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2015年06月14日

スラムダンク その後 〜Another Story 国体編 Part21 拮抗

神奈川代表スターティングメンバー

牧紳一 (3年)
赤木剛憲(3年)
仙道彰(2年)   
流川楓(1年)
三井寿(3年)


大阪代表スターティングメンバー
土屋淳史(3年)
南烈(3年)
岸本実理(3年)
板倉大二朗(2年)
遠藤譲(2年)



土屋「牧、悪いが勝たせてもらうぞ。」



牧「土屋か。悪いな。俺たちはここを目標にしていない。優勝だ。


  お前たちを相手にしている暇はない。」
  
  
彦一「さ、さすが牧さんや。顔が全国区や。さすが全国2位は伊達じゃないで。」



土屋「まぁ、試合結果がすべてだ。お互い最後の国体だ。全力でぶつからせてもらうぞ。」


牧「よろしくな。」



コートサイドでひたすらメモを取り始める彦一。


記者席ではその彦一のお姉さんの弥生が同じようなことを言っていた。


弥生「全国常連の牧君と今年のインターハイで一躍有名人になった土屋君ね。


   面白い戦いだわ。」
   
   
中村「確かに面白いですね。点の取り合いになりそうです。」


弥生「なーにが点の取り合いよ。実力が拮抗しているときは、得てしてそうならない可能性が高いわ。」




第1Qが始まった。


赤木「ウホっ!」


観客「おおー、たけぇ。」



赤木がはじいたボールはすかさず牧が拾った。ゴール前に走っている流川に向けてボールを送った。


が、そこに土屋の手が!!


土屋「甘いわ。それ、湘北の奴らがインターハイでやってたで。あの流川は気を付けておこうって

 
   下調べできてるよ。」
   
   
そして土屋から南へパスが。


あっという間に、3Pライン付近まで来た。



流川「いれさせねぇぜ。」



流川が大きくブロックの態勢に入った。


しかし、南はそれを交わして、切れ込んだ。


流川「!!」



しかし、赤木が立ちはだかる。



南は、奥まで切れ込まず、急停止。そこでジャンプショットを決めた。


南「流川よ、インターハイの借りは返させてらもう。


  日本一の選手は俺がなる。」
  
  
流川「(メラメラメラ)」


先制点は大阪だった。


牧は、


牧「すまん、安直すぎたな。まずは一本返そう。」


そういっておきながら、凄まじい勢いのペネトレイトでキレこんだ。


牧も負けん気が強いのだ。


観客「あの黒いのも速いぞ!」


土屋「遠藤、止めろ!」


遠藤が牧についたために、フリーになった赤木。


ゴール下まで潜り込んだ牧は、そこで赤木にパス。


赤木「ウホッ!」



彦一「で、でたーーー。これが、神奈川のゴリラダンクやーーー!」


清田「相変わらずゴリラだな。」


神奈川のメンバー内で赤木以外のメンバーは赤木をゴリラと呼ぶことに


何の違和感もなくなってきた。


安西「さすが赤木君ですね。冷静に対処できている。」


北野「安西、なぜあの選手が3年まで全国に出てこなかった?


   全国でもトップレベルのセンターだぞ。」
   
   
安西「うん、僕の力不足だ。彼のワンマンチームになってたから。」



桜木「グレてる奴がいたからな。わっはっは。」



土屋「走るぞ。お前らラン&ガンで勝つんだろ!」



岸本「よっしゃ。」



スピードで勝負に来た大阪。しかし、神奈川もスピードでは負けてなかった。



仙道が岸本のシュートをブロックし、攻撃を止めた。



仙道、流川の高速フォーワードコンビには大阪以上のスピードでカバーした。



それに加え牧も速さでは負けてなかった。また、ポジショニングのうまさで相手の


パス出しを少し遅らせ、スピードを封じる三井。


逆に神奈川の攻撃も牧を徹底マークする土屋が攻撃の起点を遅らせることで


神奈川のスピードに乗った波状攻撃を防いでいた。


お互いスピードを持ち味としていたが、思ったよりロースコアの展開になった。




第1Q終了後

神奈川代表 17

大阪代表  16


弥生「意外な展開だわ。」


中村「そうですね。もっと点の取り合いになるかと思っていました。」






(続く)
posted by だんす at 17:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | 国体編

