2012年08月22日
『まさか坂〜雲の隙間から見えたその上』
リクエストにお応えして、ここで一曲流します。リクエストのおハガキは、ペンネーム「まゆみさん」ですね。ご自身の体験談を書かれていますね……。レズビアン関係を求められた体験談です。それにピッタリの曲をお聞きください。歌のタイトルは『まさか坂〜雲の隙間から見えたその上』です。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
大学3回生ぐらいだっただろうか? クラスの男女同士で結婚が決まった。しかも同じ寮生同志。この男の方は、クラスで唯一、しっかりアメフト部に入った男だ。スキンヘッドに近い。まあ、坊主と言った方が正しい。そういう縁もあって、大学1回生ぐらいの時は始めよく話していた。
実はこの二人、できちゃった結婚なのだが、世の中、なんでそういうのに過度に反応するんだ? 何が悪い? 愛し合う二人なら、将来を誓い合う二人なら何も問題ないではないか。
ある日、クラスの中心的女子達から電話がかかってきた。確か電話をかけてきたのは、“小泉真紀”だ。そう、東京大学物語で言うところの、あんな感じの女性。要領が良くて、テスト前にノートをかき集めるのが上手い。俺は随分助かった。いろんな情報を教えてくれる。「今度レポートの提出あるよ」とか。「講義の登録、明日までだからね」とか。
今度、寮で結婚祝いのパーティがあるから一緒に行かないかというお誘いだった。寮という言葉を聞いて、俺はちょっと躊躇した。というのは、一度ギャングスターズの先輩に呼ばれて吉田寮に入ったことがあるからだ。
(人間の住む場所じゃねぇ)って思った。床が抜けそうだ。あの家庭の厄介者がどれだけ出るかわからない。
でも、場所は熊野寮だった。一応はコンクリート。古いけど。まあ行ってみることにした。確か男はバーテンと俺、女性はアネゴと女ボスと小泉真紀とスマイルだったと思う。この当時では、アネゴと女ボス不仲説は消えて……いた?
行ってみて、正直面白くなかった。寮生の内輪ウケけばかりだ。そのうち、女性陣が男性グループの輪に紛れていく。バーテンも話上手なので、その辺でいろいろ話してる。
シラケ始めて、帰ることにした。まあ、みんな楽しんでるみたいだし、放っといて帰ろう。そう思って家路についた。この当時俺はまだ同棲している。
家に帰ってゆっくりしていたら、焦った声でアネゴから電話がかかってきた。
「ああ、よかったあ。家におった。探し回ったんやで。みんなで。どこ行ったんかな思て」この時点で携帯は持ってない。
「うん。一言かければ良かったかな? でもみんな話し込んでたから」
「どんだけ心配した思てんの? どこかの部屋に連れ込まれとるんちゃうかなって」
「え??? どういうこと???」
「あんなぁ。あの人ら、何でもありみたいなとこあんねんで。りゅうき君、肌が女の子以上にキメ細かいとこあるし、顔見たらちょっと女も入ってるし」
「でも、大丈夫でしょ抵抗したら」
「あんなぁ。集団で来られたらどうすんの? アメフト部とかもおんねんで!?」
…………なんて恐ろしいダンジョンだ。それに、相変わらずこの人は訳知りだ。
その後、その男一人女四人がオイラが同棲してるマンションに訪れてみんなで飲み直しした。オブジェは相変わらずモジモジしてる。
…………スライム系モンスターの棲家??Σ(°Д°;
社会人になって、こんなこともあった。新人の頃だ。その当時課長補佐だった上司がめちゃくちゃ絡んでくる。高校の先輩で、いろいろ教えてくれるのはありがたいのだが、いつもべったりだ。
何せ、毎日毎日昼休みに二人きりで飯に連れ出す。何回も、仕事終わりに二人で飲みに行こうと誘う。俺としては気の休まる暇がない。昼休みぐらいゆっくりしたかった。
この上司、入って3か月目ぐらいの俺を遠距離出張にも同行する。後で知ったが、基本何もわからない新人を遠距離の自治体への出張へと連れ出す必要はまったくないらしい。話を聞く相手は、向こうの部長とか課長とか。実際に行ったら局長級も出てきた。名刺を交換して、俺も驚いたし、相手も驚いている。この出張は、その課長補佐がゴリ押しして俺を同行したらしい。
その当時、まだ平の役職に“補”がつく俺の提案を、いろいろとかけあって局長や首長ぐらいまでのせてくれる。実力はある人だ。その当時オイラが提案していたのは、NPO・ボランティア育成促進基金の設立、市民参画呼びかけのための歌の作成等。前者は、つい最近本当にできたのをニュースで知った。
…………何年かかってる?( ゚д゚)ポカーン 意思決定遅すぎだろ。お前ら。いろいろ詰める問題はあるにしても。
この人物について何だか妙だと感じ始める。この人の可愛がり方は、部下や高校の後輩という枠さえ超えて過度だ。
この人について、噂で知った。「あの仁の結婚の遅れたとは、若か頃、男が好きだったからて言う話のあるとたい」「偽装結婚じゃないかっていう話もあるとよ」
――――――そういうことなんですかっ。先生! こういう世界もあるんですねっ。先生!
