2019年06月19日
スペイン日刊紙エル・パイスの「闇」
Cubadebate,2019年6月19日
スペインの日刊紙エル・パイスは停電を取り扱う際に興味深い基準を適用している。
それがベネズエラで起きれば、すべては「チャベス主義政権」によって生じた悲劇として扱う。
反対に、アルゼンチンやウルグアイで原因不明の停電が起きれば、ロマンティックな朝食のためのまたとない機会として扱う。
彼らが主張するジャーナリズムの公平さと客観性に関するすぐれた教訓である!
エル・パイスいわく、「電池式のラジオを聞く、ろうそくの光でロマンティックな朝食、卓上ゲーム、読書、メモをとる。アルゼンチン人はこのように停電に対処している。」
エル・パイスいわく、「3日間の苦々しい大停電に、20年間に及ぶチャベス主義政権の悪事が凝縮している。」
Las “oscuridades” de El País
http://www.cubadebate.cu/noticias/2019/06/19/las-oscuridades-de-el-pais/#.XQr74LwzbIU
2019年05月18日
反政府派に焼き殺されたベネズエラ人若者の母親の告白 ときどき自分の手で正義を実現したくなる
イネス・エスパラゴサ、2017年にカラカスでの反政府派抗議運動のあいだに刺され、生きたまま火で焼かれた若者オルランド・フィゲラの母親
Cubadebate、2019年5月18日、Jairo Vargas記者
イネス・エスパラゴサにとって目を閉じることはつらいことだ。「かんたんではない。目を閉じるとすぐに息子のあの姿が浮かんでくるから」、と彼女はため息をついた。別の形で息子のことを覚えていたいし、つねにそれを求めているのに、まぶたに強く焼き付いて離れない2つの場面がある。ひとつは病院の集中治療室にいる息子の姿だ。「ドアを開けたら...なんてことだ、と思った。息子はそこに裸でいた。私に言ったの、ママ祝福を、と。キスしようとしたけど、どこにしたらいいかわからなかった。全身に殴られたあとがあり、顔はあざだらけではれあがっていて、体はやけどでいっぱいだった。」、とイネスは長い沈黙をはさみながら語る。泣き叫ぶのはこらえているが、やはり涙は流れる。
目を閉じるとうかんでくる2つ目の場面は、自らの44年間の人生のなかで起きた最悪のことだった「苦しみそのものの15日間のあと」の葬儀直後にテレビで見たものだった。「オルランド・フィゲラが死んだ」と2017年6月4日のニュース番組が伝え、自らに放火した群衆のなかを手探りで助けを求めながら、行くあてもなく、希望もなく、炎に包まれて走っている体の映像を流した。「あの映像を見たのはそのときが最初で最後だった。孫が知らせてきた。ほらオルランド叔父ちゃんがテレビに映ってるよ、と孫は言った」。沈黙のあと、また涙が流れる。
オルランド・フィゲラの名前はベネズエラ国外では何も意味しないかもしれない。ビクトル・サラサールの名前と同じかもしれない。しかし、後者の映像は、反チャベス派の抗議運動のなかで同じく炎に包まれているものだが、これをきっかけにして国際メディアは、2017年の反政府派運動に対するニコラス・マドゥーロ政権の「抑圧」を非難することで(よりいっそう)結束した。メキシコ在住のベネズエラ人カメラマン、ロナルド・シュミットが撮影したサラサールの映像は、AFP通信によって世界中に配信された。2018年の世界報道写真コンテストで大賞を受賞し、若き学生サラサールは政府の暴力による犠牲者ではなかったが、同国が直面している政治・社会的に不安定な状況の強力な象徴になった。サラサールは、自身を含むデモ参加者たちがあたかも戦利品であるかのように盗み破壊したベネズエラ国家警察のバイクを放火したあと、全身の70%をやけどを負った。
これに対して、フィゲラの場合は、ベネズエラ国内で記憶されているだけだ。彼のむごたらしい歴史は大西洋を越えてほとんど伝わっていない。カラカスのジャニートにあるドミノゴ・ルシアーニ病院で死んだとき彼は22歳だった。この病院には数週間後にサラサールも搬送されたが、そのあと民間病院に移されその命が救われた。フィゲラはそこを出ることができなかった。「私たちは貧乏人ではないが低所得者ではあります」、とフィゲラの母は自宅の玄関で嘆く。ミランダ州ロス・バジェス・デル・トゥイのクーア市近くの僻地にある、ひとつの住居集落の小さな家だ。ベネズエラがメディアの焦点の中心だったときに息子の苦難がなぜ世界に伝わらなかったのかイネスにはわからない。もしかしたらそれは、マドゥーロの暗殺を呼びかけているのと同じ反政府派がフィゲラを殺したからかもしれない、と母は思っている。