2015年06月13日

スラムダンク その後 〜Another Story 国体編 Part20 土屋と遠藤

高頭は、スターティングメンバーを発表した。


高頭「まぁ、昨日と同じだ。牧、赤木、仙道、流川、三井。しっかり頼むぞ。」


牧「赤木よ。スピードについて来いよ。」


赤木「フッ。愚問を。」


仙道「今日は味方だな。点取り勝負でもしてみるか?」


流川「てめぇには二度と負けねぇ。」



神「三井さん、いつでも代わりますからね。」



三井「おっ、おおっ。が、がんばってくるわ。


   (神の奴、ちょっと雰囲気が変わったか?)」
   
   
牧「(神の奴、少し積極的になりつつあるか?いい傾向だな)」



その頃、大阪のメンバーがコートに現れた。


観客「くぉらーーーー、神奈川に負けたら許さへんでーー!」


観客「南ーーーー。しっかり頑張れよ!得点王になるんやでー。」



大阪からの大応援団だ。



岸本「アイツら相変わらずだな。」


南「あぁ、インターハイでは期待に応えられなかったからな。


  それでも応援に来てくれているアイツらのためにも負けられねぇ。」


小学生「こらーーー、兄ちゃん達。今度は勝ってやー!」


岸本「ん、・・・あぁああああああ。」


南「き、北野さん。き、来てくれてはる。」



北野は、ミニバスの大会にかこつけて、小学生たちを連れて見に来たのだ。


北野「また、安西のところのガキどもと戦うとはな。


   なぁ、安西。3人もスタメンになってるそうじゃねぇーか。」
   
   
安西「うん。うちの選手は、全国でも十分通用する実力があるから。」


北野「おっ、言うようになったじゃねぇか。


   今回は、南達は前回の負けからしっかりと立て直してきたぞ。
   
   
   アイツらの実力は、あんなもんじゃねぇぞ。
   
   
   今日は楽しみに見させてもらう。」


隣で聞いていた彩子たちは小さな声で話をしていた。   
   

彩子「晴子ちゃん、安西先生の横にいるおっさんはだれ?」


晴子「し、しらないです。てっきり彩子さんは知ってるのかと思った。」



北野「おっ。そこのあけぇの。怪我の具合はどうなんだ。



   今回はでれねぇそうだな。」
   
   
桜木「誰?この貧相なオヤジは?」



北野「(ずーーーん。ひ、貧相なオヤジ?)」


晴子「さ、桜木君、言葉遣いに気を付けて!」


安西「ほっほっほ。北野君は私の大学の同級生ですよ。」  


南「ん!?北野さんが湘北の赤いやつとなんか話をしてるな。」


岸本「まあ、関係あらへん。北野さんに2回も負けを見せるわけにはいかへんで。」


土屋「気合が入ってるな。今日は勝つで。ゲームのコントロールは俺がする。


   お前ら豊玉メンバーは 点をしっかり取ってくれ。
   
   
   遠藤、俺たちは、ディフェンスをしっかり頑張るぞ。」
   
   
遠藤は、大栄学園のセンターの2年生だ。リバウンドに定評がある194pのセンターで



大栄学園の大黒柱だ。



遠藤「うすっ。大栄の選手のすごいところを見せてやりましょう!」


土屋と遠藤でチームを引っ張りインターハイで大栄学園は勝ち上がったのだ。


土屋は遠藤に対して後輩ではあるが、安心感を持っていた。


土屋「あぁ、相手のセンターはゴリラみたいだが、負けんなよ。」



赤木「くしゅん。」


三井「どうした?風邪か?」


赤木「い、いや。大丈夫だ。」


神奈川もコート入りした。



観客「こらぁああああ。神奈川!!てめぇら生きて帰れると思うなやーーー。」



観客「負けたら、母ちゃんに慰めてもらえやーー。」



晴子「(キーーーー)プンプン。この雰囲気だいっきらい。」


桜木「はっはっは。弱虫どもが吠えてるな。」


彩子「この子はやっぱりすごいわね。この雰囲気に全く動じていない。」


そんな雰囲気の中、いよいよ試合が開始された。




(続く)
posted by だんす at 07:09 | Comment(0) | TrackBack(0) | 国体編

2015年06月12日

スラムダンク その後 〜Another Story 国体編 Part19 天才参上

晴子「桜木くーん。」


リハビリをしている桜木に声がかかる。


桜木「は、晴子さん。ど、どうしてここに?


   (まさか、この天才が恋しくて?)」
   
   
彩子「なーにを期待してるのよ。さぁ、行くわよ。」


桜木「あ、彩子さん。ど、どうしてここに?」



彩子「何を同じ質問を繰り返しているのよ。さっさと用意して。」



筋肉オヤジ「はっはっは。かわいいねーちゃんがお見舞いに来てくれて興奮してんなー、赤坊主。」


桜木の主治医である筋肉オヤジが入ってきた。


筋肉オヤジ「安西のオヤジがお前を連れて試合を見に行きたいといってな。


      最近、リハビリも頑張っているからちょっとしたご褒美だ。」
      
      
桜木「ぬ!?オヤジが?」


(ガチャ)


安西「おや、桜木君。聞いてなかったのかね?今から名古屋に出発ですよ。」


桜木「名古屋!?国体か?」


安西「そうです。明日の午後から神奈川代表と大阪代表の試合です。


   湘北のメンバーの頑張りと冬の選手権に向けて、桜木君の課題を見つけに行きましょう。」
   
   
桜木「この天才に限って課題などなーーーい!」


   
晴子「桜木君、インターハイの時に、私が行ったことを覚えてる?

  
   桜木君の成長することが一番、全国制覇に近づくのよ。
   
   
   安西先生と一緒に行きましょう。(私も流川君を見に行きたいし。)」
   
   

桜木「は、晴子さん、行きましょう。行きましょう。」


筋肉オヤジ「ふっふっふ。そうと決まればこれが遠征中のリハビリメニューだ。


      サボらずやってこい。」
      
      
桜木「これだけでいいのか?この天才には物足りない量だぞ。」



筋肉オヤジ「はっはっは。元気だな。それと、これも忘れるな!」


筋肉オヤジが差し出したのは、特製プロテインだった。



桜木「(どっどーーーん!)こ、これだけは・・・。」



桜木は、毎日飲まされている激マズ特製プロテインが大の苦手だった。


筋肉オヤジ「これで、良質な筋肉が構築されるんだ。さっきのメニューがすんだら

   
      必ず飲むんだぞ。」
      
      
彩子「さあ、着替えも持ってきたんだから。神奈川メンバーが負けるまでは名古屋よ。


   さあ急いで、バスに乗り込むわよ。」
   

安西がバスをチャーターしていた。


そんなやり取りがある病室で行われ、バスに向かうとそこには、陵南の田岡監督、福田が乗っていた。
   

桜木「フクちゃん!?」


田岡「あ、安西先生。このたびはご一緒させていただくことになりありがとうございます。」



安西「呉越同舟ですよ。これから湘北が強くなるには、陵南高校にも強くなってもらわねば困ります。


     福田君。調子はどうですか?」
     
     
福田「・・・。歩けるくらいにはなったが、練習はまだだ。」


田岡「こ、こらっ!ちゃんと敬語を使え。」


安西「ほっほっほ。順調に回復して何よりです。それでは出発しましょう。」


(試合当日)


