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2014年11月12日
★総合文化部は学校部活動改革の「秘策」「奥の手」「うら技」《その5》〈担任odakasanの学級通信〉
★「学校部活動改革」をスムースに進めるための【部活動改革つなぎ4項目】の【4】
【4】サムライ中では、学校部活動に対する生徒・保護者の多様な要望への対応・改善策として、【総合文化部】を新設した。
これまでの美術部、科学部、IT部等を統合したのだ。
生徒が減少し、毎年、部の数を減らしている。
【総合文化部】も新設といえば聞こえはいいが、3つの部を1つの部に統合するのだから、ある意味で、削減策の一環だった。
活動内容は――
美術・文芸・パソコン(含=報道活動・ブログ活動)・科学等。
生徒の希望によって、本校顧問の管理のもとに、教育コミュニティづくり=サムライネットの「サポータークラブ」の方々に協力してもらい、メニューを徐々に増やしている。
日本舞踊=サポータークラブ
文芸=僕
和楽器演奏=サポータークラブ
絵手紙=サポータークラブ
アクセサリーづくり=サポータークラブ
地域の郷土史=サポータークラブ
花壇づくり=サポータークラブ
学校装飾(主に玄関ロビー)=サポータークラブ等々……。
活動は、原則として、週3日程度(土曜・日曜の活動はなし)。
顧問教師は2名体制。
この【部活動改革つなぎ4項目】の【4】「総合文化部」のポイントは次の3点である。
(1)社会教育との連携・融合により、メニューを豊かにして、さまざまなニーズに応える。
(2)活動日に幅をもたせ――(くりかえしになるが)週3日程度、土曜・日曜の活動はなし――民間社会教育団体を含む社会教育活動との両立を可能にする。
(3)学校外活動(他の学校部活動や地域社会教育活動)のガイダンス、あるいはコーディネート機能を果たす。(地区の公民館や地域の社会教育活動との連携・融合が着実に進んでいる。これまでの学校は、ひとつの部活動の継続指導に力を入れ、ガイダンス機能、コーディネート機能は弱かった。)
(1)〜(3)が提示するコンセプトは、これまでのサムライ中にはない新しいものだった。
ただ、これがどのくらいの生徒に受け入れられるかは、あまり期待していなかった。
また「学校部活動改革」という観点からは、ま、広い意味ではその範疇に入るが、僕らが進めようとする「改革(=社会教育への移行)」とは切り離して考えていた。(正直にいうと、【部活動改革つなぎ4項目】は当初は【3項目】だった。)
★だが、実際に活動が始まると、【総合文化部】は予期しなかった様相を呈してきた。
とにかく、とにかく、大人気なのだ。
入部者が殺到!
入部予約をしてきた小学6年生までいる。
既存の運動部・文化部の中には存続が危ぶまれる部も出てきた。
ここまで書くと、既に気づいた方もあるのではないか?
大人気の「総合文化部」が、僕らが進める【部活動改革】の「秘策」「奥の手」「うら技」となる目が出てきたのだ。
歴史を振り返ると、「学校部活動」のスタートは、現在の保育所&幼稚園の「一時預かり事業」に似ている。
当時、放課後は、たいていの子どもは家庭や地域に居場所があった。
ところが、都市部では居場所がなく、繁華街をぶらつく、たむろする子どもたちがいた。
見かねた商店主たちが学校に「めんどうを見てやってもらえないだろうか」と相談を持ちかけたのが始まりだ。
これが、50年後、100年後、「巨大な文化・スポーツ総合ランド」に変貌した。
学校が本務の学習活動とは別に、(全員強制加入の)【巨大文化・スポーツ総合ランド】を丸抱えすることになった。
「一時預かり」レベルなら、他に引き受け手はある。
だが、(全員強制加入の)【巨大ランド】となると、とてもではないが、どこにも引き受け手はない。
これまでの経験から、日本全国の公立中学校で【全員強制加入制から任意加入制への切り替え】が実現すると、【巨大ランド】は、2、3年で「2分の1」程度、数年で「3分の1」程度の規模になる。
「3分の1」くらいになれば、社会教育側で引き受けることも可能になる。
ところが、この【任意加入制】への切り替えがなかなかむずかしい。
《その3》で示したように、【任意加入制】を支持する保護者は【23%】にすぎない。
校長会だと、もっと厳しい数値になるかもしれない。
何年かかっても僕はこの数値を動かすことができない。
【23%】の反対、すなわち【77%】が、今、僕の前に大きく立ちはだかっている。
★【総合文化部】は、この【全員強制加入から任意加入制への転換】なしに、巨大ランドの「2分の1」化、「3分の1」化を実現する。
スゴイことではないか!
「秘策」「奥の手」「うら技」といったのは、こういう意味だ。
半分冗談だ。
しかし、半分本気だ。
このことについて、今、僕のうちに【2つの声】がある。
――というところで紙幅が尽きた。
【つづき】は次回の「学級通信」に書くことにする。
なお、「学校部活動に対する、2人のお母さんの【静かな抗議】」シリーズは、この【その5】をもって終了する。
Aさん、Bさん、ほんとうにありがとうございました。
★画像=CD「バッハのチェンバロ名曲集」。
最近、バッハばかり聴いている。
スピーカーがバッハに合ってきた。
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