2020年10月10日
FXにおける「ストップ狩り」の恐怖
一発当てれば大きいFXですが、その裏には、色々な闇も存在します
今回は、そんな闇も深いFXの中で気を付けるべき「ストップ狩り」と呼ばれる手法についてご説明します
ストップ狩りとは?
ストップ狩りとは、個人投資家が損切のために入れているストップロスを意図的に発動させることで利益を得る手法です。
(ストップロスについては、『転ばぬ先の杖「ストップロス」の重要性』の記事もご覧ください)
具体的には、まずストップロスが多く入っているだろうと思われるレートまで、大量の売注文または買い注文を入れて到達させます。
例えば、上昇トレンドが続いており、買注文がたくさん入っているであろう状況において、レートが下がり始め、現在のレートが105.3円になっているとした時、キリの良い価格である105.0円やその下の104.9円や104.8円などには買注文に対するストップロスである逆指値の売注文が置かれている可能性が高いため、大量の資金で大量の売り注文を入れてレートを105.0円まで下げます
そして、予想通り105.0円付近にストップロスが集まっていた場合、レートが105.0円に到達するとそれらのストップロスが発動し、さらに売りが進むことになります
こうしてストップロス発動による売り注文でレートが104.9円まで下がると、そこに置かれていたストップロスも更に発動して・・・というようにドミノ倒し式にストップロスがなくなるまでレートが下がり続けます
そして今度は、発動しうるストップロスを全て発動させ切って、レートが下がりきったところで、最初に入れた売注文に対して決済の買注文を一気に入れます
こうすることで、ストップロスの発動によって下がったレートの分だけ利益として得ることができます
(これが、いわゆるストップ狩りによる利益獲得の方法になります。)
ストップ狩りは、まず最初にレートをストップロスがありそうな場所まで動かす必要があり、そのために大量の資金が必要となる方法ですので、基本的にはストップ狩りを仕掛けてくるのは機関投資家と呼ばれる十分な資金を持つ団体が中心になります
ストップ狩りは、個人投資家から見れば金の力に任せて個人投資家を食い物にする、実に姑息な方法のように思えますが、ストップ狩りを仕掛ける機関投資家にしても、予想が外れてストップロスを発動させることが出来なければ、骨折り損に終わってしまうという点である意味公平であるともいえます
(実際、機関投資家によるストップ狩りは戦略の一つとして認められており、合法となっています。)
FX会社のストップ狩りはアウト!
しかしながら、問題なのは、このストップ狩りをFX会社も行うことが出来てしまうということです
FX会社の場合は、顧客のストップロスの位置は当然見えていますので、狙い撃ちでストップ狩りを行うことが可能です
(当然のことながら、FX会社によるストップ狩りは違法です)
とはいうものの、あまりに露骨にやりすぎると顧客の信頼を損ねることになりますので、他のFX会社の提示するレートやインターバンク・レートと呼ばれる銀行間取引市場でのレートから大きくかけ離れた値になることは稀です。
(それでも数銭程度の違いはザラに発生しえますが・・・)
一番ストップ狩りとして疑わしいと思われるのはスプレッドの広がりによるストップロスの発動です
(スプレッドとは売レートと買レートの差異の事です。詳しくは『スプレッドとは?』の記事もご覧ください。)
スプレッドの広がりは、顧客からの注文が「売」「買」のどちらか片方に偏った場合などでは、避けることが出来ないものですが、スプレッドの広がりによってストップロスが発動した場合、前述のようなやむを得ない事情によるものなのか、それともFX会社のストップ狩りによって発生したものなのかを判別する手段が顧客側にはありません
従って、FX会社によるストップ狩りが仮にもし行われていたとしても、事実上顧客側はそれを受け入れざるを得ない状況となっているのです
ストップ狩りを回避するためには?
実際、私もこれまでに、すごく不自然なレートの動きによってストップロスが発動して損失が出たり、トレール注文において不本意に安い価格で約定させられたりしたことがありました
(トレール注文については『利益の最大化を目指す「トレール注文」』の記事もご覧ください。)
そのようなことを体験すると、本当にやむを得ない事情で、逆指値が発動したものなのか、それともFX会社のストップ狩りによるものなのかがはっきりしないだけに、ものすごく気持ち悪い感じがするのが分かります
では、そんなストップ狩りから回避するためにはどうすればよいのか
「このFX会社を使ったらいい!」とかいう情報も巷ではよく流れているようですが、結局そのFX会社も本当にストップ狩りをやっていないのかなんて我々には把握する術がありません
従って、私が思うに、ストップ狩りから回避するためには「ストップロスを入れない」ということしか対策のしようがないと考えています
「いやいや、ちょっと待て!お前、この間ストップロスは大事って言ってたじゃないか!」
(注:『転ばぬ先の杖「ストップロス」の重要性』の記事で言っちゃってます)
という声が聞こえてきそうですが、確かに短期売買をする上ではストップロスは必須です
ストップロスを入れてないと、とんでもない損失を被ることがあります
しかしながら長期視点の売買の場合は、話が別です
長期視点の場合は、初めから大幅なレート変動(例えば米ドル/円ならば80〜120円くらいまでの変動)を考慮した上で、最初の注文が入れられており、ストップロスを入れなくとも大きなダメージになりにくいです
(その分、大きなリターンも得られにくくなりますが・・・)
すなわち、ストップ狩りから本質的に回避するためには、ストップロスを入れなくても良いくらい、大幅なレート変動が考慮された、低レバレッジの長期視点売買を行う他ないと私は考えています
まとめ
今回はFXの闇の一つ「ストップ狩り」についてご説明しました
はっきりと裏が取れないストップ狩りはとても気持ちの悪いものですが、ストップ狩りから回避するためにはストップロスを入れなくても良いくらいの低レバレッジで長期投資を行うことが一番の解決策だと考えます
中々難しいFXですが、こういった裏事情も理解しながら、利益を確保していきたいですね
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