試合会場では、山王工業が一足先にベスト8を決めていた。



河田「さて、今日は注目だな。」


深津「神奈川がシードだが、大阪もなかなかやるピョン。


   いい勝負になると思うピョン。」
   
   
そこへ、桜木が現れた。



河田「おおっ。赤坊主。怪我の具合はいいのか?」


桜木「ぬ。ま、丸ゴリ。この天才は、ケガなどに負けるはずがない。


   今回は、3年生に花を持たせただけだ。
   
   
   本来なら選ばれて当然だからな。」
   
   
   
河田「まぁ、ケガがそれほどでもなくてよかったな。



   冬の選手権には出れそうだが。次は負けねぇぞ。」
   
   
   
桜木「はっはっは。せいぜい庶民どもはしっかり練習をしなさい。


   天才に追いつくために。」
   
   
河田「相変わらずだな・・・。」



宮城「おっ!花道、どうしてここに?」



桜木「リョーちん。オヤジに連れてきてもらったんだ。」


彩子「リョータ。しっかり練習してる?」


宮城「あ、アヤちゃん。き、来てくれたの?手紙ありがとう!」



彩子「落ち込んでなくてしっかり頑張るのよ。


   そして、冬の選手権も私を全国に連れていくこと!」
   
   
赤木「晴子!よく来たな。安西先生、どうもありがとうございます。」



安西「ほっほっほ。今日の試合は期待していますよ。


   赤木君の頑張りに期待していますよ。」
   
   
   
そんな中、二人の人影が遅れて入ってきた。



流川と三井だ。二人ともあくびをしていた。
   
   
   
高頭「遅いぞ、二人とも。スタメンを外すことも検討しないとな。」


三井「さ、さっさ。こちらにお座りください。監督様」



宮城・清田「(ず、ずりぃ)」


高頭「まあよい。今日の試合は、思い切って走り回ってこい。



   相手が得意としているラン&ガンで競り負けるな。」
   
   
   
高頭の言葉は続いた・・・。








(続く)
posted by だんす at 00:05 | Comment(0) | TrackBack(0) | 国体編

2015年06月07日

スラムダンク その後 〜Another Story 国体編 Part18 高揚と不満

大阪選抜との一戦を翌日に控えた旅館では、各高校ごとに部屋が分かれて泊まっていた。


湘北の部屋では当然責任者は赤木だった。


赤木「明日は、全力で勝ちに行くぞ!」


小さなころからの夢だった全国の舞台に優勝候補の一角として難敵と戦うことで気持ちが高揚していたのだ。


宮城「せいぜい神奈川代表として頑張ってください。」


宮城は少し拗ねていた。牧、藤真と二大巨頭が神奈川にはPGとして君臨し、


まして恩師である安西から現時点では、二人に及ばないと言われていたからだ。


事実、高頭もスタメンから外しており、格下の北海道戦ですら出番がなかった。



三井が珍しくまじめな顔をして話し始めた。


三井「宮城よ。いつまで拗ねているんだ。お前はまだ二年だ。


   二年で神奈川代表に選ばれている奴がどのくらいいる?
   
