小林誠は理研創設時の時代に理化学研究所で活躍し、
ノーベル賞で名をはせた名古屋大学の理学部教授です。
言われてみたら、なのですが、
元内閣総理大臣の海部俊樹と顔つきが似ています。
海部俊樹と小林誠は従妹の関係で、
小林誠は幼少時代に父を亡くしているので
従兄弟の居る海部家で生活していた時があるそうです。
無口な小林誠を年上の海部は「マー坊」と呼び
可愛がっていたそうです。
小林の研究での真骨頂と言えば素粒子物理学が発展
していく中での成果でしょう。いわゆる「CKM行列」
と呼ばれる定式化が絶妙です。素粒子の一つである
フレーバーが変化していく前後の関係を数学的に記述します。
BCS理論のBがバーデン教授であるようにCKM行列の
Kが小林博士という訳です。また、
反応の対象となるのは亜原子と呼ばれる素粒子で
大きさスケールで考えたら原子核の
構成要素のサイズだと考えて大きな間違いはありません。
初学者はむしろ、空間的な大きさよりも
相互作用の反応が及ぶ距離や
ファインマンダイアグラムと呼ばれる
反応の順序(過程)を大事にしてください。無論、波動関数が空間的に広がっていく様子を大まかに把握しておくことは有益です。
小林は名古屋大学の坂田晶一の指導の元で博士号をとります。当時の研究テーマは「軽粒子ハドロン散乱と流れ代数和則」でした。その後は京都大学などで研究を重ねますが、更に人脈に恵まれ増川敏英らと議論研究を続けます。加速器を使った理論物理学の発展をしていきます。加速器で個別粒子のエネルギー状態を通常と異なるレベルにして、そうした状態の挙動から知見を得るのです。
研究対象の亜粒子は弱い相互作用に関与するウィーク・ボゾンとクォークで、反応の前後を「CKM行列」を使って定式化したわけです。
また、小林誠は教育に関して発言してます。2008年に教科書検定に対して政治家に「読む気を失わせる」内容だと意見しているのです。その意見は至極納得出来るものです。
理論の初学者が理論体系を理解していく作業では、興味関心を持って「体系が分かったぞ」と思えることが最重要です。例えばニュートンの力学系が理解出来て実験結果に合致していくモデルは後に仕事をしていく上で活用できます。業務の体系を早く理解して論理的に作業や交流が出来るのです。
ただし理路整然と物事が理解、感動出来るのは一部の生徒だけで、多くの生徒は体型の理解が面倒で理解するだけで疲れて何も残らないものです。
より重要なのは体型が納得出来るストーリーだと小林は説きました。私が考えても「構築された理論の体系性」よりも「理論で感動出来るストーリー」なのだと思えます。お仕着せの学習で生徒の作業能力を高めるだけでは教育として不完全です。
〆
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2022/10/01_初稿投稿
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