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2021年01月15日

「痴人の愛」本文 角川文庫刊 vol,11



「痴人の愛」本文 角川文庫刊 vol,11



「どうだね、ナオミちゃん、ほんとうにお前、学問をしたい気が在るかね。あるなら僕が習わせてあげてもいいけれど」

それでも彼女が黙っていますから、私は今度は慰めるような口調で言いました。



「え?ナオミちゃん、黙っていないで何とかお言いよ。お前は何をやりたいんだい。何が習って見たいんだい?」

「あたし、英語が習いたいわ」



「ふん、英語と、それだけ?」

「それから音楽もやって見たいの」



「じゃ、僕が月謝を出してやるから、習いに行ったらいいじゃないか」

「だって女学校に上がるのには遅すぎるわ。もう十五なんですもの」



「なあに、男と違って女は十五でも遅くはないさ。それとも英語と音楽だけなら、女学校へ行かないだって、別に教師を頼んだらいいさ。どうだい、お前真面目にやる気があるかい?」



「あるにはあるけれど、じゃ、ほんとうにやらしてくれる?」

そう言ってナオミは、私の眼の中を俄かにハッキリ見据えました。



「ああ、ほんとうとも。だがナオミちゃん、もしそうなればここに奉公している訳には行かなくなるが、お前の方はそれで差し支えないのかね。

お前が奉公を止(や)めていいなら、僕は引き取って世話をしてみてもいいんだけれど。・・・・・・そうしてどこまでも責任を以(も)って、立派な女に仕立ててやりたいと思うんだけれど」



「ええ、いいわ、そうしてくれれば」


                                                  次回に続く。























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