反チャべス派たちによる「グアリンバ」(街頭での暴力行動)の時代
すべては2017年5月20日に起きた。カラカスの東、チャカオ市にあるアルタミラ広場だった。記憶されているもっとも暴力的な反政府派による抗議の要衝となった。その年の4月から8月はじめまで、およそ130日あまりグアリンバスが横行した。覆面をした若者たちが、通りにバリケードを張り、火炎瓶を放った。社会福祉の最低限度を一変させた経済危機に対して本格的な都市ゲリラはよりいっそう組織化していた。これはチャベス派が議会での多数派から転落した時期でもあり、彼らは疑問視される制憲選挙を召集し新たな議会をたちあげたが、これに反政府派は出席すら望まなかった。
ベネズエラの覇権はかつてないほど危うい状態にあり、反政府派のより過激なグループは、- 2年以上の歳月と100人を超える死者を生んでいる - 現在でもまだ壊せていない投票所のロープの代わりに、街頭での緊張状態を作り出す決定をした。両派が促進した社会の二極化が引き返せない地点まで進んだときベネズエラ人は自分たちの最悪のバージョンを引き出していたかのようだった。
あの日、みなと同じように、フィゲラはカラカスのラス・メルセデスのマーケットで客の買い物袋を運んだり、駐車場を見つけるのを手伝ったりして生活費を稼ぐために、夜中に自宅を出発していた。彼は遅くなって、きょうは家に帰らないと母親に知らせた。カラカスから列車でほぼ2時間の行程で、彼はペタレ地区の叔父の家で過ごすことを好んだ。しかしそこにやってくることはなかった。母親が言うには、彼は途中で反チャべス派たちの憎悪に遭遇した。彼は赤ワイン色のシャツを着て、リュックを背負っていたと母親は回想する。アルタミラの高台で、フィゲラは暴徒に出会った。
「彼らは息子を刺し、リンチし、ガソリンをかけ、ろうそくを投げつけた。生きたまま火をつけられた。息子は黒人で、チャべス派だったからだ」、とイネスは話す。病院で会ったとき息子は弱弱しい声で母親にそう説明した。民主主義を求める覆面をした暴徒がこうして彼をリンチした翌日のことである。「おまえはチャベス派か?どっちだ?」、と暴徒のひとりが彼に訊いた。「ママ、どう返答しようと彼らは僕を殺そうとした。そうだ、と僕は言った。僕はチャべス派だ、それがどうした」、と母親の口を通じて息子は言う。その前にすでに彼は腹と足に複数の刺し傷を受けていた。「はじめに誰かが彼を泥棒だと非難し、数名が彼を殴り始めた。最初に尻を刺されたのを感じたとき彼は走り出した。そのあと暴徒たちは彼を囲み、そこにいた1人が彼にチャベス派かどうか尋ねた。彼は火をつけられて、助けを求めて走ったが、周りの人間たちは彼を侮辱し、身につけていた盾で殴り、からかうだけだったと言っていた。忌まわしい黒人だ、と彼らは言っていた」、とイネスは思い起こす。
しかしフィゲラはいかなる政党にも加入したことはなかった。「息子は、自分にできることで働いていた若者だった。前に進むためにつねに人生を歩んできた私と同じ」、と母親は明らかにする。「私たちはチャベス派に感謝している。多くのものを持たない人びとのために多くのことをした。たとえば、私は、成人向けの教育ミッションのおかげで卒業でき、そのおかげで私のような低所得者の人たちが住居申請や他の手続きをおこなう手伝いをする仕事を見つけられた」、と母親は主張する。
その他の憎悪犯罪
フィゲラの事件はベネズエラではもっとも騒がれたケースだったが、ベネズエラの近年の歴史上、政治・社会的対立が最悪の状況のなかで、間違った場所に通りかかった人たちに反政府派集団がリンチを加えることで結末を迎えた他党派への憎悪はこれが唯一のケースではない。ベネズエラ検察庁と政府は、チャベス派の烙印を押された人びとが負傷し、あるときには火をつけられた反政府派集団による暴力事件23件のほかに、公式文書化された同様の犯罪5件を指摘している。政府はつねに反政府派幹部たちに対して暴力事件の調査をするよう要求しており、憎悪犯罪に対して特化した法律を制定したが、イネスにとってまだ正義は実現しておらず、いつかそれを得られるという希望は多くはない。
