2016年02月28日
睡眠と体内時計
体内時計
みなさん、睡眠の周期は大丈夫ですか?
生物は体の中に時間を刻む仕組みを持っています。
これを体内時計といい、人間の体内時計の周期は25時間だそうです。
一日は24時間ですので、普通に考えれば毎日1時間ずつずれていきそうです。しかし毎日朝になり、体に光が浴びることで体内時計はリセットされ、またゼロからカウントされます。
規則正しい生活をしていれば体内時計が大きくずれることはありません。
ですが、不規則な生活をしている人は体内時計が乱れます。
起きる時間が不規則であれば、光を浴びて体内時計がリセットされる時間も狂ってくるので当然です。
体内時計の狂いは、それが小さなものであれば数日で元に戻すことができます。しかし、慢性的に体内時計が狂うと、自分の望むタイミングでは眠れなくなります。
これが概日(がいじつ)リズム睡眠障害と呼ばれる病気です。
少し分かりにくい名称ですが、概日リズム(=体内時計)が故障することによる睡眠障害ということです。
「朝に起きて夜になると寝る」という一般的な生活スタイルをしている人は、概日リズム睡眠障害になることはほとんどありません。
しかし、深夜勤務のある人や、昼夜不規則に仕事がある人などは睡眠リズムが変則的になりがちです。そのため体内時計が少しずつ故障していき、概日リズム睡眠障害におちいることが多いようです。
具体的な症状名は以下のようなものがありますので、ご参考まで。
睡眠相後退症候群(すいみんそうこうたいしょうこうぐん)
睡眠時間帯が後ろにずれてしまい、遅い時間にしか眠れない症状です。
早く眠ろうと思ってもなかなか眠れず、夜中から明け方になってようやく眠気がおとずれます。
起きるのは昼ころになることが少なくありません。
睡眠相前進症候群(すいみんそうぜんしんしょうこうぐん)
睡眠時間帯が前にずれて、極端に早い時間に眠くなる症状です。
夕方から眠くなり、深夜には目が覚めてしまいます。高齢者に多い症状と言われています。
不規則型睡眠覚醒パターン(ふきそくがたすいみんかくせいぱたーん)
体内時計が完全に故障してしまったタイプです。
睡眠のリズムがなくなり、昼夜を問わず不規則に眠くなります。
夜間の不眠や日中の眠気、昼寝の増加などが現れます。
非24時間睡眠覚醒障害(ひ24じかんすいみんかくせいしょうこうぐん)
就寝時刻と起床時刻が毎日1〜2時間ずつ遅れていくタイプです。
体内時計が正常に働かず、朝になってもリセットされません。
交代勤務睡眠障害(こうたいきんむすいみんしょうがい)
交代勤務や深夜勤務などを長期間続けることで、概日リズムが乱れてしまう睡眠障害です。
「寝つきが悪い、すぐに目が覚める」といった症状が現れやすくなります。
体内時計が狂うとどうなるのか
体内時計が狂うと次のような影響があります。↓
- 体内時計が狂うと時差ぼけ状態になる。昼間でも眠たい、夜寝つきが悪い、頭がさえないといった体調不良状態になる。
- 体内時計が狂った生活をすると太る。
- 体内時計と冬季うつ
- 生活習慣病になりやすくなる
- がんの発症リスクが高くなる
- 肌が乾燥する
- 長生きできない
(余談ですが、看護師の方でも日勤のみの方と日勤プラス夜勤の方では、日勤プラス夜勤の看護師の方が乳がんになるリスクは2.6倍も高くなるそうです。)
また、このような習慣がある人は要注意ですよ!
