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2019年01月28日

残り15秒の駆け引き。

スコア74-77、
3点ビハインドの第4Q
残り15秒を切り、相手ボール。



既に両チームともタイムアウトを使い切り、
時計を止めたければファウルするしかない。

相手チームからすれば
このままボールをキープしたまま時間を使い、
終了ギリギリでシュートを打てばいい。

万が一スティールから3ポイントを決められてもまだ同点、
2点シュートならば最悪ファウルせず入れさせても問題ない。
このまま逃げ切りに徹すればいい。

まさに絶体絶命。



僕は相手ポイントガードにオールコートで当たり、
必死でプレッシャーをかけるが
ボールを奪うには至らない。

しかしここで
僕のマークマンが出したパスを
キャプテンがまさかのスティール。

相手は必死に戻り、2対2となる。



どうする、
タイムアウトはもう取れない。

キャプテンは初めは同点の3ポイントを打とうと試みるも
相手の必死のディフェンスに阻まれスリーは打てない。

僕は追い越してゴールへ走り込んだ。

キャプテンはパスを選択、
そのままフリーでレイアップを決められる状況。

キャプテンのシュートチェックに行った相手選手、
僕を追ってきたポイントガードの相手選手、
共に個人ファウルは3つ以下。



「2点ならいい!ファウルするな!」



背中越しに声が聞こえた。当然の選択だろう。

万が一オーバータイムに突入することになっても、
ここでファウルしてもどちらも退場とならず、戦力の離脱はない。

バスケットカウントで3点プレーをものにされるのが
相手からすれば最悪のシナリオだ。



パスを受けた僕は、一瞬迷った。

このまま2点を取り、オールコートで当たり、
ボールを奪えないならファウルゲームにして時計を止めるか、

戻して同点の3ポイントを狙うチャンスに賭けるか。

僕はそれまでで24得点、しかし全て2点シュート、
この日、3ポイントはまだ成功していなかった。

他のメンバーも今日は外角シュートが決まっておらず、
ここまでチーム全体で1本のみ成功だった。



この土壇場で
そんなチームの調子を鑑みたかはわからないが、

キャプテンが出したパスと、
その直前に踏んだ僅かなバックステップには
メッセージが付いていた。

「2点取れ、まだ10秒以上ある、オールコートで当たる」

言葉ではないが、
彼の視線と、パスの軌道がそう言っていた。



僕は少しだけスピードを緩め、僅かに身体を寄せ、
背後から追って来る相手のファウルを誘った。

しかし相手にそれを察知されたのか、
僕のダメ元での駆け引きに乗って来ず、
ブロックにも来なかった。

さすがは司令塔、冷静だ。
僕の安っぽい駆け引きになど引っ掛からない。

僕はそのまま2点を取り、
すぐにディフェンスに転じた。



残り12秒、
相手にもタイムアウトは残されていない。

決死のオールコートディフェンス、
とにかくボールを追いかける。

だが、相手も必死で
ボールを前に運ぼうとしてくる。

スティールはおろか、ファウルするチャンスも掴めない中、
前がかりになった一瞬の隙を突かれた。

裏へロングパスを通され、
直後に試合終了のブザーが鳴った。
76‐77



僕がもしもあの時、
2点ではなく3点を取りに行く選択をしていたら

いや、そのもっと前、あの時あのプレーが、
あのシュート1本が成功していたら。

終了直後にいろんな後悔が駆け巡った。



ONE PIECE
ドンキホーテ・ドフラミンゴがルフィに敗れ監獄へ護送中、
海軍本部中将つるはこう言った。
「もしもあの時」なんて酔狂な世界は存在しない。
この結果だけが”現実”さ、お前は敗けたんだ。

ONE PIECE 80巻 801話より

悔しいが、試合に敗けた。

この結果だけが”現実”だった。




もう一度言う、悔しい。
しかし幸せでもある。

1点差、1つのプレーが勝敗に直結する、
プレーのミスはもちろん、選択や判断のミスも許されない、

そんな最高にしびれる場面で、
ベンチでも2階席のスタンドでもなく、
コートに立っていられることが。


posted by 理琉(ワタル) at 01:25 | TrackBack(0) | バスケ

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自閉傾向の強い広汎性発達障害。鬱病から再起後、低収入セミリタイア生活をしながら好きなスポーツと創作活動に没頭中。バスケ・草野球・ブログ/小説執筆・MMD動画制作・Vroidstudioオリキャラデザインに熱中。左利き。 →YouTubeチャンネル
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