「調査はあったが、十分ではなかったと思う。息子に対しておこなったことで捕まった人は誰もいない」、とイネスは嘆く。検察庁によると、このケースは調査が続いている。「加害者の一人の特定がなされ、この人物には公衆煽動と故意殺人とテロリズムの容疑で逮捕命令が発せられたが、コロンビアに逃げている」、と検察庁はプブリコ紙に回答した。
しかし、イネスはさらに深く追及する。「息子を攻撃したグアリンバには、反政府派の何人かの指導者たちがいた。彼らはオルランドのような死亡事件について政治的責任があると心から思う。抗議運動の死者を追悼する式典に招待されたときに行きたくなかったのはそのためだ」、と話すイネスは、あの痛ましい5月20日にアルタミラを通過した反政府派政治家たちの名前を指をあげて指摘する。マリア・コリーナ・マチャド、フリオ・ボルヘス、リリアン・ティントリ、ミゲル・ピサーロ。
あれ以来、イネスは精神科治療を受けており、その鬱状態のためにこれまで15年間連れ添ってきたパートナーと疎遠になり、何度も自殺を図った、と告白する。あらゆる陣営が一線をすでに大きく越えてしまっていると彼女は認識しており、チャベス派と反政府派とのあいだの対話を望んでいる。なぜなら、なによりも、平和が欲しいからだ。「国は多くの死者を生んだあとにこの教訓を学んだと思う。2つのベネズエラのあいだに和解はありうると思う」、とイネスは語った。その言葉が現実なのか、それとも単なる希望なのか知ることは難しいが、だからこそアルタミラにまた行くことはないだろうと明言する。「私には内心大きな怒りがあり、ときどき、頭のなかを悪い考えがうかび、自分の手で正義を実現したい気持ちになる」、とイネスは話す。イネスは自宅アパートにとどまることを好む。そこは息子の死後、政府から与えられた家だ。「オルランドはいつも私たちが住んでいた田舎の牧場から私を連れ出すんだと言っていた。あそこでは水道がなく、床はそのまま地面だった」、とイネスは回想する。その約束を果たすために彼が人生を投げ出さなければならないとは思わなかった、とイネスは嘆く。
ベネズエラ人ロナルド・シュミットによる世界報道写真コンテスト大賞受賞の写真
炎に包まれる若者オルランド・フィゲラ
息子オルランド・フィゲラの殺害についての2017年の報道記事を示すイネス・エスパラゴサ
オルランド・フィゲラの死後、その遺族にベネズエラ政府が提供したアパートのある社会住宅団地
( プブリコ紙より)
Testimonio de una madre venezolana: “A mi hijo lo quemaron vivo por ser chavista”
http://www.cubadebate.cu/especiales/2019/05/18/testimonio-de-una-madre-venezolana-a-mi-hijo-lo-quemaron-vivo-por-ser-chavista/#.XOBqMSAzbIU
2019年05月02日
スペイン政府 グアイドー承認の誤りを認める ポデモスのイグレシアス党首が公表
ポデモスのパブロ・イグレシアス党首
Radio Habana Cuba、2019年5月2日、RT
ポデモス連合の指導者パブロ・イグレシアスは、スペイン政府が、今年1月に広場で「暫定大統領」を自己宣言したベネズエラの反政府議員フアン・グアイドーを承認したことは誤りだったと内々に認めた、と明らかにした。
イグレシアスは、スペイン外相が「自由選挙の召集を欲さない大統領を承認することは明らかな間違いだった」と認めた、と語った。EFEが報じた。
イグレシアスはこの火曜日にニコラス・マドゥーロ大統領に対して起きたクーデターの試みを非難し、この政治的危機を乗り越えるためにベネズエラが必要としていることは、チャベス主義と、権力を求めて対立している反政府派とをあわせて測定する選挙である、と考えを述べた。
今年3月、テレビ局チャンネル6とのインタビューで、スペイン外相のジョセフ・ボレルは、1月10日以降にベネズエラで起きていることに米国が関わっているということには何の疑いもない、と語った。
外相はまた、ホワイトハウスはマドゥーロ大統領の立憲政府がこれだけの余力をみせつけるとは予想していなかっただろう、と述べている。
「米国は今回のような状況を予想していなかったに違いない。数ヶ月たってもマドゥーロ氏が国の統制を握り続けている」、と外相は語った。
テレスール報道(2019年5月1日)
