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2019年01月26日

【解説記事】金融商品取引業の違い:第一種金商と第二種金商は何が違うの?



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ソーシャルレンディングの案件構造

 今回は初心者の方向け記事になります。

 ソーシャルレンディング(=貸付型クラウドファンディング)で案件を作り募集を行うためには、以下の
 2つの業務が必要になります。

  @金融商品を作り、個人投資家から資金を集める業務
  A集めた資金を貸し付ける業務


  20190108ETC1.png
  (https://www.crowdport.jp/news/3278/ より引用)


 このうち、Aは貸金業者登録で行う業務。@は金融商品取引業の業務となります。

 金融商品取引業には4つの種類があり、その中でもソーシャルレンディングの事業者が登録しているのは
 「第一種金融商品取引業」「第二種金融商品取引業」のどちらかです。

 今回の記事は、第一種と第二種の金融商品取引業にどんな違いがあるのかの紹介です。


 checklist-1919328_960_720.jpg

ソーシャルレンディングだけなら「第二種」登録でOK

 まず簡単に、第一種と第二種の登録で何ができるかというと、次のようになります。


  ・第一種金融商品取引業
   株式や社債などの有価証券の販売、勧誘、顧客資産の管理業務などを行うための登録。
   証券会社やFX会社などが登録しているのはこちら。


  ・第二種金融商品取引業
   信託受益権や集団投資スキーム(クラウドファンディング)持分の販売や加入を行うための登録。
   第一種と比べて流動性が低い。


 ほとんどのソーシャルレンディング事業者は、「第二種金融商品取引業」のみの登録をしています。
 その理由は単純で、以下の2点によるものです。

  ・ソーシャルレンディング業務を行うだけなら、第二種登録で問題ない
  ・第一種登録の方が、登録されるための条件がキツい



 では次に、第一種と第二種で登録条件にどんな違いがあるかの比較です。

第一種と第二種の登録条件

 第一種と第二種金融商品取引業の登録を受ける条件は何が違うのか。
 まとめてみると、次のようになります。

 20190108ETC2.png

 比べると第一種登録の場合、特に資本金、純資産、自己資本規制比率の点で厳しい規制がかかっています。
 これはつまり、第一種登録は流動性の高い金融商品を扱うため、より高い財務健全性が求められていると
 いうことでしょう。

 従って、第一種金融商品取引業の登録を受けているということは、財務面においてはかなり堅固な状況を
 作り上げ、維持している
と言えると思います。

ソーシャルレンディングの案件構造

 ソーシャルレンディング事業を行うためには「第二種」があれば良く、通常であればより厳しい登録要件を
 求められる「第一種」の登録を行う必要はありません。

 ただ実際には、「証券業者がソーシャルレンディングをやるようになった」という理由で、事業者の中には
 第一種登録を行っているところもあります。
 この記事を書いている時点で、そういった事業者は二つ。

 一つはクラウドバンク。
 日本クラウド証券のソーシャルレンディング事業者であり、日本のソシャレン業界で第3位の実績。
 証券業の強みを活かした「米ドル預かり案件」などが特徴です。

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 もう一つはSAMURAI。
 SAMURAI証券が運営する、ソーシャルレンディングと同時に投資型クラウドファンディングも取り扱う
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  20181027SAM1.jpg

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現在の「ソーシャルレンディング最大手」はどこなのか?



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最近は状況が変わってきました

 今回はタイトル通りの話題です。

 1〜2年前まで「ソーシャルレンディング最大手」と言えば、最古参でもあるmaneoである、ということは
 論を待たなかったと思います。
 しかしその後、グリーンインフラの問題を皮切りにmaneoマーケットに行政処分が下され、明らかに潮目が
 変わってきました。
 では現在はどうなのか、ということを少し調べてみました。

SBI SLの融資残高・登録者数など

 現状、ソシャレンの最大手候補と言えばSBIソーシャルレンディング(SBI SL)でしょう。
 SBI SLでは、毎月の融資状況を公開しています。12月は下記の通り。


 20190117SBI1.jpg


 ちなみに2ヶ月前の10月時点では融資残高285億円・登録完了数2万6,054名でしたので、この2ヶ月ほどで
 融資残高を40億円、登録完了数を3,000名ほど増やしたことになります。

 ソーシャルレンディングを取り巻く現在の環境を考えると、かなりの健闘と言えるのではないでしょうか。

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単月募集額はSBI SLの圧勝

 一方、クラウドポート(現在はZUU Funding)のサイトでは前月の応募額が出ています。
 それによると、maneoの応募額は前月で19.5億円。
 ただし、このランキングにはSBI SLは掲載されていません。

 20190117MN1.jpg


 一方、SBI SLの応募額は、SBI SL自身が公開しています。
 下記グラフの濃い青線が「募集額」なので、その額はおおよそ40億円。
 maneoの実績を倍ほどぶっちぎって、単月ならSBI SLが最大手ということになりそうです。

 20190117SBI3.jpg

現在投資額・累計投資額は?

 では、現在投資額と累計投資額はどうでしょうか。

 現在投資額はSBI SLの場合、「融資残高」の325億円。
 maneoはWebサイトにある「返済中」の額から考えると、約270億円。
 この結果より、現在投資額についてもSBI SLが現在最大手と言えそうです。


 一方、累計投資額ならmaneoが1,560億円に対してSBI SLが845億円。
 これまでの累計実績であればまだmaneoが最大手ですが、重要なのは累計ではなく現在実績。
 現状を考える限り、SBI SLが最大手と言って良いのではないかと思います。


 最大手=安定、という図式が成り立たないのはmaneoの例が証明してしまっていますが、SBI SLについては
 背負っている看板の大きさが違うため、めったな事はできないと予想されます。

 ソーシャルレンディングを行う上では、SBI SLへの投資は欠かせないと言えるのではないでしょうか。
 現在、私の投資額は1,500万円弱。もちろん私にとっても、投資先として欠かせない事業者です。


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posted by SALLOW at 09:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | 投資の話題


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