アフィリエイト広告を利用しています

広告

この広告は30日以上更新がないブログに表示されております。
新規記事の投稿を行うことで、非表示にすることが可能です。
posted by fanblog

2017年02月06日

鉄塊

我は産声を上げる。熱く熱せられた鉄がその身を形作る時。鋼の槌が我が身を打ち叩く時。薄闇の中に燃えさかる深紅と、鋼の火花の照り返す白光が見守る中。約束された業苦を与える為に。我は鉄塊と呼ばれし武器。轟音から生まれ落ちる刃。

我は死を与える。敵の畏怖と悲鳴を喜びに変え、その鉄の肌に臓物を飾り付けて。人の命を奪う時、暗い喜びが我を満たした。人の身を押しつぶす時、自らの生まれた意味を知った。その歓喜を伝える為に、人を殺し続けた。われは鉄塊と呼ばれし武器。我は殺す。殺す。殺す。殺す。

我は砕かれる。戦いと残血の果てに、憎悪と怨念がこの身を引き裂く時。魔の理が引き起こす力と、飛び散る鉄の刃が血風を巻き起こす。赤い竜と戦いしその日々。我は鉄塊と呼ばれし武器。呪われし鋼は眠りの黒へと沈む。

我は夢を見ている。それは、小さな蝶の夢。ちいさな雨の中、懸命に飛ぶ蝶の夢。我は鉄塊と呼ばれし武器。深い夜の中、叶わぬ夢を今も見ている。
【このカテゴリーの最新記事】

2017年02月05日

百獣の剣王

むかしむかしある王国に3人の兄弟がいました。3兄弟の長男はその国をしはいする王様でした。王様はとても残酷でみんなこわがっていました。

王様は毎日毎日国民からひとりイケニエを選んで処刑しました。今日は家族の見ている前で母親の首をはねました。母親の頭は3回転ほどまわって、既に殺されたその息子の頭のとなりに落ちました。ああ、なんという事でしょう。王様はそれを見て笑っているのです。ゲヘゲヘと、気持ちの悪い声で笑っているのです。

そんなある日、王様は病気になりました。生きながらにして体がくさっていく病気でした。くさった体をひきずりながら王様は処刑を続けました。家臣達は逆らいもせず毎日毎日毎日毎日処刑を続けました。

最後に王様はくさって死にました気持ち悪いにおいをだしながら王様はくさって死にましたでも家臣達は王様の前で処刑を続けました毎日マイ日殺しましタくさった王様とくさった家臣とくさった国民とくサったくさっおまエたチの

2017年02月04日

不浄なる斧

少女は目の前に広がる光景をただ眺めていた。傍らには父親が無数の刃に切り刻まれ、母親は死にながら兵士たちに犯されている。生まれたばかりの弟は暖炉に放り込まれ、その身を焦がしていた。家族を殺した3人の兵士を、少女が涙を流して睨んでいた。

数年後、復讐を誓った少女の姿があった。1人目は軍服がはち切れそうなほど太った兵士だった。少女は楽に痩せる方法があると兵士に持ちかけた。診察をすると言って兵士を寝台に寝かせた後、両手足を斧で切り落とした。手足が無い状態で逃げようとする男を、まだ痩せるところがありますよ、と押さえつける。これでスリムになりましたね、と少女は丸くなった胴体に呟いた。

2人目は無類の女好きの兵士だった。毎日のように自分の館で、あまたの女たちを呼び夜を過ごしていた。少女は兵士の周りに群がる女たちを殺し、恐怖におののき、命乞いの言葉しか話さなくなった兵士の男の象徴を斧で切り落とした。

3人目の兵士は軍を退役し、辺境の村で家族とのんびり暮していた。家族が寝静まってから少女は家の支柱に斧で亀裂を入れた。支えが無くなった家は崩れ落ち、少女は家に火を付けた。火は大きな焚火のようになった。燃え上がる家の中から、身体中を火傷した兵士の息子が逃げ出してきた。兵士の息子は家族を殺した少女の姿をただ見つめていた。少女は持っていた斧を兵士の息子に差し出し、暗闇の中へ逃げて行った。

