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タグ / 戦輪

記事
ワンの戦輪 [2016/04/12 00:00]
【DoD3】♪05 友歌/ガブリエル〈ウタウタイモード〉サントラ未収録 私が元始であり唯一であればよかった。ワンと言う名の示す通り。 滅びを招く愚かな姉に相応しい愚かな末路を。世界を正しく律し、動かすのは私達の使命。 何を望み、何を失い、何を奪い、何を求めるのか、私は理解していた。私の中に流れるウタの力を知るのは、もう少し先だということを。 だが、本当にそうなのだろうか。私達の全てが誤っていないと、何故言えるのだろうか?
マナの杖 [2016/04/11 00:00]
私が知っているのは喪失だけ。大きく何かが欠落している、虚ろの体。埋めるように救済を与えては、こみ上げる空虚から目を逸らす。 私が知らないのはかつての私。首を傾げ問いかけてくるのは、何も知らない真っ白な小さな子供。「天使はうたう?」 私を駆り立てるのは恐怖だけ。逃げても追い付かれる暗闇が、逃れられない業が。飲み込まれてしまってはいけない、いけない、と叫んでいる。 私に残るのは、記憶だけ。若く未熟で迷いながらも進む強い眼差し。あの眼差しに、いつか再び、見える事を糧としながら..
聖帝の棺 [2016/04/10 00:00]
恵まれた土地があった。豊かな資源が約束された土地。国が飢えることなく穏やかに豊かに暮らせる理想の地。その地を争って人々は長きにわたり争いを繰り広げていた。 約束の地を手にし、国を疲弊させつつも守り続けていた王は老い、そしてついに病に倒れる。王は光を失った目で息子に語る。「本当にここは恩恵をもたらす約束の地なのだろうか?」 なぜ人々はこの地を巡り血で血を洗う様な争いを続けるのか?本当に生命の恩恵を人々にもたらすのならば、なぜこんなにも多くの者が苦しみ、憎み、その命をいたずら..
未亡人の咎 [2016/04/09 00:00]
昔々ある所に、いつも一緒に遊ぶ三人の子どもがいました。少年二人と少女が一人。少年のうち一人は庭師の弟子となり、もう一人の少年は将校となり、少女は美しい娘に育ちました。 ある日娘は父を失い、貧困に窮した家を守るため、結婚することになりました。相手は幼馴染の将校の青年です。夫になった将校の青年は翌日戦地に赴くと決まっていました。 翌朝必ず戻ると笑った夫を見たのはそれが最初で最期でした。一晩で未亡人となった娘は、窓から外を眺めていました。彼女の心を慰めたのは夫が残した美しい庭の..
天翔る碧風 [2016/04/08 00:00]
命尽きようとしている女が居た。女は悪事に手を染めていたため、捕まり、拷問を受けた後火あぶりにされる処刑を待つだけだった。 女は叫ぶ。「我が子を奪った男がこの国の王だ。王を殺せぬまま火あぶりに処され死ぬ訳にはいかない」と憎悪の言葉を吐いた。ふと前を向けば、女の前に美しい青い目をした白馬がいた。 汚れない白馬に向かい女は罵詈雑言を吐き、やがて我が子を想い、嗚咽を漏らした。死にたくない。殺したい。気が付けば女は白馬に跨り王の前にいた。いつの間にか見知らぬ刃を握りしめて。 狂喜..
ヴィドフニルの羽根 [2016/04/07 00:00]
昔、この地に鶏の兄弟がいた。兄は雄々しく力強い爪を持っていた。弟は知性あふれる頭脳を持っていた。 ある夜。気まぐれな神々は、世界中の鳥を集めこう伝える。「世界樹の頂点に登りし鳥にこの大空の支配権を与えよう」鳥達は我先にと世界樹の頂を目指した。 翼があるものは空を飛んだが陽光に焼かれて落ちた。爪があるものは幹を伝ったが蛇に食われて死んだ。二羽の鶏だけが力を合わせ頂点に辿り着く事が出来た。 「どちらか一方にだけこの大空を与えよう!争うがいい!」神が言い終わるやいなや、鶏の兄..

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