2021年03月17日
土蜘蛛 その3
土蜘蛛の名義
土蜘蛛の名、記、紀、風土記等の古書に多く散見し、其の傳説殆ど日本各地に普及す。
其の名義は、釋日本紀引ける攝津風土記の逸文に、
蓋し彼等は土穴中に住居するの俗あるにより、土籠りの民として之を賤稱せしものか。
或は之を土中に住む蟲類の土蜘蛛に比して、然か呼びしものなるべく、其の之を偽者といふは、彼等が劣敗者となりしが爲の貶稱にてもあるべし。
其の土穴中に住むとの事は、常陸風土記に、
北海道本島に住するアイヌ族の俗傳に、トンチカムイ、或はトイチセグルと稱するものの如き、亦實に是に當る。
土蜘蛛の名、記、紀、風土記等の古書に多く散見し、其の傳説殆ど日本各地に普及す。
其の名義は、釋日本紀引ける攝津風土記の逸文に、
宇禰備能可志婆良宮(うねびのかしはらのみや)御宇天皇(~武)の世に偽者土蜘蛛あり。とあるによりて知らる。
此人恒に穴中に居る。
故に賤號を賜ひて土蜘蛛といふ。
蓋し彼等は土穴中に住居するの俗あるにより、土籠りの民として之を賤稱せしものか。
或は之を土中に住む蟲類の土蜘蛛に比して、然か呼びしものなるべく、其の之を偽者といふは、彼等が劣敗者となりしが爲の貶稱にてもあるべし。
其の土穴中に住むとの事は、常陸風土記に、
古老曰く、昔國巣(くす)(俗語に都知久母といふ。又夜都賀波岐といふ。)、山の佐伯(さへき)、野の佐伯あり。とある類にして、今なほ千島アイヌの俗に見るべく、樺太アイヌに於ても、近きころまで此の俗ありき。
普く土窟置き掘り、常に穴に居る。
北海道本島に住するアイヌ族の俗傳に、トンチカムイ、或はトイチセグルと稱するものの如き、亦實に是に當る。
タグ:アイヌ
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