Iglesias asegura que gobierno español le dijo que fue un error reconocer al golpista Guaidó
http://www.radiohc.cu/noticias/internacionales/189651-iglesias-asegura-que-gobierno-espanol-le-dijo-que-fue-un-error-reconocer-al-golpista-guaido
2019年04月30日
ベネズエラのクーデター首謀者 レオポルド・ロペス チリ大使館からスペイン大使館へ移動
フアン・グアイドー(左)とレオポルド・ロペス(右)、2019年4月30日午前
Cubadebate、2019年4月30日
チリのロベルト・アンプエロ外相は自身のツイッターアカウントで、ベネズエラの反政府政治家レオポルド・ロペスとその家族はすでにカラカスのチリ大使館にはおらず、スペイン大使館に移動した、と発表した。
「情報を更新したい。リリアン・ティントリとレオポルド・ロペス(スペイン系)はスペイン大使館に移動した。本人の選択によるものである。われわれの大使館にはすでに宿泊客がいたことも考慮された」、とチリ外相は投稿した。
フアン・グアイドーのスポークスマン、アルベルト・ラベルは、ロペスは「チリ政府に亡命は申請しておらず、チリ大使館にはもういない」、と語った。
数時間前にロベルト・アンプエロ外相は、ロペスが家族とともにカラカスのチリ大使館で「宿泊客」として保護されている、と確認していた。
アンプエロ外相によると、ロペスの妻リリアン・ティントリとその娘はカラカスのチリ大使公邸の「宿泊客」として入り、そのあと「その配偶者がそこに加わった」。
ロペスは、ニコラス・マドゥーロ大統領の政府に対するクーデターを呼びかけたフアン・グアイドー議員が率いる小規模の軍事集団との連携によって、裁判所が命じた自宅軟禁から不法に脱出した。
2015年9月にロペスは、2014年2月に43人の死者を出した反政府デモ後の暴力事件において、罪を犯し損害と火災を生じさせるよう国民を扇動した罪で有罪判決を受けた。
2017年7月8日、ベネズエラ最高裁は、ロペスを「健康問題」のため自宅軟禁に処する判決を下した。
テレスール報道(2019年4月30日)
20:00 - Leopoldo López se muda para la Embajada de España
http://www.cubadebate.cu/noticias/2019/04/30/frustran-intento-golpista-promovido-por-oposicion-en-venezuela/#minuto-2000
ベネズエラの反政府派がクーデター企図 国軍はマドゥーロ政権への忠誠を誓う
ベネズエラ国軍
Cubadebate、2019年4月30日
ベネズエラのホルヘ・ロドリゲス通信担当副大統領はこの火曜日(4月30日)、国内でのクーデターを促進しようとしている少数の軍事集団を鎮圧した、と発表した。
ロドリゲス副大統領は自身のツイッターアカウントを通じて、この反乱グループの活動について警告した。
「ベネズエラ国民にお知らせする。現在われわれは、共和国の憲法と平和に対するクーデターを促進するためにアルタミラ地区で展開している少数の軍事集団の裏切り者たちに立ち向かい、その鎮圧をはかっているところである」、とロドリゲス副大統領は語った。
ベネズエラ反政府指導者のレオパルド・ロペスはこの火曜日に反政府派軍事組織によって自宅軟禁を解かれ、自己宣言大統領フアン・グアイドーによる、ベネズエラでのチャべス主義による権力の「強奪を終わらせる」ための「自由作戦」の開始に関する発表に従った。
「私はラ・カルロタ基地にいる。みな配置に付こう。自由を勝ち取るときがやってきた。力と信念を」、とロペスは2017年9月17日以来初めて、自身のツイッターアカウントから投稿した。
ロドリゲス副大統領はツイッターで、ベネズエラ国民に対して、「栄光あるボリバリアーナ国軍とともに、クーデターの企みを粉砕し、平和を守るために、最大の警戒を維持する」よう呼びかけた。
また、ブラディミール・パドリーノ・ロペス国防大臣は、クーデターの動きを一蹴し、ニコラス・マドゥーロ率いる立憲政府への支持を誓った。
