2020年10月17日
長期積立向きファンド3種の特徴と選び方
投資信託コラム『投資初心者におススメ「つみたてNISA」』の中でも申し上げた、eMAXIS Slimシリーズの中でも、長期積立投資向きのファンドである、
・eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)
・eMAXIS Slim 先進国株式インデックス
・eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)
の3種について、それぞれのファンドの特徴及び選択基準について、今回はご説明しようと思います
eMAXIS Slim米国株式(S&P500)ファンドの特徴
eMAXIS Slim米国株式S&P500はその名の通り、S&P500指数に連動するように運用されている、100%米国株式により成り立つファンドです
S&P500指数は、米国株式の中から市場規模、流動性、業種等を勘案して選ばれた大型銘柄500種で構成されており、米国株式市場全体に対し約80%の時価総額比率を占めているため、米国市場全体の動きを概ね反映していると言えるのが特徴です
組込銘柄の上位としては、
1位:APPLE INC(組込比率:6.3%)
2位:MICROSOFT CORP(組込比率:5.4%)
3位:AMAZON.COM INC(組込比率:4.6%)
4位:FACEBOOK INC-CLASS A(組込比率:2.2%)
5位:ALPHABET INC-CL A(組込比率:1.5%)
(Alphabetとは、Googleの持株会社です。)
などが並んでいます。
(2020年9月30日時点情報)
これら5社は社名の頭文字を取って「GAFAM」と呼ばれるほど、アメリカ株式市場を牽引する強力な企業群(GAFAMの5社だけで、日本の東証一部企業2170社の時価総額を上回るような状況)であり、これらに比較的高いウェイトで投資するeMAXIS Slim米国株式S&P500もまた、高い収益率を誇っています
そしてまた、全世界的に見てもアメリカ株式市場の発展は著しいものがあり、今回ご紹介する残りの2つのファンドと比較しても、以下のチャートの通り、現時点まででは、最も高い利益率を誇っています
従って、eMAXIS Slim米国株式S&P500は、「(現時点までにおいて)最も成長性が高いアメリカ株式市場に全力で投資をしたい!」と思われる方に最適なファンドとなっています
eMAXIS Slim先進国株式インデックスファンドの特徴
eMAXIS Slim先進国株式インデックスファンドは、「MSCIコクサイ・インデックス」と呼ばれる、日本を除く世界の先進国で構成された株価指数に連動する形で運用されているファンドです
組み込まれている国別の割合としては以下のような形となっています。
(2020年9月30日時点情報)
やはり、株式市場においては、世界経済の中心となるアメリカの影響が大きいため、先進国株式インデックスファンドにおいても69.4%と、かなりの割合をアメリカ株式が占めていますが、残り30%近くの割合をヨーロッパ圏の国を中心に、他の先進諸国の株式が組み込まれているのがeMAXIS Slim先進国株式インデックスファンドの特徴と言えます
先述の通り、現在に至るまでは確かに、アメリカの株式市場の伸び率が高く、世界経済を牽引し続けてきたのですが、アメリカ一本足打法だと、アメリカにもしものことがあった場合に、その影響を大幅に受けてしまうという問題点があります
従って、eMAXIS Slim先進国株式インデックスファンドは、「先進国株式市場という、これまで比較的安定して伸び続けてきた市場に投資しつつ、複数の国に投資することでアメリカ一本足打法の不安定さから回避したい」と思われる方に最適なファンドとなっています
eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)ファンドの特徴
eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)ファンドは、「MSCI オール・カントリー・ワールド・インデックス」と呼ばれる、世界の先進国・新興国の株式で構成された株価指数に連動する形で運用されているファンドです
組み込まれている国別の割合としては以下のような形となっています。
(2020年9月30日時点情報)
ちなみに、組入比率第4位のケイマン諸島は、「ALIBABA GROUP HOLDING-SP ADR(組込比率:1.0%)」「TENCENT HOLDINGS LTD(組込比率:0.7%)」のように元々中国に本社がありながら、中国当局の外資規制により国外拠点の確保を余儀なくされた企業が大半を占めているため、事実上中国への投資と見て差し支えありません
(最近では、徐々に緩和されてきているようですが、中国ではインターネットサービスやマスメディアなど、一部の業種において、外国資本による出資が制限されており、これを回避するために海外にも拠点を置き、複雑な資金ルートで中国国内のグループ企業に外国資本を供給する必要がありました。)
eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)ファンドは、日本国内:先進国株式:新興国株式=6.9:80.7:12.3のような割合(2020年9月30日時点)で、全世界に投資が出来るファンドですので、たとえどこかの国が調子悪くなったとしても、他の国に資金が流れ込めば、ファンド全体としては安定して成長していけるという強みがあります
従って、eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)ファンドは、「世界全ての国への分散投資という究極の分散安定性を追求しつつ、中国などのこれから伸びてきそうな新興国への投資も図りたい」と思われる方に最適なファンドとなっています
(ただし、前述の2つのファンドと同様、株式にだけ投資しますので、世界経済の停滞などにより株式市場全体から資金が引き上げられるようなときには、いくら地域が分散されていると言えども暴落の波からは逃れられませんので要注意です)
まとめ
今回は、つみたてNISAに適したファンドとしてeMAXIS Slimシリーズから米国株式S&P500、先進国株式、全世界株式(オール・カントリー)の3種の特徴と、それぞれに適したタイプの方をご説明しました
今回のご紹介は、つみたてNISAで20年間積み立てを行う(=限りなくリスクを減らせる)という前提に立っており、リスクよりもリターンを重視して選別をしていますので、ご高齢の方であったり、割と早い段階で積立資金の取り崩しをする必要が出てくる可能性がある方については、リスクの面も考慮した上でファンド選びを行う必要が出てきます
その場合は、債券型のファンドや複数資産を組み込んだバランス型ファンドなどが適していると思われますので、次回以降の投資信託コラムにおいて、それらのファンドについても解説していきたいと思います
そして、最後になりますが、来週の投資お役立ちコラムコーナーはお休みさせていただきます
(有馬温泉の方に旅立つ予定ですので、また『コスパ重視の格安旅行のススメ』の方でその時の様子はお伝えさせていただきます。)
次回の投資お役立ちコラムは10/31の株式コラムで、またお会いしましょう
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