毎日放課後は遊び歩いてたのです。
悪びれることもなく、母が用意してくれた夕飯を食べながら
久米宏のニュースステーションを観るのが日課でした。
ニュース番組は連日、とある宗教団体が起こしたテロ事件の続報ばかりでした。
その中で気づいたことがあります。
この宗教団体は、東京の地下鉄でサリンを撒き、
何十名もの方々が亡くなるというテロ事件を起こしました。
この教団の幹部は皆、有名大学を卒業した精鋭たちばかりなのです。
ある者は化学の知識に長けサリンを精製し、
ある者は雄弁なスポークスマンとして教団の顔となり
連日の記者会見に臨んでいました。
出てくる人物は皆、学業優秀だったそうです。
私は強烈な違和感を覚えました。
確かに彼らは勉強はでき優秀なのに、
大量殺人事件を起こす宗教団体に入信してしまった人たちなのです。
勉強をして豊富な知識を持つようになれば、
誰からも尊敬される立派な人間になるのではなかったのか?
みんなが憧れるカッコいい人間になれるのではなかったのか?
勉強をして有名な大学に行けば、将来が約束される。
と、それまで自分が信じてきたものが、もろくも崩れ去ったのです。
毎日、黒板に向かう授業がたまらなく苦痛になってきました。
黒板に書いてあることや、教科書に書いてあることを覚えたところで、
そして、テストで良い点数を取ったところで一体何になるのか?と。
もう授業が、勉強が、死ぬほどつまらないのです。
そうして、授業中に居眠りしたり学校をサボったりするようになっていきました。
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