2021年03月18日
土蜘蛛 その4
穴居の民
トンチカムイ或はトイチセグルとは、土中の~域は土家の人の義にして、所謂コロボツクルなるものなり。
彼等は嘗て土中に竪穴を穿ち、之を被ひて其の中に住しき。
其の穴居の址は、奥秩A北海道等に於て、今もなほ少からず存在し、關東以西、四國、九州地方にも、表面土壌に被はれながら、土工の際などに往々發見せらるることあり。
所謂コロボツクルなるものは、同じくアイヌ卽ち蝦夷の系統に屬するものなるべけれども、彼等が後に其の俗を改め、屋居の生活を爲すに及びて、其の以前に住せし穴居の夷族を區別し、之をトンチカムイ或はトイチセグルなどと呼びしものなるべし。
或はいふ、ツチグモの稱呼は此のトンチカムイの名の轉訛ならんと。
亦一説とすべし。
而も此の穴居の俗は、アイヌ族のみの古き風習にあらずして、却って廣く、國ツ~の名を以て呼ばれたる一般先住民族の間に、行はれたるものなりき。
されば所謂土蜘蛛なる名も、亦實に攝津風土記謂ふが如きものなりしならん。
而も年序を經る久しきに及びて、此の語は俗傳的先住民族の汎稱となり、遂には蟲類の蜘蛛の、脚の長く、體短かきことに連想して、前引常陸風土記に見ゆる如く、土蜘蛛族の一名を八掬脛(やつかはぎ)などと稱し、日本紀には、特に「其の人と爲り身短く、手足長く侏儒と相似たり」などとの説明をさへ下すに至れるなり。
釋日本紀引越後風土記に、
トンチカムイ或はトイチセグルとは、土中の~域は土家の人の義にして、所謂コロボツクルなるものなり。
彼等は嘗て土中に竪穴を穿ち、之を被ひて其の中に住しき。
其の穴居の址は、奥秩A北海道等に於て、今もなほ少からず存在し、關東以西、四國、九州地方にも、表面土壌に被はれながら、土工の際などに往々發見せらるることあり。
所謂コロボツクルなるものは、同じくアイヌ卽ち蝦夷の系統に屬するものなるべけれども、彼等が後に其の俗を改め、屋居の生活を爲すに及びて、其の以前に住せし穴居の夷族を區別し、之をトンチカムイ或はトイチセグルなどと呼びしものなるべし。
或はいふ、ツチグモの稱呼は此のトンチカムイの名の轉訛ならんと。
亦一説とすべし。
而も此の穴居の俗は、アイヌ族のみの古き風習にあらずして、却って廣く、國ツ~の名を以て呼ばれたる一般先住民族の間に、行はれたるものなりき。
されば所謂土蜘蛛なる名も、亦實に攝津風土記謂ふが如きものなりしならん。
而も年序を經る久しきに及びて、此の語は俗傳的先住民族の汎稱となり、遂には蟲類の蜘蛛の、脚の長く、體短かきことに連想して、前引常陸風土記に見ゆる如く、土蜘蛛族の一名を八掬脛(やつかはぎ)などと稱し、日本紀には、特に「其の人と爲り身短く、手足長く侏儒と相似たり」などとの説明をさへ下すに至れるなり。
釋日本紀引越後風土記に、
美麻紀天皇(崇~)の御世に、越の國に人あり、八掬脛(やつかはぎ)と名づく。とある亦同じ。
其の脛の長さ八掬(やつか)あり。
多力にして太だ強し。
是れ出雲の後なり。
其の屬類多し。
タグ:カムイ
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