼だから(笑)世の中の座標軸が凄く動いて居ると云う事だと思う。
・・・親しみ易いと云うイメージに付いては。
石破 政治家が偉いと思った事は無いからかも知れない。後は、学校を出てから、足った4年間だけだが、民間の経験をしたのは有り難かった。窓口に出た日に、お釣りを余計に渡して担当をクビに為って、後外回り等をズッと遣っていたが(笑)
・・・支持して居る人々は、具体的に何を期待して居ると思うか。
石破 安倍総理は本当に全身全霊で遣っていらっしゃるとは思うが、国民に正面から向き合って呉れよ、と云う処が有るのではないか。確かに正面から向き合えばハレーションも起きるし、批判を真正面に受ける事もある。
だから安倍総理みたいに上手く交わすと云うのも、或る意味では政治家としての資質かも知れないし、アノスタイルで7年間、最長の政権を維持して居る。それは凄い事だ。しかし、私はそう云う事が出来無い。為りもしないでそんな事を言うのは僭越かも知れないが、私は総理に為っても短いかも知れない。だが正面から国民に向き合わ無い事には、この国は変わら無いと思って居る。
・・・党内での支持に付いては
石破 私は選挙応援には、それコソ不眠不休で誰よりも行って居ると思う。しかし今の議員さん達は、選挙応援には余り価値を感じ無いらしく、自分が望む職に着けて呉れると云う事の方が大事らしい。
その点では、私は内閣や党で権力を持って居る訳では無いし、貴方を大臣にして挙げるよと言ったって何の説得力も無い。そこは難しいのかも知れない。だが、共に日本を語ろうよ。共に自民党を語ろうよ。共に次の時代を語ろうよ・・・と云う人はキッと居る筈だ。そう云う人達を一生懸命見付けていか無ければいけ無い。同志達に言わせると、もうあの人と話してもしょうが無いよね・・・と言うのが石破さんの一番いけ無い処だと好く批判される。それはその通りだ。
「安倍政権の緩み」は我々の責任でもある
・・・そんな石破さんに付いて、安倍総理は決して嫌いでは無いが、言う事を聞か無い存在の様に感じて居るのではないか。
石破氏 政治家だから、それは譲れ無いものがある。何でも譲って居たら、もう政治家では無い。安倍さんも譲れ無いものを持って居るし、私も譲れ無いものを持って居る。そう云う事ではないか。
政治家同士と云うのは、一生の大親友である必要は無い。価値観が違った為らば、矢張りそれは立場を異にしないと可笑しい。そうで無ければ自分を偽る事に為る。安倍さんと云う人は凄く魅力的な人だと思うし、本当に自分の為に遣って呉れる人を、アレ程大事にする人は居ない。だが、考え方が違うので有れば、別に大事にして貰わ無くても、政治家の生き方として好いのではないか。
憲法観、日本国憲法第9条に付いての考え方も可成り違う。安部総理が仰るのは、自衛隊は憲法違反だと云って居る学者が居ますよと云う事。学問の自由だから色んな意見があるだろう。でも、それを紹介して居る教科書が有るのは許せ無い。自衛官たちアンナに一生懸命に遣って居るのに、憲法違反と言って居る学者が居たり、それを紹介する教科書があったりするのも許せ無い。だから憲法改正だと云う考え方だ。
勿論自衛官達は一生懸命遣って居る。只、防衛庁長官や防衛大臣を遣った私としては、自衛隊を単に憲法に書き込むだけでは無く、最強の実力集団である以上、司法・立法・行政によるキチンとしたコントロールが無いと可笑しいよね、外の勢力に対して対抗する組織だから、国際法に従って遣らないと可笑しいよねと、と云う立場だ。
・・・長期政権による副作用の様なものが出て居るのではないか。
石破 小泉さんの政権も長かった。或いは先日お亡くなりに為った中曽根さんの政権も長かった。私は中曽根さんが総理だった昭和61年に初当選したが、アノ政権は最後までピリピリして居た。小泉政権も最後迄ピリピリして居た。緊張感があった。
少なくとも私が知って居る中曽根政権や小泉政権では、緩みや驕り等と言われる事は無かった。只、それは安倍政権を作った我々の責任でもある。だから私は関係ないですよみたいなことを言う積りは無い。
・・・では、自分が総理に為ったら「桜を見る会」は辞めるのか。
石破 辞めない。「桜を見る会」の本来の目的は、勲章を貰って皇居に呼ばれる事は無いが、保護司さんや人権擁護委員さんや農業委員さん等、本当に地域で一隅を照らして居る人、一生懸命頑張って居る人達に、内閣総理大臣として皆さん本当に有難うと云う機会だ。それを何故辞めなければいけ無いのか。