- 食事の時間がバラバラ
- 脂っこいものを好む
- 飲酒が多い(週に3〜4回)
- 肌が乾燥しやすい
- 寝る時間と起きる時間がバラバラ
理想的な体内時計習慣
起床は、朝6時。朝日を浴びましょう。
身体が起きる準備をするとき、コルチゾールというホルモンが分泌されます。
朝日を浴びることで脳の体内時計がリセットされます。
雨や曇りの日でもカーテンを開けましょう。脳に朝が来たことを教えてあげましょう。
(コルチゾールの分泌量は、朝、起床したときが最も多く、午後から夜にかけては徐々に減っていきます(日内変動)。)
起きてから1時間以内に朝食を。
身体のリズムを整える為にも、起床後1時間以内に朝食を摂りましょう。
その時は、パンやごはんなどのでんぷん質、卵、ハム、牛乳などのタンパク質が摂れる朝食にしましょう。
午後3時までに20分の昼寝を。
これも、今さかんに言われてますね。
15〜30分の昼寝をすると、そのあとの日中パフォーマンスが上がります。
1番理想的な昼寝時間は20分間です。目を閉じてるだけでも違いますのでやってみてください。
ただし、午後3時までに済ませておきましょう。
また、熟睡しすぎると起きるのが非常につらくなります。
夕食は夜8時までに。
時計遺伝子BMAL1(ビーマルワン)をご存知でしょうか?
ヒトの体には体内時計が備わっているというのはご存知の通りですが、その時計遺伝子の中で最も肥満に関わっているのが、このBMAL1(ビーマルワン)という遺伝子です。
約20種類ほど存在する時計遺伝子の中でも、体の脂肪の増減と大きく関係しているのがこのBMAL1。
BMAL1は脂肪の合成を促したり、血中のブドウ糖の量を増やす働きがあります。
BMAL1は時間帯によって量が異なり、一番多く発生しているのが夜22時から深夜の2時頃、逆に減っているのが昼過ぎの14時前後です。
という事は、この14時前後は比較的たくさん食べても脂肪にはなりにくく、逆に夜遅くに大量の食事をするとそれらが脂肪になりやすいということが分かりますね。
BMAL1が多く発生している時間帯に糖質がエネルギーとして使われないという事は、それらが脂肪に変わってしまうというコト。
上昇した血糖値が下がるのは食後約2時間後ですので、できればBMAL1がピークに達する22時の2時間前、つまり20時までには食事は済ませておきたいところですね。
そして、そこから2時間は眠らないようにしましょう。
ゆっくりお風呂に入って体をリラックスさせて、2時間を過ぎたくらいでスッと眠りにつけるようにするのがオススメです。
睡眠のメカニズム
人間は、目が覚めてから約15〜17時間後ぐらいに眠くなるというメカニズムを持っています。
朝起きた時間で、夜眠る時間が決まるということです。
いくら早く寝ようと思っても、
すでにその日の朝起きた時間によって、眠くなる時間が決まっているので、早く眠りたいときには、その日の朝に早起きしておくことが大切です。
(ちなみに管理人は朝の4時起きなので、夜の9時になるとスイッチが切れるが如く、寝てしまいます。
記事を書いてたりすると、マウスを握ったまま寝落ちすることもあります。計算すると、私の場合は約17時間で体内時計が調整されてるようです。)
ただお年寄りでは14時間程度、若い人では16時間と長くなることもありますが、
平均的には15時間前後のようです。
なぜ15時間かというと、朝起きてから休まないで脳を使っていると15時間ほどで機能が落ちてくるのです。
また、眠りのホルモン「メラトニン」も朝の光を浴びて15時間前後で体の中に分泌されてくるので、2つの効果が合わさって眠くなると考えられます。
では、皆さんがふだん寝足りないからといって日曜日の朝9時、10時まで寝ていたらどうなるでしょうか?
10時+15時間=25時(午前1時) と眠くなるのは真夜中すぎになってしまいます。
その結果、月曜日には睡眠不足となりマンデーブルーの原因になってしまいます。
月曜日には、交通事故、心筋梗塞等が多いことが報告されていますが、多分にこの睡眠不足が関係していると推測されます。
週末にいつまでも寝ていることが体のリズムを乱し、健康でなくなる一因にもなるのです。
睡眠も、ただ眠るだけではなく、自分の生活リズムを整えていくのが大事ですね。
もちろん、全員がこのパターンにはあてはまりませんが、ご自分の生活のなかで自分を労われるようなリズムをつくるのは大事なことだと考えます。
ぜひ、質の良い睡眠を取って、明日の活力につなげて下さい。
ありがとうございました。
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タグ:睡眠 体内時計
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