2020年06月16日
iDeCoのデメリット
6/11の記事『iDeCoのメリット』では、iDeCoの概要とiDeCoを用いることによる税制面でのメリットを中心にお伝えしました。
今回の記事では、iDeCoのデメリットを中心にご説明していこうと思います
なお、前回の記事にて「2回のコラムで完結する予定」と記載したのですが、意外と長くなってしまったので、3部構成に変更させていただきました
(3回目は6/19に、今度こそ「iDeCoの落とし穴(仮題)」として、メリットに潜む注意点を中心に記載させていただきます。)
それでは、iDeCoコラム第二回目をどうぞ
早くても60歳まで資金を引き出せない
iDeCoのデメリットとして最も重要なことはやはり、『早くても60歳まで資金を引き出せない』ということが挙げられると思います。
このデメリットにより発生しうるリスクは主に2つです。
一つ目は、何か資金が必要となった時に自由に使えないということです
冠婚葬祭や住宅購入などで突然まとまった資金が必要になったりするケースもあるでしょうが、他にも、同じ投資をするにしても、より条件の良い投資先を見つけた際に資金をそちらに振ることが出来ないというリスクも生じえます
例えば、私は、投資を始める前は保険商品に資金の大半をつぎ込んでいました。
その保険は、支払い後3年以上経過で元本保証され、以後利息が増していき10年後には約4%以上も元本にプラスされることが保証されるようなものでした
当時は10年定期預金でも0.01%の金利しかつかなかった上、私も投資というものの存在を知らなかったため、定期預金の数十倍の金利と元本が確約された商品というのは非常に魅力的に映り、ほぼ全資産を投入してしまいました。
その後、投資の存在を知り、10年で4〜5%の利回りがいかに低いかということが分かり、すぐに解約し自分で資産運用をしたかったのですが、3年以内の解約は大きく元本割れするため、結局3年待ってからの解約となってしまい、その間の運用機会を損失してしまいました
このケースは資金拘束されたのが3年でしたので、まだ良かったのですがiDeCoの場合は30〜40年近く資金拘束されることとなり、そのリスクは計り知れないと思っています
今の私は、iDeCoでの投資信託運用は、確かに比較的利益性の高い手法であると感じていますが、まだまだ投資の世界で知らないことは多く、これから先、現在存在しないような効率的な投資商品が現れる可能性もあることなどを考えると、資金移動の選択自由が長期間奪われる投資にはためらいを感じてしまいます
そして、リスクの2つ目は運用途中にルールが変わる可能性があるということ。
年金制度は昔、任意加入でありましたが、そのうち強制加入となり、更には年金保険料の増額と支給額の減額が毎年行われているような状況です
『最初の話から話が変わっているじゃないか』と怒りたくなる方も大勢いらっしゃると思いますが、それが日本の年金の現状だと思います
そのような日本の年金情勢の中で、iDeCoの制度について今約束されたことが、30〜40年後に本当に履行されるのか?と思うと疑問を抱かざるを得ません。
まぁ、さすがに免税制度全面撤廃なんて無茶はしないでしょうが、受取時や運用中の資産に対する税制が変わっていたり、免税とする範囲や上限額などの変更があったりということは、積み立てている間の30〜40年間の間に十分に起こる可能性があると思います
(むしろこれまでの動向を見ると、変わらない事の方が可能性としては低いと思います)
そのため、早い段階から入れば将来的に出てくるであろうルール変更に遭遇する確率も高く、また積立額も大きくなっているため、ルール変更に遭遇した場合の影響も大きくなることを考えると、20〜30代くらいでiDeCoに加入することには、不安を覚えてしまいます。
(逆に何もなければ、早くから入った方がメリットを多く享受できるという考え方もありますが、私の場合は、30年間というリスクが大きすぎるため、まだ様子を見ておきたいと考えています。)
以上がiDeCoの『早くても60歳まで資金を引き出すことが出来ない』という最大のデメリットがもたらすリスクになります。
一旦加入すると原則脱退できない
最初の『早くても60歳まで資金を引き出すことが出来ない』という内容に近しいのですが、iDeCoが有するデメリットとして他に『一度加入したら原則脱退できない』ということが挙げられます。
死亡したり、規定の障害状態に陥った場合以外に、脱退することが出来る条件としては、
@国民年金保険料の納付を免除されていること(※)
A確定拠出年金の障害給付金の受給権者ではないこと
B通算拠出期間が3年以下、又は個人別管理資産が25万円以下であること
C最後に企業型確定拠出年金(企業型年金)又は個人型年金の資格を喪失した日から2年以内であること
D企業型年金の加入者資格喪失時に脱退一時金を受給していないこと
※障害基礎年金裁定通知を受けた方及び国民年金法第89条第3号の施設に入所している方は除きます。
「iDeCo公式サイト」より引用
の全てを満たす必要があり、途中脱退は事実上不可能と言って過言ではないと思います
もし、途中でiDeCoでの積み立てをやめたいと思った場合、脱退することはできませんが、積立を休止することは可能です。
しかし、積立をやめている間も、積立金に対して資産管理サービス信託銀行への管理手数料として毎月66円の手数料を支払い続ける必要がある他、iDeCo口座を開設した証券会社によっては、証券会社に対しても口座管理手数料を支払う必要性が発生します
先日の記事『投資のススメ』でも述べたように、終身雇用が崩壊しかけている日本社会の中で、いつまでも給料から積立金を確保できないどころか、60歳になる前に、ある日突然積立金を崩し始める必要が出てくるかもしれません
そのような場合でも、積立金に手を付けられないばかりか、原則脱退が出来ないため、何もしなくても管理手数料を毎月取られていくiDeCoには、加入前に十分検討が必要であると言えると思います。
まとめ
iDeCoのデメリットとして総合的にまとめると、「一度加入したら基本的には60歳までひたすら積み立て続ける必要がある」ということが言えると思います。
このデメリットから来るリスクを踏まえた上でも、「メリットが大きいからやはりiDeCoには加入したい」と思われる方もいらっしゃるでしょう。
しかし、メリットとして挙げられていることは、実は額面通り受け取ってはいけないという落とし穴があることに十分注意して下さい
次回、iDeCoコラム第3回目では、表面的には分からないiDeCoのメリットに潜むリスクについてご説明しようと思いますので是非参考にしていただければと思います
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