福田康夫総理
・・・情報公開や公文書の管理の問題に付いては。
石破氏 私は福田康夫総理に防衛大臣としてお仕えしたが、福田総理の公文書に対する姿勢は徹底して居て、公文書管理担当の大臣を置き、公文書管理の法律もお作りに為った。国民の税金を使って行政が遣る事に付いては、可能な限り納税者に情報が公開され無ければいけ無いのだと云う、福田総理の使命感や責任感があったと思う。
私はそれを間近で見て居て、そう云うものなのだと思った。「桜を見る会」も、安倍さんが個人的に遣って居る訳でも、自民党総裁として遣って居る訳でも無く、内閣総理大臣として、国民の税金で遣って居る。だからその事に対する情報は可能な限り納税者に公開され無ければいけ無い。それは当たり前の事だ。
・・・しかし、そうした声が党内からは聞こえて来ない様に感じる。
石破 それは我々自民党員の責任だ。期数が上だろうが下だろうが、役職に着いて居様が居まいが徹底的に議論する。そして決まったらば従うと云う、それが自民党だ。
だから私達が若い頃は侃々諤々(けんけんがくがく)、皆言いたい事を言って居た。それが言う事を言わせ無い、或いは言った事を完全に無視する様に為った時に、自民党は可笑しく為る。国会議員を34年遣って来て、そうだと思う。
政治改革の時もそうだった。小選挙区制には色々な評価があるが、若い議員達は小選挙区制にすべきだと懸命に主張し、結果として握り潰した。そして宮澤内閣は選挙で負けてしまった。自民党の良さが失われた時、自民党そのものが危機に瀕すると思う。
・・・一方で、野党も支持を集められて居ない。
石破 小泉内閣や福田内閣・麻生内閣で閣僚を遣って居る頃の民主党には本当に迫力があった。前原さんや枝野さんの様な論客が居て、予算委員会の中で2時間に渉って、1人で徹底して議論をして来た。誤魔化そうと思っても誤魔化せ無い真剣勝負だった。
閣僚席に座って居て、時計を見ながら何で時間ってコンナに遅く流れるんだろうと思った事を好く覚えて居る。だが今、野党の質問を見て居ると、例えば5人で30分ずつ出て来る。そしてモッと追及したいんですけど、時間が有りませんので次の質問に移ります・・と言われてしまう。チットモ怖く無い。何故こんな事に為ってしまったのだろうと思う。
「日本の価値観を根底から変える」
・・小泉進次郎環境相に付いてはどう見て居るのか。もし総裁選に立ったとしたら?
石破 彼は私が幹事長の時の青年局長、私が大臣の時の政務官だ。野党時代、そして又政権を奪還した後も一緒に仕事をして来た。本当に日本の為に、大事に使って行かなければいけ無い人だと思う。彼が総裁選に出ると云う状況は非常に考え難いし、私と小泉さんの国家観と自民党観が、そんなにズレて居るとも思わ無い。
憲法や安全保障に付いて徹底的に議論した事がある訳では無いので、ソコが違うのであれば、どんなに親しくても対立せざるを得ない。当然、日本の為に対決する事はあるだろう。
・・・では、総裁選に出馬するとしたら、何を旗印にするのか。
石破 日本の価値観を根底から変える事だ。江戸時代は「天下泰平」兎に角安定が価値観だった。処が黒船が来て、このママでは西洋列強の植民地に為ってしまうぞと云う事で、安定から強さ「富国強兵」に為って行く。
それが太平洋戦争の敗戦で徹底的に打ち砕かれ、今度は豊かさ「高度経済成長」に為る。今、それ等に代わる価値観を見付けていか無いと、この国はいかんのでは無いだろうか。
等々赤ちゃんの出生数が90万人を切った。予想よりも早かった。首都一極集中、詰まり男女が最も結婚する東京で赤ちゃんが最も生まれ無い。ドイツではベルリン一極集中か、イタリアはローマ一極集中か、フランスはパリ一極集中か・・・違う。地方が豊かで活気がある。
だからヨーロッパの国は人口が減ら無い。21世紀は世界の人口が2倍に為るのに、これからの80年で日本の人口は半分に為る。国の作り方、国家の有り方を根底から変え無いとこの国は持た無い。それには矢張り多様性だ。東京に行って成功する事が価値観で、同じものを安く沢山、大勢の人に作ると云うモデルだった。本当は農業も漁業も林業も、物凄い力があるのに、それを最大限に生かし伸ばして来なかったのではないか。