   
   中には一年で選ばれている例外もいるが、そんなのはまれだ。
   
   
   選ばれていることだけでもすごいことだぞ。」
   

宮城「フン。試合に出られる人は言うことも立派ですね。」


   
三井「なんだと!っていつもなら怒るところだが、今日は安西先生から


   手紙を預かっているんだ。こんな時に宮城に渡してくれと。」
   
   
宮城「安西先生が!?」


三井は宮城に手渡した。


(安西の手紙)
安西「宮城君。先日は厳しいことを言いましたね。ひょっとして落ち込んでいるのではと思い


   この手紙を書きました。
   
   
   先日君に言ったことは事実として受け止めてほしいと思います。
   
   
   だが、君なら牧君を超えられる。そう思ったから、現実から目を背けてほしくないから
   
   
   あえて厳しいことを言いました。
   
   
   冬のインターハイがラストチャンスです。それを逃したら牧君、藤真君は卒業してしまいます。
   
   
   来年は君の神奈川では君の天下になるでしょう。しかし、それでは湘北が全国制覇はできません。
   
   
   君には神奈川NO1ではなく、全国NO1を目指してほしいのです。
   
   
   それには、今年のうちに牧君を追い抜いてほしいのです。
   
   
   国体はおそらく出番はないでしょう。
   
   
   しかし、牧君のプレー、藤真君のプレーを直接見るまたとない機会です。
   
   
   1秒たりとも無駄にせず目に焼き付け彼等の良いところや悪いところを見てください。
   
   
   なんといっても湘北の切り込み隊長はあなたです。
   
   
   成長して帰ってきてください。期待しています。」
   
   
宮城「・・・。あ、安西先生・・・。」


宮城は涙ぐんでいた。自分の心の狭さに苛立ちもあった。


その時、一枚の紙が落ちた。


宮城は拾った。


それは彩子からの手紙だった。


彩子「リョータ!あんたは、あんたのいいところがあるんだから。


   誰かのまねをするんじゃなくてあんたのいいところでNO1になりなさい!」
   

短い文章だが宮城の心を打った。


宮城「アヤちゃん・・・。」


三井「安西先生から手紙をもらうなんていいなぁ・・・。なんて書いてあったんだ?」


宮城「これは、俺の宝物にするんだ。安西先生の期待に応えるまで誰にも話さねぇ。」



赤木「フッ。宮城の奴。吹っ切れたかな。ところで、流川の奴が見当たらんが


   どこに行った?」
   
   
三井「ずっとそこで寝てるじゃないか!」


赤木「な、なにぃ!どこまでもなめた態度をとりおって。」


その時、部屋がノックされた。


藤真だった。



藤真「赤木、高頭監督が呼んでいる。監督室に来いと。」


赤木「高頭監督が?」


(監督室)


高頭「よく集まってくれた。招集した理由は他でもない大阪選抜戦についてだ。」


集められたメンバーは、牧、藤真、赤木だ。


高頭「赤木よ。湘北はこの夏、豊玉と対戦したがどういうイメージだ?」


赤木「はっ。豊玉は、最初はぎこちなかったですが、途中からペースを取り戻し


   本来の姿を取り戻してからは、Aランクの評判通りの強さでした。
   
   
   正直、最初から最後まであの勢いで来られたらやばかったかもしれません。」
   
   
高頭「やはりそうか。ちょっと集中力を欠いていたように見えたからな。」


牧「今回の大阪は、大栄学園の土屋が南、岸本、板倉という豊玉のスコアラー3人をうまく使ってくるだろう。」


藤真「南は、勢いに乗せたらちょっと怖いかもしれん。」


高頭「そうか、翔陽も昨年豊玉に負けているか。おっと、すまん。」


藤真「いえ、気にしないでください。」


牧「まあ、ケガさえしなければな。」


藤真「そう気にするな。負けたのは事実だ。


   しかし、明日は厳しい試合になるだろう。
   
   
   高さで勝負しようとしていますか?」
   

高頭「ん・・・。いや、ラン&ガンで勝負しようと思っておる。」


赤木「そ、それは、安西先生と同じ考えでしょうか?」


高頭「安西先生?」


赤木「そうです。安西先生が豊玉戦の前に、相手の得意な展開ででも勝てないと

   
   山王には勝てないと。」
   
   
高頭「そうか。安西先生はあの試合の前に、そんなことを・・・。


   しかし、半分正解で半分外れだ。」
   
   
藤真「私が監督でも同じ戦略をとります。


   このチームは、高さでも勝負できなくはないが、スピードを活かすのが
   
   
   一番いい。牧が捌いて、仙道、流川が活きる。
   
   
   赤木がセンターでどっしり構えて、三井の長距離砲もある。」
   
   
高頭「(・・・。同じことを考えておったか。さすが監督もこなしているだけあるな。)」


牧「フ。何にせよ、明日は全力でプレーするのみだ。」



全国の注目の一戦が始まろうとしていた・・・。
   




(続く)
posted by だんす at 23:40 | Comment(0) | TrackBack(0) | 国体編

2015年06月04日

スラムダンク その後 〜Another Story 国体編 Part17 初戦


高頭はさらに続けた。

高頭「今回の神奈川選抜の目標は何だ?」


清田「もちろん優勝です!」


高頭「そうだ。優勝が目標だ。優勝できなければ、海南単独チームを捨てた意味がない。

   
   私は心を鬼にしてでも優勝を狙いに行く。」
   

高頭の厳しい一言に、皆、我に返った。


自分たちは遊びに名古屋まで来たわけではない。


バスケをしに、優勝するためにここまで来たことを思い出した。


藤真「いつでもスタメンを代わってやるぞ。」


牧「フッ。藤真よ、今回はお前の出番はないぞ。」


   
赤木「全国制覇をするために全力を尽くすしかない。」


三井「まあ、そういうこった。湘北のメンバーが3人もスタメンだ。

   責任重大だな。」
   
   
流川「関係ないっす。」


彦一「仙道さん。このチームの中では、どんな役割になるんやろか?