「この破壊活動を率いてきた似非政治指導者たちは、不安や恐怖を作り出すために街中の公道で兵器を持った軍隊や警察を使ってきた」、とロペス国防相は同じくツイッターで述べた。
(テレスールの情報による)
ブラディミール・パドリーノ・ロペス国防大臣声明(2019年4月30日)
Intento de golpe de Estado militar en Venezuela encabezado por Leopoldo López y Juan Guaidó
http://www.cubadebate.cu/noticias/2019/04/30/frustran-intento-golpista-promovido-por-oposicion-en-venezuela/#.XMhsCokzbIV
2019年03月11日
キューバ政府声明 ベネズエラにおける電力システムに対するテロ破壊工作を糾弾する
Cubadebate、2019年3月11日
キューバ革命政府声明
キューバはベネズエラの電力システムに対するテロの破壊工作を糾弾する
キューバ共和国革命政府は、ベネズエラ国内の電力供給に対する破壊工作を強く糾弾するものである。無防備な国民に害を与えるこのテロ行為は、ニコラス・マドゥーロ同志が率いる正統政府及びベネズエラ国民の軍民団結に対して米国が仕掛けた非通常型戦争において、国民を人質として利用することを目的としている。
米国の政治家たちは、ベネズエラ国民から基本的な公共サービスのひとつを奪うという行為を急ぎ実行に移した。病院を停電させ、日常生活に必須のサービスの数々を中断させている。中断されたのは食料品や水の供給、交通、通信、治安、商業活動、銀行取引、カード決済などである。すべての職場が影響を受け、大学を含む学校が機能しなくなっている。
一連の出来事とその手法は、2002年に石油産業を相手に行われた破壊工作を想起させる。これは当時、ある米国企業が犯した工作であり、同企業は生産・精製・輸送・製品流通の自動システムを所有、操業していた。
それに加え、ベネズエラは無慈悲な経済・金融戦争にさらされている。この戦争は、屈服しようとしない国民に対し、その政治的・主権的意思を欠乏と窮乏によって打ち負かすことを明白な目的としている。
去る2月23日、ベネズエラ国内へのいわゆる人道支援物資の搬入強行の試みを通じて引き起こされた挑発行為が不発に終わった後、米国政府が主導する反ベネズエラの非通常型戦争は激化している。当該挑発行為は同国の正統な政府機関と対決し、国際法と国連憲章の原則に違反し、「人道介入」のための口実として大規模な死者と暴力を扇動することを狙いとしていた。
キューバの歴史や他の域内諸国の経験は、1961年のプラヤ・ヒロン侵攻がそうであったように、これらの行動が、より深刻な暴力行為の序幕であることを教えてくれている。国際社会は警戒するに足る証拠を握っている。
米国に作り出された強奪者の自己宣言「大統領」は「然るべき時が来れば、外国からの派遣部隊を国内で使用することを認めるために憲法187条を発動する」と言明し、自身の米国人アドバイザーたちが使う言い回しをまねて、「あらゆる選択肢を検討している」と述べた。南米歴訪中、複数国の政府に軍事介入への支持を要請したことがわかっており、後はワシントンからの指示を待つばかりである。
対ベネズエラ攻撃には苛烈なマッカーシズム的宣伝キャンペーンと虚偽が付随している。モンロー主義の強要を果たす口実として、ジョン・ボルトン国家安全保障問題担当米大統領補佐官が同キャンペーンを調整しており、反キューバのマルコ・ルビオ上院議員が積極的に加担している。同議員はソーシャルネットワークを熱狂的に利用して、対ベネズエラ策略においてその関心の高さと個人的かつ陰謀的関与を明らかにしている。
最も執拗で恥知らずな発言のひとつに、次のような中傷がある。キューバが「2万から2万5千人の軍人をベネズエラに」派遣しており、主権国家である姉妹国内で「支配を行使」し、士気の高い栄えあるベネズエラ国軍の構成員を「支配下に置いている」というものだ。キューバは、このような作り話を断固として否定する。ベネズエラがキューバに、またはキューバがベネズエラに、政治的にある程度従属しているとの示唆についても、同様に断固として否定する。
ジョン・ボルトンはよく知られた嘘つきで、長年の実績がある。彼は2002年にキューバが生物兵器の開発を計画しているとして非難したが、その虚言は、当時の上司であったコーリン・パウエル元国務長官、そしてジェームズ・カーター元大統領によって公然と否定された。さらに、この嘘により、ボルトンは米国議会による調査の対象となった。
