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2018年08月23日

T君来日で思い出されるアメリカの想いで

1984-1985年の1年間、アメリカの高校に留学していた私が感じた小さな町のアメリカ

田舎の町だったし、学校だったから、どの人も素朴で、人をだますような人たちはいなかった
ネット環境もないあの当時、夜の出来事は翌日には皆に知れ渡っているような、情報網が町中に張り巡らされていて、お互いがお互いをケアしているといえば聞こえはよいが、ある意味、世間の目をだますことはできないと感じていた

飲酒年連がその当時は19歳だったアメリカで、18歳の高校生がお酒を飲まないわけがなかった
田舎の町で楽しみといえば、
ボーリングやヘイライド(干し草を積んだトラックの荷台に乗って、牧草地帯を走り回る)
ファウンデーションデーのお祭り(町の創立記念日)、
独立記念日
ステイトフェアー(州で行われる牛の品評会、育てた野菜の品評会と移動遊園地のような祭り)、
キャンプ
ボランティア活動
地元高校のアメリカンフットボールやバスケットボールの試合観戦
などしか楽しみがない

公の場所ではみんなPopを飲んでいるが(Popとは炭酸飲料のこと、東海岸と西海岸ではSodaと呼ぶ)
高校生だけで週末は集まってお酒を飲むことが、一つの楽しみになっていた
あとは御多分にもれず、SEXだ

さて、アメリカの小さな町のコミュニティーでは、とにかく時間の流れ方が都会とは異なる
優先順位も都会のそれとは異なる
人々の繫がりを大切にしていて、よく話をする
日本にいたときは、よくテレビを見ていたが、アメリカにいるときはテレビはそれほどみなかった

まず、ドアを開けるとリビングになっている。そこにテレビがあった
そのリビングへ朝の7時半にもなると、となりの気さくなおじさんが突然やってきて「モーニング」と言って新聞を持ってくる
ホストマザーはもう年金で暮らしているおばあちゃんだったので、隣の家の新聞をまわして読ませてもらっていたのだ。そしてその町の新聞を切り抜いてはスクラップブックに張り付けていた
なんとも無駄のない、新聞の活用の仕方だと思う

そして隣のおじさんは、ひとしきり町の噂話をしていく。
あ〜 これが小さな町の噂が止まらない、止められない、一度流れてしまうと、どうにもならない町の構造なんだなと、目の前の二人の会話を聞いて、はっきりとわかった
本当に話をすることが好きなんだ。小さなことでも情報を交換していく。

「〇〇で××を買ったけどあれだったら▽▽で買った方がいいよ」 
「〇〇さんが◆◆するって言ってるから、自分もそうしようと思ってる」とか

高校生のような若い人は直接リビングへ訪ねていって話をするわけではない
町の中の電話は、基本料金を払えばどこへかけても無料というシステムなので、若者はどんな小さなことでもすぐに電話をかけて、情報交換をする。電話の線も5メートルぐらいあるのは当たり前で、ながーいコードを自分の部屋まで引き入れて電話をしている姿は本当だった

日本は話した分だけ電話代がかかる時代だった
だから、電話は要件をよく考えて、簡潔に話せるように準備してから掛けたものだが、
アメリカでは違った。システムが異なれば、生活様式も違うってことなんだな〜と
漠然と感じていた

さてこれは私の身に起きたこと

実は、ある週末、私は友達の家で結構飲んでしまっていた
うっすらとは覚えているが、数人の男子と人目をはばからずに、メイクアウトしていたとうい自覚はあった
まあ、欲求不満だったんでしょう・・・(笑)
そして、翌日の日曜日の朝、教会のミサを終えて、町で文房具を買っていた私に友達が近づいてきて

「昨日の話聞いたわよ〜楽しかったらしいね」と一言だけ告げて立ち去って行った

あちゃー やってしまったわね〜


どんな言われようをしたのかわからないけれど、一度流れてしまったうわさは回収不要なのはよくわかっていた。そして、人のうわさも75日というのもわかっていた。

Done is Done 

その件に関してはあきらめるしかなかった。でもね〜愛しのマイクもこのこと知ってるんだよね〜
それだけは後悔したかな。まあその時には日本に彼氏もいたので、愛しのマイクではないけれども


その後私への対応が大きく変わったわけではないけれど、男好きな留学生というイメージはついたかもな〜と心に若干の不安を抱えながらも、やはり飲むとやりたい放題の私はかわりませんでした。

でもそんな田舎町の世間の目を気にしながら生活することへの窮屈さと同時に、心温まる人々の絆がそこにはある

ホストマザーの隣の家に住んでいる女性は、ベットに寝たきりらしい
ときどき、車で誰かがやってきては、出ていくのを見たことがある
しばらくすると、ホストマザーも昼時に隣に食事を運んでいるのを見た
彼女に聞くと
「教会で(彼女はカソリック)毎日誰が食事を届けるか決めていて、今日は〇〇さんの代わりに私が届けることになっていたの」
と言っていた。

町の中の弱者に対して、行政だけの対応ではなく、教会のボランティア活動の中でも手を差し伸べるシステムが構築されているのかと、感動したことを覚えている

若干監視されているようでプライバシーがない VS 困った時には手を差し伸べてくれる安心感

こんな感じだろうか

おそらく日本の田舎の町もそんな風にお互いを監視しながらも、お互いを助け合っている文化があるんじゃないかと思いながら、ポーチに座って、裸足で芝生を感じながら、リスが木を登っていくのを眺めて感慨にふけっていたのを今でも鮮明に覚えている

T君来日に、アメリカに想いを馳せて・・・・



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おばさんだけど、挑戦することを放棄したくない。 この年だから広い視野で物事をとらえられる。 少々からだはポンコツで、記憶力もときどき怪しい時があるけれど、いろいろなことにチャレンジしていきたい。悪あがき?でも等身大の私のジャーナルです。
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