   
   流川君がおるからそれほど点取りにいかんでもよさそうやけど、
   
   
   PGには牧さんもおられるし。」
   
   
仙道「まあ、なるようになるさ。流川と得点争いをするのも


   面白いかもな?」
   
   
流川「ぜってぇまけねぇ。」


そんなやり取りが行われていた1日後、とうとう高見沢高校との試合が始まった。


牧「ぶっちぎるぞ!」


赤木「おぉ!」


ティップオフは、赤木が制した。



観客「おぉーーー、たけぇ。」


そのボールを素早く流川がキャッチした。


高見沢高校のSFの立川が流川のマークについた。


立川「君が流川君か。全日本ジュニアに選ばれたすごい1年生なん・・・?」


ッとしゃべっている間に、あっという間に流川が抜き去っていた。


立川「ええっ!」


難なく流川がレイアップシュートを決めた。


立川「き、汚ねぇ。」


流川「フン。」


高見沢高校の攻撃が開始された。


彦一「おおっ。いきなり仙道さんのスチールや!!」


仙道「ソッコー。」


仙道から矢のようなパスが牧に。


牧は、自ら切れ込みゴールを決めた。


神奈川 4

北海道 0


高見沢高校の監督 富田は、声をかけた。


富田「一旦落ち着け。自分たちの持ち味のチームワークで対応するんだ。」


しかし、監督の富田自身が焦っていた。


富田「(さすがに、強いな。)」



時間がたつにつれ、実力の差が顕著になってきた。


立川「はぁ、はぁ。こ、こんなに離されるのか・・・。」


第4Q も残り3分になると点差は想像以上に開いていた。

神奈川 102

北海道 36


弥生「ここまで開くのね。」


中村「さすがですね。この勢い。神奈川は優勝候補に挙がるだけありますね。」


弥生「・・・。(仙道君、イカすわー)」


その頃、大阪選抜は


岸本「さぁ、帰ろうぜ。何の参考にもならん。実力差が離れすぎてる。」


南「あぁ、そうだな。流川の奴は、ますますうまくなっているな。何とかアイツを止めないとな。」


岸本「まあ、大したことあらへん。この間は油断して負けただけや。今回は俺らの相手ではないわー。」


土屋「・・・。しかし、強いな。牧、流川だけをマークしておけばよいかと思っていたが、


   このチームは高さもある。赤木もパワーがあるし。
   
   
   これは、楽な試合にはならんわ。あの仙道とかいうやつも目立たんけど、時折、センスある
   
   
   プレーをしてるわー。」
   
   
岸本「けっ。心配屋さんやなぁ。明日は俺が活躍して神奈川のメンバーをびっくりさせてやるわー。」



((ピピーーー))


試合が終わった。


最終的に、84点という大差がついた。

神奈川 124

北海道  40


高頭「よーし、よくやった。」


高頭は、なんとこの試合メンバーをほとんど入れ替えなかったのだ。


三井「はぁ、はぁ。しかし、なぜこんなに大差がついたのに、選手を交代しなかったんだ。」


赤木「ハァ、ハァ。わからん。」


宮城「ちっ。出番なしかよ。」


高頭は続けた。


高頭「この試合は実力差があり過ぎた。せめて、スタミナが切れた際でも

   
   ちゃんと動けるかという課題を与えようと思ったが、あまり効果がなかったな。
   
   
   (しかし、相手が弱いとはいえ、このチームは思ったより連携がよいな。)」
   
   
高頭は、満足だった。そして、メンバーを慰労し、宿舎へ帰った。







(続く)


posted by だんす at 23:31 | Comment(0) | TrackBack(0) | 国体編

2015年05月30日

スラムダンク その後 〜Another Story 国体編 Part16 苦渋の選択

高頭は、続けた。


高頭「北海道 高見沢高校は、ハッキリ言ってとびぬけた選手はいない。

   サイズも大きくない。チームワークで勝ち上がってきたチームだ。
 
   大阪混成チームの仮想チームとしては、少々物足りないが、
 
   チームカラーは同じようなものだ。」
 
 
彦一「さすが、監督さん。要チェックノートをよく見て下さってはる。」


高頭「明日は、圧勝して次の大阪戦に弾みをつけるぞ!


   スタメンを発表する。
   
   
   牧、赤木、仙道、流川、三井。
   
   
   この5人だ。」
   
   
神「・・!!」


清田「じ、神さん。」


彦一「か、神奈川得点王の神さんが外れた?」


三井「よっしゃーーー!さすが、海南の監督は見る目があるぜ!」


神がスタメンを外れた・・・。


少なからずチーム内に衝撃が走った。


2年生とはいえ、神奈川の得点王であり、監督も海南の監督である高頭。


神がスタメンであることは当確と思われていたからだ。


高砂「・・・。神よ、お前のことだからわかっていると思うが、


   スタメンがすべてじゃないぞ。」
   

神「わかってます。」


神もうすうす感づいていたのだ。練習試合で見せた三井の勝負強さと


勢いに乗った際に手が付けられなくなる感じ、チームに勢いを乗せるためには、


自分より三井の方が向いているのではないかと。



高砂「神、三井の調子がイマイチだったら、すぐに出番があるぞ。


   気を抜かず、調子を整えておけよ。」


牧「・・・。(神を外したか・・・)。」

   
   
高頭苦渋の選択だった。


大会前・・・。


安西監督と田岡監督のと高頭監督との三者会議が行われていた。



田岡「高頭よ。スタメンはどう考える?ポイントガードはどうする?


   やはり、牧か?」
   

安西「神奈川NO1のガードは紛れもなく牧君です。


   藤真君も双璧をなす実力の持ち主ですが、夏のインターハイの
   
   
   経験が大きい。今は牧君が一歩リードしている。
   
   
   宮城君も現時点では二人に及ばない。」
   
   
田岡「安西先生・・・。先生にそういってもらえてホッとしました。


   藤真もこのチームに思ったよりフィットしていたので、
   
   
   少し悩んでいました。」
   
   
田岡「安西先生!


