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2017年08月03日

魚の記憶    その7

06-魚の記憶.jpg
http://www.art-meter.com/works/?ID=AW120532

だから、塗ってもいても「何だこりゃ」
というものも多く、
今は、それとは別に何かに見えるなら、
それをクローズアップしてみようと
している時もある。具体的な形状であっても、
実物と始めから違っているわけであり、
何かそれらしいモノとして見立てているに過ぎない。
描く行為一つ一つの動作を含め、
全てが作家の一部です。
もちろん技術的な差はあるでしょう。
しかし、私は、それは、
そんなに問題無いと思っています。
最近はとくにそう思います。
作家は職人ではない。だから、
技術を磨くことばかり考えて
ただただ、手を動かしているのは、
機械で饅頭をつくっているような感じがしてならない。
職人の様な枝にばかり目が入っていまうのであれば
機械でいいじゃんと思えてくる。
Ai も発達していることだし、
細やかなコツも十分出来ると思う。
細かい描写などのテクニックで驚かすのも
勿論悪くないが、単にそれだけなら
写真でもいいじゃんと思えてくる。
そこに作家が入り込んでいないと分からない。

偉そうに言っているが、これは自分でもいえることで、
写真にしても何にしても、
その人が作った事が分かるものが本当は、
それが作品だと思う。
何か誰かの真似をしたり、
単に上手くかけたからといって
ただそれだけで作品としては何か違う
と思う。自分が持つクセでも何でもいい。
作品にそれが入っていた方が作品と呼べる
かもしれない。上手く描けたと本人が
単に思っている絵でも他人が見て
同じように思うかどうか分からない。
たぶん思わないと思う。
自分の想いを込めて
これが精いっぱいの作品であれば、
その方が相手にも伝わるはずである。
大好きな人に何かをつくってプレゼントする
ようにそれが押しつけでない限り
相手にもその思いは伝わるのと同じように、
作品にその作家の思いが必ず入ってくると思うのです。



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