2017年02月03日

双子の牙

ぼくたちは、うまれたときからいっしょ。
ごはんをたべるときも、ねむってゆめをみるときも。

わたしたちは、もらうものもいっしょ。
ままのおちちも、ぱぱからのやさしいことばも。

でもぼくたちは、しぬときはべつべつ。
ぼくはぱぱに、いもうとはままに、くびをちょんぎられ、しぬときはべつべつにころされた。

でもだいじょうぶ。わたしたちのちはまざり、ひとつのおのにやどる。
わたしたちはこれからもずっといっしょ。ふたつのからだはひとつにもどる。

2017年02月02日

断罪の斧

精霊達が集う儀式があった。その年の十回目の満月の夜。月の光が差し込む美しい湖の畔に集まった彼女達は口々に今年の悪行の成果を自慢しあう。

ある精霊は自分がいかに残虐な方法で屈強な男達を殺したのか自慢していた。とある王国の精鋭の兵士だった男達は、娼婦に化けた精霊に体のあらゆる部分を引きちぎられて死んだらしい。精霊はいかにその男達が剣技を発揮できずに流した悔し涙がいかに旨いかを楽しそうに歌っていた。

次の精霊は自分がいかに狡猾かを喧伝していた。まずは小さな男の子を沼に沈める。それを助けようとした姉も沼に沈める。そうして親兄弟から親戚一同につながり、村人全員を沼に沈めたのだという。精霊はその様子を思い出したのか涎を垂らしながら微笑んでいた。

一番小さな精霊がおずおずと申し出る。私が一番凄いと思います。普段馬鹿にされていた小さな精霊が精一杯の声で伝える。私はあらゆる生命を恐怖のどん底に突き落としたんです!周りの精霊はひたすら笑い転げていた。その笑い声が止んだのは、小さな精霊が開けた魔界への通路から出てきた醜いバケモノが全ての精霊を喰いちぎった後だった。

2017年02月01日

天叢雲剣

壁にかけたままの盾は埃をかぶっていた。鞘に収めたままの刃は錆びていた。
使わない技を忘れてしまっていた。鍛えるはずの身体を放ったままにしていた。
律する心を失っていた。

何も言わずに済むと思っていた。他人の暴力を見て見ぬふりをしていた。
どうせ変わらないと放り出していた。大きな力には逆らえないと思っていた。
信じる心を嘲笑っていた。

下らない奴等だと笑っていた。そうやって逃げ込んでいた。
所詮無理だと諦めていた。愚かしさと醜さを嘆いていた。
生きる意味を失っていた。

大切な人を見失っていた。その優しさを信じられずにいた。
心を引き裂く悲しみを救えずにいた。小さな幸せを守る勇気を忘れていた。
この言葉が届かないと、そう思っていた。

2017年01月14日

愚者の抱擁

あの囚われし絶望から救われた。
あの呪われた運命を捨てられた。
あの怒りにまみれた炎を鎮められた。
あの出会った日が我を変えた。

我の火で地を焼き尽くそう。
我の牙で血を啜ろう。
我の爪で敵を引き裂こう。
我の翼で空を駈けよう。

その目から光が奪われるのなら。
その肌が血に染まるのなら。
その剣が重いのなら。
その口が物言えぬのなら。

この身体が燃え尽きようとも。
この言葉が奪われようとも。
この契約が果てるまで。
この暖かさが失われるその刻まで。

2017年01月13日

迷宮の声

その女の子には2本のおおきなツノが生えていたんだよ。耳のちょっと上のあたりから、牛みたいな立派なツノが。ツノの根本を見た事があるんだが、完全に頭の骨から生えてるみたいだったな。もちろんそんな子はその子だけだよ。他の子は普通の子だった。ツノの子も、生まれた時は小さかったらしいよ。あ、いやツノがね。そりゃあそうだ。あんなバカデカイツノがあったら、かあちゃんの腹から出てこれやしねえからな。

イジメられていたかと思うだろ?それが全然違うんだな。その子は村の誰よりも強かった。村であの子に勝てる男なんて一人も居やしなかったよ。力仕事も彼女が一番こなしていたし、村にマモノが襲ってくる時は、いつも彼女が戦闘で戦ってくれていた、何よりみんな、明るくて強い彼女の事が大好きだったんだ。

でも、ある日に襲ってきた大きなマモノは強かった。村の男達はみんなボロ雑巾のように蹴散らされて半分以上が死んだ。ツノの彼女も必死で戦ってくれたけど、やがて力尽きた。最後にマモノは彼女の身体を持ち上げて、ツノをもぎ取ったんだ。その時の彼女の絶叫は凄かったよ。地面が揺れるような音だった。静かになったんで家の外に出てみたらマモノと彼女が死んでたんだ。二人とも体中の穴という穴から血を吹き出していた。あれは、なんていうか……真っ赤な花みたいでキレイだったよ。不謹慎な話だけどさ。

それがあんたの最初の質問への答えだよ。この村の村人が全員耳が聞こえない理由。でも知っておいて欲しい。俺達は誰も彼女の事を恨んじゃいない。死んでしまうよりはよっぽどマシだからね。 後から皆で確認したんだが、彼女の最後の叫びは「さよなら」だった気がする。俺達は最後に聞いた音が、彼女のお別れの言葉だった事を誇りに思っているんだ。本当にね。

