2021年05月15日
声聞のネタバレなし簡単映画レビュー 韓国映画以外遍 J 「ウインドリバー」
フリーの映画写真をどこから手に入れればいいのか分からないので、勝手にイメージを作ってみました。
監督 テイラー・シェリダン
出演 ジェレミー・レナー, エリザベス・オルセン, ジョン・バーンサル
ジャンル 外国映画
アマゾンのリンク
どこの国の映画か
アメリカ 2018年
映画のジャンル
アメリカ先住民 殺人事件 そこから見えるアメリカの深い病
最後までみたか?
みました。
どんな時に見るべきか?
夜にじっくり、或は、カーテンを閉めてまったり。
ビックリしたか?驚いたか?
二回もビックリさせられました。近年に珍しい。
特筆すべき男優、女優はいたか?どのように?
この映画に出てくる、全ての先住民の方。その常に我慢し、怒りを心の奥底に溜めている表情。
これこそが、この映画の全てでした。
主役のジェレミー・レナーも、良かった。
FBIの役をやるお姉さんエリザベス・オルセンも、主人公も、よくCGのド派手な映画で見る顔ぶれですが、この映画では、邪魔なCGも衣装もなく、演技だけで仕事をしているようで良かった。
てっきり、最近のクリントイーストウッドの映画かと思ったが、そうではありませんでした。
もう一度みたいか?
人に勧めたい映画です。
一緒に見て困る人はいるか?
暴力シーン、レイプシーンがあります。そういうのを見ても困らない人と。
ただそのシーンにはこの映画が訴えたいことの必然性があるのですが。
印象に残るシーン
大悲心の供養の時、ウィキペディアで調べたが、白人の移民による、アメリカの先住民の人口の減少は1億3000万、つまりこれを虐殺と呼ぶかはともかく、これは、ヒトラーとスターリンと毛沢東に殺された人を足しても足らない犠牲者数です。
このことを供養したい方は千手千眼観音様のところへ
そして、今、この映画のような居留地に集中的に集まり、生活している。厳しい自然の中です。
その鬱々とした感情が、色々な形で爆発するのでしょう?
この映画はこのような居留地で先住民の女性が行方不明になる、失踪するという事実を踏まえて作られた映画ですので、もしこれを知らないで見ても、ただの殺人事件の話で終わらないほど、出演する先住民のオーラが凄いということです。
最初に雪の中で亡くなる女性。ただ雪の中を裸足で逃げただけで、肺が凍り、吐血して死んでしまう。
このことをよく覚えておいてこの映画を最後まで見たら、思わず唸るのでは?
伏線が完璧で、役者一人一人の演技が確かで、CGがなくて(ちょっとくらいあるのかな?)自国の問題を映画として対象化し、批判できる自由の国アメリカ。そういう映画を久々に見ました。
例えば、日本がアメリカに負けた時に、先住民として扱われて、こういう扱いを日本の本土で受けたらどうでしょうか?殺人事件に何故FBIが出てくるかというと、ここの先住民の警官にこの事件を捜査する権限がないのだという現実。
ラストシーンは、復讐の成就が決してハッピーエンドではない、という現実を表現しています。
犯人が制裁を受けても、誰も笑わない。喜ばない。
また人は自然の前では簡単に死んでしまうのだという厳粛な事実も。
仏教的にはどうか?
アメリカの憂鬱。こういう映画は昔からありました。
強いアメリカという、その背景には、広大な土地と広大な田舎があり、そこには救いを求めて止まない苦諦の衆生が溢れているのでしょう。
合掌。
点数(10点満点)
8点
タグ:アメリカ先住民
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