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2014年01月04日

領主の狩猟刀

とある国の領主が狩猟の際に必ず持ち歩いた、お気に入りの剣。領主は動物の命を奪う快感に溺れ、意味もなく日々狩猟を続けていた。

ある夜、森の動物達が集まり話し合いをした。「これ以上、殺戮を繰り返すつもりなら自分たちが領主を討つしかない!」

領主の屋敷を囲み、機会を窺う森の動物たち。その様子に気づいた領主は大喜びする。「このわしに狩られたがっておるのか!」

喜び勇んだ領主の前に、非力な動物達はなす術もなく、すべて狩り殺され森からは動物達の姿が消えた。結局、領主は天命をまっとうしたという。
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2014年01月03日

没落した王家の剣

邪悪な竜により国を滅ぼされた王族の剣。その栄華を誇る派手な装飾とは裏腹に、刀身には滅ぼされた王族の怨念が込められているという。

王族の怨念は持つ者を呪い、この剣を振るった者は毎夜、悪夢にうなされ続け、最後には必ず不幸な死を迎える。

ある小国の王も剣の美しさに心を奪われ、悪夢にうなされ続けながらも常に身に着けていたが、同じように悪しき竜によって国を滅ぼされた。

この呪いから開放されるには、この剣を使い王家の血筋を絶った悪しき竜の命を奪うことらしいのだが、未だかつて呪縛から逃れた者はいない…。

2014年01月02日

死の舞踏

遥か昔、強大な力を持つ隣国の圧力に苦しみ、崩壊寸前の小さな王国があった。隣国に攻め込まれた国は女子供も容赦なく処刑され滅亡していく。

王国には美しく、そして勇敢な姫がいた。王国の危機を救うために立ち上がる姫。姫は踊り子に化け隣国の皇帝の酒宴に潜り込む。

姫の舞は恐ろしいほどに妖艶で美しく皇帝も一瞬にして心を奪われた。姫を呼び寄せる皇帝。気づいた時には彼の胸に刃が突き刺さっていた。

その後、皇帝を失った隣国は勢いが衰え滅亡した。王国を救った美しい姫の伝説は、今も語り継がれ、この剣を持って舞うことが踊り子の夢とされる。

2014年01月01日

古の覇王

太古の文明で絶大なる権力を持っていたと言われる王が所持していた剣。その覇王の手により王国は栄華を誇り、繁栄を極めたが…。

熟れた果実は腐り落ちて行くのみ。王の権力の下で驕り高ぶり自ら歩むことを止めた民により、王国は堕落し衰退の道を辿っていく。

すでに己の力ではどうすることもできなくなっていることに気づいた王は、邪心を自らの愛刀に召還し、堕落した民の虐殺を繰り返す。

剣に宿りし邪心は血を吸うことの喜びに打ち震え、最後に残った王の命を奪った頃には、白銀だった刀身が、血に染まり漆黒になっていったという。
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