・・・安倍政権も少子高齢化や一極集中を避け様と旗を振って来ては居る。しかし、地方創生も含めて、上手く行って居ない。
石破 このママ行ったら国が無く為るよ、と云う切迫感・危機感だと思う。自民党は一極集中を打破し様よと云うのは昔から言って来た。田中角栄総理の時にも「列島改造」があった。しかし、現状を打破し無いとこの国が無く為っちゃうよと云う危機感は、高校生だった私には余り感じられ無かった。
大平総理の時に田園都市構想、竹下総理の時に故郷創生があったが、これ等が失敗したら国が無く為ると云う程の危機感は無かったと思う。しかし、今は局面が違いますよと云う、その危機感をモッと強く打ち出さないといかんと思って居る。
・・・豊かな暮らしの割には、将来を不安視して居る子供は多い気がする。結婚したり、子供を産んだりと云う事に対する不安が勝ってしまう。
石破 経済が伸びて人口が増えて居る時は、辛い事・嫌な事を先送りしても何とか為った。人口の増加と経済成長がそれを予定調和的に何とかして呉れた。だが、人口が物凄く減る時代、そして経済がそんなに伸び無い時代は、先送りすればする程、次の時代に掛かる負担はドンドン重く為って来る。それを政治家が言わ無いでどうするのか。
・・・一方で、自民党の支持層は、又儲けさせてよ、又バブル呼び起こしてよ、と云う人が多い気がする。そう云う支持層の気持ちも変えて行くと云う事か。
石破 次を見せ無いと、政治家ナンか遣っちゃいかん。単なる支持層のフォロワーに為るなら政治家を遣る必要は無い。それは世論調査機関が遣れば好い。有権者の方々は毎日忙しい。我々は政治を遣って居るのだから色んな情報を知って居る。それを国民にキチンと開示するのが、我々の責任ではないか。
有権者がこう思って居るからそれに従いますよ。皆さん方が思う様な社会を作りますよ・・・と云うのは、この時代の政治家として遣ってはいけ無いと思う。
・・・若い世代の政治参加に付いては。
石破 若い人が投票に行くだけで日本は変わる。入れたい人が居ない、入れたい党が無いとも言われる。だったら行って白票を入れれば好い。だからそう簡単には出来ないが、投票は義務化すべきだと思って居る。
この国をどうするかと云う事に対して意思を表示出来ない人は、本当に主権者だろうか。この国の将来に責任を持ちませんと云うのは、私は国民として言うべきだとは思わ無い。その意味で投票は国民の権利だが、義務でもあると思う。そして投票する時に、自分が総理大臣だったらどうするかと云う事を考えるのが主権者だ。民主主義と云うのはそれ程厳しいものだ。
・・・2020年はどの様な1年にするのか。
石破 国は変えられると云う意識を国民一人一人に持って貰う年にしたい。どうせ変わら無い、私が行ったって変わら無い・・・それは民主主義の破壊だ。平成の30年と云うのは、ヒョットしたら民主主義が物凄く変質した時代かも知れない。金利が付か無いと云う事で、間違い無く消費者が変質した時代だ。
だが、今為らば取り返せる。国は変えられるんだと云う、そう云う思いを主権者に持って貰う。そう云う1年にしたい。
AbemaTV 『AbemaPrime』より 以上
【管理人のひとこと】
石破氏の言葉は、耳には何か何か重そうに入る様で居ても、中身は青年の様な正義感と信念を感じさせる魅力も持っていられる様だ。党内での人気が無い・・・との事は、他人に余り興味が無いのか、それとも我が道を行くのに一生懸命で、周りに気が回らないからなのか。仕事を世話したり金を工面したりする・・・所謂面倒見の好い人では無いのだろう。
それは好い、もうその様な人情で動かす様な「昔の政治」を続けていたら、今の様なグダグダした政権が続いてしまい、何時まで経っても日本の政治は進歩しない。
しかし、自民党内の反安部がマトマラず石破氏の総裁選が危うく為った場合、首班指名の際、維新・公明を除くオール野党と石破派とで過半数が取れ無いだろうか。万が一、総裁選で敗れても次の道は、野党でお膳立て出来れば、反自民・反安部の与野党連立政権も視野に入れても好いのでは無かろうか。
最も「身内と喧嘩し裏切る様な事して迄して総理には為りたいとは思わ無い」と逃げられる事も考えられるが・・・しかし、山本太郎氏の言葉を借りれば「国が国民が壊れてしまう、悠長な時間は残されて無い」のだが。
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