もう警戒し始めた。それとなく拒絶の意思を表示する。もう一緒に飯を食いに行くことも、酒を飲みに行くこともしなくなった。
そうしたら、職場でいろいろとプライバシーに干渉してくるようになった。特に女性関係に口を挟む。見かけた彼女とのデート風景、同僚Fさんとの会話・行動、知ったことすべてに口を挟む。いい加減うんざりだ。
(俺はあなたの小姓じゃないんですよ!)
Fさんと話すのに、文句をつけてるのは「Fちゃんは俺達のアイドルぞ。手ば出すなよ」って言うんだけど、何かおかしい。
一度本当に鳥肌がたったのは、先進事例をネットで調査してて「こういう事例何て、うちでも取り入れられるんじゃないですか? 人口規模も似てますし」とか言ったら、
「どぎゃんとや」って言って、俺のマウスを持つ手に、じとっと汗のかいた手を乗せてきて、それでパソコンを見始めたことだ。
(俺の手に、手を重ねる必要、まったくねえじゃん)
その後、いろいろ怪しいことはあったが、事なきを得た。
オイラは、実はNH達にモテたこともある。獣医師資格を持つ同期の女の子と二人で飲みにいった。20代後半ぐらいの時だった。この子とは、公務員の2次試験のグループディスカッションの時に初めて出逢った。この子と言ったが、2歳年上。グループディスカッションのお題は「熊本の観光を発展させるために何をすべきか」
この子は神戸出身。俺はその当時、京都に住んでる。自然、観光地の事例をひきながらグループディスカッションを主導した。そして、実際に入庁して再会した。
当然一人暮らし。飼ってるネコだけが親しい友達みたいな感じだ。俺もその当時誰とも付き合ってない。Mちゃんと別れ、誰とも恋ができなかった時だ。合コンばっかりしてた。
二人で飲んでいるうちに、どういう話の経緯だったか、熊本にもあるというNHパブに行ってみることにした。
「うわ〜、綺麗。ほんとに元男の人?」
「ふふ。やっぱりお笑い担当の人もいるんだね」そんな感じの会話をしながら過ごしてた。端の方だけど1番前列の席だった。
そのうち、ダンスを終えたNH達が、お客さんにサービスというか、お客さんの方へ行って、会話をしながら盛り上げるみたいなことを始めた。
「あら〜、こちらカップル? 羨ましいわ〜」
「いや、そんなんじゃ……」
「ふ〜ん、お相手の方はどう思ってるのかしら?」
「職場の同期で……」
「じゃあ、私たちが好きにしていいのね?」日本人もいたが、半分以上は外国人だ。東洋系、西洋系様々。言葉も英語だったり日本語だったり。ほとんどはビジュアル担当の人達だった。
「ホンマ、めっちゃ綺麗。ダンスも素晴らしかった。ホレてまうやろ〜」(もちろん最後の一文は創作)
「あら、嬉しいこと言ってくれるのね」
その後のコンビネーションは、見事としか言いようがない。10数人ぐらいで壁をつくる。周りの客からは、おそらくあまり見えない。彼女の方にも、目隠しのように、身体をいれてブロックする。
その後は…………。
「ああああああああああああああああああああああ」代る代る、いろんな国籍らしきお姉さん? がキスをしてくる。ホッペの人もいるし、口にしてくる人もいる。舌を入れてくる人もいる。自分の身体を見せつけてくる人もいる。電話番号を渡してきた人もいた。おそらく、その壁を作ってたすべてのお姉さん? 方とキスはした。
やっと壁がなくなった。その時俺は茫然自失だった。(◎皿◎)ナンデスト!!こんな世界がっ。すごい世界を知った気がした。後で聞いたが、その時獣医師は手で目隠しとかもされていたらしい。
世界は広いですねっ先生!(誰のことなんだ? たびたび)やっぱり本ばかりじゃっ、世の中学べないものばかりだっ!!
