2019年12月26日
『風の谷のナウシカ 原作』 〜理不尽に訪れる死、あっけなく終わる生〜。
『風の谷のナウシカ 原作』
全7巻を10日間かけて読了。
映画版の清々しいラストシーンとはかけ離れた、
死の恐怖と、人間の醜さであふれる世界。
こんなに気軽に、理不尽に命が奪われる世界で、
一体どう思えばいい?
こんなに愚かで醜い人間は、生とどう向き合えばいい?
生きるとは何か。
命とは、人間とは何かを考えさせてくれる。
ー目次ー
土鬼(ドルク)の国土へ侵攻するトルメキア軍。
攻め落とした街の住民を大量に殺す。
土鬼(ドルク)軍は腐海の菌を生物兵器として利用し、
国土も住民もおかまいなしに殺す。
両軍の兵士たちがゴミのように消し飛ぶ。
多くの人命を乗せた飛行船が簡単に落ちる。
まるで、
「軽く一杯、飲みに行こうぜ!」くらいの勢いで、
「ちょっと殺しとくか」と言わんばかりに。
戦争、蟲、腐海の毒。
大きすぎる力の前では、命はあまりに軽々しい。
読了に10日もかかった理由。
それは、
1コマに描かれた死者たち1人1人の人生を、
想像して止まらなかったから。
蟲に襲われ、野ざらしで倒れている兵士。
腐海の毒で全滅した村のシェルターに横たわる住民。
どんな人生を歩み、どんな家族と過ごし、
どんな友人と語り合ったんだろう。
どんな理由で兵士を志し、
何を心の拠りどころにし、
大切な誰を守ろうと生きてきたんだろう。
なのに、
こんなにあっけなく終わってしまうんだ。
ページのコマに描かれたのは、いわば採用された場面。
描写に採用されないところで、おそらく数百倍の人が死んでいる。
戦場となった土鬼(ドルク)では、
腐海に怯えながらも村が栄え、人の暮らしがある。
ある日突然、異国の軍隊が襲ってくる。
ある日突然、来るはずのない方向から腐海の毒が襲ってくる。
一部の権力者のせいで理不尽に死ぬことになり、
わけもわからず苦しむ住民。
描かれない多くの死に、僕は一体どう思えばいんだろう。
「悲しみ」なんて言葉では表せない。
どんな思いで死んでいったんだろう。
そして、
あまりにも多くの死を目の当たりにしながら、
生き残った者は何を思えばいいんだろう。
すべてが終わった後。
「どんなに苦しくとも、生きねば」とつぶやいた裏には、
道半ばで死んだ者たちへの、どんな思いがあったんだろう。
いずれ滅びるかも知れない運命の中、
「遅かれ早かれだ」と投げやりになる日をどう迎えるんだろう。
きっと、苦しみながらもすべて乗り越え、
それでも生きていくんだろう。
人間の欲望、愚かさは、多くの命を軽々しく奪う。
そんな人間の醜さをすべて受け入れた上で、
ナウシカたちはそれでも生きることを選ぶ。
人間は、命は、きれいなだけじゃない。
希望の光だけが命じゃない。
醜さ、愚かさがもたらす闇を持つからこそ、
命はその中で光る。
こんなに深い作品に出逢えて、本当によかった。
『風の谷のナウシカ』 〜生とは、死とは何かを問う、壮大なストーリー〜
全7巻を10日間かけて読了。
映画版の清々しいラストシーンとはかけ離れた、
死の恐怖と、人間の醜さであふれる世界。
こんなに気軽に、理不尽に命が奪われる世界で、
一体どう思えばいい?
こんなに愚かで醜い人間は、生とどう向き合えばいい?
生きるとは何か。
命とは、人間とは何かを考えさせてくれる。
ー目次ー
- 命はあまりにも気軽に、あっけなく奪われる
- 死者たち1人1人の人生を、想像して止まらない
- コマに描かれない多くの死に、どう思えばいいんだろう
- どんな思いで死に、どんな思いで生きればいいんだろう
- 醜さ、愚かさの闇がある、だからこそ命は輝く
1.命はあまりにも気軽に、あっけなく奪われる
土鬼(ドルク)の国土へ侵攻するトルメキア軍。
攻め落とした街の住民を大量に殺す。
土鬼(ドルク)軍は腐海の菌を生物兵器として利用し、
国土も住民もおかまいなしに殺す。
両軍の兵士たちがゴミのように消し飛ぶ。
多くの人命を乗せた飛行船が簡単に落ちる。
まるで、
「軽く一杯、飲みに行こうぜ!」くらいの勢いで、
「ちょっと殺しとくか」と言わんばかりに。
戦争、蟲、腐海の毒。
大きすぎる力の前では、命はあまりに軽々しい。
2.死者たち1人1人の人生を、想像して止まらない
読了に10日もかかった理由。
それは、
1コマに描かれた死者たち1人1人の人生を、
想像して止まらなかったから。
蟲に襲われ、野ざらしで倒れている兵士。
腐海の毒で全滅した村のシェルターに横たわる住民。
どんな人生を歩み、どんな家族と過ごし、
どんな友人と語り合ったんだろう。
どんな理由で兵士を志し、
何を心の拠りどころにし、
大切な誰を守ろうと生きてきたんだろう。
なのに、
こんなにあっけなく終わってしまうんだ。
3.コマに描かれない多くの死に、どう思えばいいんだろう
ページのコマに描かれたのは、いわば採用された場面。
描写に採用されないところで、おそらく数百倍の人が死んでいる。
戦場となった土鬼(ドルク)では、
腐海に怯えながらも村が栄え、人の暮らしがある。
ある日突然、異国の軍隊が襲ってくる。
ある日突然、来るはずのない方向から腐海の毒が襲ってくる。
一部の権力者のせいで理不尽に死ぬことになり、
わけもわからず苦しむ住民。
描かれない多くの死に、僕は一体どう思えばいんだろう。
「悲しみ」なんて言葉では表せない。
4.どんな思いで死に、どんな思いで生きればいいんだろう
どんな思いで死んでいったんだろう。
そして、
あまりにも多くの死を目の当たりにしながら、
生き残った者は何を思えばいいんだろう。
すべてが終わった後。
「どんなに苦しくとも、生きねば」とつぶやいた裏には、
道半ばで死んだ者たちへの、どんな思いがあったんだろう。
いずれ滅びるかも知れない運命の中、
「遅かれ早かれだ」と投げやりになる日をどう迎えるんだろう。
きっと、苦しみながらもすべて乗り越え、
それでも生きていくんだろう。
5.醜さ、愚かさの闇がある、だからこそ命は輝く
人間の欲望、愚かさは、多くの命を軽々しく奪う。
そんな人間の醜さをすべて受け入れた上で、
ナウシカたちはそれでも生きることを選ぶ。
人間は、命は、きれいなだけじゃない。
希望の光だけが命じゃない。
醜さ、愚かさがもたらす闇を持つからこそ、
命はその中で光る。
こんなに深い作品に出逢えて、本当によかった。
『風の谷のナウシカ』 〜生とは、死とは何かを問う、壮大なストーリー〜
【このカテゴリーの最新記事】
-
no image
-
no image
-
no image
-
no image
-
no image
-
no image
-
no image
-
no image
この記事へのトラックバックURL
https://fanblogs.jp/tb/9510444
※言及リンクのないトラックバックは受信されません。
この記事へのトラックバック