   SGは、どう思われますか?先生の秘蔵っ子の三井と神ですが。」
   
   
安西「私が監督なら三井君を選びます。


   ブランクがあったため、自信を無くしていたが、今は自信をもってプレーができている。
   
   
   スタミナ切れもほぼ心配ないくらい鍛えています。もともと持っていたセンスが
   
   
   さらに磨かれています。
   
   
   ひょっとするとこの国体。一番のキーマンになるかもと思っています。」
   
   
高頭「・・・そうですか。


   私は、神の安定感の方が監督として安心感があります。采配を振るいやすい。」
   

   
田岡「安西先生。高頭。どちらとも対戦したことがある第三者の立場から言わせてもらうと、


   神は確かに安定している。3Pも外さない。しかしな。怖さがない。
   
   
   相手チームからすると何とかなる気がするんだ。まあ、予選では止められなかったんだが・・・。
   
   
   しかし、三井は正直怖かった。
   
   
   止められる気がしなかった。あとからポイントを見てみると、そこまで
   
   
   点を取られていなかったんだがな。」
   
   
高頭「・・・そうですか。」



安西「しかし、神君もいい選手なのは間違いない。」


高頭「・・・、考えさせて下さい。」


高頭は、神の努力を知っていた。天性の才能に努力が負けるということは、海南の


バスケを否定することでもあった。


高頭はこのやり取りの後、海南に戻り、牧とも話をしていた。


高頭「牧よ。三井をどう思う?」


牧「三井ですか?」


高頭「やりやすかったか?」


牧「そうですね・・・。やりやすいというのとは違いますが、頼もしかったですね。


  神は、こっちがうまく捌いてやるっていうイメージですが、三井は、いい意味で対等。
  
  
  要求もしてくるし、こちらが思いつかないようなことをやってくれます。」
  
  
高頭「・・・。そうか。」


牧は、この時に、監督の悩みを理解した。そして、神を外すのではないかということも


感じていた。



(続く)
posted by だんす at 15:50 | Comment(0) | TrackBack(0) | 国体編

2015年05月24日

スラムダンク その後 〜Another Story 国体編 Part15 初戦の相手

その頃、神奈川チームは、

高頭「よーし、集合だ。」


高頭が集合をかけていた。


高頭「いよいよ、この後、開会式だ。そしてその後、第2会場へ移動だ。

   お前たちが2回戦で当たる対戦相手の研究だ。」


宮城「北海道の高見沢と福井選抜の勝者と当たるのか。


   どっちもインターハイでは1回戦で負けているレベルだ。


   大したことねーな。」


三井「まっ、そうだな。俺たちなんといっても第2シードだからな。」


赤木「馬鹿もん!!油断大敵だ。」


赤木が怒鳴った。


しかし、珍しく高頭が


高頭「確かに、初戦は問題ないだろう。ほぼ間違いなく勝てる。」


智将高頭がここまで断言することは滅多になかった。


選手に対する戒めをいうことが多かったからだ。


牧、高砂が見たことがない高頭だった。


高頭は続けた。


高頭「問題は次だ。ほぼ間違いなく大阪が上がってくるだろう。」



ベスト4に入った土屋率いる大栄学園と湘北が勝った豊玉の混成チームだ。



藤真「大阪か・・・。」


藤真は豊玉の南を思い出していた。


昨年のインターハイでひじ打ちを食らった因縁の相手だ。


花形「まあ、そう熱くなるなよ。まずは初戦突破してからだ。」


と翔陽チームが話している一方で、


彦一「おおーー。負けられへんで〜。仙道さん、この大阪の土屋は要チェックですよ。


   仙道さんとタイプが似てはるんですわー。前に言ったでしょ?」


仙道「・・・。そうだっけ?」


彦一「(どっどーーーん!)ひ、ひどすぎまっせ!」


池上「ま、まぁそういうな。お前のチェック量がハンパなく多いからこっちも整理が大変なんだ。」


湘北チームは、

宮城「豊玉の奴らは、俺たちの敵じゃなかったしな。NO1ガードの俺様の敵じゃなかった。」


三井「俺様の3Pで勝負を決めるかな?」


清田「どっちも補欠のくせに・・・。」(ボソッ)


三井・宮城「ああぁあああ!」


清田「な、なんで聞こえるんだよ。なんて地獄耳なんだ。」


赤木「すまんな。牧」


牧「いや、お互い様だ。しかし、大阪戦は、期待してるぜ。

  平面の勝負じゃなくて、高さの勝負にしていきたいからな。」
  

そんなやり取りの中、開会式が開催された・・・。


昨年の優勝校、山王工業による優勝旗返還が行われた。


赤木「あれが、全国制覇の証か。今度こそ悔いは残さんぞ。」


ひそかに、牧と藤真も心に秘めるものがあった。


3年生にとって国体も最後の大会の一つだからだ。


三井もひそかに考えていた。


何とか活躍して、大学の推薦を勝ち取りたいと。


勉強では決して大学の道がないため、バスケで行くしかないと。


まだ、バスケをやめたくない。棒に振った2年間はまだ取り戻せていないと考えていた。



そんなこんなで、開会式も終わり、第2会場へ足を運んだ。


初戦の相手が決まった。


宮城「北海道が次の相手か。特に目立った選手もいなかったな。問題は、誰がスタメンかだ。」


三井「まあ、お前は今年は勉強だ。安西先生にも言われたんだろ?牧に勝てないって。」


宮城「くっ!安西先生は今はって言ったんですっ!すぐに追い抜いてやる。三井さんこそ、


   神がチームAでしたよ。出れる保証はないんじゃないんですか?」
   
   
三井「くっ!お、俺は神なんか相手じゃねぇ。スーパースターの俺が出なくてどうするんだ。」


三井・宮城「どう思う?流川?」


流川「・・・。なんとも。」


三井・宮城「き、聞いた相手が悪かった。」


そんな中、高頭が


高頭「よーし。北海道戦のスタメンを発表するか。」



(続く)
posted by だんす at 18:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | 国体編