その後、バーにも寄って、酔って不思議と盛り上がった二人の男女は、夜の闇に紛れた。
ジェンダー論、こういう関係のビラは、よく大学構内に貼られていた。興味がないこともなかったが、単位の取りやすい講義を優先していたので、そういう講義を受けたことはない。
しかし、実体験とか今テレビで見ている情報とかで、いろんな性別があることを理解している。自分は男でしかないが、男が好きなタイプ。そして、自分の性認識は女でしかないのに、身体は男として生まれた人達。
いろんなタイプがいる。後者の場合は、特に悩み多いことだろう。
また、その逆もしかり。
そういう人生の選択。これも人の自由だろう。人がとやかく言うことじゃない。人の一方的価値観で偏見を持つべきことじゃない。
『男の娘』という存在が近年注目されているようだ。興味のある男性も女性もいるだろう。
いいじゃないか。自由じゃないか。
「自分の生き方は自分で決めるべきだし、そういう強さを持ってる人が魅力的なんじゃないのか?」
「手を繋ぐぐらいでいい。並んで歩くぐらいでいい。それすら危ういから……」またあの歌が聴こえてきた。
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大学3回生ぐらいだっただろうか? クラスの男女同士で結婚が決まった。しかも同じ寮生同志。この男の方は、クラスで唯一、しっかりアメフト部に入った男だ。スキンヘッドに近い。まあ、坊主と言った方が正しい。そういう縁もあって、大学1回生ぐらいの時は始めよく話していた。
実はこの二人、できちゃった結婚なのだが、世の中、なんでそういうのに過度に反応するんだ? 何が悪い? 愛し合う二人なら、将来を誓い合う二人なら何も問題ないではないか。
ある日、クラスの中心的女子達から電話がかかってきた。確か電話をかけてきたのは、“小泉真紀”だ。そう、東京大学物語で言うところの、あんな感じの女性。要領が良くて、テスト前にノートをかき集めるのが上手い。俺は随分助かった。いろんな情報を教えてくれる。「今度レポートの提出あるよ」とか。「講義の登録、明日までだからね」とか。
今度、寮で結婚祝いのパーティがあるから一緒に行かないかというお誘いだった。寮という言葉を聞いて、俺はちょっと躊躇した。というのは、一度ギャングスターズの先輩に呼ばれて吉田寮に入ったことがあるからだ。
(人間の住む場所じゃねぇ)って思った。床が抜けそうだ。あの家庭の厄介者がどれだけ出るかわからない。
でも、場所は熊野寮だった。一応はコンクリート。古いけど。まあ行ってみることにした。確か男はバーテンと俺、女性はアネゴと女ボスと小泉真紀とスマイルだったと思う。この当時では、アネゴと女ボス不仲説は消えて……いた?
