2020年11月28日
堅い守りの運用!債券型おススメファンド
今年のコロナショック時のように、金融市場がリスクオフ(市場参加者がリスク回避の動きを取る流れ)になると、株式などのリスク資産と呼ばれるものは大きく値下がりをしてしまいます
そのため、リスクオフの状況に陥っても資産が大きく目減りしないよう守りの運用をするために「債券」の資産をある程度ポートフォリオに組み込むことが有効とされています
今回は、そんな資産の守りの役割を果たす債券ファンドについて、おススメファンドをご紹介したいと思います
まずは、『eMAXIS Slimシリーズの4つの優位性』でもご紹介した通り、eMAXIS Slimシリーズは、そのシリーズ全体を通して優位性がありますので『eMAXIS Slim 国内債券インデックス』『eMAXIS Slim 先進国債券インデックス』はおススメファンドの一つとして挙げることが出来ると思います
今回は、その他にもおススメできる債券ファンドについてインデックスファンドとアクティブファンドからそれぞれ1つずつご紹介しようと思います
(インデックスファンド、アクティブファンドの意味については『インデックスファンドの優位性』の記事をご覧ください。)
たわらノーロード先進国債券(為替ヘッジあり)ファンド
まずはインデックスファンドの方から『たわらノーロード先進国債券(為替ヘッジあり)』ファンドをご紹介します。
『たわらノーロード先進国債券(為替ヘッジあり)』は、ファンドアセットマネジメントOneが運営するファンドであり、シティ世界国債インデックス(除く日本、円ベース、為替ヘッジあり)という先進国の債券価格指標に連動する投資成果をめざして運用が行われるものになります。
外国資産特有のリスクである為替リスクを為替ヘッジにより打ち消すため、より安定した運用が出来ることがメリットの一つとして挙げることが出来るでしょう
(為替ヘッジは詳しく説明すると長くなるので、ここでは為替差損益をなくす手法、くらいに思っていただければと思います)
ちなみに組み込み国比率は、1位アメリカ43.89%、2位フランス10.63%、3位イタリア9.47%と続いていき、北米やヨーロッパで90%以上を占めるような構成となっています。
運用コストについては、
購入時手数料:なし
信託財産留保額:なし
運用管理費用(信託報酬):年率0.22%
と、インデックスファンドの特徴である低コスト運用が出来ています
(購入時手数料と運用管理費用は低ければ低いほど有利に運用が出来ます。詳しくは『株式と投資信託の性質をもつ「ETF」』の記事もご覧ください。)
厳密には、eMAXIS Slim先進国債券インデックスファンドの信託報酬率は0.154%以内であるので、それに比べれば見劣りしますが、年率0.22%は依然として低コストの部類に入るものです。
実際のトータルリターン(2020年10月末時点における、各表記期間前の価格からの上昇率)については、
6か月:1.13%
1年:4.60%
3年:3.21%
となっており、1年以上の期間では、eMAXIS Slim先進国債券インデックスファンドのトータルリターンをも上回るような結果となっています
(eMAXIS Slim先進国債券インデックスファンドのトータルリターンは、6か月:2.84%、1年:3.50%、3年:1.88%となっています。)
また、シャープレシオにおいては、「たわらノーロード先進国債券(為替ヘッジあり)」が1.45と債券ファンドの中で最も高い値を示しています。
(比較対象はSBI証券取り扱いの全債券ファンドです。シャープレシオとは、リターンを値動きの標準偏差で割った値のことで、リスクとリターンのバランスを示し、シャープレシオの値が高いほど、取ったリスクに対して高いリターンを得ていることを示します。)
これらの事から、「たわらノーロード先進国債券(為替ヘッジあり)」ファンドは、インデックス債券ファンドにおける有力な候補の一つとして挙げられるのではないかと考えています
ノーロード明治安田社債アクティブファンド
続いてアクティブファンドの方から『ノーロード明治安田社債アクティブ』ファンドをご紹介します。
