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2013年03月19日
教科書が変わった!
小学校・中学校ともに教科書が変わったことをご存じですか?
当然のことですが、学校ではどの教科も教科書を使って教科書の単元の順に学習を進めていきます。
保護者のみなさんはすでにご存じだと思いますが、
小学校では平成23年4月から
中学校では翌年平成24年4月から
使用教科書が全面改訂されました。
しかし内容がどのように改訂されたのか をご存じの保護者さんは少ないと思います。
今回の教科書改訂の基本理念は「生きる力を育む」です。
この理念の実現に向けて子供たちの教科書は大幅
にページ数が増し内容も新しい項目が多く加わりました。
日本の教科書は長い間【学習指導要領で定めた範囲を超える内容を扱ってはならない】という考え方によってつくられてきました。
教科書の内容がどんどん難しくなり、学校の授業について行けない子供たちが出てしまうのを防ぐためです。
ところが、子供たちの学力低下が議論される中で
文部科学省は平成14年、上限規定を事実上撤廃して
「定めた範囲がしっかりと押さえられていれば、それを超える内容を扱ってもかまわない」
という考え方に変更しました。
教科書に【発展】など記載がある部分がありますが、これは
「学習指導要領で定められた学習範囲(上限)を超えているけれども、余裕があれば学習してみよう」
ということを表しています。
また、同じ全面改訂でも『小学校教科書』と『中学校教科書』とでは決定的な相違点が存在します。
中学校教科書改訂は
【教科書改訂の内容がダイレクトに高校入試に反映される !】
と言うポイントです。
つまり教科書の変化が
「日々の学習」「内申」「入試」
へと及ぼす影響は極めて大きく高校入試への影響は必至と言えます。
このように中学校の教科書全面改訂は単にひとつの事象に留まらず様々な側面へと影響を及ぼします。
そのためには【教科書がどのように変わったのか】を知っておくことは大切なことです。
【敵をよく知っておくことは、戦いを有利に進めます】
次回以降
【教科書はなぜかわったのか?】
【教科書はどう変わったのか?】
【教科書の変化にどう対応すればいいのか?】
について複数回に分けてお伝えしていきます。
posted by marserTeacher at 23:12| 教科書が変わった
2013年03月21日
使う教科書は誰が決めるの?
「使う教科書は誰が決めるの?」
現行制度では、
学校教育法第21条等で
小学校・中学校・高等学校・中等教育学校・特別支援学校では
「文部科学大臣の検定を経た教科用図書又は文部科学省が著作の名義を有する教育用図書を使用しなければならない」
と定められています。
公立の小学校・中学校と言った義務教育諸学校の場合は
学校設置者の教育委員会に
その採択権があるとされています。
【教科書は何故変わったの?】
次に、教科書がなぜ?変わったのかです。
これは〔学習指導要領〕が改定されたためです。
〔学習指導要領〕
とは文部科学省が、小学校・中学校の学年別の学習内容と到達目標を明確にしたものでほぼ10年ごとに改定されてきました。
※〔教科書〕は学習指導要領にそって編集・発行されます。
小学校では
平成21年度から移行措置
(学習内容を新学習指導要領に沿ったものに移行させるための措置)
がおこなわれていましたので保護者の皆さんも
「学習内容が増えてきたようだな!」
とお感じになっていた方もいらっしゃることでしょう。
次回は
【教科書がどのように変わったのか?】
に付いて具体的にお伝えします。
posted by marserTeacher at 22:59| 教科書が変わった
2013年03月22日
新しい教科書はどう変わったの?
【新しい教科書はどう変わったの?】
量はどれくらい増えたの?
まずは【量】の観点から「新教科書」を分析してみます。
☆小学校 【9年前の教科書から4割アップ!】
小学校教科書のペ−ジ数は1960年代の詰め込み教育と呼ばれた時代が最高だったようですが、
改定された新版の教科書はそれより多くなっています。
※ 【ゆとり】を強調した以前の教科書(02〜04年度使用)と比すると約1.4倍 !
発展内容を記載している05年度の教科書と比べても約1.25倍ものペ−ジ数になっています。
☆中学校
教科書のペ−ジ数ボリュ-ムは1960年代がピ−クで削減が続いていましたが新しい教科書はそのピ−ク時よりも増加しています。
1990年から約20年間の使用年度別中学教科書の総ペ−ジ数をまとめてみました。
※ページ数は各社平均 「ゆとり教育」全盛の2002年度教科書(2002年-2005年使用)と比べると主要5教科平均で150% アップ。
「発展内容」が盛り込まれた2006年度教科書(2006年-2011年度使用・現行教科書)と比べても約130%のペ−ジ数アップとなっています。
小学校と同様に数学・理科のアップが著しく目を引きます。
2002年比較
数学 ⇒163%
理科 ⇒ 177%
2006年比較
数学 ⇒132%
理科 ⇒ 45%
これは文部科学省が推進する目標の
【理数教育の充実】
が反映された結果と言えます。
※ 中学校では、ペ−ジ数の増加よりも留意すべきことは
【取扱い内容の難化】
です。
量の増加と共に質的にも変化し難易度が上がっています。
つまり
【量】の増加と取扱い内容の難化【質】の変化
が見て取れます。
文部科学省は、パターン的な基礎学習だけではなく、発展的な思考学習を学習指導要領で示しています。
この教科書の変化により
【出来る! 解る!】と【出来ない!わからない!】
の2極化が進むと予測されます。
そして、学習に対する意欲や取り組み方に影響が出て学習格差が生じる事が予測できます。
次回は【新しい教科書で学習にどのように取り組むべきなのか】についてお伝えします。
posted by marserTeacher at 23:53| 教科書が変わった