2017年01月12日

不死鳥の短剣

戦地に赴いた男と結婚の約束をしていた娘がいた。娘は信心深く、朝に昼に夜に祈りを捧げ、ただただその男の無事を願い続けた。娘の一途な祈りが通じたのか、ある夜、娘の夢に光り輝く小鳥が現れ言葉を託した。

「男は無事戻るでしょう。」小鳥が囀ったその言葉に、信心深い女は泣きながら喜んだ。「けれど、」光り輝く小鳥は美しい声で続けた。「心は戻らないでしょう。」

やがて小鳥の言う通り、男は生きて戻った。その逞しい体に無数の傷跡を残して。やがて小鳥の言う通り、男は確かに生きて戻った。その傍らに見知らぬ美しい女を連れて。娘はそれでもそんな男に、これまでの愛しさを込めて駆け寄った。

男は驚きその娘を抱きとめるが、やがて倒れ込む。倒れた男の元に佇む娘の右手には血塗られた短剣が、左手には赤黒く熟れた果実のような男の心臓が握られていた。もう男の心はどこにも行かない。娘は血溜まりの中、幸福に酔いしれた恍惚の表情で愛おしそうに男の心臓に口付け、感謝の祈りを捧げた。

2017年01月11日

古の覇王

何世紀にも渡って繁栄した巨大王国に受け継がれていた王族の剣。剣の水晶には魔力があり一万人の血を吸うことで真っ赤に輝き、使っている者を不老不死にするという言い伝えがあった。しかし覇王と呼ばれた最後の王は、不死の身体よりも先代から受け継いだ王国の繁栄を何よりも大事にした。

ある日、最愛の后が不慮の事故により死んでしまう。王の子を宿しており、出産間近の悲劇だった。王は国を継ぐ息子が亡くなったと聞くと、絶望と悲しみに打ちひしがれ、既に高齢となった自分で王家の血が断絶する運命を受け入れられなかった。

狂った王は不死の身体を授かって王国を存続させようと、手当たり次第にその剣で部下や国民達を切り殺した。「私が最後の王ならば、この私が生き続ける限り王国は不滅なのだ!!」

何人も、何百人も、何千人もの国民を切り殺し、剣の水晶は輝きを増していった。あと少し、もう少しでその血のような紅が輝くとき、患っていた心臓が急激な負担に耐えかね破裂し、王は亡くなった。目の前の妊婦と胎児を殺せば、ちょうど一万人だった。

2017年01月10日

信義

東の果ての都に高名な歌人がいた。けれど歌人の才は、晩年には一首の歌すら詠めぬ程に枯れ果ててしまう。落ちぶれて嘆く歌人に、いつの間にやら傍に佇んでいた僧がそっと一振りの刀を握らせ語りかけた。

「この刀で一人殺せば一首、二人殺せば二首、この世に二つとあらぬ程素晴らしい歌が詠めましょう」僧の言葉に縋りつくようにして、歌人は夜の闇に紛れ路傍の男を斬り捨てた。すると翌日歌人は素晴らしい歌を詠み、再び名声と栄華を手に入れた。

それからも歌人は一人殺して一首詠み、二人殺して二首詠んでは、目も眩む程の富と名声を手に入れ続ける。ところがある時、大切な者を殺せばどんなに素晴らしい歌を詠めるのか、という欲求を抑えきれなくなった。

そして歌人はとうとう自らの妻を殺して一首詠み、子らを殺して子の人数分歌を詠み、屋敷中の者を殺して歌を詠み 歌を詠み 歌を詠み 歌が追いつかぬ程に道行くものを殺しては歌を詠み 殺しては歌を詠み 殺して 殺して 殺して 殺し、やがて最期は歌も詠まずに自害した。残ったのは血に濡れた刀だけだった。

2017年01月09日

百獣の剣

むかしむかしある王国に3人の兄弟がいました。3兄弟の次男は軍隊をひきいる将軍様でした。軍隊はとても暴力的でみんなおびえていました。

将軍は戦争が好きでした。もえた街や転がる死体を見ることが好きでした。将軍は征服することではなく、滅ぼす事だけを命じました。機械のように調教された兵隊達は将軍様のために村や街や国をぜーんぶ滅ぼしていきました。将軍様はそれを見ながらグフグフグフと下品な声で笑いました。

