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2021年02月16日

「痴人の愛」本文 角川文庫刊vol,53


「痴人の愛」本文 角川文庫刊vol,53

こう云う傲慢な、わがままな根性は、前から彼女にあったのであるか、或いは私が甘やかしすぎた結果なのか、いずれにしても日を経るにしたがってそれがだんだん昂じて来つつあることは明らかでした。

いや、実は昂じて来たのではなく、十五六の時分にはそれを子供らしい愛嬌として見逃していたのが、大きくなってもやまないので、次第に私の手に余るようになったのかも知れません。

どんなにだだを捏ねても、叱言を言えば素直に聴いたものでしたが、もうこの頃では少し気に食わないことがあると、すぐにむうっと膨れ返る。

それでもしくしく泣いたりされればまだ時には私がいかに厳しくしかりつけても涙一滴こぼさないで、小憎らしいほど空とぼけたり、例の鋭い上目を使って、まるで狙いをつける様に一直線に私を見据える。

若し実際に動物電気というものが在るなら、ナオミの目にはきっと多量にそれが含まれているのだろうと、私はいつもそう感じました。

何故ならその眼は女のものとは思われない程、炯々(けいけい)として強く凄まじく、おまけに一種底の知れない深い魅力を湛えているので、グッと一息に睨(ね)められると、折々ぞっとするようなことがあったからです。



■■第七話■■

その時分、私の胸には失望と愛慕と、互いに矛盾した二つのものが交(かわ)る交(が)わる鬩(せめ)ぎ合っていました。


引用書籍
谷崎潤一郎「痴人の愛」
角川文庫刊


次回に続く。





















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