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2018年05月08日

中国首相の朝日新聞寄稿文の解読法

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 本日の朝日新聞には中国の李克強首相の寄稿が掲載されています。内容はともかくとして、かなり格の高い大きな特ダネです。

 各国首脳は外国に訪問するときに、訪問先の国のメディアの取材に応じたり文書で所信を伝えます。安倍晋三首相も外国訪問に当たって、その国を代表するメディアの取材に応じるのが慣例です。
 記者会見ではないので、新聞と放送のそれぞれ1社か計1社に限られます。その国がどのメディアを重視しているかを示すことになりますし、選ばれたメディアにとってはそれだけ権威が高まるということになります。
 今回でいえば、中国政府は朝日新聞を重視しているということですし、現在の朝日の北京駐在の支局長は十分に中国政府と意思疎通を行ってきた証だということになります。
 このため、朝日の記事は冒頭で「李氏が日本メディアに寄稿するのは、2013年の首相就任以来初めて」と誇っています。

 ただ、内容はというと、一言でいえば経済分野を中心に日中関係の改善を図り、日本側には歴史問題などで中国への心配りをしてもらいたいということであって、新味はありません。
 朝日の記事のリードには「金融機関などが人民元で中国本土の証券に投資できるようにする『人民元適格国外機関投資家』の投資枠を日本に付与することも表明」とあります。どうやらこの部分だけが真の意味でニュースに当たるようですが、私はこの制度のことを全く知らないので評価ができません。
 朝日への寄稿には北朝鮮に関する言及はありません。中国の首相が外国メディアに当てたこ公式表明で北朝鮮に触れることはあり得ません。従来の立場が変化するとは思えず、日中韓首脳会談で安倍政権が期待するような北朝鮮に厳しい態度表明はあるはずがないと考えるべきでしょう。

一方、韓国の文在寅大統領は読売新聞の書面インタビューに答えています。読売も「昨年5月の就任以降、日本のメディアのインタビューに応じたのは初めて。4月27日の北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長との南北首脳会談後、韓国内外のメディアとのインタビューも初めてとなる」と意義を強調しています。
 とはいえ、「南北改善は北非核化前提」という見出しから、中身の薄さがよく分かります。

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新聞記者をしておりましたがリタイアし、空いた時間をマスコミ志望の方に役立つ情報発信をしたいと思い、ブログを開設しました。新聞記事には独特の表現を使って、政治の見通しや国際政治の展望を書いていることが多くあります。そのような内容をお伝えしたいと思っています。感想や質問があれば、遠慮なく書き込んでください。
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