2021年05月19日
声聞のネタバレなし簡単映画レビュー 韓国映画以外遍 K 「運び屋」
フリーの映画写真をどこから手に入れればいいのか分からないので、勝手にイメージを作ってみました。
監督 クリント・イーストウッド
出演 クリント・イーストウッド, ブラッドリー・クーパー, ローレンス・フィッシュバーン
ジャンル 外国映画
アマゾンのリンク
どこの国の映画か
アメリカ 2018年
映画のジャンル
メキシコ麻薬カルテルの運び屋
そこに、目を点けられた、誰にも疑われようのない、80台の白人の老人の幸福と苦悩。
最後までみたか?
みました。
どんな時に見るべきか?
淡々とした気分の時。
ビックリしたか?驚いたか?
そういうシーンはありません。
特筆すべき男優、女優はいたか?どのように?
簡単映画レビューなのに、ちょっと文章が長くなってすみません。
この映画を見て、私は20年前にアメリカのミシガン州に行った時の事を思い出しました。
その時、私を世話してくれたのは、 ジョンという人でした。
彼は会社から、 2時間以上かかるところに住んでいて、 そこから車で会社に通っていました。朝4時に家を出ると言っていました。
大体アメリカは朝が早いのです。朝6時過ぎに会社に着くともう社員は全員仕事をしていました。
これもよくある名前の、スミスと言う営業の部長が、朝からダイエットコークを飲みながら毎朝、私たちを出迎えてくれました。
ジョンは、この映画のクリントイーストウッドによく似ていて、車を何時間運転しても、けして疲れを見せず、左の膝かだったか右の膝でハンドルを抑え、手放しで長い距離を運転していました。そのジョンの面影が、何度もこの映画のクリントイーストウッドと重なりました。年恰好もよく似ていました。
彼は本当にいいやつでしたが、一度だけものすごく私のこと怒ったことがありました。それは機械の据付のスーパーバイザー で、私のいる工場に訪れ、一日作業をし、その夜に、彼の歓迎パーティーをしようという日があり、私が運転をして着替えにホテルに連れて行ったのですが、あまりにも酷い 渋滞で、私は一旦ホテルに寄る予定でしたが、どうにも間に合いそうにないので直接パーティー会場に行こうかという提案をしました
すると彼は烈火のごとく怒り出し、「私にこの汚れたシャツでパーティーに出ろというのか、私はアメリカのインディアンじゃないんだ、アメリカのカウボーイじゃないんだぞ。」とそう怒りました。
私も別に悪気はなかったのですが、その時の彼の怒り方、そのインディアンとかカウボーイとかそういう人種と言うか民族と言うかそういうものを出して怒り出す、その怒り方、そこにアメリカ人独特のプライドを感じました。
この映画ではそもそもアメリカで経済的に失敗したとはいえ白人で、家族があり、誰も疑うことのない立派なアメリカの老紳士が、アメリカ人が差別し軽蔑しているメキシコ人のカルテルの麻薬の密輸に協力し、その得た穢いお金でアメリカ退役軍人会の潰れかけたクラブを直したり、(スケート場を作ってくれとも頼まれていた)、新しいピックアップを買ったり、潰れた自分の会社を立て直したりするわけです。
ここではアメリカ人もメキシコ人もなく、主人公も、麻薬のカルテルも、 ただ同じように欲望に惑わされ、 色々なものを失っていく姿を淡々と描いています。あたかも
「人は欲望の前には平等に汚れるものなのだ。」
そしてこの時はちょうどトランプ大統領が大統領でメキシコとの間に壁を立てて移民を徹底的に排除しようと言う時期だけに、アメリカ人の心の深層に訴えた映画なのでしょう。評価が高いようです。
クリントイーストウッドは、こうしたアメリカ人のアメリカ人たる所以、そのプライドが如何に脆弱かを見事に表現していました。
もう一度みたいか?
人に勧めたい映画です。
一緒に見て困る人はいるか?
うーーーーーん いい映画なので、誰でも見て欲しいですが。
印象に残るシーン
主人公が、お目付のメキシコ人を連れて、白人しか行かないレストランに行った時のシーンは、印象的でした。そこでは差別が当たり前で、自然に行われていて、そして、我々非アメリカ人には異様なのです。
全体に、ひねりのあるストーリーではありません。淡々と、そして静かに何かを訴える。これがクリントイーストウッドのスタイルなのでしょう。
昔は、違いましたけど。いきなりマグナムぶっ放してましたけど。
仏教的にはどうか?
高倉健とクリントイーストウッドを、対比してみました。
高倉健はズッと俳優であり、常に精進していました。
一方のクリントイーストウッドですが、昔は、怒りに任せ、マグナムをぶっ放していたその彼が、どこで悟って、映画を撮るようになり、禅定の域に入ったのか、興味深いです。
合掌。
点数(10点満点)
8点
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運び屋見ました〜!
けっこう話題になってた映画だったので。
面白かったです!
レビューにも書かれてる通り、あのレストランでのメキシカン差別のシーンはちょっと印象的でしたね。
日本人には人種差別なんて概念がそもそも無いし。。
やっぱ、こういう映画って色々勉強になりますね!