行ってみて、正直面白くなかった。寮生の内輪ウケけばかりだ。そのうち、女性陣が男性グループの輪に紛れていく。バーテンも話上手なので、その辺でいろいろ話してる。
シラケ始めて、帰ることにした。まあ、みんな楽しんでるみたいだし、放っといて帰ろう。そう思って家路についた。この当時俺はまだ同棲している。
家に帰ってゆっくりしていたら、焦った声でアネゴから電話がかかってきた。
「ああ、よかったあ。家におった。探し回ったんやで。みんなで。どこ行ったんかな思て」この時点で携帯は持ってない。
「うん。一言かければ良かったかな? でもみんな話し込んでたから」
「どんだけ心配した思てんの? どこかの部屋に連れ込まれとるんちゃうかなって」
「え??? どういうこと???」
「あんなぁ。あの人ら、何でもありみたいなとこあんねんで。りゅうき君、肌が女の子以上にキメ細かいとこあるし、顔見たらちょっと女も入ってるし」
「でも、大丈夫でしょ抵抗したら」
「あんなぁ。集団で来られたらどうすんの? アメフト部とかもおんねんで!?」
…………なんて恐ろしいダンジョンだ。それに、相変わらずこの人は訳知りだ。
その後、その男一人女四人がオイラが同棲してるマンションに訪れてみんなで飲み直しした。オブジェは相変わらずモジモジしてる。
…………スライム系モンスターの棲家??Σ(°Д°;
社会人になって、こんなこともあった。新人の頃だ。その当時課長補佐だった上司がめちゃくちゃ絡んでくる。高校の先輩で、いろいろ教えてくれるのはありがたいのだが、いつもべったりだ。
何せ、毎日毎日昼休みに二人きりで飯に連れ出す。何回も、仕事終わりに二人で飲みに行こうと誘う。俺としては気の休まる暇がない。昼休みぐらいゆっくりしたかった。
この上司、入って3か月目ぐらいの俺を遠距離出張にも同行する。後で知ったが、基本何もわからない新人を遠距離の自治体への出張へと連れ出す必要はまったくないらしい。話を聞く相手は、向こうの部長とか課長とか。実際に行ったら局長級も出てきた。名刺を交換して、俺も驚いたし、相手も驚いている。この出張は、その課長補佐がゴリ押しして俺を同行したらしい。
その当時、まだ平の役職に“補”がつく俺の提案を、いろいろとかけあって局長や首長ぐらいまでのせてくれる。実力はある人だ。その当時オイラが提案していたのは、NPO・ボランティア育成促進基金の設立、市民参画呼びかけのための歌の作成等。前者は、つい最近本当にできたのをニュースで知った。
…………何年かかってる?( ゚д゚)ポカーン 意思決定遅すぎだろ。お前ら。いろいろ詰める問題はあるにしても。
この人物について何だか妙だと感じ始める。この人の可愛がり方は、部下や高校の後輩という枠さえ超えて過度だ。
この人について、噂で知った。「あの仁の結婚の遅れたとは、若か頃、男が好きだったからて言う話のあるとたい」「偽装結婚じゃないかっていう話もあるとよ」
――――――そういうことなんですかっ。先生! こういう世界もあるんですねっ。先生!
もう警戒し始めた。それとなく拒絶の意思を表示する。もう一緒に飯を食いに行くことも、酒を飲みに行くこともしなくなった。
そうしたら、職場でいろいろとプライバシーに干渉してくるようになった。特に女性関係に口を挟む。見かけた彼女とのデート風景、同僚Fさんとの会話・行動、知ったことすべてに口を挟む。いい加減うんざりだ。
(俺はあなたの小姓じゃないんですよ!)