『ノーロード明治安田社債アクティブ』ファンドは、明治安田アセットマネジメントが運営するファンドであり、NOMURA-BPI総合という日本国内の債券(国債、地方債、事業債、等)価格指標を上回る投資成果をめざして運用が行われるものになります。
アクティブファンドではありますが、運用コストは、
購入時手数料:なし
信託財産留保額:なし
運用管理費用(信託報酬):年率0.2475%
と比較的良心的な水準となっております
また、国内の金融債、事業債等に投資を行うため、為替リスクがゼロであり、非常に安定した値動きとなっているのも特徴です
(債券ファンドには守りの要素が求められますので、このような安定した値動きというのは安心できますね)
同じく国内債券クラスのeMAXIS Slim国内債券ファンドとの大きな違いは、債券種別にあります。
eMAXIS Slim国内債券は、80%近くを日本国債で運用しているのに対して、ノーロード明治安田社債アクティブファンドは、その内訳の90%近くを事業債(武田薬品や楽天など、企業の社債)で運用しています。
国債よりも事業債の方が比較的利回りが高いため、ノーロード明治安田社債アクティブファンドは以下の通り、国内債券クラスの中でも、比較的高いトータルリターンを実現させることが出来ています
6か月:1.26%
1年:-0.10%
3年:1.10%
ちなみにeMAXIS Slim先進国債券インデックスファンドのトータルリターンは、6か月:-0.87%、1年:-1.67%、3年:0.50%となっています。
ただ、1点気を付けるべきところがあるとすれば、このファンドは1銘柄で運用資産の10%を超えて運用する可能性がある「特化型運用」を行う点でしょうか
このファンドはインデックスファンドほど、幅広く分散がされているわけではないため、寄与率の高い銘柄にもしものことが起きれば、大きく評価額が落ちる可能性があるというのが注意点として挙げられるでしょう
各ファンドの比較
以下の図は、過去3年間の「たわらノーロード先進国債券(為替ヘッジあり)ファンド」「eMAXIS Slim 先進国債券インデックスファンド」「ノーロード明治安田社債アクティブファンド」「eMAXIS Slim 国内債券インデックスファンド」の値動きを示したチャートです。
日本国内債券を扱っている「ノーロード明治安田社債アクティブファンド(黄色線)」「eMAXIS Slim 国内債券インデックスファンド(緑線)」は比較的値動きが抑えられているのが分かるかと思います
そして、その中でも「ノーロード明治安田社債アクティブファンド(黄色線)」の方がやや優勢といったところでしょうか
対して、先進国債券を扱っている「たわらノーロード先進国債券(為替ヘッジあり)ファンド(赤線)」「eMAXIS Slim 先進国債券インデックスファンド(青線)」は、日本国内債券ファンドと比べて2018年は下回り、2020年は上回ったりと、やや価格にばらつきがありますが、2020年11月現時点では、評価額が国内債券ファンドと比較して、優勢な状況です
また、ここしばらくは円高の傾向がありましたので、為替ヘッジを行っている「たわらノーロード先進国債券(為替ヘッジあり)ファンド(赤線)」の方が、「eMAXIS Slim 先進国債券インデックスファンド(青線)」よりも優勢な結果となっています
(逆に言えば、これから再び円安傾向に戻る場合は「eMAXIS Slim 先進国債券インデックスファンド(青線)」の方が勢いを増してくるでしょう。)
まとめ
今回は、○○ショックのような世界的な経済危機などの際にも強い債券ファンドのおススメ銘柄を紹介しました
債券ファンドの特徴の一つである、値動きが少ないという観点を残したまま、比較的高いリターンが得られると思われる「たわらノーロード先進国債券(為替ヘッジあり)ファンド」「ノーロード明治安田社債アクティブファンド」は、景気後退局面だけでなく、ご高齢の方(暴落が起きた際に値戻りするまで待つ時間の余裕がない方)や将来必要な資金の一時運用など、様々な場面で活躍させることが出来ると思いますので、是非ポートフォリオの一部に取り込んでみて下さい
最後になりますが、来週12/3、12/5、再来週の12/12は、更新をお休みします
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