物理学の新しい分野を切り開いた先人でした。2020/11/12の夜に老衰の為、都内の病院でお亡くなりになりました。享年94歳の大往生です。
小柴昌俊は物質の基本元素を構成する素粒子の1つニュートリノを観測にかける事に成功しました。その結果をもとに今ではニュートリノ天文学という新しい分野を確立しました。ニュートリーノは星の進化過程で発生します。驚いたのですが、ニュートリーノを観測にかけたのは、小柴昌俊が東京大学を定年退官する一月前の観測でした。強運を指摘された小柴氏は「運はだれにでも等しく降り注ぐが、捕まえる準備をしているのか、していないのかで差がつく」(のですよ)、と反論しました。
東京大学宇宙線研究所に所属しているの梶田隆章は小柴昌俊の弟子にあたりますが、ニュートリーノに質量がある事を示しノーベル賞を受けています。また、戸塚洋二も小柴昌俊の弟子にあたります。朝永振一郎から可愛がられた若かりし時代を経て梶田隆章教授、戸塚洋二教授を育てたのです。
小柴昌俊は俊岐阜県飛驒市にある鉱山地下、1000メートルに3000トンの水を使った、巨大装置、カミオカンデを建設し、天体からのニュートリノを観測しました。その装置ではニュートリーノが飛来する方向、観測した時刻、エネルギー分布を明確に検出します。実際に観測をしました。カミオカンデの主目的はニュートリーノではありませんでしたが、ニュートリーノも観測したい、という2段作戦で成功を得たのです。小柴昌俊はそうした結果を使いニュートリーノ物理学を進めたのです。何より彼は大変な努力家でした。そんな男が大きな仕事を成し遂げた後、静かな眠りに落ちたのですね。大きなお悔やみを申し上げます。合掌。
〆
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2020/11/12_初稿投稿
2021/02/05_改定投稿
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