2023年12月27日
自立を妨げる生活保護制度の欠点
先日のニュースで日本の生活保護者が過去最多を記録したと報道されていた。
日本全体での生活保護費の合計額は4兆円近い。
コロナ感染症で失業し、住処も失い、再就職が難しい人々がこれから更に増加すると考えられ、
それに伴って、生活保護者受給者も増加すると考えられる。
コロナ感染症で仕事につけないと借金が膨らむばかりで、自殺者の増加が深刻な社会問題になると思う。
それを防止するためにも、このような時こそ生活保護制度が役立つものだと考える。
私のいとこにも生活保護世帯がある。
彼らは両親が亡くなり、男兄弟二人で小さい家に住み、年齢が60歳過ぎている。
片方の弟は若いころに肺結核を患い、今は肺気腫を患い働ける体ではない。
兄の方はハローワークに通っているが、普通自動車免許を持ってないせいで仕事が見つからない。
特に酒気帯び運転で免許を無くしたわけではなく、
もともと貧困家庭だったため、自動車学校にいけなかったので、免許を取りはぐれて免許を持っていない。
自動車学校での免許取得には20万円以上は必要だが、免許をとるお金もないからそのままだ。
先日、会社で肉体労働の仕事で誰か人がいないか、上司から相談があった。
日給は交通費なしで7000円である。
そこで、いとこを紹介しようとしたのだが、
その前に、市役所の生活保護の担当者に相談してみた。
すると、3ヶ月でも収入があると、3ヵ月後に生活保護が受けられなくなる可能性があるという。
この寒い東北の冬場の現場作業で1ヶ月、14万円の給与で、
保険料など差し引かれると、11万円程度の手取りとなる。
生活保護世帯からすれば、働かなくて10万程度の支給と、
健康保険や年金、税金の免除があるが、
それらを考えると、働いても働かなくても収入は同程度になる
そればかりか、3ヵ月後から生活保護をはずされる可能性がある。
こうなると生活保護者は働いても働かなくても同じ程度のお金なら
働かないほうが得のように気持ちになり、勤労意欲、就職意欲が減退するではないか。
これでは生活保護世帯がいったん生活保護に陥ったら、容易に社会復帰できないではないか。
この市役所の担当官の話では、国の方針なので仕方ないという。
生活保護者や世帯が自立するためには、
3ヶ月〜6ヶ月程度の臨時の仕事、パートやアルバイトで稼いだお金で蓄えや一時的な自立を理由に
生活保護の停止をしないほうがよいと考える。
生活保護から脱却するためには、
まず、仕事の生活サイクルを身に着ける必要があり、数ヶ月単位の時間を要する。
また経済基盤も確かなものにしなくてはいけない。
3ヶ月の短期でもせっかく仕事に就くチャンス、自立する足掛かりがあるのに、
今の生活保護制度ではその自立のチャンスを奪っている。
政府が生活保護などの社会保障額を国として減らしたいならば、生活保護者の自立の仕組みづくりが必要であり、
前述したような生活保護者の自立の足かせになるような仕組みを見直すべきである。
現在の生活保護の仕組みを抜本的に見直し、
生活保護者が自立を目的に6ヶ月から1年程度働いて、ためたお金を理由にすぐ生活保護を停止させないようにすべきである。
生活保護中に貯めたお金をもとに生活基盤と就職の基盤固めになるよう、
生活保護者には自立のために一定の金額の貯蓄を許し、その際に金額の自立やアパートなどの住居を
借りる際に使用するなどの条件を満たせば、100万円程度までの貯蓄なら許すべきで、
貯蓄があることを理由にすぐに生活保護費を停止したり、就職がうまくゆかない場合、
再度短期の生活保護が受けられるような、自立できる環境整備が必要ではと思う。
今の生活保護制度は生活保護者の自立を奪っている側面が問題だと思う。