Fさんと話すのに、文句をつけてるのは「Fちゃんは俺達のアイドルぞ。手ば出すなよ」って言うんだけど、何かおかしい。
一度本当に鳥肌がたったのは、先進事例をネットで調査してて「こういう事例何て、うちでも取り入れられるんじゃないですか? 人口規模も似てますし」とか言ったら、
「どぎゃんとや」って言って、俺のマウスを持つ手に、じとっと汗のかいた手を乗せてきて、それでパソコンを見始めたことだ。
(俺の手に、手を重ねる必要、まったくねえじゃん)
その後、いろいろ怪しいことはあったが、事なきを得た。
オイラは、実はNH達にモテたこともある。獣医師資格を持つ同期の女の子と二人で飲みにいった。20代後半ぐらいの時だった。この子とは、公務員の2次試験のグループディスカッションの時に初めて出逢った。この子と言ったが、2歳年上。グループディスカッションのお題は「熊本の観光を発展させるために何をすべきか」
この子は神戸出身。俺はその当時、京都に住んでる。自然、観光地の事例をひきながらグループディスカッションを主導した。そして、実際に入庁して再会した。
当然一人暮らし。飼ってるネコだけが親しい友達みたいな感じだ。俺もその当時誰とも付き合ってない。Mちゃんと別れ、誰とも恋ができなかった時だ。合コンばっかりしてた。
二人で飲んでいるうちに、どういう話の経緯だったか、熊本にもあるというNHパブに行ってみることにした。
「うわ〜、綺麗。ほんとに元男の人?」
「ふふ。やっぱりお笑い担当の人もいるんだね」そんな感じの会話をしながら過ごしてた。端の方だけど1番前列の席だった。
そのうち、ダンスを終えたNH達が、お客さんにサービスというか、お客さんの方へ行って、会話をしながら盛り上げるみたいなことを始めた。
「あら〜、こちらカップル? 羨ましいわ〜」
「いや、そんなんじゃ……」
「ふ〜ん、お相手の方はどう思ってるのかしら?」
「職場の同期で……」
「じゃあ、私たちが好きにしていいのね?」日本人もいたが、半分以上は外国人だ。東洋系、西洋系様々。言葉も英語だったり日本語だったり。ほとんどはビジュアル担当の人達だった。
「ホンマ、めっちゃ綺麗。ダンスも素晴らしかった。ホレてまうやろ〜」(もちろん最後の一文は創作)
「あら、嬉しいこと言ってくれるのね」
その後のコンビネーションは、見事としか言いようがない。10数人ぐらいで壁をつくる。周りの客からは、おそらくあまり見えない。彼女の方にも、目隠しのように、身体をいれてブロックする。
その後は…………。
「ああああああああああああああああああああああ」代る代る、いろんな国籍らしきお姉さん? がキスをしてくる。ホッペの人もいるし、口にしてくる人もいる。舌を入れてくる人もいる。自分の身体を見せつけてくる人もいる。電話番号を渡してきた人もいた。おそらく、その壁を作ってたすべてのお姉さん? 方とキスはした。
やっと壁がなくなった。その時俺は茫然自失だった。(◎皿◎)ナンデスト!!こんな世界がっ。すごい世界を知った気がした。後で聞いたが、その時獣医師は手で目隠しとかもされていたらしい。
世界は広いですねっ先生!(誰のことなんだ? たびたび)やっぱり本ばかりじゃっ、世の中学べないものばかりだっ!!
その後、バーにも寄って、酔って不思議と盛り上がった二人の男女は、夜の闇に紛れた。
ジェンダー論、こういう関係のビラは、よく大学構内に貼られていた。興味がないこともなかったが、単位の取りやすい講義を優先していたので、そういう講義を受けたことはない。
しかし、実体験とか今テレビで見ている情報とかで、いろんな性別があることを理解している。自分は男でしかないが、男が好きなタイプ。そして、自分の性認識は女でしかないのに、身体は男として生まれた人達。
いろんなタイプがいる。後者の場合は、特に悩み多いことだろう。
また、その逆もしかり。
そういう人生の選択。これも人の自由だろう。人がとやかく言うことじゃない。人の一方的価値観で偏見を持つべきことじゃない。
『男の娘』という存在が近年注目されているようだ。興味のある男性も女性もいるだろう。
いいじゃないか。自由じゃないか。
「自分の生き方は自分で決めるべきだし、そういう強さを持ってる人が魅力的なんじゃないのか?」
「手を繋ぐぐらいでいい。並んで歩くぐらいでいい。それすら危ういから……」またあの歌が聴こえてきた。
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