2015年05月23日

スラムダンク その後 〜Another Story 国体編 Part14 会場入り

今年の国体は、愛知県で開催される。


そう、優勝候補の一つである愛知県であり今大会の第1シードだ。


夏のインターハイを制した名朋工業、ベスト4の愛和学院の混成チームだ。


そして、神奈川は、海南がインターハイで準優勝したため、第2シードに選ばれていた。


宮城「全国で第2シードになるとは。秋田より上だぜ。」


三井「まあ、俺たちが山王を破ったからだな。」


赤木「馬鹿もん!単純に海南が2位になったからだ。図に乗るな!」


そういう赤木の顔もまんざらではない。今までは、県予選を突破することすらなかった


自分達が選抜チームとはいえ、第2シードなのだ。


第3シードが福岡。夏のインターハイでベスト4だった博多商大付属の単独チームだ。


そして第4シードが秋田。


なんと、今年は山王工業単体チームではなかった。


そうはいっても、山王工業に一人他校の選手が加わっただけだが・・・。


その選手は、堂本監督が自ら進言し、チームに引き入れたのだ。


秋田県予選時のその選手のプレーがあまりにも華麗で、沢北と同じ匂いを感じ取ったのだ。


その選手の名は、秋田大付属高校2年生の中山だ。


中山「僕、山王工業のプレーについていけますかね?」


堂本「フッ。中山よ、合宿でのお前のプレーは、うちの選手たちと差がなかっただろう。


   もっと自信を持て!」


中山「ええっ!じ、自信もっていいんですか?本当に!?やったー天下の山王の監督に褒められたーーー!」


深津「中山、少し静かにするピョン。・・・ピニョン。」


松本「(また、間違えた。ピョンのままでいいのに。)」


深津は、他校の選手が入ることに少し不満を持っていた。


しかし、それこそが堂本の狙いの一つでもあった。


堂本は、夏のインターハイで負けたことで、練習自体はしっかり行っていたが、テンションが


あがらないメンバー達に喝を入れるためとアメリカに留学するため、今大会に参加しない沢北の


戦力を補うこともその狙いの一つだった。



弥生「要チェックやわ。あの山王がいくらインターハイで敗れたとはいえ、混成チームで来るとは


   想像もつかへんかったわー。」
   
   
   
中村「確かに要チェックですね。」


(バシッ!!)


中村「痛ッ!」


弥生「なーにが、要チェックですねよ。あんたがその言葉を使うのは10年早いわ。


   もう少し言葉を選びなさい!」


中村「そ、そんなこといったって。」



弥生「しかし、沢北君がアメリカに行って戦力ダウンだと思うんだけど、中山っていう選手が


   どの程度やるか気になるわね。」


中村「昨日、調べたところ、山王工業と県大会であたっているんですよね。

   その際に、秋田大付属は、120-58で敗れているんですが、その58点中42点が

   中山選手が決めているみたいです。」


弥生「何が昨日調べたよ。そんなのは記者なら知っていて当然よ。


   大差で負けているから気にもしなかったけど、あの山王工業から42点も取ったってすごいわね。


   この大会出番があれば要チェックね。」








(続く)
posted by だんす at 23:16 | Comment(0) | TrackBack(0) | 国体編

2015年05月17日

スラムダンク その後 〜Another Story 国体編 Part13 国体メンバー発表


1週間後、田岡より高頭に電話が入った。


正式に福田の国体出場辞退を田岡から高頭に伝えた。


田岡「しかし、高頭よ。補欠を入れておいてよかったな。


   結果的には、戦力のバランスという意味ではこのメンバーの方がよかったかもな。」


高頭「・・・。すみませんでした。」


田岡「まあ、そう気にするな。福田も全治2週間だ。

   
   アイツも課題を見つけた。守備を向上させるにはどうしたらよいかということを


   聞きに来た。そういう意味では、今回の合宿はプラスになった。」


高頭「そうですか、冬は手ごわくなりそうですね。」


田岡「負けんぞ!しかし、その前に、池上、仙道をよろしく頼む。」


高頭「わかりました。全力で勝ちに行きます。」


次の日、合宿に参加していたメンバーが集められた。


高頭「集合だ。」

--

その頃、



桜木はリハビリに専念していた。


合宿のメンバーの動きを見ているとバスケをしたくてたまらなくなってきていた。。


桜木「筋肉オヤジ(桜木の主治医のこと)!俺の完治はいつだ!」


筋肉オヤジ「フフッ。そう急ぐな。せいてはことを仕損じるだ。


      あと一か月みっちりリハビリと柔軟体操、そして再発防止のために、


      背筋をさらにつければ、俺のようなアイアンボディーになれる!」


桜木「ちがーーーーう!アイアンボディーになりたいわけではなーーーい!


   バスケがしたいんだーーー!」


筋肉オヤジ「そうか!?俺の後継者になれるくらいお前の体には魅力があるがな。


      はっはっは。まあ、バスケのゴール下も戦場だって何かの漫画で読んだぞ!


      筋トレもしっかりしておけ。あと一か月しっかりがんばれ!」


桜木「くっそーーー。」

--

高頭よりメンバーが発表された。


国体 神奈川選抜メンバー

キャプテン 牧紳一

副キャプテン 赤木剛憲


海南大付属高校
 神宗一郎
 高砂一馬
 清田信長
 
湘北高校
 三井寿
 宮城リョータ
 流川楓
 

陵南高校
 池上亮二
 仙道彰
マネージャー
 相田彦一
 
翔陽高校
 藤真健司
 花形透


清田「福田の代わりが相田?アイツは試合にすら出ていないですよ。他に補充する人がいるんじゃないですか?」


高頭「清田。相田はあくまでマネージャーであって、福田の補充ではない。

  
   福田の補充は・・・・。」


牧「監督、そこからは俺が。」


清田「牧さん!?」


牧「清田よ。もともと合宿のメンバーが13人いたことに違和感がなかったか?


