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福井ケンシロウ
1978年生まれ、岐阜県在住です。コミュニケーションや同時並行作業をすることが苦手な性格です。これまで苦節に満ちた人生でした。浪人、留年、借金苦、詐欺・通り魔被害、ブラック企業就職、早期離職、ニート、転職先でパワハラ被害、うつ病で休職・・人生に失望し続けました。しかし、2018年40歳の年に大企業への転職を果たし、ようやく自分の居場所を見つけることができました。
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2022年04月02日

センター試験大敗北の私は旅をさせてくれと親に頼み込んだ

2次試験までの1ヶ月間が受験生最後の追い込みになります。

センター試験で失敗しても2次試験で挽回すべく、

みんな必死にこの時期は勉強をします。


しかし、私は・・

センター試験は失敗どころか、再起不能レベルの点数でした。

2次試験の対策も全くやっていません。

そもそも過去問で対策をするというやり方も知りませんでした。



その頃、連日のように

福井県沖の日本海でロシアのタンカーが

転覆した事故を報道していました。


転覆したタンカーから重油が流出し、

福井県の海岸が汚染されてしまったのです。

汚染は深刻で、沿岸の漁業が壊滅状態とのことでした。

しかし、汚染された範囲があまりにも広く、

また悪天候とボランティアの人手が足りず

重油の回収作業が進んでいないとのことでした。


それを見た私は、

「そうだ、重油回収のボランティアに行こう」

と思い立ったのです。

もう今からどうあがいても、2次試験をクリアできるわけないし。

勉強するのも時間のムダだと思ったわけです。

それだったら、今しか経験できないことをしようと。


しかし、ここで大きな壁にぶち当たりました。

旅費を出してもらうためには、親を説得しなければならないのです。


親には正面から思いをぶつけました。

もう現役合格は難しいこと、今から無為な時間を過ごすくらいなら

世のために役に立ちたいという思いをぶつけました。

父親からは、「お前に何ができる!?」と猛反対を食らいました。

浪人したらしっかり勉強するので、今しか経験できない時間を下さいと

懇願した結果、ようやく許可が下りました。


それから準備が始まりました。

学校の登山部の同級生から大きなリュックサックと寝袋を借りました。

担任の先生にも理解を得て、学割を発行してもらいました。


ボランティア目的の搭乗者は無料という便が

羽田→小松空港間に期間限定で運行されるとのこと。

その飛行機に乗るため、私は重い荷物を背負い

東京に向かう新幹線に乗り、仙台を出発しました。


1997年2月1日のことでした。










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