2021年03月19日
土蜘蛛 その5
土蜘蛛の民族的研究 その1
ここに「出雲」とは、疑もなく「土雲」の誤寫にして、土蜘蛛といふに同じかるべし。
土蜘蛛の名義果して右の如しとすれば、齊しく土蜘蛛の名を以て呼ばるるものといへども、其の種族必ずしも常に同一なるべからず。
土蜘蛛の名を有せざるものにても、時に同一系統に屬するもの亦少からざりならん。
歴史時代に於ける奥鋳n方の蝦夷族、及び北海道アイヌ族が、嘗て竪穴住居の俗を有したりけんことは、遺蹟上より之を證明することを得。
されどこはむしろ中ごろ以後の習俗にして、少くも奥鋳n方に於ては、彼等は石器時代に其の俗を有せず。
後に他民族の習俗を移入せしものに似たり。
されば邦人によりて普通に土蜘蛛と呼ばれたる傳説的民族は、通例所謂蝦夷とは區別あるものとして信ぜられたりき。
前引常陸風土記の文に、國巢卽ち土蜘蛛と、山の佐伯、野の佐伯とを區別して記したるが如き是なり。
佐伯とは、古へ邦人が蝦夷を呼びし名稱なり。
其の山の佐伯、野の佐伯とは、後に所謂山夷、田夷の類なるべし。
田夷とは其の實農業を解せる蝦夷の稱なるべけれども、其の以前には彼等亦實に野の佐伯たりしなるべし。
而して常陸風土記には、是等の徒と並べて、別に「國巢」を標出し、注して土蜘蛛又は八掬脛といふとあり。
彼等は同じく土窟に住むと言はれながらも、所謂土蜘蛛と佐伯との間には、其の指す所に或る區別の存することを認めたる書法と解すべきなり。
ここに「出雲」とは、疑もなく「土雲」の誤寫にして、土蜘蛛といふに同じかるべし。
土蜘蛛の名義果して右の如しとすれば、齊しく土蜘蛛の名を以て呼ばるるものといへども、其の種族必ずしも常に同一なるべからず。
土蜘蛛の名を有せざるものにても、時に同一系統に屬するもの亦少からざりならん。
歴史時代に於ける奥鋳n方の蝦夷族、及び北海道アイヌ族が、嘗て竪穴住居の俗を有したりけんことは、遺蹟上より之を證明することを得。
されどこはむしろ中ごろ以後の習俗にして、少くも奥鋳n方に於ては、彼等は石器時代に其の俗を有せず。
後に他民族の習俗を移入せしものに似たり。
されば邦人によりて普通に土蜘蛛と呼ばれたる傳説的民族は、通例所謂蝦夷とは區別あるものとして信ぜられたりき。
前引常陸風土記の文に、國巢卽ち土蜘蛛と、山の佐伯、野の佐伯とを區別して記したるが如き是なり。
佐伯とは、古へ邦人が蝦夷を呼びし名稱なり。
其の山の佐伯、野の佐伯とは、後に所謂山夷、田夷の類なるべし。
田夷とは其の實農業を解せる蝦夷の稱なるべけれども、其の以前には彼等亦實に野の佐伯たりしなるべし。
而して常陸風土記には、是等の徒と並べて、別に「國巢」を標出し、注して土蜘蛛又は八掬脛といふとあり。
彼等は同じく土窟に住むと言はれながらも、所謂土蜘蛛と佐伯との間には、其の指す所に或る區別の存することを認めたる書法と解すべきなり。
この記事へのコメント
コメントを書く
この記事へのトラックバックURL
https://fanblogs.jp/tb/10607976
※ブログオーナーが承認したトラックバックのみ表示されます。
この記事へのトラックバック