  もともとお前は今回は補欠だったんだ。経験を積むために合宿に参加させていたんだ。


  福田の怪我で急遽お前がメンバーに選ばれたんだ。」


清田「(ずーーーーーーん!!)」


三井・宮城「はっはっは。」



神「信長、しかし、1年で神奈川選抜に選ばれたんだ。それはすごいことだ。


  繰上りとはいえ、立派だと思うよ。」


清田「(じーーーん)神さん。」


三井「どっちにしても出番はないから変わらないけどな。」


清田「そっちこそ3年のくせに補欠チームのくせに(ボソッ)」


三井「ああっ(地獄耳)」


藤真「まあ落ち着け、三井よ。お前は、しっかりアピールできてたと思うぞ。」


神「・・・。」


神の心境は複雑であった。


福田が怪我をした試合では、自分はいいところがなかったうえに、三井に活躍されていたからだ。


先日、牧と会話をしていた。


神「牧さん、どこが僕に足りないですか?」


牧「神・・・。お前に足りないところはない。海南ではな。」


神「海南では?どういう意味でしょうか?」


牧「そこは自分で考えてみるんだ。来年、お前はこのチームを支える必要がある。


  自分を見直すいい機会じゃないかな?」


牧は、安西が言った言葉を思い出し、合宿は神にとってもプラスに働いているなと感じていた。





(続く)

posted by だんす at 22:45 | Comment(1) | TrackBack(0) | 国体編

2015年05月16日

スラムダンク その後 〜Another Story 国体編 Part12 突然のトラブル

チームA  44
チームB  39


流川が返したため、点差は5点。


時間は、1分を切っていた。


すかさず、花形が牧へボールを送る。


時間が一刻と迫ってきているため、牧はすぐに三井へパス。


しかし、フリーになれていない。神がタイトなマークについていた。


神「同じスリーポイントシューターとして、これ以上は打たせませんよ。」


神にも意地があった。


三井「悪いな。今はお前に構っている時間はねぇ。」


そういうと強引なフォームながらシュートを放った。


神「入るはずがない!!」


三井「入らなくていいのさ!」


ガンッ!


跳ねたボールに飛び込んだのが福田。


桜木「おおっ。フクちゃんが!」


赤木も仙道も一瞬三井に気を取られていたため、オフェンスリバウンドを福田に譲ることになった。


ドッガーーン!!

リバウンドを取った福田がワンハンドダンクをかました!!



チームA  44
チームB  41


彦一「おおっ。フクさんもやるでーーー。要チェック過ぎるわー。とても練習試合とは思えん。


   ああっっ!!ノートが一杯になってしもたーーーーーー。しもたーーーー。」


田岡「(うるせーなー)」



しかし、まだ3点差。



仙道が声を発した。


仙道「まだ、3点ある。じっくり攻めていけば問題ない。この一本をじっくり行きましょう。」


赤木「フッ。なぜか安心感があるな。」


この一声でなんとなく浮き足立っていたチームAに落ち着きが出た。


藤真も冷静に判断できるようになってきた。



藤真「仙道。ボールを運んでくれ!」



藤真は自分がボールを運ぶのではなく、自分がポイントゲッターとして切れ込むことが有効だと判断したのだ。



それは、三井がついている仙道より福田がついている自分の方が切り込みやすいとの判断だった。



時計の針が進む。


オーバータイムが近づいたその瞬間、藤真が切れ込んだ。


藤真「仙道、こっちだ!」



藤真が福田を振り切った。


しかし、三井が藤真へのパスコースはしっかり塞いでいた。



だが、その瞬間、仙道から出されたパスは藤真へ向けられたものではなかった。


ビューン!!


ボールを受けたのは流川。


誰もが意表を突かれたが、牧だけが流川をケアしていた。


牧「ここは抜かせん!」



しかし、山王工業戦を得て、流川はセルフィッシュなところが少しずつ解消されてきていた。


流川を経由したことで藤真へのパスコースが空いた。


藤真がボールを受ける。


藤真「よしっ!」


フリーの体制でシュート体制に入ったが、粘っこい福田が追いついてきた。


しかし、無理な体勢でターンをかましたため、追いつけるはずがなかった。



藤真は冷静にレイアップでシュートを決めていた。




チームA  46
チームB  41


藤真「ふぅっ!これで何とか逃げ切れそうだな。」


安堵する藤真。


赤木「よくやったぞ。流川、藤真。」


その一方で、うずくまっている選手がいた。


福田だ。



田岡「福田!!」


彦一「フクさん!!」


陵南の二人が福田に駆け寄る。


ゲームどころではなくなった。


福田「ぐぅぅああああああああ!」


福田はこの練習試合を通じて、自分の守備力のなさに苛立っていた。


また、この国体で活躍するには、攻撃力だけではレギュラーになれないことも


自覚していた。


そういったなか、福田のがむしゃらさが悪い方向へ出てしまった。


安西「おそらく、足をひねったのでしょう。ねんざの可能性が高い。安静にして!彩子君、至急、救急車を。」


彩子「は、はいっ!」


高頭「な、なんてことだ。合宿で優秀な選手を怪我させてしまった・・・・。


   田岡先輩・・・。も、申し訳ありません。」


動揺していた田岡だったが、後輩の高頭を気遣った。


田岡「・・・。高頭よ。福田が怪我をしたのは正直痛いが、これは不可抗力だ。

  
   福田が自分で判断し、選択したプレーだ。お前が気にする必要はない。


   (しかし、捻挫だとすると合宿及び国体の参加は難しいな。


    福田にとって成長する機会がなくなるのは痛いな。)」






 

(続く)
posted by だんす at 00:19 | Comment(0) | TrackBack(0) | 国体編
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