ボルトンはまた、2003年にイラク政府が大量破壊兵器を保有しており、それらを更に発展させる計画がある、という嘘を広めた一人であるが、その戯言は、米国政府のあらゆるレベルで繰り返し述べられ、マスメディアによって広められた。それは、米国のイラクにおける軍事侵攻・占拠の口実となり、その軍事作戦中に約100万人のイラク人が命を落とし、数百万人のイラク難民を生み出したのに加えて、数千人の米軍兵士が死亡・負傷した。この目的もやはりまた石油であった。
公にもなっていることであり、正直者で事情に精通する人々は知っていることだが、キューバとベネズエラの二国間関係は相互の尊重と真の連帯に基づくもの、そして、独立した主権を持つ「われわれのアメリカ」の統合という、ボリーバルとマルティ、フィデルとチャベスの共通の約束に基づくものである。さらには、南半球の国民の間で補完的な協力を実践する決意、ラテンアメリカ・カリブ海の平和地帯宣言を実現し擁護していく努力に基づくものである。
両国間で調印された包括的協力協定プロジェクトには、2万人強のキューバ人が参加しているが、そのほとんどが女性であり、全体の96%が住民への医療サービスの提供に従事している。その他は、教育、文化、スポーツ、農業などの分野に携わっている。
この協力がこれまでベネズエラにもたらしたものは、いくつかのデータを引用するだけでも以下の通りである。147万3117人の命を救い、7億1702万9310件の診断検査を行い、6203万1309人に眼科医療を提供し、1291万5648件の麻疹および結核に対するワクチン投与を実施し、309万5546人に識字教育を施した。
キューバがベネズエラ国軍の活動や治安機関に参与しているというのは全く虚言である。それは米国政府によって意図的に広められた中傷である。ボルトンや他の政治家、米国政府の役人らが中傷行為を行う際には、攻撃性のある政治的目的があって故意に嘘をついている。というのも、彼らには十分なデータと情報があり、真実を知っているからである。
キューバはベネズエラの内政に介入しない。ベネズエラもまたキューバの内政には介入しない。
キューバの領土を侵略しているグアンタナモの米軍基地を含め、米国はラテンアメリカとカリブ海地域に80の軍事基地を置いている。世界全体では約800か所の軍事基地を持ち、25万人以上の兵士を抱えている。米国と違い、キューバはいかなる国にも軍事基地を持たない。拷問や、警察による弾圧の専門家も持たず、秘密収容所もない。主権国家の沿岸や領空を徘徊する海軍や空軍もなければ、あらゆる細部を監視する衛星も持たない。
帝国主義はその嘘により、チリでのアウグスト・ピノチェトの流血クーデターをはじめとしてこの地域で多くのクーデターを引き起こし、抑圧的な独裁政権を後押しした。嘘によって、1989年12月のパナマの軍事侵攻で1万人を超える無防備な市民を殺害した。嘘によって、リビアの軍事攻撃と不安定化を引き起こした。
米国と他の諸大国が、南アフリカの悪名高いアパルトヘイト体制を土壇場まで全面的に支持し続けたのも嘘によるものである。
キューバ革命政府は、無制限に歯止めの利かない嘘を用いる米国政府の傾向が、既に過去において危険な結果をもたらしたこと、そして現在それが繰り返され得るということを警告し、非難するものである。
2019年3月11日、ハバナ
キューバTV
Condena Cuba el sabotaje terrorista contra el sistema eléctrico de Venezuela
http://www.cubadebate.cu/noticias/2019/03/11/condena-cuba-el-sabotaje-terrorista-contra-el-sistema-electrico-de-venezuela/#.XIi_m8kzbIU
2019年03月05日
キューバ ウゴ・チャベス追悼 没後6年
ウゴ・チャベス
Radio Habana Cuba、2019年3月5日、PL
キューバ国民はきょう(3月5日)、没後6年を迎えるベネズエラ指導者ウゴ・チャベスによるラテンアメリカの平和と統合の業績を追悼する。