軍隊はひたすらに進軍しました。海の国も、山の国も、夏の国も、冬の国も、東の国も、西の国も、見境なく滅ぼしていきました。絶対的な将軍様の命令に従い、ずーっと何年もひたすら殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺しまくりました。

やがて軍隊はある国に到着しました。街の人たちも兵隊もお姫様も王子様もみんなみーんな槍で突き殺しました。最後にみすぼらしい将軍が涙ながらに命乞いをしてきましたがすぐに殺しました。その将軍の顔はどこかで見たような顔でした。兵隊達は思い出そうとしましたが、将軍の娘が現れたとたんにその子を突き殺すのに夢中になり、二度とその事を考えることはありませんでした。

2017年01月08日

背信の刃

その姉妹は機械仕掛けの人形だった。しかし誰が見ても人間にしか見えない精巧な造りだった。人間が成し得る技術の粋を用いて作られた二体の人形は、人間のように歩き、人間のように食べ、人間のように笑った。ただ一点、涙を流す事だけは出来なかった。そういう風には作られていなかったのだ。

姉妹は人形だったから何も感じなかった。人と同じように悲しんだりするが、本当は悲しくなんかなかった。悲しいという事が何か判らなかった。友達が事故で死んだ時も、人形を作った製作者が病で死んだ時も、何も感じなかった。姉妹にとっては、ただ居なくなったというだけの事だった。

暖かい春のある日。姉妹のところに一匹の猫が迷い込んできた。ひどく汚れた不細工な猫は、痩せて病気持ちだった。姉妹は面倒だなと思いながら世話をする。ミルクをやり、体を拭いてやり、暖めてやると、猫はすっかり元気になった。その日から猫は姉妹の周囲をウロウロするようになった。エサが欲しくてすりより、ネズミを狩ってきては自慢し、だっこして欲しくて毎日鳴いた。姉妹は面倒だなと思っていた。

冬の風が冷たいある日、外から猫が家に戻ってきた。か細い声でヒャーと鳴くとそのまま倒れてしまいそのまま死んでしまった。妹は死体を何度も何度もゆすった。姉は死体に何度も何度も声をかけた。だが、猫は動く事も応える事も無かった。姉妹は胸の奥の方で何かが壊れる音が聞こえたような気がした。そして、何も感じる事は無くなっていった。

2017年01月07日

地竜の鉤爪

カビ臭い博物館の奥深く、薄暗い資料室の中で、一人の老学者が座っている。老学者の前には厳重に封印された箱が一つ。先代の館長から「開けてはならない」と厳しく言いつけられていた品だ。

何でもその中には人の生き血を吸う化石が入っているらしい。馬鹿な話だ。狭くて時代遅れにも程がある。本に囲まれた学問の世界で暮らしているから、そんな迷信を信じるのだ。

箱を開ける。埃が舞い上がる。中には奇妙な形の石が一つ。柄が付いているところを見ると儀礼用の装備だろうか……もしくは武器のようにも見える。興味を引く形だ。これはもっと良く研究せねば。

にしても、こんなモノを怖がっているなんてなんて愚かな者達だろうか。クックック……老学者は化石の先端で左目をエグりながら笑った。

2017年01月06日

輪廻転生

そうさ、これは君の命を絶つ為の武器だ。なあに心配は要らない。今まで感じた事のないような苦痛を与えてやろう。最初は痛みなど感じない。まるで水が肌の上をスッと流れたように思うだけだ。痛みを感じる前に流れ出る血で叫び出す奴が多いんだがな。

ああ、そんな簡単には終わりはしないさ。刃のこの部分を使うともの凄く痛いんだ。だからここを使うときはなるべく後の楽しみに取っておくんだ。声が枯れちゃってからだと何言ってるか判らなくなるからね……うるさいなあ。もう少し静かにしてくれないか? 手元が狂うから。

なあに、すぐに殺したりはしないから安心してくれていいよ。じっくりと嬲りながら殺してやろう。人間はね意外と簡単には死なないんだ。それに人間には目が二つあるんだ。耳も二つ。指と爪は二十ずつ。関節に至っては百四十四個もあるんだ。ゆっくりと楽しもうじゃないか。

なぜこんな事をするかって?ふふ……いやだなあ。君が今までずっとやってきた事じゃないか。国民を無実の罪で捕らえて、拷問して、晒し首にするってのは君がやってきた事じゃないか。いやいや忘れてても大丈夫。僕の妻と娘に対して君がやってくれた事を一つずつゆっくりと思い出させてあげるからね。うふ……フふフフふふ……
プロフィール
アコールさんの画像
アコール
プロフィール
検索
作品別
武器種別
リンク集
タグクラウド
×

この広告は30日以上新しい記事の更新がないブログに表示されております。