http://www.art-meter.com/works/?ID=AW120182
見て何を感じるか、それが問題だ。
これは風景画ではなく抽象画でよく言われる言葉である。
勿論、具体的な何かを抽象化して
一つのメッセージのようにしたものもあるが、
この作品は、そうではない。
具体的な何をというよりもまず見て何を思うか、
そこが一番大切で
見る人にもそれを期待している。
これを単に難しいと、かわからんと、
いって切り離されてしまうのが寂しい。
まず、能動的に見てほしいと思う。
受け身で見てはそこからは何も見えてこない。
何だろう何が描いてあるのだろう
というところから出発して
全体の形状から
線一本一本に至るまで
ゆっくり見てほしい。ゆっくり見る時、
この作品と接する時間が
長くなると自然とそのみることから、
いろいろな考えなり思いが、浮上してくる。
それは忘れていた記憶かもしれないし、
新たな感情かもしれない。
それらがさらに次から次へと
自分の中で眠っていた思いや
考えをよみがえらせる。
時にそのことで不快になったり
恥ずかしくなったりするかもしれない。
または恐れや怒りを呼び起こすかも知れない。
結果的に浮上したこれらの思いから
ふと我に返り
いったい今のは何だったのか
自問自答ができたのなら、
この作品の鑑賞としては成功だと思う。
つまり、それは、作品を見ることで、
何か引っかかるものが浮上したことであり、
作品と鑑賞者とを結びつけることが出来る。
(完)
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