キューバでは、首都ハバナにある解放者シモン・ボリーバル像前で、ボリーバル革命創始者ウゴ・チャベスを追悼し花を捧げるなど、さまざまなイベントが予定されている。
また、キューバ諸国民友好協会(ICAP)本部でのイベントや式典も発表された。
きょうのさまざまな活動は、チャべスへの追悼に加えて、米国政府がカラカスに政権交代を強いる行動を強化している現在におけるキューバの連帯を確認する場にもなる。
Cubanos recuerdan hoy sexto aniversario del fallecimiento de Hugo Chávez
http://www.radiohc.cu/noticias/nacionales/185062-cubanos-recuerdan-hoy-sexto-aniversario-del-fallecimiento-de-hugo-chavez
2019年03月01日
ホアン・マヌエル・セラ アレハンドロ・サンスを批判 ベネズエラ・エイド・ライブをめぐる論争続く音楽界
ホアン・マヌエル・セラ(左)とアレハンドロ・サンス(右)
Cubadebate、2019年3月1日
「ベネズエラ・エイド・ライブ」について論争が続いている。英国の億万長者リチャード・ブランソンが資金提供したこのコンサートは2月22日、ニコラス・マウーロ打倒の呼びかけに親和性の高いエンターテイメント界の大物たちを集めた。
ククタでの舞台で有名曲「コロール・エスペランサ」を披露したディエゴ・トーレスのパフォーマンスが導火線に火をつけた。この歌は数少ない観衆によって合唱されたが、おそらくはその誰もがこの歌の作者はトーレスではなく、アルゼンチン人のコティであることを知っていた。この歌が今回のイベントで使われたことを一喝するために出てきたのがそのコティだった。「コロール・エスペランサの作者として私は、この歌が政治家ではなく人びとのためだけに用意されている曲であることをお伝えする」。
アレハンドロ・サンスはトーレスを擁護するために出てきてこう応答した。「政治は道にある石だ。人はその歩く靴底だ。兄弟よ、ここでは誰も政治について話さなかった。政治は重要さを失ってからずいぶんたつ。もし私たちが政治について話したくないのなら、話さないでおこう」。
コティ(彼の本名はロベルト・ソロキンという)は反論した。「いったいどういう理由からあの人道支援の正体について同意できないのだろうか? トラックの背後からタンクがやってきて、これまで何度も起きたことと同じような、さらなる飢えと、さらなる死と、さらなる暴力と、さらなる失踪の石碑を残さないことをわれわれは祈っている。それが私の希望だ」。
この論争にホアン・マヌエル・セラが加わった。彼はインスタグラムでサンスに向けて書いた。「あのコンサートは政治的な活動だった。これは明白な知識であり自然な洞察である。あの背後から死や悲惨な出来事がこないことをわれわれ皆が祈っている。そうなってしまえば多くの人が意図せざる共犯者になるだろうからだ」。
音楽界には、いまベネズエラで起きていることに対する休戦はないようだ。いまだディエゴ・トーレスの応答が待たれている。彼は米国の利益のためにセッティングされたショーの一部になったことで自国でひどく批判された。
(デ・フレンテ紙の情報による)
ベネズエラ・エイド・ライブでのディエゴ・トーレス「コロール・エスペランサ」(2019年2月22日)
コティ「コロール・エスペランサ」(希望の色)
ホアン・マヌエル・セラ「メディテラーネオ」(地中海)
Serrat increpa a Alejandro Sanz: “El concierto en Colombia fue un acto político”
http://www.cubadebate.cu/noticias/2019/03/01/serrat-increpa-a-alejandro-sanz-el-concierto-en-colombia-fue-un-acto-politico/#.XHtDOokzbIU
2019年02月24日
米国によるベネズエラに対する挑発行動は失敗に終わる 2月23日の「人道支援」物資は搬入阻止
Radio Habana Cuba、2019年2月24日、PL
ラテンアメリカの政治指導者たちは、ベネズエラ国境における米国とその同盟国による挑発活動を失敗とみなしている。その介入の脅威はまだ続いているけれども。
昨日、ワシントンや何人かの大統領たちの支援を得て反政府派は、ベネズエラ領土への「人道支援」物資の搬入口の強化を企んだが、その真の狙いはベネズエラを侵略するための入り口を作り上げることだった。
カラカスでの大規模集会において憲政大統領ニコラス・マドゥーロは、「人道援助」の背後にはベネズエラ侵略計画があるとして、防衛を怠らないよう国民に訴えた。
キューバのミゲル・ディアスカネル議長は、自身のツイッターアカウントで、帝国主義はベネズエラに対する計画をあきらめていない、という見方を示した。
ボリビアからは、最高指導者のエボ・モラレスが、ベネズエラにおける独立防衛は、ラテンアメリカ諸国民全体の闘いである、と述べた。
一方、前大統領候補で「コロンビア・ウマーナ」(人間的コロンビア)運動の指導者グスタボ・ペトロは、自称臨時大統領のフアン・グアイドーが軍事介入の可能性に言及してあらゆる選択肢をオープンにするよう呼びかけたことを非難した。
チリの国会議員や元外交官たちは、チリ、コロンビア、パラグアイの各指導者たちが「人道支援」物資の搬入をおそらくは支援するためにベネズエラとの国境クカタまで行って晒した姿を「嘆かわしい光景」と形容した。
この点について、チリの上院議員で元国連事務総長のホセ・ミゲル・インスルサは、これは政治的作戦であり、人道的活動ではない、と警告を発した。
インスルサは、駐コロンビアの米国大使館の情報を引用し、それによると、人道支援物資として集められた食料品はわずか5000人の10日分に過ぎなかった。
ホワイトハウスによる経済制裁と封鎖にかぎっても、ベネズエラはおよそ300億ドルの損害をこうむっている。
今週土曜日(2月23日)の失敗した企みのあと、米国の国務長官マイク・ポンペオはベネズエラを軍事攻撃で脅迫し、ニコラス・マドゥーロ憲政大統領の政治生命はカウントダウンをつげている、と発言した。
これに対してベネズエラのホルヘ・アレアサ外相は、ポンペオは戦争のための口実を探して必死になっている、と語った。
ウィリアム・カスティージョ外務副大臣のインタビュー(テレスール、2019年2月23日)
Fracasa provocación contra Venezuela, pero la amenaza sigue latente
http://www.radiohc.cu/noticias/internacionales/184352-fracasa-provocacion-contra-venezuela-pero-la-amenaza-sigue-latente
2019年02月23日
ベネズエラのマドゥーロ大統領 クーデター派を支援するコロンビアとの断交を発表
ベネズエラのニコラス・マドゥーロ大統領
Radio Rebelde、2019年2月23日、PL
ベネズエラのニコラス・マドゥーロ大統領はきょう(2月23日)、コロンビアとの断交を発表した。ベネズエラ反政府派のクーデターおよび不安定化計画に対するコロンビア政府の支援がその理由である。
カラカスでの政府支持の人民デモに参加したマドゥーロ大統領は、コロンビアの外交官や領事館員がベネズエラ領土から退去する期限を24時間以内に区切った。
テレスールTV
@teleSURtv
ニコラス・マドゥーロ大統領がコロンビアとの完全断交を宣言→ http://bit.ly/2E94Hl0
「ベネズエラを攻撃するためにコロンビア領土が使われるのを我慢し続けることはわれわれにはできない」、とマドゥーロ大統領は語った。
2019年2月23日 15:24
マドゥーロ大統領は、米国政府と結託したフアン・グアイドー自己宣言大統領が率いる反政府派が画策する挑発行動に対してコロンビアのイバン・ドゥケ大統領が提供する支援を非難した。
コロンビアのククタ市は、ベネズエラへの軍事侵略という真の目的を隠すためのカムフラージュ活動であるとベネズエラ当局がみなしている「人道支援」物資の集積場として機能した。
コロンビアからやってくる脅威に対して、ベネズエラ政府は昨夜、コロンビアとの国境を結んでいるシモン・ボリーバル、サンタンデル、ウニオンの各橋を完全閉鎖することを発表した。
Venezuela rompe relaciones diplomáticas con Colombia
http://www.radiorebelde.cu/noticia/venezuela-rompe-relaciones-diplomaticas-con-colombia-20190223/